「ムグンファ号ってまだ走ってるの?外国人でも予約できるのかな」——KTXの運賃を見たあとにこの疑問にたどり着く人、意外と多いはずです。韓国の鉄道には무궁화호(ムグンファ号)のほかにも呼び名がいくつかあり、しかも近年は世代交代の途中にあるため、少し調べただけでは今の状況がつかみにくい分野でもあります。この記事では、ムグンファ号を軸にした在来線の予約方法と、KTXとの選び方を整理します。
ムグンファ号は今も通常運行を続けており、外国人でも「코레일톡」から改編された「코레일+(コレイル プラス)」アプリや駅の窓口・自動発売機から問題なく予約できます。ソウル→釜山の運賃はムグンファ号がおよそ28,600ウォンなのに対し、KTXは2026年9月1日の運賃改定後で54,400ウォン(2026年9月10日確認)——半額近い差があります。ただし所要時間はムグンファ号が約5時間30分とKTXよりかなり長く、また外国人の予約では本人確認や海外発行カードの扱いでつまずく場面も報告されています。予算を優先するならムグンファ号、時間を優先するならKTX、というのが基本の選び方です。
結論から――予約できるか、KTXより本当に安いか
結論を先に言うと、ムグンファ号の予約に外国人であることのハードルはほぼありません。予約は出発1か月前から可能で、窓口に並ばなくても「코레일톡」改め「코레일+」アプリ、コレイル公式サイト、駅の窓口・自動発売機のどこからでも手続きできます(2026年9月10日確認)。KTXのように事前に会員登録が必須というわけでもなく、旅行の合間に思い立って予約する使い方もできる列車です。
気になる運賃差ですが、ソウル→釜山を例にすると、ムグンファ号はおよそ28,600ウォン、KTXは2026年9月1日の運賃改定後で54,400ウォンです(2026年9月10日確認)。差額はおよそ25,800ウォンで、コンビニのコーヒーを10杯近く買える金額に相当します。ムグンファ号が安い理由はシンプルで、最高速度が低く、特室(グリーン車に近い上位クラス)を持たず、一般室だけで運行しているためです。速さを買うか、その分を旅先の食事や買い物に回すか——ここが最初の分かれ道になります。
ムグンファ号・ITXセマウル・ITXマウム――今の呼び名と運行体系
韓国の在来線には、速い順に大きく分けて4つの呼び名があります。もっとも速いのがKTX、次いで準高速のITX-새마을(ITXセマウル)、そのあとに新型のITX-마음(ITXマウム)、そしていちばん各駅寄りで運賃も安いのがムグンファ号、という並びです。この4つは別々の会社の路線ではなく、すべて韓国鉄道公社(コレイル)が運行する列車の等級の違いにあたります。
ややこしいのは、「セマウル号」という名前そのものは今もITX-새마을として現役だという点です。かつて単独の列車種別だった旧型のセマウル号(DHC付随客車)は2018年4月30日をもって運行を終了しましたが、その後継として速さと快適さを引き継いだのがITX-새마을にあたります(2026年9月10日確認)。一方のITXマウムは、老朽化したムグンファ号を置き換えるために導入された新型車両で、2025年ごろから運行区間が段階的に広がってきました。京釜線(ソウル-釜山方面)、湖南線(龍山-木浦方面)、全羅線(龍山-麗水エキスポ方面)といった主要幹線から導入が進んでいます(2026年9月10日確認)。

つまり「ムグンファ号=韓国の在来線」とひとくくりにできるわけではなく、実際には速さも設備も違う複数の等級が併存している状態です。予約画面で列車を選ぶときは、行き先だけでなく等級名もあわせて確認しておくと、思っていたより所要時間が長い(または短い)という食い違いを防げます。
ムグンファ号は今どうなっている?――世代交代を一次情報で確認
「ムグンファ号はもう廃止されたのでは」という声を目にすることがありますが、2026年9月10日時点で確認した範囲では、ムグンファ号は京釜線(ソウル↔釜山、約5時間30分)、湖南線(龍山↔木浦、約4時間30分)、全羅線(龍山↔麗水エキスポ、約5時間)、東海線(釜田↔江陵、約4時間30分)で通常運行を続けています。「廃止」の情報こそ見当たりませんが、退役・置き換えの計画自体は存在します(詳細は次の段落で扱います)。
ただし世代交代自体は進行中です。ムグンファ号は本来、2030年以降に耐用年数の満了とともにITXマウムへ置き換えられる計画でした。ところが2026年3月、ITXマウムの製作会社(다원시스)への発注契約が解除される出来事があり、完全な置き換えが想定より遅れる見通しになっています(2026年9月10日確認)。それでも部分的な置き換えは続いていて、2026年9月1日からは慶全線・忠北線にもITXマウムが2編成ずつ追加投入され、これらの路線ではムグンファ号からの置き換えが進む予定です(2026年9月10日確認)。
路線ごとの置き換え状況は今後も変わっていく可能性があります。「〇〇線のムグンファ号」で検索する際は、記事の公開日が古いと現状と食い違うことがあるため、旅行直前にはコレイル公式サイトや코레일+アプリの時刻表で、乗る予定の列車が今も走っているかを確認してください。
運賃で比べる――ソウル→釜山・龍山→木浦の実額
ムグンファ号の運賃は区間によって差がありますが、目安として次のような金額が確認できています(2026年9月10日確認)。ソウル→大田はおよそ11,000ウォン、ソウル→釜山はおよそ28,600ウォン、龍山→木浦はおよそ23,700ウォン、龍山→麗水エキスポはおよそ25,200ウォンです。日帰りで大田だけ立ち寄る旅程なら、片道1万ウォン強で移動できる計算になり、大田日帰り旅行の記事とあわせて予定を組むと移動費の見通しが立てやすくなります。
比較対象のKTXは、2026年9月1日の運賃改定でソウル↔釜山が59,800ウォンから54,400ウォンへ、龍山↔光州松汀が46,800ウォンから42,000ウォンへ、それぞれ引き下げられました(2026年9月10日確認)。これはKTXとSRTの運行統合にともなう改定で、コレイルの運賃をSRT水準にそろえる形の値下げです。とはいえムグンファ号との差は依然として大きく、ソウル↔釜山では約2倍近い開きが残っています。木浦方面へ向かう人は、湖南線の起点や停車駅の雰囲気を含めて木浦の観光ガイド記事も参考にしてみてください。
| 区間 | ムグンファ号 | KTX(2026年9月改定後) |
|---|---|---|
| ソウル↔釜山 | 約28,600ウォン | 54,400ウォン |
| 龍山↔木浦 | 約23,700ウォン | 公式サイトで要確認 |
| ソウル↔大田 | 約11,000ウォン | 公式サイトで要確認 |
運賃も所要時間もダイヤ改正のたびに変わる可能性があるため、この記事の数字はあくまで目安として捉え、出発前には必ずコレイル公式サイトか코레일+アプリで最新の金額を確認してください。
所要時間で比べる――安さと引き換えの時間差
ムグンファ号は各駅停車に近い性格の列車のため、所要時間はKTXよりはっきり長くなります。京釜線のソウル↔釜山は約5時間30分、湖南線の龍山↔木浦は約4時間30分、全羅線の龍山↔麗水エキスポは約5時間、東海線の釜田↔江陵は約4時間30分が目安です(2026年9月10日確認)。KTXが同区間をこれより大幅に短い時間で結ぶのに対し、ムグンファ号は移動そのものに半日近くを使う覚悟が要ります。
裏を返せば、車窓の景色をゆっくり眺めたい人や、移動時間を「使えるスキマ時間」と割り切れる人には向いている選択肢でもあります。運賃差で浮いた25,800ウォン前後は、シートマスクを何枚か買える金額でもあり、その分を現地での買い物や食事に回すという考え方もできるはずです。時間に制約がある弾丸旅行より、余裕を持った日程の旅行のほうが相性がよい列車だといえそうです。
予約方法――「コレイルトーク」改め「コレイル+」での予約手順
予約アプリの名前がここ最近で変わっています。2026年8月3日、従来の「코레일톡」アプリが「코레일+」へとアップデートされる形でリニューアルされました。既存ユーザーはアプリを更新するだけで自動的に切り替わり、新しくインストールし直す必要があるのは新規ユーザーだけです(2026年9月10日確認)。既存の코레일톡会員のIDとパスワードはそのまま코레일+会員として引き継がれ、登録済みの決済手段もそのまま使えます。SRT専用会員だった人が新しい統合会員に切り替える場合のみ、決済手段の再登録が必要になります(2026年9月10日確認)。
ソウル駅発とSRT水西駅発の列車をまとめて検索・予約できる統合機能は2026年8月5日午前10時から코레일+アプリとコレイル公式サイトで始まり、KTXとSRTの車両運用そのものが完全に統合されたのは2026年9月1日からです。この日を境にSRTという名称は「KTX-山川」に変わりました(2026年9月10日確認)。ムグンファ号を含む一般列車の予約も、現状はこの同じ코레일+アプリ・公式サイト・駅窓口の窓口から行う案内になっています。旧アプリ名の「コレイルトーク」で検索すると古い画面の情報に当たることがあるので、最新の案内は「코레일+」の名前で確認するのが確実です。
外国人がつまずきやすい予約の壁――本人確認・海外カード・アプリ
予約アプリの操作自体はシンプルですが、外国人ならではのつまずきポイントがいくつかあります。まず本人確認まわりでは、会員登録なしでも購入できる非会員予約の機能がありますが、乗車時にパスポートの提示を求められる場合があるため、紙の切符やアプリの画面だけでなくパスポートも一緒に持ち歩くのが無難です。次に決済面では、韓国国内の自動発売機が海外発行のクレジットカードに対応しきれない場面があり、コレイルは2023年12月22日、QRコードを読み取ると英語・中国語・日本語の多言語公式サイトへ直接つながり、そこから海外発行カードでの決済もできるという改善を告知しています(2026年9月10日確認)。このQRコードはソウル駅・釜山駅など主要50駅の窓口・自動発売機の周辺に設置されているとの案内です。
それでも、カードの発行元によっては通らないことがあるのが実情です。코레일+(コレイル プラス)アプリで決済がうまくいかないときは、無理に何度も試すより、駅の窓口で現金またはカードでの購入に切り替えるほうが早く解決する場面が多いはずです。長期滞在で韓国の交通全般を頻繁に使う人は、通勤・通学向けの割引制度であるKパス制度についての記事もあわせて確認しておくと、登録条件の違いが見えてきます。ただしKパスは韓国の電話番号での登録が前提になっている制度のため、短期旅行者がそのまま使えるものではない点には注意してください。
本人確認や決済の細かい仕様は、コレイルのシステム更新にあわせて変わることがあります。海外発行カードでの決済にどうしても不安が残る場合は、渡航前にコレイル公式サイトの外国人向け案内ページを開き、最新の決済方法を確認しておくと安心です。
座席指定と入席(입석)――満席でも乗る方法
ムグンファ号は特室を持たず、一般室のみ・2列+2列の指定席が基本です。人気の時間帯や連休前後は指定席が早々に埋まることもありますが、そこで役立つのが입석(立席・入席)の仕組みです。コレイルの案内によると、ITXセマウル・ITXマウム・ムグンファ号などの一般列車では、立席券や自由席券もコレイルトーク(現在の코레일+)アプリ上で購入できるよう対応が広がっています(2026年9月10日確認)。
立席券が購入できるタイミングにもコツがあります。始発駅の出発時刻を基準に、その2時間前からアプリで購入できるようになる仕組みです(2026年9月10日確認)。指定席が「満席」と表示されて予約を諦めかけたときも、出発直前にもう一度アプリを開いてみる価値はあります。長時間の乗車で立ちっぱなしになる可能性がある点は踏まえつつ、荷物が少ない移動や、どうしてもその日のうちに移動したい場面での保険として覚えておくと安心です。
- ムグンファ号は一般室のみ・特室なし
- 入席(立席)券もコレイル+アプリで購入可能
- 入席券は始発駅出発の2時間前から購入できる
KTXとどちらを選ぶか・高速バスとの比較
ここまでの内容を整理すると、判断材料は「予算」と「時間」のどちらを優先するかにほぼ集約されます。移動そのものを楽しみたい、または旅程に余裕がある人はムグンファ号、限られた滞在時間を観光や食事に多く使いたい人はKTX、というのが基本の考え方です。KTXとムグンファ号の細かい違いをもう少し比較したい人はKTXと高速バスを比較した記事もあわせて読むと、選択肢の全体像がつかみやすくなります。
実は在来線と並ぶもうひとつの安い選択肢が高速バスです。区間によってはムグンファ号よりさらに運賃を抑えられることもあり、本数の多さも魅力です。座席のグレードによって快適さが大きく変わる乗り物でもあるため、高速バスの乗り方をまとめた記事と高速バスの座席グレードを比較した記事を先に読んでおくと、駅とバスターミナルのどちらを選ぶかが決めやすくなるはずです。荷物が多い、または乗り換えを避けたいという人ほど、鉄道とバスの両方を比較しておく価値があります。
よくある質問
まとめ――ムグンファ号は予約できる・KTXより安い
ムグンファ号は今も通常運行を続けている在来線で、外国人でも「코레일+」アプリや駅窓口から問題なく予約できます。運賃はソウル↔釜山でおよそ28,600ウォンとKTXの54,400ウォンよりかなり抑えられる一方、所要時間は約5時間30分とKTXよりはっきり長くなります(2026年9月10日確認)。世代交代はITXマウムへ向けて進行中ですが、完全な置き換えにはまだ時間がかかる見通しです。
- ムグンファ号は今も京釜線・湖南線・全羅線・東海線で運行中(2026年9月10日確認)
- ソウル↔釜山の運賃はムグンファ号約28,600ウォン、KTXは54,400ウォン
- 予約はコレイルトーク改め「코레일+」アプリ・公式サイト・駅窓口から
- 満席でも入席(立席)券が始発駅出発2時間前から購入可能
- 海外カードで決済がうまくいかないときは駅窓口での購入に切り替える
運賃・時刻表・アプリの仕様は今後も変わることがあるため、この記事の内容はあくまで目安として捉え、出発前には必ずコレイル公式サイトか코레일+アプリで最新情報を確認してください。ムグンファ号での移動を決めたら、あわせて訪れる街のガイドや、ソウルからのアクセス記事にも目を通しておくと、旅程全体の見通しが立てやすくなるはずです。
参考・出典
- 나무위키「무궁화호」 https://namu.wiki/w/무궁화호 (2026年9月10日確認)
- 나무위키「새마을호」 https://namu.wiki/w/새마을호 (2026年9月10日確認)
- 나무위키「ITX-마음」 https://namu.wiki/w/ITX-마음 (2026年9月10日確認)
- 나무위키「ITX-새마을」 https://namu.wiki/w/ITX-새마을 (2026年9月10日確認)
- noothings.kr「무궁화호 완전 가이드: 노선·요금·좌석 선택 7가지 핵심 정리」 https://noothings.kr/info/mugunghwa-train-guide/ (2026年9月10日確認)
- 코레일톡「일반열차의 입석, 자유석 승차권을 코레일톡에서도 발매합니다」 https://korailtalk.co.kr/789/ (2026年9月10日確認)
- 코레일 공식 안내「코레일, 외국인 열차 예매 ‘QR스캔’으로 간편하게 개선」 https://info.korail.com/info/selectBbsNttView.do?key=911&bbsNo=199&nttNo=20635 (2026年9月10日確認)
- 大韓民国政策ブリーフィング「내달 1일부터 KTX·SRT 통합 운행…요금↓·좌석 수↑」 https://www.korea.kr/news/policyNewsView.do?newsId=148970889 (2026年9月10日確認)
- 한국경제「9월 1일부터 서울~부산 KTX 5만4400원…운임 평균 10% 인하」 https://www.hankyung.com/article/2026083145861 (2026年9月10日確認)
- 경향신문「9월부터 KTX·SRT 통합 운영…운임 평균 10% 인하」 https://www.khan.co.kr/article/202608061131001 (2026年9月10日確認)
- wellbeingcare.co.kr「코레일+ 2026 KTX·SRT 통합앱 사용법」 https://www.wellbeingcare.co.kr/2026/08/korail-plus-guide.html (2026年9月10日確認)

