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安東・河回村は「昔ながらの韓国の村」を写真ではなく実際の生活として見たい人に向く行き先です。ソウルからはKTX-이음(キーティーエックス・イウム)で片道2時間前後、村自体の見学は2〜3時間あれば足りるため、早朝発なら日帰りも可能ですが、仮面劇までゆっくり見るなら1泊のほうが余裕があります。運賃・公演曜日など変動する情報は、必ず公式サイトで最新を確認してから出発してください(2026年9月9日確認)。
「韓国の観光地といえば、もう景福宮も北村もひと通り見た」。そんな人ほど刺さるのが「いまも人が住んでいる村」というキーワードかもしれません。경상북도 안동(キョンサンブクド・アンドン)にある河回村は、再現された民俗村ではなく、住民が暮らしながら伝統家屋を守り続けている集落です。ユネスコ世界遺産にも登録され、川に囲まれた地形に瓦屋根と藁葺き屋根の家が混在する景観は、ソウル近郊では見られません。この記事では、ソウルからのアクセス、村の歩き方の作法、仮面劇がいつ見られるか、安東名物のチムタクまで、公式情報をもとに整理します。
結論から:河回村はどんな人に向くか、日帰りできるか
河回村がほかの観光地と決定的に違うのは、「保存のために作られた村」ではなく「実際に人が住み続けている村」だという点です。屋根の下では今も住民が生活していて、家の敷地に立ち入らない、庭先を覗き込まないといった最低限のマナーが求められます。派手な体験施設が並ぶタイプの観光地ではないので、テンポよくアトラクションを回りたい人よりも、静かな街並みをゆっくり歩いて写真を撮りたい人、韓国の伝統建築や儒教文化に関心がある人のほうが満足度は高いはずです。子連れの場合も、走り回れる広場は少ないぶん、のんびり散策する旅程との相性がいいでしょう。
日帰りできるかという点については、村の見学だけなら十分可能というのが現実的な答えです。ソウルから安東駅までの移動に往復4時間前後、村の散策に2〜3時間を見込めば、朝早く出発する前提で日帰りの旅程は組めます。ただし、後述する仮面劇の公演時間や、屏山書院・月映橋まで足を延ばす旅程を組む場合は、移動と待ち時間を含めるとかなり慌ただしくなります。안동찜닭(アンドンチムタク)を落ち着いて食べる時間まで確保したいなら、安東市内で1泊する余地を作っておくほうが、旅の満足度としては正解に近いかもしれません。
ソウルからの行き方:KTX-이음と高速バス
ソウルから安東への移動手段は、大きく分けて鉄道と高速バスの2つです。鉄道は청량리역(チョンニャンニ駅)から出る中央線のKTX-이음を使うのが基本で、2021年1月に清凉里〜安東間の運行が始まりました。安東駅は清凉里駅から219.4キロの距離にあり、複数の運賃比較サービスを確認したところ、所要時間はおおむね1時間52分〜2時間、運賃は一般室で27,700ウォン前後、優等室で33,200ウォン前後という数字が複数のソースで一致していました(2026年9月9日確認)。ただし正確な時刻表・運賃は季節や列車ごとに変動するため、この記事の数字はあくまで目安として捉えてください。
2026年9月1日にKTXとSRTが統合運行を開始し、予約アプリは코레일+(コレイル+)に一本化されています。統合の詳しい経緯や運賃の考え方についてはKTXとSRTの統合についての記事で整理しているので、久しぶりに韓国の鉄道を予約する人は先にそちらを確認しておくと迷いにくいはずです。アプリでの検索・予約の基本操作はKORAILアプリの使い方ガイドを参考にしてください。
| 比較項目 | KTX-이음 | 高速バス・市外バス |
|---|---|---|
| 所要時間の目安 | 約1時間52分〜2時間 | 約2時間40分 |
| 運賃の目安 | 一般室27,700ウォン前後 | 24,400〜33,500ウォン |
| 主な発着 | 清凉里駅発 | 東ソウル総合バスターミナル等 |
高速バス・市外バスを使う場合は、東ソウル総合バスターミナルなど複数のターミナルから安東行きが出ており、複数の予約系サービスを確認した限りでは1日あたり15本以上の便があり、所要時間は約2時間40分、運賃は24,400〜33,500ウォンという情報で一致していました(2026年9月9日確認)。鉄道より時間はかかりますが、始発・終電の時間帯が広く、駅までのアクセスによっては選びやすい場合もあります。バスとKTXの使い分けの考え方は韓国の高速バス予約ガイドで詳しく扱っています。

安東駅から河回村へ:バスと車の選び方
安東駅または安東ターミナルに着いたら、そこから河回村まではさらにバスで移動する必要があります。安東市の公式観光サイトによると、村へ向かう市内バスは210番・豊川2番・急行2番の3系統で、いずれも「河回村」で下車します(2026年9月9日確認)。このうち普段の旅行者が使いやすいのは210番で、複数の旅行者向け情報を確認したところ、所要時間はおおむね30〜40分、運行間隔は1時間に1本前後とされています。急行2番は8月の週末・祝日など季節限定の運行という情報もあるため、通年で当てにできるのは210番と考えておくのが無難です。
古い旅行記事などでは「46番バス」という案内を見かけることもありますが、これは安東駅から新市場を経由するルートで、所要時間は1時間16分ほどとされ、210番より時間がかかります。バスの系統は改編されることがあるので、出発前に必ず안동시 버스정보시스템(アンドン市バス情報システム)で最新のルートと時刻を確認してください。河回村は本数の多い場所ではないため、「行きは調べたけれど帰りのバス時間を調べていなかった」という失敗が起きやすい場所でもあります。到着したら真っ先に、村の入口にある案内所や掲示で復路のバス時刻を確認しておくと安心です。
車で移動する場合は、安東市内から醴泉方面へ向かう34号国道を約20キロ、豊山を経由するルートが公式に案内されています。レンタカーであれば安東駅・安東ターミナルからおおむね20〜30分程度が目安になります。村の入口付近に有料駐車場があるので、車を停めてから徒歩またはシャトルで村の中心部へ向かう流れになる点も覚えておくとスムーズです。
河回村の歩き方:人が住んでいる村としての作法
河回村を歩くうえで最初に理解しておきたいのは、ここが「展示のための村」ではなく「生活の場」だということです。安東市文化観光の公式情報によると、入場料は一般個人5,000ウォン、青少年2,500ウォン、子供1,500ウォンで、65歳以上は無料、団体割引も設定されています(2026年9月9日確認)。観覧時間は夏季(4月〜9月)が9時から17時30分、冬季(10月〜3月)が9時から16時30分で、公式ページに定休日の記載はありません。営業日は、訪問前に公式の案内で確かめてください。
村の中に入ると、瓦屋根の両班(ヤンバン)家屋と藁葺き屋根の庶民家屋が同じ通りに並んでいる光景に出会います。これは16世紀に풍산 류씨(豊山柳氏)一族が形成した集落で、1984年に重要民俗文化財第122号に指定され、2010年にはユネスコ世界遺産「韓国の歴史村:河回と良洞」の一つとして登録されました。歩く際は、家の門の外から眺めるにとどめ、生活空間である庭や縁側に無断で立ち入らないことが基本のマナーです。洗濯物や農作業の道具が見えることもありますが、それも含めて「いまの暮らし」の一部だと捉えて見学するのがこの村らしい楽しみ方だといえます。
- 入場料は一般5,000ウォン・青少年2,500ウォン・子供1,500ウォン(2026年9月9日確認)
- 観覧時間は夏季9:00〜17:30、冬季9:00〜16:30
- 公式ページに定休日の記載なし。荒天時の臨時措置などは訪問前に公式の案内で確認
- 家の敷地内には立ち入らない。写真は住民の生活を尊重する距離感で
村の中は舗装されていない道も多く、歩きやすい靴が無難です。夏場は木陰が少ない区間もあるので日差し対策も忘れずに。洛東江(ナクトンガン)が村を囲むように蛇行しており、川沿いの遊歩道からは村全体を見渡せるビューポイントもあります。滞在時間の目安は、ゆっくり歩いても2〜3時間あれば主要エリアをひと通り回れる程度です。
川沿いの遊歩道まで歩き回って写真を撮っていると、スマートフォンの電池は思った以上に早く減ります。10,000mAhのモバイルバッテリーが1つあれば、帰りのバス時刻を調べている途中で電池切れになる心配が減ります。
舗装されていない道を2〜3時間歩き回る前提なら、両手が空く軽量リュックのほうが、案内板やスマホの地図を確認する動きがラクになります。
安東市内で1泊する場合、韓国のコンセントはCタイプが基本なので、変換プラグを忘れると充電も難しくなります。荷物に1つ入れておくと安心です。
仮面劇はいつ見られるか:河回別神グッタルノリ
河回村を語るうえで欠かせないのが、하회별신굿탈놀이(ハフェピョルシングッタルノリ)と呼ばれる仮面劇です。1980年11月17日に国家無形文化財第69号に指定された伝統芸能で、村内の専用会場(住所: 慶尚北道安東市河回宗家道3-15付近)で定期的に上演されています。複数の情報を確認したところ、公演は午後2時開始、入場は午後1時30分から可能で、観覧料・駐車料金はいずれも無料とされています(2026年9月9日確認)。
曜日については情報源によって表記に差があり、月曜日は休演というのは複数の情報で一致しています。冬季(1〜2月)は週末のみに縮小されるという情報もあります。訪問する日に本当に公演があるかは、必ず現地の案内所か公式情報で事前に確認してから予定を組んでください。
仮面劇は、両班や僧侶、若い女性などさまざまな役柄の仮面をつけた演者が、当時の身分社会を風刺する内容を演じる伝統芸能です。せりふが韓国語であっても、表情豊かな仮面と動き、太鼓や笛の生演奏によって、言葉がわからなくても雰囲気を楽しめる構成になっています。ソウルから日帰りで訪れる場合、午後2時の公演開始時刻に合わせて逆算してスケジュールを組む必要があるため、午前中に村を歩き、公演を挟んでから帰路につくという組み方が現実的です。毎年秋には安東国際仮面舞フェスティバルという大規模な催しも別途開催されており、こちらは時期が合えばあわせて楽しめるイベントです。
屏山書院と月映橋:足を延ばすなら
時間に余裕があれば、河回村とあわせて訪れたいのが병산서원(屏山書院・ピョンサンソウォン)と월영교(月映橋・ウォリョンギョ)です。屏山書院は河回村と同じ豊川面内にある書院建築で、2019年7月10日にユネスコ世界遺産「韓国の書院」の一つとして登録されています。これは河回村自体が登録された2010年の「韓国の歴史村」とは別枠の登録なので、「河回村と同じタイミングで世界遺産になった」と誤解しないよう注意してください。屏山書院の観覧時間は、安東市の観光公式サイトの観覧時間表で3〜10月が9:00〜18:00、11〜2月が9:00〜17:00、年中無休です(2026年10月18日確認)。同じサイトの観覧料の表には屏山書院の行がありません。訪問前に電話(054-858-5929)または現地の案内所で確認することをおすすめします。
月映橋は、安東ダム内の月映公園と安東民俗村を結ぶ全長387メートルの木造歩道橋で、2003年4月に開通しました。車は通れず、幅3.6メートルの橋を歩いて渡る構造です。3月から10月にかけては日没後から夜12時まで街灯が点灯するため、ライトアップされた橋と川面の景色を目当てに訪れる人も少なくありません。河回村から市街地方面へ戻るルート上にあるため、日中は河回村、夕方以降は月映橋という組み方をすると、移動の無駄が少なくなります。
安東チムタクを食べる:旧市場のチムタク横丁
安東を訪れたなら外せないのが안동찜닭(アンドンチムタク)です。鶏肉をジャガイモ・にんじん・春雨・にんにくとともに醤油だれで煮込んだ料理で、その発祥地が安東の旧市場だとされています。安東の歴史をたどると、1970年代初頭には安東市場(現在の旧市場)に「トンダッコル(通鶏横丁)」と呼ばれる一角があり、鶏の丸焼きを売る店が集まっていました。1970年代後半ににんにくを効かせた「マヌルトンダッ」が生まれ、1980年代後半にじゃがいもや春雨を加えた現在のチムタクの形が完成したと記録されています。
2000年代に入ってソウルをはじめ全国にチェーン展開したことで、いまや「チムタク」は韓国全土で知られる料理になりましたが、その発祥の一角が今も安東旧市場の「チムタク横丁」として残っています。複数の店が軒を連ねているため、辛さの強さや味付けの違いを比べながら選べるのもこのエリアの楽しみ方です。河回村から旧市場までは車で移動する距離があるため、日帰りの場合は帰りの安東駅・ターミナル周辺で食事の時間を確保しておくと、旅程に無理なく組み込めます。
チムタクは基本的に2人前からの提供が多く、1人旅の場合は量の多さに驚くかもしれません。辛さや味の濃さは店によって差があるので、辛いものが苦手な人は注文前に確認しておくと安心です。旧市場そのものも、チムタク横丁以外に食堂や市場らしい活気のある通りが広がっているので、食後にぶらりと歩いてみるのもおすすめです。
1泊するなら:安東市内での過ごし方
仮面劇までゆっくり見たい人、屏山書院や月映橋も含めてじっくり回りたい人には、安東市内での1泊が現実的な選択肢になります。河回村の敷地内には、伝統家屋をそのまま活かした宿泊施設が点在しており、実際に両班家屋の一室に泊まって朝の静かな村の空気を味わえるのも、日帰りでは得られない体験です。個々の施設の料金・空室状況は、予約サイトや安東市の観光案内で最新の情報を確認することをおすすめします。
安東駅・安東ターミナル周辺には、一般的なビジネスホテルやゲストハウスも複数あります。駅周辺に宿を取り、翌朝早めに村へ向かう組み方も現実的です。夜は月映橋のライトアップを見に行き、翌日は午前中に河回村、午後に仮面劇を見てから帰路につく、という2日間の流れなら慌ただしさをかなり減らせます。T-moneyなどの交通カードが安東で使えるかはソウル以外での交通カード事情の記事でまとめています。
河回村の敷地内に泊まる宿は予約が埋まっていることもあるので、代替として駅周辺の宿も日付を入れて調べておくと安心です。
安東のホテルを探す駅周辺と河回村エリアの宿をまとめて比較できる- 村内の伝統家屋での宿泊は可能だが、料金・空室は個別に確認が必要
- 駅・ターミナル周辺なら一般的な宿の選択肢もある
- 1泊にすると仮面劇・屏山書院・月映橋まで無理なく組み込みやすい
安東チムタクを食べる場所
河回村は人が暮らす世界遺産の村
河回村は、作られた民俗村ではなく実際に人が暮らす世界遺産の村という点で、ほかの韓国の観光地とは少し違う体験を提供してくれる場所です。ソウルからはKTX-이음か高速バスで安東駅・ターミナルへ向かい、そこからさらにバスや車で村へ入るという2段階の移動が必要になる分、事前の下調べが旅の快適さを大きく左右します。仮面劇の曜日や運賃のように変動しやすい情報は、この記事で示した数字を目安にしつつ、出発前に必ず公式情報で最新を確認してください。
- 河回村は「いまも人が住む」世界遺産の村。生活空間への配慮を忘れずに
- ソウルからはKTX-이음で約2時間前後、高速バスで約2時間40分が目安(2026年9月9日確認)
- 安東駅・ターミナルから河回村へは市内バス210番が基本ルート
- 仮面劇は午後2時開演が基本だが、曜日・季節による変動があるため公式確認が必須
- 屏山書院・月映橋・チムタク横丁まで回るなら1泊すると余裕が生まれる
景福宮や北村のような定番の観光地を一通り見た人ほど、河回村のような「暮らしの続く村」は新鮮に映るはずです。安東はソウルからやや距離があるぶん、事前準備をしっかりしてから向かうことで、慌ただしさの少ない旅程を組むことができます。同じように地方都市への日帰り・1泊旅を検討している人は慶州への日帰り旅ガイドや、韓国旅行3回目以降の人向けの韓国3回目コースの記事もあわせてチェックしてみてください。
参考・出典
出典を見る(9件)
- 안동시 문화관광(安東市文化観光公式サイト) tourandong.com「하회마을」ページ https://www.tourandong.com/public/sub1/sub1.cshtml?seq=196 (2026年9月9日確認)
- 안동시 문화관광(安東市文化観光公式サイト) tourandong.com「병산서원」ページ https://www.tourandong.com/public/sub1/sub1.cshtml?seq=1326 (2026年9月9日確認)
- ja.wikipedia.org「河回村」 https://ja.wikipedia.org/wiki/河回村 (2026年9月9日確認)
- ko.wikipedia.org「안동역」 https://ko.wikipedia.org/wiki/안동역 (2026年9月9日確認)
- ko.wikipedia.org「하회별신굿탈놀이」 https://ko.wikipedia.org/wiki/하회별신굿탈놀이 (2026年9月9日確認)
- ko.wikipedia.org「월영교」 https://ko.wikipedia.org/wiki/월영교 (2026年9月9日確認)
- ko.wikipedia.org「병산서원」 https://ko.wikipedia.org/wiki/병산서원 (2026年9月9日確認)
- ko.wikipedia.org「안동찜닭」 https://ko.wikipedia.org/wiki/안동찜닭 (2026年9月9日確認)
- ソウルイン「KTXとSRTが統合|コレイル+アプリで変わったこと」 https://jandkfoods.com/korea-ktx-srt-merge/ (2026年9月4日確認・自社記事)
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