ソウル地下鉄の一回用交通カードの買い方|保証金500ウォンの返し方まで

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券売機の前で、後ろに人が並びはじめてから「あれ、この画面どこ押すの」と固まる——ソウルの地下鉄で最初につまずくのは、たいていここ。しかも表示された金額が、事前に調べていた運賃より少しだけ高い。その差の正体が保証金500ウォンです。

先に言い切ってしまうと、この500ウォンは降りたあとに機械へ入れれば、その場で全額戻ってきます。取られるお金ではなく、預けるお金。ここさえ腹落ちしていれば、券売機の画面はもう怖くありません。

結論から

一回用交通カードは「運賃+保証金500ウォン」を発売機に投入して買う、地下鉄1回分の乗車券。保証金500ウォンは下車後、改札を出てすぐ横にある保証金環付機にカードを入れれば返ってきます。カードを持ち帰ってしまうと、その500ウォンは戻りません。

この記事で扱うのは、発売機の画面の進み方、保証金の返し方、そして「自分は一回用とT-money、どっちを買うべきか」の判断だけ。路線図の読み方や乗り換えのコツはソウル地下鉄の乗り方をまとめた基本ガイドのほうに預けてあります。


目次

一回用交通カードとは、地下鉄1回きりの使い捨て乗車券

一回用交通カードとは、ソウル市の公式案内によれば、首都圏都市鉄道の区間内で1回だけ乗車できるICカード型の乗車券である。日本の券売機で買う紙のきっぷに相当する立ち位置ですが、素材はプラスチックのカード。だから「使い終わったら回収して再利用する」仕組みが必要で、その担保として500ウォンを預ける形になっています。

ここで押さえておきたいのが、利用できる範囲。ソウル市公式の説明では、一回用交通カードが使えるのは首都圏都市鉄道の中だけで、しかも1回限り。つまりバスには乗れないし、コンビニでの支払いにも使えません。この一点が、後半の「向かない人」の話にそのままつながってきます。

1회용 교통카드(イルフェヨン キョトンカード=一回用交通カード)。券売機の画面でこの4文字を探せば、まず間違いません。

比べるところ 一回用交通カード T-money
基本運賃(一般) 1,650ウォン(保証金500ウォン込み/2026年8月11日確認時点) 1,550ウォン(2026年8月11日確認時点)
使える範囲 首都圏都市鉄道内のみ・1回限り 地下鉄のほかバス等でも利用(詳細は公式で確認)
買うたびの手間 乗るたびに発売機で購入 最初にカードを買い、残高を足していく
降りたあとの作業 環付機で保証金500ウォンを回収 なし

表の1行目、差はたった100ウォンです。「じゃあ一回用でいいのでは」と思うところですが、問題は金額ではなく2行目と4行目。乗るたびに買って、降りるたびに返すという往復の手間が、滞在中ずっと続くという話。

🐥
ソウルイン編集部正直、100ウォンの差より「毎回並ぶ」ほうがしんどい。乗り換え駅で発売機に列ができている光景は珍しくないので、時間を買うと思ってカードに寄せる人が多いのも納得です。

一回用交通カードの買い方(発売機の操作手順)

買い方とは、駅構内にある「一回用発売・交通カードチャージ機」で目的地を選び、運賃と保証金500ウォンを投入してカードを受け取る一連の流れである。ソウル市公式が示している要点は「発売機で運賃+保証金500ウォンを投入して受け取る」という部分で、画面の細かい文言は駅や機種で違うこともあります。大枠はこの順番。

  1. 改札の手前にある発売機を探す。チャージ機を兼ねた機械なので、画面に「1회용」の表示があるものを選ぶ
  2. 画面の言語を日本語(または英語)に切り替える
  3. 「1回用交通カード」を選び、路線と目的地の駅を指定する
  4. 表示された金額を確認する。ここに保証金500ウォンが上乗せされている
  5. お金を投入する(現金を用意しておくのが確実。クレジットカードが使えるかは公式資料で確認できませんでした)
  6. 出てきたカードとおつりを受け取り、改札にタッチして入場
支払い手段について。ソウル市の公式案内は「運賃と保証金を投入する」としか書いておらず、現金以外が使えるかどうかを明記した一次情報は見つかりませんでした。旅行中は小額の現金を財布に入れておくのが安全側の準備です。

もうひとつ、意外と効いてくるのが時間帯。終電間際は発売機も環付機も混みやすいので、最後の1本に賭ける日ほど一回用は不利になります。何時までに駅へ着けばいいかはソウル地下鉄の終電時刻をまとめた記事で先に確認しておくと安心。

발매기(パルメギ=発売機)。駅の案内サインでもこの表記をよく見かけます。


保証金500ウォンを返してもらう手順

保証金の返還とは、使い終わったカードを「保証金環付機」に投入して500ウォンを現金で受け取る手続きである。ソウル市公式が案内している流れは次のとおりで、改札を出るではなくに行う点がポイント。

  1. 目的の駅で下車し、改札機にカードをタッチして出場する(カードは吸い込まれず、手元に残る)
  2. 改札を出たすぐ近くにある「保証金環付機」を探す。ゲートの外側に並んでいることが多い
  3. 投入口にカードを入れる
  4. 500ウォン硬貨が出てくるので受け取る

手順としては20秒ほどの作業。それでも、返し忘れは驚くほど起きています。コレイル(韓国鉄道公社)が国政監査に提出した資料をもとにした報道によると、2019年1月から2023年7月までに発売された一回用交通カード4,188万7,000枚のうち、175万3,000枚が未回収。未回収率は4.2%で、返されなかった保証金は8億3,400万ウォン相当にのぼります(この集計はソウル交通公社単独ではなく、首都圏電鉄全体の数字)。

🐣
ソウルイン編集部25枚に1枚が返ってこない、という数字。旅行者だけの話ではないにせよ、「面倒だから後で」がそのまま8億ウォンになっていると思うと、20秒の作業がちょっと違って見えます。

金額の重みも置き換えておくと、保証金500ウォンは地下鉄1回分の運賃1,550ウォン(2026年8月11日確認時点)のおよそ3分の1。3回返し忘れると、1回分ただ乗りできたはずの金額が消えるという規模感です。

ソウル市公式は、カードを破損・紛失した場合は保証金の払い戻しができないと明記しています。財布の底で折れた、ホテルの部屋に置いてきた——このどちらも戻らないケース。カード全般の払い戻しルールは韓国の交通カード払い戻しガイドに整理しています。

一回用とT-money、何回乗るならどっち?(早見表)

損益分岐とは、一回用を使い続けたときの割高分の合計が、T-moneyのカード本体代を上回る回数のことである。一回用は1回あたり100ウォン高い(1,650ウォン−1,550ウォン、いずれも2026年8月11日確認時点)ので、計算式はとても単純。

計算式

損益分岐の回数 = T-moneyのカード本体代 ÷ 100ウォン
(カード本体代は販売場所やデザインで変わるため、購入前に公式・店頭表示でご確認ください)

この式にあてはめた当サイト試算が下の表。「本体代がいくらなら、何回乗った時点でT-moneyが得になるか」を並べています。

T-money本体代の仮定 追いつく乗車回数
1,000ウォン 10回
2,000ウォン 20回
3,000ウォン 30回
5,000ウォン 50回

数字だけ見ると、一回用がかなり粘るように見えます。ここを翻訳しておくと——差額100ウォンは、10回乗ってようやく1,000ウォン。地下鉄1回分の運賃にすら届きません。つまり運賃だけで判断するなら、短い旅では一回用でも損はしない。実際の分かれ目は、お金ではなく手間のほうにあります。

そこで、滞在日数から判定するチェックリストも用意しました。1日あたりの地下鉄利用を「往復2回+乗り換え移動1回=3回」と置いた、当サイトの目安です。

  • 半日〜1日(乗車3回まで):一回用でよい。合計の割高分は300ウォン程度
  • 2日(同6回前後):どちらでも。買い足しの列に並ぶのが平気なら一回用
  • 3日以上(同9回以上):T-money系に寄せる。割高分より、乗るたびの購入と返却の往復がきつい
  • バスに1回でも乗る予定がある:回数に関係なくT-money系。一回用は地下鉄の外に出られない
  • 2人以上で動く:人数分の購入と返却が毎回発生する。日数が短くてもカードのほうが軽い

T-money側の買い方やチャージの流れはT-moneyカードの使い方ガイドにまとめてあるので、「3日以上」に当てはまった人はそちらへ。


一回用交通カードが向かない人

向かない人とは、購入と返却の往復回数が多くなる人、または地下鉄以外の乗り物を使う人である。運賃の差ではなく、動作の回数で不利になるタイプ、と言い換えてもいい。

まず3日以上滞在する人。1日3回として9回、そのたびに発売機で目的地を選び、降りたら環付機を探す。合計18回の機械操作です。移動のたびに小さな作業が挟まると、旅の体感速度はけっこう落ちます。

次にバスも使う人。ソウル市公式が示すとおり、一回用交通カードの利用範囲は首都圏都市鉄道内のみ。バス停で「使えない」と気づいてから現金を探すのは、いちばん避けたい展開ですね。

🐤
ソウルイン編集部逆に、乗り継ぎ1本だけの空港移動や、深夜に1回乗るだけといった場面では一回用が身軽。「カードを作るほどでもない日」の選択肢として持っておくのが、いちばん賢い付き合い方だと思います。

なお、支払いも交通も1枚にまとめたい派のあなたには別の選択肢もあります。両替機能を持つカードとの違いはWOWPASSとT-moneyの違いを比較した記事で整理しました。


よくある質問

カードを持ち帰ってしまいました。あとから500ウォンを返してもらえますか?
その駅を出た直後に気づいたなら、改札外の保証金環付機へ戻れば投入できます。日をまたいだ場合や別の駅での取り扱いについては、公表資料で確認できませんでした。手元にカードが残っているなら、次に地下鉄を使うときに駅係員へ相談するのが現実的な手順です。なお、ソウル市公式は破損・紛失時の払い戻しはできないとしています。
子ども連れや高齢の家族がいる場合、割引はありますか?
ソウル市公式の案内では、無賃乗車の対象となる方(高齢者等)は身分証の確認のうえ、優待用として発行を受けられるとされています。ただし発行された当日・発行された駅でのみ乗車可能という条件つき。対象になるかどうかの判断や必要書類は、駅の窓口や運営事業者の公式案内でご確認ください。
一回用交通カードでバスや空港鉄道の直通列車にも乗れますか?
ソウル市公式が示す利用範囲は首都圏都市鉄道内のみ・1回限りです。バスは対象外と考えてください。空港鉄道の直通列車など、特別な列車の取り扱いは路線ごとに異なるため、乗る前に各運営会社の公式サイトで最新の案内をご確認ください。
運賃はこの先も同じですか?
本文の運賃は2025年6月28日の改定後の金額(交通カード1,550ウォン/一回用1,650ウォン、2026年8月11日確認時点)です。運賃は改定されることがあるため、出発前にソウル交通公社などの公式ページで最新額をご確認ください。

まとめ

一回用交通カードは、買い方さえ分かれば数十秒で済む乗車券。覚えることは「運賃+保証金500ウォンを入れて買う」「降りたら改札の外の環付機に入れて500ウォンを回収する」の2つだけです。そして3日以上の滞在やバス利用があるなら、素直にカード側へ寄せたほうが旅は軽くなる。

乗り換えや改札の通り方まで含めて全体像をつかみたい人は、ソウル地下鉄の乗り方の総合ガイドから読み直すと、この記事の内容が地図の上に載ります。

今日やることは1つだけ。財布のいちばん取り出しやすい場所に、小額の現金を入れておく。発売機の前で慌てないための準備は、これでほぼ終わりです。

参考・出典

  • ソウル市公式ニュース(news.seoul.go.kr) https://news.seoul.go.kr/traffic/archives/1763 (2026年8月11日確認)— 一回用交通カードの保証金500ウォン、発売と返還の方法、利用範囲(首都圏都市鉄道内・1回限り)、破損・紛失時は払い戻し不可、優待発行の条件
  • マネートゥデイ https://www.mt.co.kr/society/2025/06/20/2025061916100395838 (2026年8月11日確認)— 2025年6月28日改定後の地下鉄運賃(交通カード一般1,550ウォン/現金・一回用一般1,650ウォン)
  • ニューシス https://www.newsis.com/view/NISX20230915_0002451508 (2026年8月11日確認)— 2019年1月〜2023年7月の一回用交通カード発売枚数4,188万7,000枚・未回収175万3,000枚・未環付保証金8億3,400万ウォン相当(コレイル提出の国政監査資料に基づく報道)

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