ソウル市庁のすぐ隣、ソウル広場の芝生の下に、40年ものあいだ誰も入れなかった長さ335メートルのトンネルがある——と言われても、たいていの人はぴんと来ません。地下鉄の連絡通路の話だと思ってしまうところです。
ドゥドゥドゥソウル(두두두 서울/dududo seoul)は、ソウル広場の約13メートル下にある展示会場です。地下鉄2号線の乙支路入口駅、1-1出口付近の改札を出て、すぐ右。1983年ごろに地下鉄工事の副産物として生まれ、40年間閉じられていた空間を、ソウル市が2026年に文化施設として開いたものです。
この記事でわかるのは、次の5つ。
- 乙支路入口駅・市庁駅のどちらから、どう歩けば着くのか
- 「40年間閉じていた」の中身——いつ、何のために作られた空間なのか
- いま何が開催されているのか、料金と予約の仕組み
- 正式開場のあとに何が入る計画なのか
- 名前が複数あってややこしい理由
ドゥドゥドゥソウルは、ソウル広場の13メートル下にある展示会場
ドゥドゥドゥソウル(두두두 서울/英語表記 dududo seoul)は、ソウル特別市中区乙支路42にある地下の展示・体験空間です。地上に建物はありません。入口は地下鉄の改札を出てすぐの場所にあり、地上に一度も出ずにたどり着けます。会場運営者の公式サイトによれば、ソウル広場の約13メートル下、市庁駅と乙支路入口駅のあいだに横たわる細長い空間です。
公共施設としての正式な名前は시청역 펀스테이션 ‘K-문화 스테이션’(市庁駅ファンステーション「K文化ステーション」)。ドゥドゥドゥソウルは、そこを運営する民間事業者がつけた愛称にあたります。同じ場所を指す名前が2つあるので、韓国語の記事を読むときは混乱しやすいところです。

行き方は乙支路入口駅1-1の改札を出てすぐ右——市庁駅からも歩ける
会場運営者の公式サイトが案内している経路は、次の2つです。
| 入り方 | 手順 | 目印 |
|---|---|---|
| 地下鉄で来る場合 | 2号線・乙支路入口駅で降り、1-1出口付近の改札を出る | 改札を出てすぐ右に展示場の入口 |
| 地上から歩いて来る場合 | 1-1番出口の地下階段を降り、地下広場から市庁駅方面の地下連絡通路に入る | 右手のピアノ階段の前が入口 |
(会場公式サイトの案内・2026年8月28日確認)
外国人向けの公式チケットサイト「NOL World」は、この場所を「2号線・乙支路入口駅1-1出口から徒歩2分」と案内しています。地下でつながっているので、雨でも猛暑でも傘や日傘を出す場面がありません。
市庁駅側から入ることもできます。名前のとおり市庁駅と乙支路入口駅のあいだの空間なので、市庁駅で降りて地下連絡通路を東(乙支路入口方面)へ歩いても着きます。ただし会場公式が案内しているのは乙支路入口駅からの経路なので、初めてなら乙支路入口駅の1-1を目指すのが確実です。
1-1という出口番号は、ソウルの地下鉄では枝番つきの表記です。1番出口と1-1番出口は別物で、地上に出る場所も変わります。出口番号の見方に自信がない場合は、地下鉄の出口番号の調べ方を先に確認しておくと迷いません。経路そのものはNAVERマップの乗り換え検索でも引けます。
40年間閉じていた空間——1983年ごろ、地下鉄工事の副産物として生まれた
この空間がおもしろいのは、誰かが「作ろう」と決めて作った施設ではないところです。
ソウル市の公式メディア「mediahub」の説明によれば、この空間は1983년ごろ、ソウル交通公社の前身である地下鉄建設本部が市庁駅の地下商店街と乙支路入口駅を結ぶ過程で生まれた「付随的な空間」と推定されています。ソウル市自身が「推定」という言葉を使っている点は、そのまま受け取るべきところです。誰が何のために作ったのか、市も断定できていません。
2026年5月のソウル市の発表では、位置関係がもう少し具体的に説明されています。地下鉄2号線の線路の上、そして韓国で最初にできた地下商店街の下——つまり、すでにあった2つの構造物のあいだに残ったすき間だ、ということです。
その後の40年について、ソウル市の説明はこうです。「40年間公開されたことがない。正確に言えば、ソウル市は存在を知っていたが、一般には知られていない未知の場所だった」。
2023年、「市民探険隊」で初めて開いた
最初に一般公開されたのは2023年9月です。ソウル市の地下鉄駅革新プロジェクト펀스테이션(Fun Station)の一環として、「市民探険隊」という探索プログラムが組まれました。
- 期間:2023年9月8日から23日まで
- 実施日:週2日(金曜・土曜)
- 回数:1日4回(11時・13時・15時・17時)
- 定員:1回20名(事前受付15名・現場受付5名)
- 申込:ソウル市の公共サービス予約から
(ソウル市mediahubの発表・2026年8月28日確認)
1回20名、期間を通しても200名台という規模です。このときの反響が大きかったことが、常設の文化空間として使う流れにつながった、というのがソウル市側の説明です。
広さは全長335メートル・約1,000坪——ただし面積の数字は発表ごとに違う
空間の寸法は、複数の発表で一致しています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 全長 | 335メートル |
| 幅 | 9.5メートル |
| 高さ | 4.5メートル |
| 深さ | ソウル広場の約13メートル下 |
いっぽう面積だけは、発表元によって数字がずれています。
| 出どころ | 面積 | 時点 |
|---|---|---|
| ソウル市 mediahub | 3,182平方メートル(1,000坪に近い) | 2023年の公開時 |
| ソウル市の発表(報道より) | 3,261平方メートル(約1,000坪) | 2026年5月 |
| 会場運営者の公式サイト | 約3,300平方メートル(1,000坪) | 2026年 |
(いずれも2026年8月28日確認)
差は最大で120平方メートルほど。どれかが間違いというより、内装工事で使える範囲が変わった、あるいは測り方の基準が違うと考えるのが自然です。「約1,000坪」という言い方はどの発表でも共通なので、規模感としてはそこを押さえておけば十分です。幅9.5メートルの細長い帯が335メートル続いている、という形になります。
いま開催されているのはBIGBANG20周年展「COSMOS」(2026年8月24日〜9月27日)
ドゥドゥドゥソウルのこけら落としとして開かれているのが、BIGBANG(ビッグバン)のデビュー20周年記念メディア展示「COSMOS(コスモス)」です。主催はYG ENTERTAINMENTと、この会場の運営も担うエンタテック企業クリエイティブモット(크리에이티브 멋/MUT)。
▲ 展示公式アカウントの告知。表示されない場合はこちら → COSMOS公式Instagramの投稿を開く
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会期 | 2026年8月24日(月)〜9月27日(日) |
| 運営時間 | 10時〜22時 |
| 休館日 | 毎週月曜(初日の8月24日は月曜だが開場) |
| 観覧料 | 20,200ウォン(1名あたり) |
| 予約 | NAVER予約による事前予約制のみ・当日券なし |
| 入替 | 1時間ごと |
| グッズ | 1人2点まで/応援棒は1人1個まで |
(会期・運営時間・休館日はソウル市広報および2026年8月24日付の報道で確認。料金・予約条件・購入制限は日本語媒体および公式ファンプラットフォームの記載に基づく情報で、一次情報での確認は取れていません。2026年8月28日時点)
20,200ウォンは、1ウォン=0.11497円(2026年8月27日レート)で換算すると約2,320円。デビュー20周年にちなんだ金額とみられます。
展示は9つのゾーンで構成されると報じられています。COSMOS BEGINS/FRAGMENTS/PARALLAX/COSMIC ECHO/CONSTELLATION/VIRTUAL ORBIT/COSMIC STAGE/COSMOS OF US/DRAW OUR COSMOS。AI・ホログラム・XR・VRといった技術を使い、335メートルの空間を歩きながら体験する構成だとソウル市は説明しています。
会期は2026年9月27日で終わります。この記事を読んでいる時点が9月28日以降なら、COSMOSはもう見られません。会場そのものは残るので、その時点で何が開催されているかは会場公式サイトか公式Instagramで確認してください。
予約はNAVER予約のみ。日本から取れるかは「本人認証」次第
ここが日本から行く人にとっていちばんの関門です。予約はNAVER予約(네이버 예약)に一本化されていて、当日券の販売がありません。ふらっと寄って入る、ができない会場だということです。
公式ファンプラットフォームの告知に付いたコメント欄では、海外のファンから「NAVERのアカウントが作れなくて予約できない」という声が繰り返し寄せられています。編集部が2026年8月28日に確認した時点で、これに対する公式からの回答は出ていません。
韓国のサービスは、決済や予約の段階で韓国の携帯電話番号による本人認証を求めるものが多く、ここで外国人が止まるのはよくある話です。日本のスマホでNAVER予約が最後まで通るかは、実際に試してみないと断言できません。韓国のチケット予約サイトで外国人がどこまで進めるかについては、韓国コンサートのチケットの取り方で、サイトごとの本人認証の違いを整理しています。仕組みは共通なので、先に読んでおくと見通しが立ちます。
この会場は「展示が終わったら閉まる」場所ではない
旅行者にとって大事なのは、ここからです。
ソウル市は2026年5月の発表で、この空間を「特定の展示が終われば閉まる一回性のイベント会場ではなく、訪れるたびに新しいコンテンツに出会える常設の文化プラットフォーム」として運営する計画だと説明しています。当初は10月の正式開場を目標としていました。BIGBANG展は、その正式開場に先立って8月24日に開かれた形です。
今後入れる計画として発表されているのは、次のような内容です。
- グローバルなK-POPアーティストとの協業展示
- K-ファッションの展示とファッションショー、ランウェイ
- ホログラムやARを使ったエンタテック体験コンテンツ
- ブランドのショーケースとポップアップストア
- K-POPアーティストのグッズや映像、バーチャルアイドルの世界観を組み合わせたポップアップ
(2026年5月および8月のソウル市発表・報道より。2026年8月28日確認)
つまり明洞や乙支路を歩く旅程に、「地下の大きな箱で何かやっている」という選択肢が常設で加わるということです。ソウルのポップアップは会期が短く、旅程より先に終わってしまうのが定番の悩みですが、この会場は場所のほうが固定されます。ソウルのポップアップストアの探し方で紹介している「エリアを決めてから、その日開いているものと出会う」やり方と相性がいい会場です。
事業の組み立て——市が箱を作り、民間が中身を運営する
役割分担も公表されています。この形は、今後どこまで内容が変わりうるかを読むうえで参考になります。
| 担当 | 役割 |
|---|---|
| ソウル市 | 事業の総括企画。公共として空間の可能性を開く |
| ソウル交通公社 | 換気・消防・避難・電気などの基盤施設の整備 |
| ㈱クリエイティブモット(MUT) | コンテンツと内部空間の企画・運営。AI・ホログラム・XR・VRなどの技術活用 |
公共が設備を作り、コンテンツの運営力を持つ民間事業者が中身を回す、という組み立てです。中身の企画権は民間側にあるので、どんな展示が来るかは運営事業者の座組み次第、ということになります。
なお、クリエイティブモットは社会貢献として、地域児童センターを利用する子ども・青少年と自立準備青年の約1,000名に無料観覧券を提供すると発表されています。これは対象が限定された招待枠で、旅行者が使える無料券ではありません。
周辺——地上に出れば乙支路、地下でつながれば明洞
会場の真上はソウル広場と市庁。1-1出口から地上に出れば、そこはもう乙支路の入口です。
乙支路(ウルチロ)は工具店と印刷所の問屋街に、カフェや酒場が間借りする形で入っている独特の街で、看板を出していない店が2階や9階にあったりします。歩き方には少しコツが要るので、乙支路の歩き方に別途まとめました。展示のあと、そのまま夜まで街を歩く前提なら先に目を通しておくと動きやすいはずです。
もうひとつ。この会場の真上には、韓国で最初にできたとされる地下商店街があります。地下商店街は雑貨やスポーツ用品を扱う店が並び、営業のルールも他の地下街と少し違います。ソウルの地下商店街はどこが安い?で主要5か所を整理しているので、地下だけで半日つぶす動線を組むこともできます。
K-POP関連の買い物をあわせるなら、明洞まで地下鉄で1駅です。明洞のK-POPグッズ店とアルバムを買える店が近くにあります。駅そのものを目的地にするなら、駅の誕生日広告の探し方も乙支路入口駅を含むエリアの話です。乗りこなし全般はソウル地下鉄の乗り方にまとめてあります。
この会場が向く人・向かない人
正直に書くと、いまの時点では誰にでもすすめられる場所ではありません。
| 観点 | 向く | 向かない |
|---|---|---|
| 目的 | 開催中のアーティスト・ブランドに関心がある | 有名観光地を効率よく回る旅程を組んでいる |
| 予約 | 事前予約を自分で通せる、または通せるか試したい | 当日その場で決めたい |
| 天候 | 雨・猛暑・厳寒で屋内の行き先を足したい | 屋外の景色を見に来ている |
| 時期 | 開催中の内容を事前に確認してから行ける | 会期の切れ目に当たると困る |
会場は常設でも、中身は入れ替わります。何も開催されていない期間が生じる可能性は、現時点で否定できる材料がありません。旅程に組み込むなら、出発前に会場公式サイトで「いま何をやっているか」を必ず確認してください。
よくある質問
まとめ
いま行くならBIGBANG展が目的になりますが、この会場は展示が終わっても残ります。次に何が入るかを追いかける価値がある場所として、覚えておいてもらえたらと思います。
行き方だけ最後にもう一度。2号線・乙支路入口駅、1-1出口付近の改札を出て、すぐ右。それだけです。
参考・出典
- 두두두 서울 (dududo seoul) 公式サイト https://seoul.dududo.com (2026年8月28日確認)
- 서울광장 지하, 40년 동안 숨겨진 비밀 공간의 문을 열다! – 서울시 mediahub https://mediahub.seoul.go.kr/archives/2009025 (2026年8月28日確認)
- 40년간 감춰져 있던 서울시청 ‘비밀의 지하’, 마침내 용도 생겼다 – 경향신문 https://www.khan.co.kr/article/202605241115001/ (2026年5月24日付、2026年8月28日確認)
- “일상에서 K-컬처로 환승하세요”… 시청역 40년 비밀공간 24일 개방 – 세계일보 http://seoul.thesegye.com/news/view/1065588749950978 (2026年8月24日付、2026年8月28日確認)
- 40년 잠든 서울광장 지하공간, K콘텐츠 체험 거점으로 10월 개방 – 한국경제 https://www.hankyung.com/article/2026052460407 (2026年5月24日付、2026年8月28日確認)
- [스경X현장] 최첨단 기술 입은 빅뱅 20주년 전시 ‘코스모스’ – 스포츠경향 https://sports.khan.co.kr/article/202608241619003 (2026年8月24日付、2026年8月28日確認)
- BIGBANG 20th Anniversary Media Exhibition COSMOS – NOL World https://world.nol.com/en/content/festas/019fcf7c-307a-762e-93ed-7a0998bf7eda (2026年8月28日確認)
- COSMOS 展示公式Instagram https://www.instagram.com/cosmos.exh/ (2026年8月28日確認)
- [MD LIST] MAIN EXHIBITION | COSMOS – BIGBANG 公式ファンプラットフォーム https://bigbang.bstage.in/contents/6a7bce63f4a3e9602c090eb4 (2026年8月28日確認)

