本記事にはプロモーションを含みます。
「釜山のバスや地下鉄がお得になる東白(トンベク)パス(동백패스)って、旅行者も買えるのかな」——SNSやブログでこの名前を見かけて、気になった人もいるかもしれません。ただ、検索してすぐ出てくる情報は「釜山市民の交通費が安くなる制度」という説明ばかりで、観光客がどう関わればいいのかがはっきりしないまま終わってしまいがちです。実はこの東白パス、そもそも「買って使う乗車券」ではありません。この記事では、東白パスの仕組みと還付の条件、外国人が発行できるのかどうか、そして数日の旅行ではなぜ恩恵を受けにくいのかを公式発表をもとに整理し、旅行者が現実的に使える代替手段もあわせて紹介します。
東白パスは、月の大衆交通利用額が4万5千ウォンを超えると、その超過分を翌月に還付する制度です(2026年9月15日確認)。日/週/月の「乗車券」を先に買うタイプではなく、還付は現金ではなく地域通貨で支払われます。先払い型のカードは18歳以上なら発行できますが、釜山市の公式FAQでは外国人の利用に外国人登録証が必要と明記されています。還付も翌月に地域通貨で届く仕組みなので、短期の旅行者が使うのは難しいのが実情です。観光客にはVisit Busan PassやT-money・Cashbeeのほうが現実的な選択肢になります。
結論から――東白パスは観光客も買えるのか
先に答えを言うと、「カードを発行すること」自体は先払い型なら18歳以上の誰でもできると案内されています。ただし「観光客が得をする制度か」という質問には、正直に言って向いていないと答えるしかありません。理由は還付の仕組みそのものにあります。
東白パスは、月にどれだけ大衆交通を使ったかを集計し、基準額を超えた分を翌月にまとめて還付する制度です。1回ごとに割引されるプリペイド式の乗車券とは根本的に違う設計になっています。旅行の数日間だけ使って恩恵を受けられる仕組みではない、というのがまず押さえておきたいポイントです。
向いているのは、釜山に長期滞在する人や、留学・駐在などで数か月単位で釜山の交通機関を使い続ける人。逆に、2〜3泊の旅行日程で「お得なパスを買いたい」派のあなたには、この後で紹介する別の手段のほうが現実的だと思います。
東白パスとは何か――「買うパス」ではなく月々の還付
正式名称は「동백패스(대중교통 통합할인제)」、日本語にすると大衆交通統合割引制です。名前に「割引」とありますが、レジでその場から値引きされるわけではなく、専用のカードで大衆交通に乗った記録が集計され、条件を満たすと翌月にまとめて還付される仕組みです(2026年9月15日確認)。
還付されるお金は現金ではなく、동백전(トンベクジョン)という釜山の地域デジタル通貨のポイントとして戻ってきます。トンベクジョンは釜山市内の加盟店での支払いに使える地域通貨で、日本に帰ってから使えるものではありません。ここが「観光客には向かない」と感じる最初のポイントかもしれません。
本音を言うと、名前だけ見ると「東白パス=お得な乗車券」というイメージを持ってしまいますが、実態は家計の交通費を後から補助する制度に近いもの。旅行者が抱く「パス」のイメージとはかなり違います。
還付される金額と対象の交通機関
確認できた範囲では、1か月の大衆交通の利用額が4万5千ウォンを超えると、その超過分が最大4万5千ウォンまで翌月に還付されます(2026年9月15日確認)。対象となる交通機関は市内バス・地下鉄(도시철도)・마을버스(コミュニティバス)・軽電鉄・東海線鉄道で、釜山の主要な大衆交通のほとんどをカバーしています。
4万5千ウォンという基準額は、1回の運賃を屋台のホットク1個分くらいの感覚とすると、ひと月に15個買うくらいの金額感です。毎日の通勤・通学で地下鉄やバスに乗り続けている人であれば届きやすい金額ですが、2〜3日の旅行で観光名所を回る程度では、なかなか到達しない水準だと考えられます。
さらに2026年4月1日からは、東白パスと国のK패스(K-Pass)を同時に加入していると、4万5千ウォンを超えた分の還付に上限が無くなりました。別のカードを新しく作る必要はなく、既存の東白パスのカードのまま自動で適用される制度です。この改定によって、日常的に釜山の交通機関を使う人にとっての還付額はさらに増える形になっています。
釜山市の青少年東白パス公式案内では、満13〜18歳が対象で、月2万5千ウォンを超えて利用した場合、超過分が最大2万5千ウォンまで翌月に還付されます(2026年9月15日確認)。
カードの種類――後払い型と先払い型
東白パスで使うカードには、大きく分けて後払い型と先払い型の2種類があります。もともとは後払い型(동백전 후불교통카드)しかなく、クレジットカード方式だったため、信用スコアが低い人や青少年、外国人はそもそも作りにくいという課題がありました(2026年9月15日確認)。
| 種類 | 方式 | 作りやすさ |
|---|---|---|
| 後払い型 | クレジットカード方式 | 信用審査があり、外国人や青少年は作りにくい |
| 先払い型(2024年3月18日〜) | チャージして使うプリペイド方式 | 18歳以上なら発行できると案内 |
後払い型は、BNK釜山銀行の窓口で身分証を提示すればその場で発行できるほか、동백전アプリから申請すると4〜7日ほどかかるという案内があります。一方の先払い型は、こうした課題を解消するために導入された経緯があり、信用スコアに関わらずチャージした分だけ使える仕組みです。
どちらのカードも、東白パスの還付を受けるには동백전アプリで別途「東白パス」への加入登録をする必要があります。交通系カードとしてただ使うだけでは、還付の対象にはならない点は覚えておきたいところです。
外国人は先払い型を作れるのか
先払い型の東白パスが導入された背景には、「信用スコアが低い市民や青少年、外国人など、これまで後払い型では東白パスの恩恵を受けにくかった層」への対応があったと案内されています(2026年9月15日確認)。この文脈からは、外国人も対象に含めることを意識した制度だと読み取れます。
釜山市は、外国人も東白パスで釜山の大衆交通を便利に使えるよう、外国語に翻訳した案内サービスを提供する予定だとも発表しています。釜山市の公式FAQでは、外国人が先払い型東白パスを利用するには外国人登録証が必要と明記されています。釜山市報の公式記事にも、満18歳以上で外国人登録証を所持する外国人を含め、誰でも発行できると案内されています(2026年9月15日確認)。
正直なところ、「外国人も対象」という言葉だけでは、パスポートだけで作れるのか、外国人登録証のような在留資格を示す書類が必要なのかがはっきりしません。ここは公式発表の限界として、断定を避けておきます。実際に発行を検討するなら、동백전アプリの案内やBNK釜山銀行の窓口で、旅行者としてのビザ・在留資格でも作れるのかを直接確認するのが確実です。
- 先払い型は18歳以上なら発行できると案内されている
- 外国人も対象という説明はあるが、外国人登録証の要否は公式発表に明記なし
- 詳細はBNK釜山銀行の窓口か동백전アプリで確認するのが確実
なぜ短期の旅行には向かないのか
ここまでの内容を踏まえると、東白パスが観光客に向かない理由は「発行できるかどうか」ではなく、還付を受け取る仕組みそのものにあると分かります。整理すると、大きく3つのハードルがあります。
ひとつ目は、還付が届くのが翌月だという点。数日〜1週間程度の旅行日程では、還付が発生する頃にはすでに帰国していることがほとんどです。ふたつ目は、還付が現金ではなく、釜山市内でしか使えないトンベクジョンというポイントで戻ってくる点。日本に持ち帰って使えるお金ではありません。
みっつ目は、月4万5千ウォンという基準額そのものです。観光での移動は1日数回の乗車が中心になりやすく、短期間でこの金額に届かせるのは現実的ではないはず。加えて동백전アプリへの登録という手間もかかることを考えると、旅行者にとっての費用対効果はかなり低いと言わざるを得ません。

下の図は、東白パスの性質と、観光客の立場から見た噛み合わなさを対比させたものです。仕組みを図で見比べると、なぜ「発行できる」と「使いこなせる」が別問題なのかが分かりやすくなるはずです。
観光客が使える代替手段――T-money・Cashbeeと1回用交通カード
東白パスの還付にこだわらなくても、釜山の地下鉄やバスは通常のICカードで問題なく利用できます。全国共通のT-moneyやCashbeeは釜山の交通機関でもそのまま使え、駅の窓口やコンビニでチャージしながら乗り降りできる手軽さが利点です。
T-moneyとCashbeeのどちらを選ぶべきか、日本からの旅行者がどこで買えるかといった具体的な比較はT-moneyとCashbeeの違いを整理した記事にまとめているので、こちらもあわせて確認してみてください。カードを持たずに1回だけ乗りたい場合は、駅の券売機で1回用の交通カードを購入する方法もあります。
バスの乗り換えや路線を確認したい人は釜山のバスアプリの使い方ガイドが便利です。中心部を短い距離で移動するなら、公共レンタサイクルのタシュ(자전거)の使い方ガイドも選択肢のひとつ。東白パスの対象ではありませんが、交通費そのものを抑える手段として組み合わせやすいはずです。
地下鉄の乗り方そのものに不安がある人は釜山の地下鉄の乗り方ガイドを先に読んでおくと安心感が違うと思います。2〜3日の旅行であれば、東白パスのような還付制度を気にするより、T-moneyかCashbeeを1枚チャージして使い回すほうがシンプルで分かりやすいはずです。
外国人専用の비짓부산패스という選択肢
東白パスとは別に、釜山市は外国人観光客専用のパス「비짓부산패스(Visit Busan Pass)」を用意しています。名前は似ていませんが、こちらは最初から旅行者向けに設計された制度です(2026年9月15日確認)。
비짓부산패스は、チャージして使える交通カードの機能と、市内の有料観光施設約30か所の無料入場をセットにしたパスです。種類は24時間券と48時間券の2つで、価格はそれぞれ4万9千ウォンと6万9千ウォン。購入はKKday・Klook・Trip.comといったオンライン旅行会社や公式サイトで行い、釜山駅・金海空港・釜山港国際旅客ターミナル・釜山総合バスターミナル・釜山トラベルラウンジなどの玄関口、または提携ホテル10か所で受け取る流れです。
東白パスが「還付を待つ制度」なのに対して、비짓부산패스は「先に払って、その場で得をする」設計なので、数日の旅行にはこちらのほうが向いています。観光施設をいくつも回る予定があるなら、入場料と交通費をまとめて比較してみる価値はありそうです。
- 비짓부산패스は外国人観光客専用で、東白パスとは別制度
- 24時間券4万9千ウォン・48時間券6万9千ウォン
- 交通カード機能と有料観光施設約30か所の無料入場がセット
釜山のどこに泊まるか
東白パスを使うかどうかに関わらず、釜山旅行では宿泊エリア選びが移動のしやすさを大きく左右します。地下鉄の駅から近いエリアに泊まれば、T-moneyやCashbeeだけでも十分に身軽に動けるはずです。
釜山のホテルをTrip.comで探す地下鉄駅近くの拠点探しに
エリアごとの特徴を詳しく知りたい人は釜山のホテルエリアガイドを先に読んでおくと、南浦洞・西面・海雲台のどこを拠点にするか決めやすくなります。2泊3日程度の日程で回る場合の全体像は釜山2泊3日の観光コースも参考になるはずです。
宿を決めるときは、東白パスの還付を当てにせず、T-money・Cashbeeでの運賃だけを想定して予算を組んでおくのが現実的。地下鉄1本で主要エリアを回れる立地を選べば、それだけで交通費の負担はかなり軽くなるはずです。
よくある質問
まとめ――東白パスは仕組みを知ってから判断を
東白パスは、月4万5千ウォンを超えた大衆交通の利用額を翌月に還付してくれる、釜山市民向けの制度です(2026年9月15日確認)。先払い型のカードなら18歳以上で発行自体はできると案内されていますが、外国人登録証の要否といった細かい条件は公式発表に明記がなく、還付が翌月に地域通貨で届く仕組み上、数日の旅行では実質的に恩恵を受けにくいのが実情です。
- 東白パスは「買う乗車券」ではなく、超過分を翌月に還付する制度
- 還付の基準額は月4万5千ウォン(2026年4月からK패스との同時加入で上限撤廃)
- 還付はトンベクジョン(地域通貨)で届き、釜山市内でしか使えない
- 外国人登録証の要否は公式発表に明記なし。発行前に窓口かアプリで確認を
- 観光客にはVisit Busan PassやT-money・Cashbeeのほうが現実的
制度は今後も改定される可能性があるため、この記事の内容はあくまで目安として捉え、発行や還付の条件については동백전アプリや釜山市の公式発表で最新情報を確認してください。
参考・出典
- 부산광역시「월 최대 4만5천 원 환급 … 대중교통, ‘동백패스’로 타세요」https://www.busan.go.kr/news/totalnews01/view?dataNo=68416&curPage=1&srchText=%EB%8C%80%EC%A4%91%EA%B5%90%ED%86%B5 (2026年9月15日確認)
- 부산광역시「선불형 동백패스 카드 3월 18일 출시」https://www.busan.go.kr/news/snsbusan04/view?dataNo=69516 (2026年9月15日確認)
- 뉴시스「부산시 선불형 동백패스 도입, 저신용자·외국인도 혜택」https://www.newsis.com/view/NISX20240228_0002642020 (2026年9月15日確認)
- 메트로서울「부산시, ‘선불형 동백패스’ 3월 도입… 외국인도 이용 가능」https://www.metroseoul.co.kr/article/20240228500100 (2026年9月15日確認)
- KNN「부산 동백패스, 4월부터 ‘무제한 환급’…K패스 연계로 혜택 확대」https://news.knn.co.kr/news/article_sns/1074 (2026年9月15日確認)
- 부산광역시「부산 방문 외국인 주목…’비짓부산패스’ 출시」https://www.busan.go.kr/news/totalnews01/view?dataNo=67656&gugun=Prev (2026年9月15日確認)

