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「梨泰院に行くなら漢南洞も」と聞いたことはあっても、実際どこからどこまでが漢南洞なのか、梨泰院と何が違うのか、地図を見てもいまひとつ掴めない人は多いはずです。人混みがそこまで得意ではない、静かなカフェや美術館のほうが好き——そんな人ほど、この違いを知らずに素通りしてしまうのはもったいない街です。
漢南洞は梨泰院のすぐ隣にありながら、性格がはっきり違う街です。大使館の邸宅と高級住宅地が広がり、そこに美術館・ギャラリー・セレクトショップが混ざる、昼間が主役の静かなエリア。公式サイトで開館時間まで確認できたのはリウム美術館・Pace Gallery・Lehmann Maupinの3施設で、飲食店やショップは入れ替わりが速いため個別の営業時間は書きません。「今日はアートと静けさを求めて漢南洞」「賑わいと食べ歩きなら梨泰院」と、目的で使い分けるのがいちばん迷いません。
梨泰院そのものの歩き方や3エリアの全体像は、梨泰院エリアガイドで先にまとめています。この記事では梨泰院の中の1エリアという扱いではなく、漢南洞という街そのものにしぼって、公式に確認できた情報だけを整理します。
漢南洞は梨泰院の隣で「別の顔」を持つ街
行政上、漢南洞(한남동)はソウル特別市龍山区にある町名で、梨泰院洞のすぐ東隣に位置します。ソウル市の公式観光情報サイトでは、漢南洞を「大使館の邸宅と高級カフェ、漢江が出会う」エリアと紹介しており、「最も平和な住宅地でありながら、最もトレンディなカフェとレストランが集まる場所」という表現も使われています(2026年8月21日確認)。
同じページには、大使館街の厳かな雰囲気と若いアーティストたちの活気が同居しているという記述もあります。これはまさに漢南洞という街の面白さで、一本裏の坂道に入ると急に静かな邸宅街になったかと思えば、大通り沿いにはギャラリーやセレクトショップが並ぶ、という切り替わりが早い街だということです。
ソウルを2回目以降訪れる人、明洞や東大門のような買い物中心の旅に少し飽きてきた人には、この「切り替わりの早さ」自体が漢南洞の魅力になります。2回目以降の渡韓プランの立て方は2回目のソウル旅行モデルコースでも扱っているので、あわせて見ておくと日程が組みやすくなります。
梨泰院と漢南洞は何が違うのか
結論を先に言うと、両者の違いは「主役が誰か」です。梨泰院中心部は多国籍グルメとショップ、夜の賑わいが主役。漢南洞は大使館・美術館・住宅地が主役で、時間帯も昼から夕方が中心になります。時事誌の取材記事では、この2つのエリアについて「決して混ざり合わない2つの世界が隣り合っている」と表現されており、一方は高級文化の先端、もう一方は多様な文化を受け入れる独自の商圏として発展してきたとまとめられています(2026年8月21日確認)。
もう少し具体的に並べると、梨泰院は世界食べ物通りやアンティーク家具通りに象徴される「歩きながら眺めて楽しむ」街。漢南洞は美術館やギャラリーという「目的地を決めてから行く」街です。どちらが良い悪いではなく、今日の気分で選ぶものだと考えると使い分けがラクになります。

ちなみに漢南洞は、富裕層やセレブに好まれる街としても知られています。高級住宅として名前が挙がる大規模マンション群がこのエリアにあり、韓国国内の不動産・住宅情報サイトでも漢南洞は「ゲーテッドコミュニティ」的な性格を早くから持った街として紹介されています。旅行者として住宅そのものに用はなくても、「なぜこんなに静かなのか」の理由の一端はここにあります。
大使館通りと高級住宅地が作る静けさ
漢南洞の静けさの正体は、大使館通りにあります。ソウル市の公式観光情報によると、大使館通り(대사관로)とその周辺には10か国以上の大使館が集まっており、中国・ミャンマー・アルゼンチンなどの名前が挙がっています。大使館の邸宅の多くは1960〜70年代に建てられたもので、広い庭、高い塀、そして門の前に立つ警備員が共通の特徴だと紹介されています(2026年8月21日確認)。
大使館の敷地は当然ながら見学施設ではありません。塀の外から街並みとして眺める対象で、写真を撮る際も周囲への配慮を忘れないようにしてください。
この大使館通りを歩く体感は、明洞のような繁華街を歩くのとはまったく違います。人の声よりも足音のほうが響くくらいの静けさで、坂を上るごとに塀の高さと緑の量が増えていく感覚です。梨泰院の喧騒から歩いて10分ほどでこの空気に切り替わるのが、この街のいちばんの見どころだと編集部では捉えています。
大使館通りの周辺には、セレクトショップやカフェも点在しています。数年前まで無名だった路地に海外ブランドの期間限定ショップが入ることも珍しくなく、こうしたポップアップの動き方についてはソウルのポップアップストア攻略ガイドで全体像をまとめているので、漢南洞に来る前に流れをつかんでおくと店選びに迷いにくくなります。
美術館・ギャラリー、公式で確認できた3施設
漢南洞をアートの街たらしめているのが、美術館とギャラリーの密度です。ここでは公式サイトで開館時間・休館日・予約の要否まで確認できた3施設だけを紹介します。個別のカフェや飲食店と違い、美術館・ギャラリーは営業情報が公式サイトに明記されていることが多く、確認の精度を保ちやすいためです。
| 施設名 | 営業日・時間 | 予約 |
|---|---|---|
| リウム美術館 | 火〜日 10:00〜18:00(最終入場17:30) | 14日前から予約可、最大4名。予約なしでも当日券発行可(混雑時は待つ場合あり) |
| Pace Gallery Seoul | 火〜土 11:00〜18:00(日・月休) | 予約不要(公式サイトに記載なし) |
| Lehmann Maupin Seoul | 公式サイトの案内は「完全予約制」 | 要予約(By appointment only) |
(各施設公式サイト、2026年8月21日確認)
3施設とも住所は用산구 이태원로沿いか、その一本裏に集まっています。1日で全部回るというより、今日はどこを目的地にするか1つ決めて、そのついでに近くのギャラリーを覗くくらいの気持ちで組むほうが、坂の上り下りも含めて無理がありません。
リウム美術館の回り方と予約
漢南洞のアートを象徴する存在が、リウム美術館です。公式サイトによる住所は「서울특별시 용산구 이태원로55길 60-16(한남동)」。開館は火曜〜日曜の10:00〜18:00で、最終入場(매표마감)は17:30です。休館日は毎週月曜、1月1日、旧正月と秋夕の当日となっています(2026年8月21日確認)。
観覧料についても公式サイトに明記があり、古美術の常設展示は無料です。企画展は展示替えのたびに料金が変わるため、この記事では具体的な金額は書きません。訪問前に公式サイトの最新の案内を確認してください。
予約は観覧日の14日前から可能で、1回の予約で最大4名まで。予約なしでも現地で当日券を発行してもらえますが、混雑時は待ち時間が発生するとの案内があるので、時間に余裕を持たない予定の日は予約しておくほうが安心です。アクセスは公式サイトの案内どおり、地下鉄6号線 漢江鎮駅1番出口を出て梨泰院方向へ約100m進み、右手の最初の路地を右折して坂道を約5分上るというルートになります。位置関係はNAVER地図でリウム美術館を検索すると確認できます(2026年8月21日時点)。
地図はリウム美術館の位置(2026年8月21日にGoogleマップで確認)。韓国内での車のルート検索はGoogleマップが未対応なので、移動の下調べにはNAVER地図のほうが確実です。
知っておきたい2つのこと:우사단로のモスクと、HYBE社屋の誤解
もうひとつの漢南洞、우사단로のイスラム横丁
大使館街とは反対の顔として紹介したいのが、우사단로(ウサダンロ)です。韓国観光公社系の観光情報サイトによると、우사단로は普光初等学校から約900m続く通りで、朝鮮時代に雨乞いの祭壇「우사단」が置かれたことがこの名前の由来だとされています。再開発が長く止まっていたため、1960〜70年代の街並みが残っており、写真好きが訪れる場所にもなっています(2026年8月21日確認)。
この通り沿いにあるのがソウル中央聖院(서울중앙성원)です。公式サイトによる住所は「서울시 용산구 우사단로10길 39」。入場は無料で、肌の露出がある服装で訪れた場合は入口脇でスカーフなどを借りて着用すれば見学できるという案内があります(2026年8月21日確認)。周辺にはハラル食材を扱う店も集まっており、大使館街とはまた違う「国際色」を感じられるエリアです。
HYBE社屋は漢南洞にあるのか
「HYBEの社屋は漢南洞にある」という情報を見かけることがありますが、住所を確認するとこれは正確ではありません。HYBE本社の住所は「서울특별시 용산구 한강대로 42」(韓国経済新聞などが報じた住所)で、行政上の町名は漢江路3街です。漢南洞とは龍山区内の別の場所にあたります。あわせて、館内にあったK-POPアーティストの展示施設「HYBE INSIGHT」は2023年1月15日に閉館しており、HYBE公式アカウントがその旨を告知しています。2026年8月現在も再開の告知は確認できませんでした(2026年8月21日確認)。
K-POP関連の見学スポットを漢南洞散策に組み込みたいと考えていた人には残念な情報ですが、正確な位置と営業状況を知っておくことで、行ってから閉まっていて戸惑う事態を避けられます。この街でK-POP色を求めるより、美術館とギャラリー、大使館街の空気を楽しむ街として捉えるほうが、実際の漢南洞に合っています。
漢南洞・梨泰院に泊まるとどう変わるか
漢南洞の美術館は10時開館・17時台終了という「昼型」の施設が多く、この街は美術館の開館時間に合わせて動く街だといえます。近くに泊まって午前から入れると、1日の使い方が変わります。朝いちばんの静かな時間帯に大使館通りを歩き、開館と同時にリウム美術館へ、というような組み方も、宿泊エリアが近ければ現実的です。
梨泰院・漢南洞エリアに宿泊先を探している人向けに、ソウルのホテルをまとめて比較できるリンクを置いておきます。
梨泰院・漢南洞周辺のホテルを比べる開館時間に合わせて動きたい人向け
宿泊エリアそのものから考え直したい人は、ソウルのホテルエリア選びガイドで他のエリアとも比較してから決めると、旅程全体のバランスが取りやすくなります。
アクセスと歩き方:漢江鎮駅を起点にする
漢南洞を歩くときに覚えておきたい駅は、地下鉄6号線の漢江鎮駅です。リウム美術館の公式アクセス案内もこの駅の1番出口を起点にしており、そこから梨泰院方向へ約100m、右の路地を折れて坂を約5分上るルートが示されています(2026年8月21日確認、詳細は上記のリウム美術館の項を参照)。駅の位置はNAVER地図で漢江鎮駅を検索すると確認できます(2026年8月21日時点)。
もう1つ、京義・中央線にも「漢南駅」という駅があります。ただしこちらは出口が1つしかなく、漢南リバータワーマンション側に位置しているため、初めて訪れる人には少し使いにくい駅です。ソウル市が周辺の連結通路整備を進めているという報道もあるので、今後アクセスが改善される可能性はありますが、現時点では漢江鎮駅を起点にするほうが迷いにくいはずです(2026年8月21日確認)。
坂道は漢南洞のあちこちにあるので、歩きやすい靴は必須です。ヒールやサンダルで来ると、大使館通りの石畳や美術館へ続く坂で足元がつらくなる場面が出てきます。
ポップアップとセレクトショップ、漢南洞の「今」
漢南洞は、期間限定のポップアップストアが集まるエリアとしても知られています。たとえば2025年11月には、海外のアウトドアブランドが漢南洞のファッションストリートでポップアップを開催したという報道がありました(2026年8月21日確認)。こうした出店は入れ替わりが早く、この記事が公開されている時点で同じ店があるとは限らないため、具体的な店名や現在の出店状況は本文では断定しません。
大事なのは、「漢南洞のファッションストリート沿いには、話題のブランドが期間限定で出店することが日常的にある」という街の性格そのものです。セレクトショップ巡りが好きな人は、行く直前にSNSやブランド公式アカウントで最新の出店情報を確認しておくと、旬のタイミングを逃しにくくなります。
カフェ巡りが目的なら、漢南洞だけでなく成水洞(ソンス)と組み合わせて回るという選択肢もあります。エリアごとの空気の違いを比べたい人はソウルのカフェ巡りモデルコースも参考にしてみてください。夜まで時間を延ばすならソウルの夜景スポットと組み合わせて締める、という動き方もできます。
よくある質問
まとめ
- 漢南洞は梨泰院のすぐ隣にありながら、大使館街・美術館・高級住宅地が主役の「昼型・静かな街」
- 公式サイトで営業情報を確認できたのはリウム美術館・Pace Gallery・Lehmann Maupinの3施設(2026年8月21日確認)
- リウム美術館は火〜日10:00〜18:00開館、常設の古美術展示は無料、企画展は展示替えで料金が変わる
- 우사단로のイスラム横丁は、大使館街とは違う国際色を持つもうひとつの顔
- 「HYBE社屋は漢南洞にある」は誤り。住所は漢江路3街で、見学施設HYBE INSIGHTは2023年から閉館中
- 起点は地下鉄6号線 漢江鎮駅。京義・中央線の漢南駅は出口が1つのみでやや使いにくい
静かに過ごしたい日は漢南洞、賑わいが目的の日は梨泰院——この使い分けさえ決めておけば、隣り合う2つの街を無理なく楽しめます。梨泰院そのものの歩き方は梨泰院エリアガイドで、ソウルの他エリアと比較したい人はソウルのエリアガイド(全体マップ)で候補を広げてから戻ってきてください。訪問前には、美術館・ギャラリーとも必ず公式サイトで最新の情報を確認することをおすすめします。
参考・出典
- 서울시 공식 관광정보(letseoul.com)「한남동 가이드」 https://letseoul.com/ko/articles/hannam-dong-guide-2025 (2026年8月21日確認)
- 리움미술관 公式サイト「観覧案内」 https://www.leeumhoam.org/leeum/info/visit (2026年8月21日確認)
- Pace Gallery 公式サイト「Seoul」 https://www.pacegallery.com/galleries/seoul/ (2026年8月21日確認)
- Lehmann Maupin 公式サイト「Seoul」 https://www.lehmannmaupin.com/locations/seoul (2026年8月21日確認)
- 한국이슬람교 公式サイト「서울중앙성원 안내」 https://www.koreaislam.org/seoul-muslim-info서울중앙성원안내/ (2026年8月21日確認)
- 대한민국 구석구석「한남동 뒷골목여행」 https://korean.visitkorea.or.kr/detail/rem_detail.do?cotid=c5219aae-b338-47ea-81b9-11162e111722 (2026年8月21日確認)
- HYBE INSIGHT 公式X(旧Twitter)閉館告知 https://x.com/HYBEINSIGHTtwt/status/1614487548797276160 (2026年8月21日確認)
- 한국경제「하이브 사옥」(HYBE本社住所) https://www.hankyung.com/article/202307027863i (2026年8月21日確認)
- 한국경제「경의중앙선 한남역 활성화」 https://www.hankyung.com/article/202301128881i (2026年8月21日確認)
- 시사저널「한남동엔 결코 섞이지 않는 두 세상이 있다」 https://www.sisajournal.com/news/articleView.html?idxno=220239 (2026年8月21日確認)
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