航空券を予約したあと、控えのメールに並ぶ「Departure Tax」「PSFC」「International Tourist Tax」といった見慣れない項目に、少しドキッとした経験はないでしょうか。運賃本体とは別に数千円分の内訳が並んでいると、「これ、空港でも追加で払わされるのでは」と身構えてしまう人は多いはずです。この記事では、韓国側の出国納付金(출국납부금)・空港利用料(공항이용료)と、日本側の国際観光旅客税・旅客サービス施設使用料(PSFC)について、それぞれ何にいくらかかっていて、支払いのタイミングはいつなのかを一次情報ベースで整理しました。制度は改定が入りやすい分野のため、金額にはすべて確認日を添えています。
韓国・日本とも、出国にともなう法定の税・利用料は航空券の購入時点で運賃に組み込まれており、空港カウンターで現金を追加徴収されることは原則ありません。ただし金額は固定ではなく、日本の国際観光旅客税は2026年7月1日から1,000円→3,000円に引き上げ済み(2026年9月4日確認)、韓国の出国納付金は逆に2024年7月に10,000ウォン前後から7,000ウォンへ引き下げられています。空港で財布を出す場面があるとすれば、それは出国税ではなく免税品の税金還付(タックスリファンド)カウンターであることがほとんどです。
結論——空港利用料や出国税は、もう航空券の中に入っている
まず前提として、韓国も日本も、出国する旅客に課される公的な税・利用料は航空会社が運賃と一緒に徴収し、国や空港運営会社に納付するという仕組みを取っています。旅客本人が空港の窓口に並んで現金や税額を申告するプロセスは、少なくとも制度上は用意されていません。つまり、eチケットの内訳に見える「Tax」「Fee」の各項目は、すでに支払い済みの金額ということになります。
ここで紛らわしいのが、韓国の空港でよく見かける内国税還付(外国人旅行者向けの免税品タックスリファンド)のカウンターです。これは買い物の際に払った付加価値税を出国前に払い戻してもらう手続きで、出国納付金や空港利用料とはまったく別物です。仁川国際空港の公式案内では、購入金額1万5,000ウォン以上の対象商品について、搭乗手続き前に税関検査を受けたうえで払い戻しを受ける流れが説明されています(2026年9月4日確認)。この記事のテーマである出国税・利用料の話とは目的も窓口も異なる点を、まず切り分けておきたいところです。免税品の買い方自体は韓国の免税店ガイドで詳しく扱っています。
仁川国際空港の出発フロアでの手続きの流れ自体は仁川空港の出発の流れまとめで確認できるので、チェックインからゲートまでの動線と合わせて、税金の支払いタイミングについても混乱しないようにしておくと安心です。
韓国の出国納付金(출국납부금)はいくら?2024年に一度下がった
출국납부금(チュルグンナップブグム)は、日本語に置き換えると「出国納付金」にあたる制度で、観光振興開発基金の財源として1997年に導入されました。韓国国内の空港を利用して出国する旅客に対して、航空券の購入時に上乗せする形で徴収される仕組みです。文化体育観光部の政策広報によると、2024年7月1日から金額が引き下げられ、満12歳以上は7,000ウォンに、満2歳以上12歳未満は全額免除に変更されています(従来は満2歳未満のみ免除、金額は10,000ウォン)。満2歳未満の免除は従来どおり継続です。
| 年齢区分 | 2024年6月まで | 2024年7月以降(現行) |
|---|---|---|
| 満12歳以上 | 10,000ウォン | 7,000ウォン |
| 満2歳以上12歳未満 | 10,000ウォン | 全額免除 |
| 満2歳未満 | 免除 | 免除(変更なし) |
7,000ウォンという金額は、体感でいえばソウル市内のコンビニでコーヒー1杯を買うのとそう変わらない水準です。家族旅行で子どもの人数が多いほど、この引き下げと免除拡大の恩恵は大きくなる計算になります。なお2024年6月30日以前に発券し、7月1日以降に出国した旅客については、差額分の還付をオンラインで申請できる仕組みが案内されています(2026年9月4日確認)。予約のタイミングと出国日がまたぐ場合の話なので、航空券をいつ取るかで金額が変わり得る点は航空券の予約タイミングの記事でも参考にしてください。
廃止された「国際貧困退治基金」——今はもう払っていない
韓国の出国関連の税金を調べていると、「出国納付金とは別に、国際貧困退治のための1,000ウォンが上乗せされている」という記述に行き当たることがあります。これは2007年から徴収されてきた국제빈곤퇴치기여금(クッチェピンゴントェチギヨグム)、日本語でいう「国際貧困退治寄与金」(のちに国際疾病退治基金として法的根拠を変更)という制度で、以前は出国納付金10,000ウォンとは別枠で1,000ウォンが加算され、合計11,000ウォンが徴収されていました。
この制度の根拠法だった旧・国際疾病退治基金法は、2024年12月31日をもって廃止されたと複数の報道で伝えられており、現在は空港からの出国にあたって別枠の基金が上乗せされることはなく、前の見出しで説明した出国納付金7,000ウォンのみが徴収される形に整理されています(2026年9月4日確認・出典は下記参考欄)。旅行ブログや過去の記事で「合計11,000ウォン」という記載を見かけても、それは廃止前の情報である可能性が高いという整理です。
制度の廃止・改定は今後も起こり得ます。この記事の金額はあくまで2026年9月4日時点で確認できた内容であり、正確な最新の適用条件・金額は文化体育観光部や仁川国際空港公社など公的機関の案内で最終確認することをおすすめします。
韓国の空港利用料(공항이용료)——仁川・金浦で乗っている金額
出国納付金とは別に、공항이용료(コンハンイヨンニョ)、日本語では「空港利用料」または「空港施設使用料」と呼ばれる利用料も、国際線の運賃に組み込まれています。これは空港施設法にもとづいて空港運営会社が徴収するもので、旅客が空港の施設(ターミナル・搭乗橋など)を使うことへの対価という位置づけです。公表されている料金体系によると、国際線出発旅客は1人あたり17,000ウォン、国際線の乗り継ぎ(トランジット)旅客は1人あたり10,000ウォンとされています(2026年9月4日確認)。
出発旅客より乗り継ぎ旅客のほうが低い金額に設定されているのは、すでに他の空港・便で一度出国手続きの負担を経ている旅客への調整と理解できます。国内線にも別建ての利用料がありますが、この記事は国際線での韓国発着を前提にしているため、国内線の金額はここでは扱いません。仁川・金浦のどちらを使うかで空港へのアクセスや乗り継ぎのしやすさは変わってくるので、路線ごとの空港選びは日韓の就航空港まとめも参考にしてみてください。
- 出国納付金(7,000ウォン)と空港利用料(17,000ウォン前後)は別枠の徴収項目だが、どちらも航空券代に含まれる
- 乗り継ぎ旅客の空港利用料は出発旅客より低い(10,000ウォン)
- 正確な内訳は航空券購入時の運賃明細(Taxes, Fees and Charges欄)で確認できる
日本の国際観光旅客税(出国税)——2026年7月に3,000円へ引き上げ
日本側の出国関連の税金にあたるのが、2019年1月に導入された国際観光旅客税(通称「出国税」)です。国税庁の公式案内によると、日本から出国するすべての旅客に対し、出国1回につき定額が課税され、船舶または航空会社がチケット代金に上乗せする形で徴収し、国に納付する仕組みになっています。旅客本人が申告・納付の手続きをする必要はありません。
税率については、導入当初から長らく1,000円で据え置かれていましたが、国税庁の案内(2026年4月改訂版)によると令和8年(2026年)7月1日以降の出国からは3,000円に引き上げられています(2026年9月4日確認)。ただし経過措置として、2026年6月30日までに発券済みの一定の航空券などで7月1日以降に出国する場合は、旧税率の1,000円が適用されるケースがあるとされています。予約と発券のタイミングによって税額が変わり得るという点は、韓国側の出国納付金の改定タイミングとも似た構図です。航空券をいつ確保するかで税額が変わる可能性がある以上、予約タイミングの考え方を合わせてチェックしておくと、思わぬ差額に驚かずに済むはずです。
3,000円という金額は、カフェチェーンのやや大きめサイズの飲み物1杯分に近い水準です。1,000円だった頃と比べると負担感は増しましたが、これも空港カウンターで別途支払うものではなく、あくまで航空券代の一部として自動的に徴収される仕組みである点は変わりません。
日本の旅客サービス施設使用料(PSFC)——空港ごとに金額が違う
国際観光旅客税とは別に、日本の各空港では旅客サービス施設使用料(PSFC)という利用料も設定されています。これは空港のロビーや案内表示、手荷物カートなどの維持管理費用にあてられるもので、空港会社が独自に金額を設定しているため、成田・羽田・関西空港でもターミナルごとに水準が異なります。各空港会社の案内によると、こちらも航空券の購入時に運賃と一緒に徴収され、空港カウンターで別払いする必要はないという扱いです(2026年9月4日確認)。
国内線での目安として公表されている金額は、成田空港が第1・第2ターミナル450円・第3ターミナル390円、羽田空港が370円、関西空港が第1ターミナル440円・第2ターミナルは出発420円/到着370円などとなっています。国際線ではこれに加えて旅客保安サービス料(PSSC)が上乗せされる場合があり、路線・空港・利用ターミナルによって組み合わせが変わるため、この記事では国際線区間の具体的な合計額までは断定しません。正確な内訳は、購入する航空券の運賃明細で確認するのが確実です。
| 空港 | ターミナル | PSFC目安(国内線) |
|---|---|---|
| 成田国際空港 | 第1・第2 | 450円 |
| 成田国際空港 | 第3 | 390円 |
| 羽田空港 | – | 370円 |
| 関西国際空港 | 第1 | 440円 |
| 関西国際空港 | 第2(出発) | 420円 |
金浦(김포)と羽田を結ぶ路線のように、日韓双方の空港利用料・PSFCがそれぞれ課される組み合わせもあります。この路線ならではの利便性や所要時間については金浦-羽田便の記事で扱っているので、税金以外の比較材料として参考にしてみてください。
結局いくら乗っているのか——日韓の航空券に含まれる公租公課を並べる
ここまでの内容を整理すると、韓国発の国際線であれば出国納付金7,000ウォン+空港利用料17,000ウォンで、税・利用料だけでもおおむね24,000ウォン前後が運賃に含まれている計算になります(2026年9月4日確認)。日本発の国際線であれば国際観光旅客税3,000円+空港ごとのPSFCが加わりますが、PSFCは空港・ターミナル・便によって変動するため、合計額は路線ごとに航空券の明細で確認するほかありません。

格安航空会社(LCC)のチケットが従来型の航空会社より安く見えるのは、こうした国が定める税・利用料を値引きしているからではありません。出国納付金や国際観光旅客税は、どの航空会社を使っても同じ旅客に同じ金額が課される公的な項目です。LCCの総額が変わって見える主な理由は、預け荷物や座席指定など航空会社側が独自に設定するサービス料金の違いによるところが大きく、この点はLCCの手荷物ルールまとめで詳しく扱っています。
空港のカウンターで別途払うものはあるのか——タックスリファンドと混同しない
ここまで見てきたとおり、出国納付金・空港利用料・国際観光旅客税・PSFCはいずれも航空券購入時にすでに徴収済みで、出国当日に空港のカウンターへ現金や別料金を持っていく必要はありません。ではなぜ「空港で税金を払った」という体験談を見かけることがあるのかというと、多くの場合、混同されているのは免税品の税金還付(内国税還付)の手続きです。
こちらは韓国国内で1万5,000ウォン以上の対象商品を購入した外国人旅行者が、出国前に空港の税関窓口・キオスクで手続きをして、商品にかかっていた付加価値税分の払い戻しを受けるという性質のものです。仁川国際空港の公式案内では、購入時に受け取った書類を持って搭乗手続き前に税関確認を受け、その後の窓口や自動化機器で還付を受け取る流れが説明されています(2026年9月4日確認)。これはお金が戻ってくる手続きであり、今回のテーマである出国税や利用料のようにお金を払うものとは真逆の性質を持つため、名前が似ていても切り分けて考える必要があります。免税品の買い方や対象店舗については免税店ガイドで確認してください。
出国税・利用料の税率や免税・還付制度の適用条件は、法令改正によって今後も変わり得ます。この記事の内容だけで判断せず、渡航直前には航空会社や各空港運営会社、文化体育観光部・国税庁などの公式発表で最新情報を確認することをおすすめします。
乗り継ぎ(トランジット)のときの扱い——24時間以内なら課税されないことも
日本発の便を乗り継いで最終的に国外へ出る場合、国際観光旅客税の扱いが気になる人も多いはずです。国税庁の案内では、日本に入国してから24時間以内に出国する乗り継ぎ旅客は非課税とされています。つまり、日本を経由して別の国へ向かうだけで日本国内に長く滞在しない旅程であれば、この税金の対象外になり得るということです。24時間を超えて滞在する場合は、通常の出国と同じ扱いになる点には注意してください。
仁川空港や羽田・成田を経由地として使う旅程を組む場合、乗り継ぎ時間の長さによって税金の扱いだけでなく、免税店を利用できるかどうかも変わってきます。どの空港をどう経由するかという選び方自体は日韓の就航空港と経由の考え方にまとめているので、複数都市を回る旅程を検討している人は参考にしてみてください。
航空券を使わなかったとき——出国納付金や旅客税の払い戻し
予定が変わって航空券を使わなかった場合、すでに支払った出国納付金や国際観光旅客税がどうなるのか気になるところです。報道されている情報によると、韓国では搭乗しなかった区間にかかる空港施設使用料や各種の税・負担金は、航空運賃本体とは切り離して払い戻しの対象になり得るとされています。格安航空券のように運賃本体が払い戻し不可(非還付)の条件であっても、税金や利用料の部分だけは別扱いになるケースがあるという整理です。
日本の国際観光旅客税についても、性質としては実際に出国した旅客に対して課される税金のため、渡航自体が発生しなかった場合には課税の前提が崩れることになります。ただし、実際の払い戻し方法や必要な手続きは航空会社ごとの規定によって異なり、自動的に返金されるとは限りません。航空券を購入したものの結局使わなかった、あるいは経路を変更したという場合は、税・利用料分の払い戻しについて利用した航空会社のカスタマーサポートに個別に確認するのが確実です。
- 運賃本体が非還付でも、税金・利用料の部分だけは払い戻し対象になり得る
- 払い戻しの申請方法・可否は航空会社ごとに異なるため、個別確認が必要
- 2024年7月の韓国出国納付金引き下げのように、制度変更をまたぐ場合は差額還付の案内が出ることもある
よくある質問
まとめ
- 韓国・日本とも、出国関連の税・利用料は原則として航空券購入時に運賃へ組み込まれ、空港での別払いは不要
- 韓国の出国納付金は2024年7月から12歳以上7,000ウォン、12歳未満は免除に変更(2026年9月4日確認)
- 韓国の「国際貧困退治」の別枠負担金は根拠法が廃止され、現在は徴収されていないという整理
- 韓国の空港利用料は国際線出発17,000ウォン・乗り継ぎ10,000ウォン(2026年9月4日確認)
- 日本の国際観光旅客税は2026年7月1日から1,000円→3,000円に引き上げ済み。発券タイミングにより経過措置あり
- 日本のPSFCは空港・ターミナルごとに金額が異なり、いずれも航空券に含まれる
- 空港カウンターでの手続きは、出国税ではなく免税品の税金還付(内国税還付)であることがほとんど
- 乗り継ぎは日本側で24時間以内なら非課税、韓国側は利用料が出発より低い金額に設定
- 航空券を使わなかった場合、税・利用料の部分だけ払い戻しの対象になり得るが手続きは航空会社次第
出国にまつわる税金や利用料は、金額そのものよりも「誰がいつ払っているのか」が分かりにくいために不安を感じやすい分野です。今回整理した内容を頭に入れておけば、空港で急に現金を求められるのではという心配をせずに、免税品の買い物や搭乗手続きに集中できるはずです。旅行全体の予算をどう組み立てるかは韓国3泊4日の費用まとめも参考に、税・利用料込みの総額で計画を立ててみてください。
参考・出典
- 대한민국 정책브리핑(大韓民国政策広報)「7월부터 ‘출국납부금’ 3000원 ↓…면제 ’12세 미만’으로 확대」 https://www.korea.kr/news/policyNewsView.do?newsId=148930880 (2026年9月4日確認)
- 国税庁「No.7195 国際観光旅客税のあらまし」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7195.htm (2026年9月4日確認)
- 인천국제공항(仁川国際空港) 公式サイト「内国税還付」案内ページ https://www.airport.kr/ap_ko/898/subview.do (2026年9月4日確認)
- 한국공항공사(韓国空港公社) 公式サイト「空港施設使用料」案内ページ https://www.airport.co.kr/www/cms/frCon/index.do?MENU_ID=1820 (2026年9月4日確認)
- 成田国際空港株式会社 公式サイト「旅客サービス施設使用料・旅客保安サービス料」案内ページ https://www.narita-airport.jp/ja/airportguide/psfc/ (2026年9月4日確認)
- 関西国際空港 公式サイト「旅客サービス施設使用料(PSFC)・旅客保安サービス料(PSSC)について」 https://www.kansai-airport.or.jp/flight/route/psfc_pssc.html (2026年9月4日確認)

