「今日イーマートに行ったら閉まっていた」——韓国旅行のSNSでこうした投稿を見かけたことはありませんか。韓国の大型マート(대형마트)には、法律で決められた「義務休業日(의무휴업일)」があり、月に2回、決まった日に休業します。厄介なのは、この休業日が全国一律ではなく、店が立地する自治体によって違うこと。かつては「毎月第2・第4日曜日」が定番でしたが、近年は平日に切り替える自治体が増えていて、以前調べた情報のまま訪れると閉まっている、というケースも起きています。この記事では、義務休業日という制度の仕組み、対象になる店とならない店の見分け方、そして「自分が行く店の今月の休業日」を確実に調べる方法を、確認できた範囲で整理しました。マート全般での買い物のコツは韓国のスーパーでの買い物ガイドにまとめているので、あわせて読むと当日の動きがスムーズになるはずです。
韓国の大型マート(イーマート・ホームプラス・ロッテマートなど)は、流通産業発展法(유통산업발전법)に基づき月2回の義務休業日が定められています。休業日は自治体の首長が指定するため全国一律ではありません。「第2・第4日曜日」が長く標準でしたが、大邱・清州のように早くから平日へ切り替えた自治体や、ソウル市内でも中区・冠岳区(クァナク区)のように平日転換を決めた区が増えています(2026年9月4日確認)。百貨店・コンビニ・ダイソー・オリーブヤング・伝統市場・小規模な食品スーパーはこの規制の対象外で、休業日でも通常どおり営業しています。行く予定がある人は、まず「その店は義務休業の対象か」、次に「今月の休業日はいつか」の順で、各社公式サイトの店舗ページを確認するのが確実です。
結論——義務休業日は月2回、曜日は店ごとに違う
改めて整理すると、韓国の大型マートの休業日は「月に2回」という頻度自体は全国共通ですが、それが具体的に何曜日になるかは店が立地する自治体次第です。制度の根拠は流通産業発展法第12条の2で、特別自治市長・市長・郡守・区庁長(自治体の首長)が、管轄区域内の大型マートに対して毎月2日を義務休業日として指定する義務を負っています。法律上の原則は「公休日(祝日を含む休日)の中から指定する」ですが、大型マート側と伝統市場・小規模商店側の利害関係者が合意すれば、公休日以外の平日を休業日にすることも認められています。この「合意すれば平日でもよい」という例外規定こそが、後の見出しで説明する地域差の出発点です。
旅行者の視点でいちばん困るのは、この「原則は日曜、例外で平日」という構造そのものです。だからこそ、この記事のタイトルにもある問いに一律の答えを出すことはできず、必ず行く予定の店舗の公式ページで当月の日程を確認する、という着地点になります。次の見出しからは、この制度の中身と、なぜ地域差が生まれているのかを順番に見ていきます。
そもそも義務休業日とは何か——流通産業発展法の仕組み
義務休業日という制度の出どころは、韓国の유통산업발전법(流通産業発展法)という法律です。国家法令情報センター(law.go.kr)で確認したところ、この法律の第12条の2には、大型マートなど一定規模以上の店舗の営業時間と休業日について、自治体の首長が制限や指定を行えると定められています(2026年9月4日確認)。対象になるのは、売場面積の合計が3,000平方メートル以上の「大規模店舗(대규모점포)」と、大企業系列のスーパーマーケットチェーンにあたる「準大規模店舗(준대규모점포)」です。準大規模店舗には、コンビニより大きくイーマートより小さい規模の系列スーパー(いわゆるSSM)が含まれます。
自治体の首長は、この対象店舗に対して毎月2日を義務休業日として指定する義務があり、原則は祝日を含む「公休日」の中から選びますが、利害関係者が合意すれば公休日以外の平日を休業日にすることも法律上認められています。年間売上のうち農水産物の比率が55%以上を占める一部の店舗は、自治体の条例により義務休業の対象から外れる場合があることも確認できました。つまり、義務休業日は「法律が曜日まで決めている」わけではなく、「法律は月2日という頻度と対象範囲を決め、具体的な曜日は自治体に委ねている」という二段構えの制度だと理解しておくと、これ以降の見出しに出てくる地域差に戸惑わずに済むはずです。
対象になる店・ならない店——ダイソーやオリーブヤングが休まない理由
「行く予定の店は、そもそも義務休業の対象なのか」を先に確認しておくと、無駄に休業日を気にせずに済みます。確認できた範囲では、対象になるのはイーマート・ホームプラス・ロッテマートなどの大型マートと、大企業系列の中型スーパー(準大規模店舗、いわゆるSSM)です。一方で、次の業態は義務休業の対象外で、休業日でも通常どおり営業しています。
- 百貨店(ロッテ百貨店・新世界百貨店など)
- コンビニ(GS25・CU・세븐일레븐など)
- ダイソー——売場面積が対象基準に届かないため
- オリーブヤングなどのH&B専門店
- 伝統市場——そもそも保護される側で規制対象ではない
- 小規模な個人経営の食品スーパー
対象外になる理由は業態ごとに違います。ダイソーやオリーブヤングは、法律が定める「売場面積3,000平方メートル以上」という大規模店舗の基準に届かない店舗が大半のため、そもそも規制の枠外にあると整理されています。実際、韓国のメディア報道でも、ダイソーが義務休業の規制を受けずに主要商圏への出店を広げている状況が指摘されています(2026年9月4日確認)。百貨店とコンビニは、法律上そもそも対象業態に含まれていません。伝統市場は逆に、この制度によって守られる側の存在です。ダイソーでの買い物のコツはソウルのダイソー店舗ガイドに別途まとめているので、大型マートが休みの日の代替候補として先にチェックしておくと安心です。

曜日がバラバラな理由——「第2・第4日曜」から平日転換が進む
韓国の大型マートの義務休業日といえば「毎月第2・第4日曜日」というイメージを持っている人が多いはずです。実際、この制度が2012年に導入されて以降、長く多くの自治体でこの日曜日パターンが標準でした。ところが近年、これを平日に切り替える自治体が急速に増えています。政策動向を確認したところ、2024年1月22日に政府主催で開かれた民生討論会で、大型マートの義務休業日について「公休日を原則とする規定を廃止する」方向の流通産業発展法改正を推進する方針が発表されました(2026年9月4日確認)。この発表を境に、平日への切り替えを決める自治体が目立って増えたと伝えられています。
具体的な広がり方も確認できました。平日転換を行った基礎自治体(市区郡)の数は、2023年2月時点で全国8か所だったものが、2025年2月時点で30か所(全国の基礎自治体の約13%)に増え、その後の報道では76か所前後まで広がったと伝えられています(2026年9月4日確認)。つまり、数年前に調べた「あのマートの休業日」が、いま訪れると曜日ごと変わっている可能性は十分にあるということです。次の見出しで、確認できた具体的な地域の例を見てみましょう。
ソウル・地方の実例——中区や冠岳区は平日、大邱・清州は先行組
確認できた範囲で、実際に平日転換を行った自治体の例を整理します。地方では大邱広域市が2023年2月に義務休業日を月曜日へ変更したのが早い例で、清州市も2023年5月から休業日を水曜日に切り替えました(2026年9月4日確認)。ソウル市内でも、中区が義務休業日を「第2・第4日曜日」から「第2・第4水曜日」に変更し、冠岳区も日曜日から平日への変更を決めたと報じられています。ソウル市議会でも、区ごとの条例改正を後押しする動きが2024年から進んでいます(2026年9月4日確認)。
| 自治体 | 従来の休業日 | 転換後の休業日 |
|---|---|---|
| 大邱広域市 | 第2・第4日曜日 | 月曜日(2023年2月〜) |
| 清州市 | 第2・第4日曜日 | 水曜日(2023年5月〜) |
| ソウル特別市中区 | 第2・第4日曜日 | 第2・第4水曜日 |
| ソウル特別市冠岳区 | 日曜日 | 平日 |
一方で、ソウルの江南区や鍾路区など、今回の調査では平日転換の具体的な報道を確認できなかった区も残っています。これらの区がいまも日曜日を義務休業日にしていると断定はできず、条例改正が個別に進んでいる可能性もあるため、この記事では一律に「まだ日曜日」とは書きません。大事なのは、地域名で一般化せず、行く店舗そのものの公式ページで確認することです。
「第2・第4日曜日」は今も多くの地域で使われていますが、それはあくまで「まだ平日に転換していない自治体の標準」であり、全国共通のルールではありません。同じソウル市内でも区によって違うため、区名や店舗名で必ず個別に確認してください。
「今月はいつ休むのか」を確認する方法——各社の店舗ページ
ここまで見てきた通り、義務休業日は「地域」だけでなく、条例改正のタイミングによっても変わり得るため、いちばん確実なのは各社の公式サイトで、行く予定の店舗の休業日を直接確認することです。イーマートは公式サイト内に休店日を案内するページ(store.emart.com/main/holiday.do)を設けており、地域や店舗を選ぶとその店の休業日が表示される仕組みになっています(2026年9月4日確認)。ホームプラスも公式サイトの「マイホームプラス」内に店舗検索ページがあり、店舗ごとの案内を確認できます(2026年9月4日確認)。ロッテマートについても公式サイト(lottemart.com)に店舗案内ページがあり、各店舗のページで休業日を確認する案内になっています。
公式サイト以外では、NAVER地図やカカオマップで店舗名を検索すると、営業時間の項目に休業日の案内が表示されている店舗もあります。ただしこれは店舗側の登録情報に依存するため、更新が追いついていない場合もある点は留意してください。旅行や買い出しの予定日が決まっている人は、出発前にコンビニのレジ待ち程度の数分で済む作業なので、面倒がらずに公式サイトでのチェックを済ませておくと安心です。
深夜営業にも上限がある——午前0時〜10時の営業制限
義務休業日と合わせて知っておきたいのが、営業時間そのものの制限です。国家法令情報センターで確認した流通産業発展法第12条の2によると、自治体の首長は大型マートに対して午前0時から午前10時までの範囲で営業時間を制限できると定められています(2026年9月4日確認)。つまり、休業日でなくても、深夜から早朝にかけては営業していない大型マートが基本という理解になります。日本の一部のスーパーやコンビニのように24時間営業を期待して深夜に訪れると、閉まっている可能性が高いので注意が必要です。
営業開始時刻についても、多くの大型マートは午前10時前後からの営業が一般的とされています。閉店時刻は店舗によって差があり、確認できた範囲ではイーマートは22時前後、ホームプラスは24時前後、ロッテマートは23時前後までとする案内が見られましたが、これも店舗ごとに異なるため、当日の営業時間は店舗ページでの確認をおすすめします。
休業日に当たってしまったら——代わりに行ける店
事前に確認したつもりでも、旅程の都合で義務休業日に当たってしまうことはあります。そんなときの代替候補として、まず挙がるのが対象外の業態です。日用品や食品を少量だけ買いたいならコンビニ、化粧品や医薬部外品ならオリーブヤング、雑貨や文房具ならダイソーが定番の代わりになります。もう少しまとまった買い物をしたいなら百貨店の地下食品売り場も選択肢です。百貨店の回り方はソウルの百貨店ガイドにまとめているので、休業日に当たったときの避難先として覚えておくと便利です。
ソウルの都心部であれば、駅と直結した地下商店街も、大型マートとは別の営業時間で動いている場合が多く、休業日を気にせず立ち寄れる選択肢のひとつです。詳しくはソウルの地下商店街ガイドで紹介しています。イーマート系列のプライベートブランド商品が目当てで来た場合は、系列の商品構成そのものについてイーマートのPB(ノーブランド)商品の記事で扱っているので、代わりの入手手段を考える参考にしてください。9月に訪韓する予定がある人は9月の韓国旅行ガイドもあわせて確認しておくと、旅程全体の買い物計画が立てやすくなるはずです。
- 少量の日用品・食品を買いたい→コンビニ
- コスメ・医薬部外品が目的→オリーブヤング
- 雑貨・キッチン用品で十分→ダイソー
- まとまった買い物をしたい→百貨店の地下食品売り場
- 駅近くで手早く済ませたい→地下商店街
よくある質問
まとめ
- 大型マート(イーマート・ホームプラス・ロッテマートなど)は月2回の義務休業日がある
- 休業日を指定するのは自治体の首長。全国一律ではなく地域ごとに違う
- 「第2・第4日曜日」が伝統的な標準だが、平日へ切り替える自治体が増えている
- 大邱(月曜)・清州(水曜)、ソウル中区(第2・第4水曜)などが先行して平日転換
- 百貨店・コンビニ・ダイソー・オリーブヤング・伝統市場・小規模スーパーは対象外
- 営業時間にも上限があり、午前0時〜10時の範囲で制限される
- 確実な確認方法は各社公式サイトの店舗ページ。地図アプリの情報は補助程度に
- この記事の内容は2026年9月4日時点のもの。訪問前に必ず最新情報を確認する
義務休業日という制度は、地域差と平日転換の広がりという2つの動きが同時に進んでいるため、「これさえ覚えておけば大丈夫」という単純な答えを出しにくいテーマです。だからこそ、この記事では曜日を断定する代わりに、対象になる店とならない店の見分け方、そして確認先の公式サイトを整理することに力を入れました。行く予定の店が決まったら、まずはその公式サイトの店舗ページを開いてみてください。
参考・出典
- 国家法令情報センター(law.go.kr) 유통산업발전법(流通産業発展法) 第12条の2 https://law.go.kr/lsLinkCommonInfo.do?chrClsCd=010202&lsJoLnkSeq=1019575265 (2026年9月4日確認)
- 国家法令情報センター(law.go.kr) 유통산업발전법 第2条(定義・大規模店舗/準大規模店舗) https://www.law.go.kr/LSW/lsLawLinkInfo.do?chrClsCd=010202&lsJoLnkSeq=900151916 (2026年9月4日確認)
- 大韓民国政策ブリーフィング(korea.kr) 「基礎自治体76か所、大型マート義務休業を『平日』に移す」 https://www.korea.kr/news/policyNewsView.do?newsId=148927743 (2026年9月4日確認)
- 京郷新聞(khan.co.kr) 「ソウル市内の大型マート義務休業日、平日転換へ…ソウル市議会条例改正推進」 https://www.khan.co.kr/article/202401231548001 (2026年9月4日確認)
- 大邱MBC(imnews.imbc.com) 「大邱・清州の大型マート義務休業日、平日へ転換」 https://imnews.imbc.com/news/2023/politics/article/6482203_36119.html (2026年9月4日確認)
- TBC大邱放送(tbc.co.kr) 「大型マート義務休業日の平日転換…伝統市場・商店街への打撃なし」 https://tbc.co.kr/news/view?c1=code&c2=&id=206681&pno=20260521170552AE00114 (2026年9月4日確認)
- 韓国経済新聞(hankyung.com) 「義務休業規制を受けないダイソー…主要商圏に無限拡張」 https://www.hankyung.com/article/2025080532011 (2026年9月4日確認)
- イーマート公式サイト 休店日案内ページ https://store.emart.com/main/holiday.do (2026年9月4日確認)
- ホームプラス公式サイト マイホームプラス 店舗検索ページ https://my.homeplus.co.kr/store (2026年9月4日確認)

