ソウル旅行の計画を立てていて、「地下にすごく大きい本屋さんがあるらしい」という話を耳にしたことはありませんか。地図アプリで光化門(クァンファムン)エリアを調べると、地下深くまで広がる巨大な店舗が出てきて、「本を読まない人でも楽しめるの?」と気になった人もいるはずです。実はその店、韓国最大手の書店チェーン教保文庫(キョボムンゴ)のことかもしれません。旅行者にとっての本命は、実は本そのものより店内に併設された文具・雑貨・音盤コーナー「HOTTRACKS(ホットトラックス)」だったりします。
教保文庫(キョボムンゴ)は1980年創業、韓国最大手の書店チェーンです。旗艦店の光化門本店は地下1階に広がる大型店で、公式サイトで営業を確認できたのは光化門本店・江南店・永登浦店(タイムズスクエア内)の3店。旅行者にとっての実利は本そのものより、併設のHOTTRACKS(ホットトラックス)が扱う文具・雑貨・K-POPコーナーにあります。なお「COEXの図書館=教保文庫」と思われがちですが、あの星形の図書館は運営会社が別で、教保文庫の店舗ではありません。この記事では公式サイトで確認できた情報だけを整理します。
教保文庫(キョボムンゴ)って何? 韓国最大手、地下に広がる書店という構造
教保文庫は1980年12月24日に設立され、翌1981年6月1日、ソウル鍾路区の教保生命ビル地下1階に光化門本店(1号店)を開業しました。韓国語版Wikipediaによれば、開業当初は韓国で初めての完全開架式書店で、単一フロアの面積としては当時世界最大級だったと紹介されています。閉架式の貸本文化が主流だった時代に、読者が自由に手に取って読める書店という形を国内で最初に提示した店、という位置づけです。
その後、光化門本店は1992年・2010年・2015年と複数回リニューアルを重ねています。2003年には江南(カンナム)に2号店にあたる江南店を開業し、売り場面積は国内最大級と紹介されています。全国の店舗数については、公式沿革ページに現時点の正確な数字の記載が無く、韓国語版Wikipediaは「41店舗」としていますが更新時点が不明です。日付が明確な報道では2024年10月時点で「全国34店舗」という記述があり、本記事ではこちらを参考に「全国30店舗台」という控えめな表現に留めます。
光化門本店は地下鉄5号線・光化門駅と地下通路でつながっているとされ、駅から雨に濡れずに入店できる立地の良さも旅行者には助かるポイントです。次の項目では、公式サイトで実際に営業を確認できた店舗を具体的に見ていきます。
光化門本店・江南店・永登浦店 — 公式サイトで営業を確認できた3店と行き方
教保文庫の公式店舗案内ページ(store.kyobobook.co.kr)で、住所・営業時間・定休日を個別に確認できた店舗のうち、旅行者が動きやすい3店を紹介します。光化門本店は서울특별시 종로구 종로 1(教保生命ビル地下1階)、営業時間は9:30〜22:00で、定休日は旧正月当日・秋夕(チュソク)当日のみです。江南店は서울특별시 서초구 강남대로 465(教保タワー地下1〜地下2階)、こちらも9:30〜22:00の営業で定休日は光化門本店と同じです。
教保文庫光化門本店の地図(2026年8月24日確認の住所で表示)。NAVER地図で店名検索する場合はこちらから。
江南店は地下鉄9号線・新論峴(シンノンヒョン)駅の8番または9番出口が最寄りと、教保タワー公式サイトのアクセス案内に明記されています。2号線・江南駅や7号線・論峴駅からも徒歩8分圏内とされていますが、いちばん迷いにくいのは新論峴駅から地下でつながる経路のようです。
教保文庫江南店の地図(2026年8月24日確認の住所で表示)。NAVER地図で店名検索する場合はこちらから。
永登浦(ヨンドゥンポ)店は繁華街のショッピングモール「タイムズスクエア」の2階に入っており、서울특별시 영등포구 영중로 15、営業時間は10:30〜22:00です。他の2店と違って年間を通じて定休日が無く、旧正月・秋夕の当日だけ13:00〜22:00の短縮営業になる点が特徴です。KTX・新幹線が発着する龍山(ヨンサン)駅やソウル駅から移動しやすいエリアにあるため、乗り換えの合間に立ち寄る店として覚えておくと便利です。
| 店名 | 所在地の目安 | 営業時間 | 定休日 |
|---|---|---|---|
| 光化門本店 | 鍾路区・教保生命ビル地下1階 | 9:30〜22:00 | 旧正月・秋夕の当日 |
| 江南店 | 瑞草区・教保タワー地下1〜2階 | 9:30〜22:00 | 旧正月・秋夕の当日 |
| 永登浦店 | タイムズスクエア2階 | 10:30〜22:00 | なし(旧正月・秋夕は短縮営業) |
COEXに教保文庫はある? よくある勘違いを整理
ここは、この記事でいちばん訂正しておきたいポイントです。ソウル旅行の情報を集めていると、COEX(コエックス)モールの中央にある星形の吹き抜け図書館の写真を見かけることが多いはずです。フォトスポットとしてSNSでもよく紹介されるあの施設は별마당도서관(ピョルマダン図書館)という名前で、モール運営会社スターフィールドが開設した無料の閲覧スペースです。今回の調査では、この施設が教保文庫の店舗であるという情報は確認できませんでした。
さらに紛らわしいのですが、COEXモール内で実際に本を購入できる有料書店は영풍문고(ヨンプンムンゴ=永豊文庫)という、教保文庫とは別のライバルチェーンです。つまり「COEXに行けば教保文庫がある」という前提自体が、今回確認した限りでは成立しません。教保文庫を目当てにCOEXへ向かうと、目的の店が見つからずに戸惑うことになります。
COEXモールで星形の図書館を見たいだけなら別마당図書館へ、教保文庫のHOTTRACKSで買い物をしたいなら光化門本店・江南店・永登浦店へ、と目的地を分けて考えるのが確実です。COEXモール全体の見どころはCOEXモールの歩き方ガイドでも整理しているので、あわせて確認しておくと計画が立てやすくなります。
この勘違いは日本語の旅行情報でもたびたび見かけるため、あらかじめ知っておくだけで「教保文庫のはずが図書館で本が買えなかった」という空振りを防げます。次の項目では、旅行者にとっての本命であるHOTTRACKSについて詳しく見ていきます。
旅行者の本命はHOTTRACKS(ホットトラックス) — 文具・雑貨コーナー
教保文庫の各店舗には、文具・音盤・雑貨を扱う併設ブランド핫트랙스(ホットトラックス)「HOTTRACKS」があります。公式沿革によれば、母体となる文具ブランド「文譜場(ムンボジャン)」は1991年10月に設立され、翌1992年5月31日、光化門本店と同じ教保生命ビル地下1階に音盤ブランドとして「HOTTRACKS」を開業しました。2000年代に文具ブランドと音盤ブランドが統合され、2007年に社名を「教保ホットトラックス」に変更、2005年に教保文庫の子会社となり、2023年には法人統合が行われています。
HOTTRACKS公式サイトの案内によれば、取扱商品は筆記具、デザイン文具(ダイアリー・カレンダー・ブックカバー)、音盤・映像(CD・LP・DVD/Blu-ray)、美術・オフィス用品、読書用品(ブックライト・書見台)、デジタルガジェット、ホーム雑貨、旅行・趣味用品、キッズ用品と幅広く、「文房具屋さん」というより「1〜2時間つぶせる複合ショップ」に近い品揃えです。光化門本店では、教保文庫の書籍売り場を抜けた先、レジ横の通路の奥にHOTTRACKS区画が独立して広がっているという構成が来店者の記録から見えてきます。
文具・雑貨に力を入れた店という点では、明洞や弘大に多いARTBOX(アートボックス)などのデザイン文具チェーンと比較されることもあります。両者の違いや使い分けについてはARTBOXの店舗ガイドでも扱っているので、文具・雑貨めぐりを重視するなら読み比べてみてください。次の項目では、HOTTRACKSのもうひとつの顔であるK-POPコーナーについて見ていきます。
HOTTRACKSでK-POPアルバムは買える? チャート反映の話は別記事へ
結論から言うと、HOTTRACKSはK-POPアルバムの主要な取扱窓口のひとつです。HOTTRACKS公式サイトの音楽・映像ページでは、K-POPアーティストの新譜が出荷予定日つきで多数掲載されており、同じタイトルでもジュエルケース版・フォトブック版など複数バージョンが並ぶ展開が確認できます。店頭でもオンラインと同様に、幅広いアーティストのアルバムやグッズを扱っているとみられます。
ここで一つだけ、あらかじめ伝えておきたい注意点があります。K-POPアルバムの売上枚数が各種音楽チャートにどう反映されるか、そしてチャート反映を意識した買い方(どの流通・どの版を選ぶべきか)は、店舗の営業情報とは別の専門性が要る話です。この記事では店舗案内の範囲にとどめ、詳しい仕組みや買い方のコツは既存の専門記事に譲ります。
旅行中に「せっかくソウルまで来たから推しのアルバムを買いたい」と思ったら、光化門本店・江南店どちらのHOTTRACKSでも探してみる価値はあります。店舗によって在庫や品揃えの厚みが異なる可能性があるため、目当てのタイトルが決まっている場合は複数店を回る前提で計画しておくと安心です。
韓国語学習者向け — 教材・辞書・原書の探し方、日本語の本はあるか
韓国語を勉強している人にとっても、教保文庫は覗く価値のある店です。公式サイトの商品カテゴリを見ると、한일사전(韓日辞典)・일한사전(日韓辞典)それぞれの独立カテゴリがあり、「外国人のための韓国語学習辞典」という商品も確認できます。TOPIK(韓国語能力試験)対策教材についても、Talk To Me In Koreanシリーズの「한국어능력시험 TOPIK 1」「TOPIK 2」など、複数のタイトルが公式サイトに掲載されていました。
「教材だけでなく、韓国語の原書で読む練習をしたい」という人には、書店に並ぶ韓国語の小説やエッセイそのものが原書にあたります。教保文庫は国内最大手だけあって、韓国語の一般書の物量では他の追随を許さない品揃えです。どのジャンルから手に取ればよいか迷う場合は、店内のベストセラーコーナーから探し始めると、初心者でも話題の1冊にたどり着きやすいはずです。
気になる日本語書籍の在庫についてですが、教保文庫の公式商品サイトには「日本図書」という独立カテゴリがあり、雑誌・漫画/アニメ・文学・ライトノベル・実用書/芸術など、日本語の原書(輸入書)を扱うセクションの存在が確認できました。ただし、店頭での実際の陳列規模や具体的な取り扱いタイトル数までは、今回の調査では確認できていません。日本語の本を目当てに訪れる場合は、期待しすぎず「あれば儲けもの」くらいの気持ちで探すのが現実的です。
支払い・免税(Tax Refund)は使える? 持ち帰る本の重量の考え方
支払い方法について、教保文庫固有の案内をこの調査で個別に確認することはできませんでしたが、韓国の一般的な小売店と同様、クレジットカードでの支払いに幅広く対応しているとみられます。現金しか使えない可能性を心配する必要は薄そうですが、念のため会計前に利用可能な決済方法を確認しておくと安心です。
税還付(Tax Refund)については、韓国観光公社(KTO)公式サイトVisitKoreaに、江南店(教保文庫本体)とHOTTRACKS光化門店・HOTTRACKS江南店がそれぞれ個別に「Tax Refund Shop」として掲載されていることを確認しました。ただし今回の調査では、掲載ページのタイトルまでは確認できたものの、還付方式が即時還付か事後還付か、最低購入金額がいくらかといった詳細本文までは確認できていません。
税還付の対応状況や最低購入額は店舗・時期によって変わる可能性があります。教保文庫・HOTTRACKS固有の条件として断定できる情報は今回の調査では見つからなかったため、会計前にレジまたは店頭の「Tax Free」表示で確認するのが確実です。一般的な事後免税の流れとしては、対象店舗でパスポートを提示し、還付用のレシートを受け取ったうえで、出国前に空港などの還付カウンターで手続きする形が案内されています。
本という商品の性質上、旅行の終盤に「気づいたら荷物が本でずっしり重くなっていた」ということも起こりがちです。ハードカバーの本を何冊もまとめ買いすると、スーツケースの重量制限に響く可能性があります。文庫サイズや電子版があるタイトルを選ぶ、あるいは重い本は数冊に絞って残りは日本の通販や電子書籍で読むといった工夫をしておくと、帰りの空港でスーツケースの重さに焦らずに済むはずです。
併設カフェ・読書テーブル — 休憩場所として使う視点
教保文庫は「買い物をする場所」だけでなく「休憩する場所」としても使い勝手がよい店です。光化門本店は2015年12月のリニューアルで、ソファ型・ベンチ型・テーブル型など20カ所に約300席の読書スペースを新設したと報じられています。なかでも目玉になっているのが、ニュージーランド産の樹齢約5万年ともいわれるカウリ材を使った特大読書テーブルで、一度に約100人が着席できる規模だと紹介されています。
歩き疲れたときに、本を1冊手に取ってこの巨大なテーブルに腰掛けるだけでも、ちょっとした休憩スポットとして成立します。冷房の効いた屋内で座って過ごせる場所は、真夏や真冬のソウル観光では意外と貴重です。街歩きの合間に「とりあえず涼める場所」「とりあえず座れる場所」として教保文庫を選択肢に入れておくと、スケジュールに余裕が生まれるかもしれません。

よくある質問
まとめ
- 教保文庫(キョボムンゴ)は1980年創業、韓国最大手の書店チェーン
- 公式サイトで営業を確認できたのは光化門本店・江南店・永登浦店(タイムズスクエア内)の3店
- COEXモールの星形図書館は教保文庫の店舗ではなく、COEX内の書店は別チェーンの영풍문고
- 旅行者の本命は併設ブランドHOTTRACKS(ホットトラックス)の文具・雑貨・K-POPコーナー
- K-POPアルバムのチャート反映など専門的な買い方は別記事で詳しく解説
- 江南店とHOTTRACKS光化門店・江南店はKTO公式サイトで税還付対応店として確認済み
教保文庫は「本を読む人だけの店」ではなく、文具・雑貨・音盤・休憩スペースまでそろった複合施設に近い場所です。COEXの図書館と混同さえしなければ、光化門・江南・永登浦のどのエリアからでもアクセスしやすく、旅程の合間に組み込みやすい存在になるはずです。韓国語の勉強に使えるアプリを探している人は韓国語学習アプリのおすすめ、紙の教材でじっくり学びたい人は韓国語教材のおすすめもあわせて参考にしてみてください。
参考・出典
- 교보문고 위키백과(創業年・光化門本店の沿革) https://ko.wikipedia.org/wiki/교보문고 (2026年8月24日確認)
- 英語版Wikipedia Kyobo Book Centre(江南店の開業年・売り場面積) https://en.wikipedia.org/wiki/Kyobo_Book_Centre (2026年8月24日確認)
- 教保文庫公式沿革ページ(会社沿革、HOTTRACKSの沿革) https://company.kyobobook.co.kr/kyobo/khistory (2026年8月24日確認)
- 教保文庫公式店舗案内 光化門本店(住所・営業時間・定休日) https://store.kyobobook.co.kr/store-info/001 (2026年8月24日確認)
- 教保文庫公式店舗案内 江南店 https://store.kyobobook.co.kr/store-info/015 (2026年8月24日確認)
- 教保文庫公式店舗案内 永登浦店 https://store.kyobobook.co.kr/store-info/036 (2026年8月24日確認)
- 教保タワー公式サイト(江南店の最寄り駅・出口案内) https://www.kyobotower.co.kr/tower/about/map/map.html (2026年8月24日確認)
- HOTTRACKS公式サイト(取扱商品) https://hottracks.kyobobook.co.kr/ (2026年8月24日確認)
- HOTTRACKS音楽・映像ページ(K-POPアルバムの取扱状況) https://hottracks.kyobobook.co.kr/media (2026年8月24日確認)
- 경향신문(光化門本店の読書テーブル、2015年11月17日記事) https://www.khan.co.kr/article/201511171251331 (2026年8月24日確認)
- 스타필드 코엑스몰 별마당도서관(COEXの図書館の運営元) https://m.starfield.co.kr/coexmall/tenant/starfieldLibrary (2026年8月24日確認)
- 教保文庫 日本図書カテゴリ https://product.kyobobook.co.kr/JAP (2026年8月24日確認)
- 教保文庫 韓日辞典カテゴリ https://product.kyobobook.co.kr/category/KOR/27230703 (2026年8月24日確認)
- 教保文庫 TOPIK1教材商品ページ(Talk To Me In Korean) https://product.kyobobook.co.kr/detail/S000219349564 (2026年8月24日確認)
- 韓国観光公社(KTO)VisitKorea公式サイト(江南店・HOTTRACKS各店のTax Refund Shop掲載) https://english.visitkorea.or.kr/svc/contents/contentsView.do?vcontsId=142001 (2026年8月24日確認)
- 아주경제(全国店舗数34店舗、2024年10月22日記事) https://www.ajunews.com/view/20241022140752939 (2026年8月24日確認)

