韓国旅行の準備をしていて、「入国カードの滞在先住所、何を書けばいいんだろう」「タクシーの運転手さんに住所をどう見せればいいの」と手が止まったことはありませんか。韓国の住所は日本と違って、道で場所を指し示す方式が使われていて、しかも古い住所と新しい住所の2つが今も混在しています。知らずに書類の住所欄を埋めようとすると、意外なところでつまずく人が多いテーマです。この記事では、韓国の住所の仕組みそのものから、旅行者が実際に住所を書く3つの場面——入国カード・タクシーや配車アプリ・荷物の発送——まで、公式情報で確認できた範囲を整理しました。空港からホテルまでの移動で使う地図アプリの使い方はカカオマップの使い方ガイドやネイバーマップの使い方ガイドで別にまとめているので、住所の読み方をつかんだらあわせて見てみてください。
韓国の住所は、道路に名前を付けて建物に番号を振る도로명주소(トロミョンジュソ)が2014年以降の正式な表記方式です。入国カード(e-Arrival Card)の滞在先欄は、書式の指定が公式ガイドに見当たらないため、ホテルの予約確認書に印字された住所をそのまま書き写すのが実務上いちばん安全です。タクシーや配車アプリには도로명주소をそのまま見せるか打ち込めば通じます。荷物を送るときは、道路名・建物番号・詳細住所(棟/階/号)の順で書く韓国側の並び方さえ押さえておけば迷いません。
韓国の住所に「2つの体系」がある理由——도로명주소(トロミョンジュソ)と지번주소(チボンジュソ)
韓国の住所でまず知っておきたいのが、도로명주소(トロミョンジュソ・道路名住所)と지번주소(チボンジュソ・地番住所)という2つの体系が存在することです。住所情報を管轄する道路名住所案内システム(도로명주소 안내시스템)の公式サイトによると、地番住所は「동(洞)・리(里)+地番」で土地そのものを指す仕組みで、もともとは土地管理・財産権保護のために使われてきました。一方の道路名住所は「道路名+建物番号」で建物そのものを指す仕組みで、位置の案内やナビゲーションのために設計されています(2026年9月6日確認)。
つまり、地番住所は「その土地が何番か」を表し、道路名住所は「その建物にどう行き着くか」を表すという、そもそもの目的が違う住所なのです。公式サイトも「体系的な道路名住所の利用で道探しがスムーズになる」という趣旨を掲げており、地図アプリやタクシーとの相性がよいのは道路名住所のほうだと考えてよさそうです。今も不動産の登記など地番住所が使われる場面は残っていますが、旅行者が書類や地図で扱う住所は、基本的に道路名住所だと考えておけば困りにくいはずです。
道路名住所の基本構成——市/道(시/도)から詳細住所まで、公式の並び順
道路名住所案内システムの公式ページには、住所の並び順が明確に示されています。基本形は시/도(市/道)+시/군/구(市/郡/区)+읍/면(邑/面)+道路名+建物番号+상세주소(サンセジュソ・詳細住所=棟/階/号)+(参考項目)という順です。参考項目には法定洞の名前や共同住宅(マンション)名が入り、省略しても差し支えないとされています(2026年9月6日確認)。
実際に公式サイトが例として挙げている住所を見ると、感覚がつかみやすくなります。下の表は、公式サイトに掲載されている構成例をもとに、要素ごとに分解したものです。
| 建物のタイプ | 住所の例(公式サイト掲載) | 要素の内訳 |
|---|---|---|
| 一戸建て | 서울특별시 서초구 반포대로23길 6 (서초동) | 市/道+区+道路名+建物番号+(法定洞) |
| 業務用ビル | 서울특별시 종로구 세종대로 209, 1403호 (세종로) | 市/道+区+道路名+建物番号,詳細住所(号)+(法定洞) |
| マンション | 서울특별시 영등포구 여의나루로 5, 505동 1402호 (여의도동, 여의도아파트) | 市/道+区+道路名+建物番号,詳細住所(棟/号)+(法定洞,建物名) |
表記のルールにも細かい決まりがあります。道路名は続けて書き(「반포대로23길」であって「반포대로 23길」ではない)、道路名と建物番号の間だけスペースを空け、建物番号と棟/階/号の間はコンマで区切る、というのが公式の書式です。旅先で住所をメモするときも、この順番通りに書き写せば読み間違いが起きにくくなります。

「대로・로・길」の違い——テロ・ロ・キルは車線数で決まる
道路名住所を読むうえで核心になるのが、道路名の語尾に付く대로(テロ)・로(ロ)・길(キル)の違いです。道路名住所案内システムの公式ページには、この3つの区分基準がはっきり書かれています。대로は8車線以上、로は2〜7車線、길は「로」よりも狭い道路、というのが公式の定義です(2026年9月6日確認)。つまり、住所の語尾を見るだけで、その道がどれくらいの広さかがおおよそ想像できるということになります。
建物番号の付き方にも規則があります。道路の起点から20メートル間隔で番号が振られ、進行方向の左側が奇数、右側が偶数になる決まりです。道路の区間は西から東、南から北という方向で設定されているとも説明されています。この規則を知っていると、建物番号が近い数字どうしはそう遠くない場所にあることや、番号が小さいほど道の始まりに近いことが、地図を見なくてもある程度つかめるようになります。
建物番号の付け方——奇数・偶数・20m間隔というルール
道路名住所案内システムの公式説明によると、建物番号を付ける際の原則は「主な出入口に隣接する道路の基礎番号を使う」ことです。2つの道路に出入口が接している建物の場合は、より大きい道路の出入口を基準に建物番号が決まります(建物の所有者などが希望すれば例外もあるとされています)。一つの区間に複数の建物がある場合や、区間の中にさらに細かい区間がある場合には、枝番が使われる仕組みです(2026年9月6日確認)。
地下に位置する地下商店街のような施設は、建物番号の前に「地下」という表記が加わります。この規則性のおかげで、韓国の道路名住所は「番号が並んでいる方向をたどれば目的地に近づける」という発想で設計されているのが特徴です。日本の住所のように街区ごとに番号が振られているわけではないので、最初は戸惑うかもしれませんが、道路名と建物番号さえ読み取れれば、迷ったときも自分がどちら向きに進めば近づくのかを判断しやすくなるはずです。
入国カード(e-Arrival Card)の滞在先住所欄、何を書けばいい?
韓国入国時に必要な電子入国申告書e-Arrival Cardは、法務部出入国・外国人政策本部が運営する公式サイト(e-arrivalcard.go.kr)からのみ提出できます。このサイト自体が「なりすました偽サイトが見つかっている、料金を求めるサイトは非公式」という注意書きを掲げているほどなので、ブックマークするなら必ず公式URLからにしましょう。申告は無料で、入国3日前(韓国時間)から提出でき、提出後72時間で失効します(2026年9月6日確認)。
公式ガイドの「記入前に準備するもの」には、パスポート・メールアドレス・入国日と便名に並んで「滞在先の情報」が挙げられています。ただし、この滞在先住所欄をどんな形式で書くべきか——道路名住所の正式な書式で書くべきか、英語表記にすべきかといった具体的な指定は、公開されているガイドページの中には見当たりませんでした。断定できない以上、いちばん確実なのは次の手順です。
- 宿泊先から届いた予約確認書(バウチャー・確認メール)を用意する
- そこに印字されている住所の英語表記(または韓国語表記)をそのまま書き写す
- ハングルでしか書かれていない場合は、無理に自分で英訳せず、韓国語のまま入力できるか確認する
- 建物名・部屋番号など詳細住所があれば省略せずに含める
- 提出前にCheck/Edit機能で入力内容を見直す
滞在先住所欄の書式についての具体的な指定は、今回確認できた公式ガイドには明記されていませんでした。予約確認書の表記をそのまま使う方法が実務上の安全策ですが、直前で不安な場合は出入国管理の窓口や航空会社に確認しておくと安心です。ホテルへのチェックイン自体で必要になる書類はホテルチェックイン時のデポジットガイドにまとめているので、あわせて確認しておくと当日の流れがイメージしやすくなります。
タクシー・配車アプリで宿を伝えるときの住所の使い方
タクシーに乗って行き先を伝えるとき、道路名住所はかなり心強い味方になります。運転手さんに紙やスマホの画面を見せる場合は、「◯◯大路◯◯길」のような道路名住所の形をそのまま見せれば伝わりやすいはずです。韓国の主要な地図アプリは道路名住所での検索に対応しているため、配車アプリの目的地入力欄に道路名住所をそのまま打ち込む、もしくは施設名で検索してヒットさせるのが基本的な使い方になります。カカオマップやネイバーマップでの具体的な検索操作は、冒頭で紹介した各ガイド記事に譲りますが、住所の読み方さえ分かっていれば入力自体は難しくありません。
地番住所しか書かれていない古い名刺や案内図を見せられた場合でも、慌てる必要はありません。地図アプリの検索窓に地番住所を入力すると、多くの場合は対応する道路名住所の場所へ変換して案内してくれます。不安なときは、建物名や近くの目印(地下鉄の出口番号など)もあわせて伝えると、住所だけに頼るより早く着けることも多いようです。コーヒー1杯分の時間で行き先の伝え方を確認しておけば、当日の移動がぐっと楽になります。
日本から荷物を送る・受け取るときの住所の書き方
日本から韓国へ荷物を送るとき、あるいは韓国から日本へ荷物を送り返してもらうときも、住所の並び順を知っているかどうかで書きやすさが変わります。韓国語で宛先を書く場合は、これまで整理してきた通り「시/도+시/군/구+도로명+건물번호+상세주소」の順が基本です。英語で書く場合は、この記事の後半で説明する通り並び順が変わるので、韓国語のまま書くか、英語のルールに沿って書くかを最初に決めておくと迷いにくくなります。
荷物の中身によっては、送れるもの・送れないものの制約もあります。韓国から日本へ送るときの手続きや注意点は韓国から日本へ荷物を送る方法のガイドに、宅配アプリを使った国内配送については配達の民(배달의민족)アプリの使い方ガイドにそれぞれ詳しくまとめているので、住所の書き方と合わせて確認しておくと安心です。宛名の住所欄で棟・階・号(동/층/호)の記載を省略してしまうと配達員が迷う原因になるので、詳細住所まで書き切ることをおすすめします。
英語表記の順番と우편번호(ウピョンボノ・郵便番号)5桁のルール
英語で韓国の住所を書くとき、多くの人が戸惑うのが並び順です。道路名住所案内システムの公式ページには、英語表記の原則がはっきり書かれています。「작은단위 -> 큰단위 순으로 표기(小さい単位から大きい単位の順で表記する)」というのが公式のルールで、韓国語表記(大きい単位から小さい単位へ)とはちょうど逆の順番になります(2026年9月6日確認)。
公式サイトに掲載されている英訳例を見ると分かりやすく、「서울특별시 강남구 강남대로10길 109」は「109 Gangnam-daero 10-gil, Gangnam-gu, Seoul」と訳されています。建物番号が先頭に来て、道路名・区・市の順に大きくなっていく並びです。대로・로・길はそれぞれ-daero・-ro・-gilとローマ字表記され、特別市・広域市の場合は「-si」を省略してよいとされています。우편번호(ウピョンボノ・郵便番号)については、道路名住所案内システムの우편번호 조회(郵便番号検索)で実際に調べると5桁の数字(例: 06000)で表示されることを確認しており、公式サイトの英語版に掲載されている住所例でも5桁の郵便番号(30112など)が使われています(2026年9月6日確認)。宛名を書くときは、この5桁の郵便番号を住所の最後に添えておくと親切です。
よくある質問
まとめ
- 韓国の住所には도로명주소(道路名住所)と지번주소(地番住所)の2つの体系があり、現在の正式表記は道路名住所
- 基本の並びは「시/도+시/군/구+도로명+건물번호+상세주소(동/층/호)」
- 대로は8車線以上、로は2〜7車線、길はそれより狭い道路という公式の区分基準がある
- 建物番号は道路の起点から20m間隔、進行方向左が奇数・右が偶数で付けられている
- 入国カード(e-Arrival Card)の滞在先欄は書式指定が確認できず、予約確認書の表記をそのまま書くのが安全策
- タクシー・配車アプリには道路名住所をそのまま見せる・入力するのが伝わりやすい
- 英語表記は韓国語と逆で、小さい単位(建物番号)から大きい単位(市)へ向かう順番
- 郵便番号は5桁。道路名住所案内システムの郵便番号検索で調べられる
韓国の住所は仕組みを知らないまま見ると複雑に感じますが、道路名・建物番号・詳細住所という3つの部品に分けて考えると、思ったよりシンプルな決まりでできています。入国カードもタクシーも荷物の発送も、結局は同じ住所を場面ごとに使い分けているだけなので、この記事で整理した並び順と読み方を覚えておけば、旅先で住所欄を前に固まってしまうことは減るはずです。渡航前の最終確認として、出入国管理の判断が関わる部分は必ず公式サイトの最新情報にあたることも忘れないでください。韓国滞在で使う主要アプリの入れ方は韓国旅行の必須アプリガイド、入国審査そのものの流れは韓国入国審査の流れガイドにまとめているので、住所の準備と合わせて出発前にひと通り目を通しておくと安心です。
参考・出典
- 도로명주소 안내시스템(道路名住所案内システム) 公式サイト 도로명주소 소개 https://www.juso.go.kr (2026年9月6日確認)
- 도로명주소 안내시스템 公式サイト 우편번호 조회(郵便番号検索) https://www.juso.go.kr (2026年9月6日確認)
- Road Name Address(道路名住所案内システム 英語版) https://www.juso.go.kr (2026年9月6日確認)
- 国家法令情報センター 도로명주소법(現行法) https://www.law.go.kr (2026年9月6日確認)
- 法務部出入国・外国人政策本部 e-Arrival Card公式サイト https://www.e-arrivalcard.go.kr (2026年9月6日確認)

