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「韓国はカードだけで足りるって聞いたけど、本当に現金ゼロで大丈夫なのかな」「逆に、現金しか受け付けてくれない店があったらどうしよう」——渡航前にこの2つの不安を同時に抱えたことはありませんか。韓国は世界的に見てもカード決済比率がかなり高い国ですが、だからといって現金の出番がゼロになったわけではありません。この記事では、韓国銀行やソウル市が公表しているデータをもとに、韓国のキャッシュレス化がどこまで進んでいるかと、それでもまだ現金が要る具体的な場面、そして目安の現金額まで整理しました。カードそのものの選び方は韓国旅行のクレジットカード完全ガイドに、コンビニでの支払い方は韓国コンビニの1+1活用ガイドに譲るので、ここでは「現金がどこで必要になるか」だけに絞って進めます。
韓国銀行の調査(2024年調査・2025年3月発表)では、支払い件数のうち信用カード・体クカードを合わせた「カード」の比率は62.6%にのぼり、現金は15.9%にとどまっています。とはいえ、伝統市場の一部店や屋台、コインロッカー、交通カードの物理チャージなど、今も現金だけが通る場面は残っています。目安として、日帰り〜数日の旅行なら1万〜2万円相当のウォン現金を財布に、あとはカードで賄うという配分が現実的です。「現金は不要」と言い切ることも、「現金がないと詰む」と煽ることもできないというのが、公式データを見たうえでの正直な結論です。
結論——韓国旅行で持っていく現金はいくらが目安か
先に数字の感覚だけお伝えすると、数日間の旅行であれば1万〜2万円をウォンに両替しておき、残りはカードとチャージ式の交通カードでまかなうという配分が、今の韓国の決済事情に合っています。カフェやコンビニ、チェーンの飲食店、ホテルはほぼ確実にカードが通るため、大きな買い物のための現金は基本的に不要です。一方で、屋台や伝統市場の一部の店、コインロッカー、寺社の賽銭のような少額の場面では、今も現金がないと詰む可能性が残っています。
この「1万〜2万円」という額は、公式統計から機械的に割り出したものではなく、以降の章で紹介する現金しか通らない場面を積み上げたときに、無理なくカバーできる水準として編集部が置いた目安です。飛行機に乗ってからウォンが1円もないと気づくより、シートマスク3枚分程度の現金を最初から持っておくほうが、旅先で慌てずに済みます。両替する具体的な場所やレートの考え方は、この記事の後半で詳しく扱います。
韓国のキャッシュレス比率はどのくらいか——韓国銀行の調査で見る実際の数字
韓国のキャッシュレス化の度合いを知るうえでいちばん信頼できるのは、韓国の中央銀行にあたる韓国銀行(한국은행)が定期的に発表している「지급수단 및 모바일금융서비스 이용행태 조사(支払手段およびモバイル金融サービス利用行態調査)」です。2024年の調査結果(2025年3月25日発表)によると、支払いの利用件数ベースで見た比率は、信用カード46.2%、体クカード(デビットカード)16.4%、現金15.9%、モバイルカード12.9%となっています(2026年9月7日確認)。信用カードと体クカードを合わせた「カード」全体では62.6%にのぼり、件数だけで見れば決済の6割超がカードで完結している計算です。
もう一つ興味深いのが、現金の利用比率の推移です。同じ韓国銀行の調査の報道によれば、現金の利用比率は2013年時点で41.3%あったものが、2015〜2017年に36%台、2019〜2021年に20%台まで下がり、2024年にはついに15.9%まで縮小しました。個人が財布に持っている現金の平均額も66,000ウォン程度で、20代は27,000ウォンと少なめ、50代は91,000ウォンとやや厚めという年代差も出ています(2026年9月7日確認)。数字だけを見ると「もう現金はいらないのでは」と思いたくなりますが、この調査はあくまで全体の利用比率であって、特定の場面で現金しか使えないかどうかとは別の話です。次の章では、その「特定の場面」を具体的に見ていきます。

現金しか通らない場面リスト——屋台・伝統市場・コインロッカーなど
韓国では一定規模以上の店にカード加盟店としての対応が広く行き渡っている一方で、屋台や伝統市場の一部の露店、個人経営の小さな食堂のように、カード決済の設備そのものを置いていない店も今も存在します。屋台での支払い方については韓国の屋台での支払い方ガイドに個別の事例を整理しているので、屋台をよく利用する予定の人はあわせて確認しておくと安心です。伝統市場やナムデムン市場のような場所では、店によってカード対応がまちまちなため、「この店は使えるだろう」と決めつけずに、会計前に一声かけて確認するのがいちばん確実です。
そのほか、駅やショッピングモールのコインロッカー、寺社での賽銭、屋台での少額の会計、タクシーの一部の車両でも現金が必要になることがあります。タクシーの支払い事情は韓国タクシーのカード決済ガイドに詳しくまとめていますが、多くの配車アプリ・タクシーでカードが通る一方、個人タクシーや車載端末が古い車両では現金を求められるケースが残っています。逆に、最近増えている無人店舗の中には、防犯や運用の都合でカード・スマホ決済しか受け付けない「現金お断り」の店もあります。無人店舗の実際の使い方はソウルの無人店舗ガイドで紹介しているので、こちらも合わせて見ておくと、現金が「要る場面」と「使えない場面」の両方を把握できます。
ソウルの市内バスは現金が使えなくなってきている
「現金が使えない場面」の代表例が、ソウル市内バスです。ソウル市の公式サイトに掲載されている「현금 없는 버스(現金のいらないバス)運行路線の案内」によると、2026年1月時点で183路線が現金を受け付けないバスとして一覧掲載されています(掲載ページの最終更新は2026年3月6日、2026年9月7日確認)。一般の市内バスに加えて、広域急行バスや市外バスの一部も対象に含まれており、支払いには交通カード・クレジットカード・モバイル決済のいずれかが必要と案内されています。
導入の理由については、ソウル市の別の公式資料に説明があります。全面的に広げるとデジタルに不慣れな層がバスを使いにくくなることを懸念し、現金の利用比率を見ながら段階的に広げてきた、という趣旨です(2026年9月7日確認)。ただし制度の開始時期と、市内バス全体に占める183路線の割合は、今回確認した範囲では見つけられませんでした。実務的に大事なのは、乗る前に「このバスは現金OKか」を毎回気にする必要があるという点です。乗車前にソウル市の一覧ページ、または車内の掲示で確認するのが確実で、心配なら交通カードを1枚持っておけばこの不安自体が消えます。交通カードのチャージ方法は、後の章とネイバーペイの使い方ガイドで紹介しているモバイル決済もあわせて選択肢に入れておくと安心です。
現金なしバスの対象路線は今後も増減する可能性があります。本記事で紹介した183路線という数字は2026年1月時点・2026年9月7日確認のものなので、出発直前にはソウル市公式サイトの最新の一覧で、乗る予定のバスが対象かどうかを必ず確認してください。
日本のカードが弾かれるとき——暗証番号・海外利用設定・タッチ決済の壁
「カードは持っているのに、なぜか決済できなかった」という声でよく聞くのが、暗証番号(PIN)まわりのトラブルです。日本で発行されたICチップ付きのクレジットカードでも、海外利用向けの暗証番号がそもそも設定されていないことがあり、無人端末や一部の店の端末でPIN入力を求められると決済に失敗することがあります。渡航前にカード会社へ問い合わせて、暗証番号が海外でも使える状態になっているかを確認しておくと、現地で慌てずに済みます。
もう一つ見落としがちなのが「海外利用」自体の設定です。不正利用を防ぐ目的で、海外での利用がデフォルトで停止されているカードがあり、アプリや会員サイトから事前に海外利用をオンにしておかないと、韓国に着いた瞬間から決済がすべて弾かれてしまうことがあります。あわせて、タッチ決済(コンタクトレス)がどこまで通るかも国によって差があります。韓国はICチップを挿入する方式の端末が基本で、タッチ決済に対応していない端末もまだ残っているというのが実務上の感覚です。カードの券面にタッチ決済のマークがあっても、店の端末側が対応していなければ挿入式に切り替える必要があるので、「タッチで通らなかったら挿す」くらいの心づもりでいると焦りません。
交通カードのチャージは現金が要ることがある
T-money(티머니)のような交通カードは、韓国滞在中の移動をぐっと楽にしてくれる存在ですが、チャージの場面では現金が必要になることがあります。実物のカードをコンビニのレジでチャージする場合、原則として現金でのチャージが基本という案内が複数の解説記事で一致しており、カードでのチャージには対応していない店が多いのが実情です。公式サイト(t-money.co.kr)側での最新情報の確認までは今回の調査でたどり着けなかったため、渡航前には公式サイトで最新のチャージ方法を確認しておくと安心です。
現金チャージを避けたい場合の選択肢もあります。モバイルT-moneyのようなアプリを使えば、クレジットカードでのチャージやオートチャージに対応しているとされていますし、国民銀行・農協・新韓銀行などの主要銀行のATMでもチャージができるという案内があります。さらに、GS25やCUといったコンビニでは、買い物のお釣りをそのまま交通カードにチャージできる「お釣りチャージ」というサービスもあるようです。とはいえ、こうした情報は公式サイト以外の解説記事に基づくものなので、コーヒー1杯分くらいの現金は交通カードのチャージ用に別枠で持っておくと、いざというときに困りません。
プリペイド(WOWPASS等)という第3の手
WOWPASSを日本で見ておくQoo10のWOWPASS公式ショップ(2026年9月7日確認)
現金のやりくりを最小限にしたい人には、現金・カードのどちらでもチャージできるプリペイドカードという第三の選択肢があります。代表格のWOWPASSは、公式サイトによると全国446台の発給機(ホテル・地下鉄駅・コンビニに設置)で発給・チャージができ、チャージ手段は現金のほか、モバイルアプリからのクレジットカード(Mastercard・JCB・VISA)にも対応しています(2026年9月7日確認)。1枚に交通カードの機能もまとまっているので、地下鉄・バス・タクシーの支払いと、店での買い物の両方をこれ1枚でカバーできるのが強みです。現金を最小限にしたい人は、こうしたチャージ式のカードを1枚持っておくと、現金がなくて詰む場面をかなり減らせます。
WOWPASSは韓国全土の店舗・コンビニでの決済にも使え、現金が必要になったときはカード自体を発給機に戻して引き出すこともできます(引き出し1回につき手数料1,000ウォン)。事前にオンラインで登録しておけば、空港に着いてすぐアクティベートできるという口コミも多く見られました。使い方の細かい手順や日本での事前準備はWOWPASSの使い方ガイドにまとめているので、初めて使う人はそちらもあわせてチェックしておくと迷いません。
両替する額の決め方——現金を持ちすぎない・足りなくならないバランス
ここまで見てきた場面を踏まえると、両替する額は「現金しか通らない場面の合計を、少し余裕を持ってカバーできる額」と考えるのが現実的です。屋台や伝統市場での飲食、コインロッカー、寺社の賽銭、タクシーの一部、交通カードのチャージ分をざっくり積み上げると、数日間の旅行であれば1万〜2万円相当のウォンで足りることが多いというのが編集部の見立てです。大きな買い物や宿泊費まで現金で持とうとすると、逆に紛失や盗難のリスクが上がってしまいます。
両替のタイミングや場所によってレートが変わる点にも注意が必要です。空港の両替所はレートがやや不利なことが多く、市内の両替所やATMでの引き出しのほうが有利になる場合があります。具体的な両替スポットの選び方やレートの比較方法は韓国の両替ガイドで詳しく扱っているので、出発前にひと通り目を通しておくと、当日の判断に迷いません。両替する額を決めるときは、「現金は最低限、足りなければATMで引き出す」くらいの心構えでいるのが、持ちすぎず・足りなさすぎずのちょうどよいバランスです。
よくある質問
まとめ
- 韓国銀行の2024年調査(2025年3月発表)では、支払い件数のうちカード比率は62.6%、現金は15.9%
- 屋台・伝統市場の一部、コインロッカー、寺社の賽銭、タクシーの一部では今も現金が必要になることがある
- ソウル市内バスは2026年1月時点で183路線が現金を受け付けないと公式に案内されている(2026年9月7日確認)
- 日本のカードが弾かれる主因は、暗証番号の未設定と海外利用設定のオフの2つ
- タッチ決済は端末側が対応していない場合があり、通らなければ挿入式に切り替える
- 交通カードのコンビニでの物理チャージは現金が基本。カードでチャージしたいならモバイルアプリが選択肢
- 現金を最小限にしたい人は、WOWPASSのようなチャージ式プリペイドカードを1枚持つ手もある
- 両替の目安は数日の旅行で1万〜2万円相当。持ちすぎず、足りなければATMで引き出すのが現実的
韓国のキャッシュレス化は数字で見てもかなり進んでいますが、それは「現金がもう要らない」という意味ではありません。屋台の会計で財布に小銭が無くて焦る場面と、無人店舗でカードしか受け付けてもらえない場面が、同じ旅行の中で両方起こり得るのが今の韓国です。この記事で整理した場面と目安額を頭に入れておけば、どちらのパターンに当たっても慌てずに対応できるはずです。渡航直前には、ソウル市内バスの対象路線やカードの海外利用設定など、変わりやすい情報だけもう一度公式サイトで確認しておくことをおすすめします。
参考・出典
- 韓国銀行(한국은행) 「2024年 지급수단 및 모바일금융서비스 이용행태 조사결과」 보도자료 https://www.bok.or.kr/portal/bbs/B0000502/view.do?menuNo=201265&nttId=10090471 (2026年9月7日確認)
- ソウル経済 韓国銀行調査の報道記事(カード・現金の利用比率) https://www.sedaily.com/NewsView/2GSTJFO2ZV (2026年9月7日確認)
- ソウル特別市 公式サイト 「현금 없는 버스 운영 노선번호 안내(‘26.1.)」 https://news.seoul.go.kr/traffic/archives/508898 (2026年9月7日確認)
- WOWPASS 公式サイト(日本語版) https://www.wowpass.io/ja (2026年9月7日確認)

