韓国はクレジットカードどこまで使える?現金が必要な場面と日程別の目安額

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「韓国はカード社会だから現金いらないよ」と聞いて、財布を軽くして出発。そして屋台のトッポギの前で立ち尽くす——この“想定外”、2026年のいまでも普通に起こります。

先に答えを出しますね。韓国は間違いなくカードで回る国。でも「現金ゼロ」だと困る場面が、数か所だけ残っています。2024年の韓国銀行の調査では、支払い件数に占める現金の比率は15.9%、信用カードは46.2%、デビットカード(체크카드)は16.4%(出典: 韓国銀行 支払手段利用行動調査・2026年8月確認)。カードが主役なのは事実。ただし現金も1〜2割は動いている、という数字です。

結論から
  • コンビニ・カフェチェーン・百貨店・ホテル・チェーン飲食店は、ほぼカードで完結する
  • 現金が要るのは「屋台・伝統市場の一部・小さな食堂・一部の券売機」の4か所。旅程に応じて3万〜8万ウォンを目安に持っておくと安心
  • 地下鉄の改札に海外カードを直接タッチして乗る方式は、2026年8月時点ではまだ本格運用前(ソウルは2030年、釜山は2028年が目標)
目次

韓国はカード社会。それでも現金ゼロで行かないほうがいい理由

韓国では、一定の売上規模を超える店舗はクレジットカード加盟が事実上義務化されていて、Visa・Mastercard・JCBといった主要国際ブランドは多くの店舗で使える、と解説されています(出典: 三井住友カード公式コラム・2026年8月確認)。

それでも現金をゼロにできない理由は、シンプルに「観光客が行きたい場所ほど、現金の生き残り率が高い」から。屋台、伝統市場、路地裏の食堂——旅の思い出になりやすいスポットが、まさに現金圏なんです。

もうひとつ見落とされがちなのが、券売機やチャージ機。釜山地下鉄では2026年6月時点で券売機の多くが現金専用のままで、外国人観光客が戸惑う事例が報じられています。観光パス「Visit Busan Pass」のチャージも現金のみ(出典: マネートゥデイ・2026年8月確認)。「カードで全部いけるはず」と思って券売機の前に立つと、ここで足止めされます。

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ソウルイン編集部正直に言うと、日本の感覚で「都会だから全部キャッシュレスでしょ」と構えるのがいちばん危ないです。ソウルの明洞と、釜山の地下鉄券売機とでは、必要な備えがぜんぜん違うので。
2024年韓国銀行調査の支払手段構成を示す円グラフ。信用カード46.2%/デビット(체크카드)16.4%/現金15.9%/その他、という内訳を大きな数字で表示し、下部に「現金は約6件に1件。ゼロにはできない」とキャプションを添えた図

【実例】カードが使える場所・使えない場所

「で、結局どこが現金なの?」に即答するために、場所別に整理しました。

場所カードひとこと
コンビニ(CU・GS25など)少額でも問題なし。タッチ決済対応のレジも多い
カフェチェーン・百貨店・免税店ほぼ確実。海外カードの取り扱いにも慣れている
ホテル・大型ショップデポジットもカードで完結することが多い
チェーン系の飲食店テーブル会計・レジ会計どちらも対応
タクシー原則カード可。ただし後述のトラブル報告あり
個人経営の小さな食堂使える店が多数派だが、端末が古い・調子が悪いことも
伝統市場の店・惣菜店「現金のみ」「振込のみ」と言われる例が2026年も報告あり
屋台(노점)×〜△ここが最大の現金ゾーン。次で詳しく
地下鉄の券売機・チャージ機釜山は現金専用が多い。ソウルは一部で海外カード対応が進む

노점(ノジョム/屋台)は、韓国のカード事情を語るうえで避けて通れない存在です。ソウル市中区は2024年、明洞の屋台に全国初となるカード決済端末の導入を進めました。ただし同年4月時点で、対象約350店のうち事業者登録と端末設置を終えたのは69店、およそ13%にとどまっています(出典: 뉴스1・2026年8月確認)。

この13%という数字、その後の公式な更新統計は編集部では確認できていません。改善している可能性はありますが、「明洞の屋台は基本的に現金」と考えて行くのが今も現実的です。明洞で食べ歩きを計画しているなら、屋台用の現金は分けて持っておきましょう。どの通りに何があるかは明洞グルメの記事で整理しています。

伝統市場でも、「カードは受け付けない、口座振込で」と現金決済を求められる事例が2026年5月時点で報告されています(出典: 京畿日報・2026年8月確認)。ちなみにこれ、韓国の法律上はグレーどころかアウト。詳しくは後半で。

屋台・市場で困らない3つの動き
  • 注文の前に 카드 되나요?(カードゥ テナヨ=カード使えますか)と一言
  • 端末が見える位置に置いてある店=カードOKのサイン。見当たらなければ現金前提で
  • 1万ウォン札より、5千・1千ウォン札を多めに。屋台でお釣りが出ないことがある

タッチ決済と地下鉄改札の「今できること・まだできないこと」

ここがいちばん誤解されているポイントなので、ていねいに分けます。

店舗でのタッチ決済

韓国国内でのタッチ決済(EMVコンタクトレス)対応は、コンビニ・ホテルなどの大型加盟店が中心。小規模店舗ではICチップの差し込みまでの対応にとどまるケースが多い、とされています(出典: マイナビニュース・2026年8月確認)。つまり「タッチだけで全部いける」ではなく、タッチ決済は“使えたらラッキー”、基本はICチップの差し込みという心構えが正解。スマホだけでなく物理カードも必ず持っていきましょう。

地下鉄の改札に海外カードをタッチして乗れる?→ まだ

ここ、書き方が曖昧な記事も見かけます。2026年8月現在、ソウル・釜山とも「海外発行の非接触カードで改札を直接タッチして乗車する」オープンループ方式は本格運用前です。ソウルは2030年、釜山は2028年の全面導入を目標に段階整備が進んでいる段階(出典: 京郷新聞/マネートゥデイ・2026年8月確認)。

「タグレス決済が始まった」というニュースを見た人もいるかもしれません。ソウル地下鉄9号線では2026年7月27日、開化駅〜新論峴駅の25駅でタグレス決済が正式に開通しました。ただし現時点ではAndroid版モバイルT-moneyアプリのみの対応で、海外発行カードは対象外です(出典: 韓国経済新聞・2026年8月確認)。

やりたいこと2026年8月時点の状況
改札に手持ちのVisa/Mastercardをタッチして乗車まだ不可(ソウル2030年・釜山2028年が目標)
ソウル地下鉄9号線のタグレス決済開通済み。ただしAndroid版モバイルT-moneyのみ
券売機で海外カードを使って乗車券を買うソウルの一部で対応が進む(下記)
釜山の券売機をカードで操作現金専用機が多く、要注意
済州島の市内バスに海外カードをタッチ可能。2025年8月に韓国の公共交通で初のオープンループ導入

済州島は例外的に先行組。市内バスが2025年8月、韓国の公共交通としては初めてオープンループ(Visa等のコンタクトレスカード)決済を導入しました(出典: 파이낸셜신문・2026年8月確認)。

券売機については、ソウル市内273駅で2026年3月17日以降、海外発行のVisa/Mastercard等で単発乗車券や気候同行カード短期券を両替なしで購入できる新型券売機が導入された、と韓国の生活ガイド系メディアで紹介されています(出典: lacha.co.kr・2026年8月確認)。ただしT-moneyの通常チャージは対象外とされ、編集部ではソウル市の公式発表までは確認できていません。「使えたら助かる」くらいの期待値で、現金も持って改札に向かうのが安全です。

地下鉄まわりの「今できること/まだできないこと」対比図。左に○として「券売機で乗車券を買う(ソウル273駅・2026年3月〜)」「済州島の市内バスにタッチ(2025年8月〜、韓国初導入)」、右に×として「改札に海外カードを直接タッチ(ソウル2030年
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ソウルイン編集部「韓国の地下鉄、もうカードのタッチで乗れるらしいよ」——この話、半分だけ本当です。切符を“買う”のはカードでいける駅が増えた、でも“乗る”のはまだ交通カードが必要。この2つを分けて覚えておくと、現地でモヤモヤしません。

現金が必要な場面リストと、日程別の目安額

「で、いくら持てばいいの?」に答えます。まず、現金が要る場面を全部並べておきますね。

現金が必要になりやすい場面
  • 屋台での買い食い(明洞・広蔵市場など)
  • 伝統市場での買い物・惣菜・お土産
  • 個人経営の小さな食堂や古い喫茶店
  • 地下鉄の券売機・交通カードのチャージ機(特に釜山)
  • 小さな施設の入場料など、窓口が現金対応のみのケース
  • カード端末の不具合で会計できなかったときの保険

ここからは編集部の目安です。公式統計ではなく、上のリストから逆算した「持っておくと詰まらない額」として見てください。カードが使える場面ではカードを使う前提の金額です。

日程現金の目安(1人あたり)想定している使い道
2泊3日・ソウル中心3万〜5万ウォン屋台での食べ歩き+券売機・チャージ用
3泊4日・市場めぐりあり5万〜7万ウォン上記+広蔵市場などでの食事・買い物
4泊5日・地方都市も回る7万〜8万ウォン上記+釜山などの現金専用券売機・ローカル食堂

ポイントは金額よりお札の構成。5万ウォン札1枚より、1万ウォン札3枚+5千・1千ウォン札という持ち方のほうが、屋台でも市場でも圧倒的にスムーズです。屋台で5万ウォン札を出すと、お釣りがなくて気まずい空気になりがち。

両替の手順やレートの見方は明洞の両替所の記事で詳しくまとめています。現金の両替と交通カードをまとめて片づけたい人は、WOWPASSの解説記事もあわせてどうぞ。
※WOWPASSの招待コード「QT3SRW5D」は編集部の紹介コードです。読者の方が入力・利用すると、読者への特典に加えて編集部側にも特典が発生する場合があります(コード入力はカード登録前のみ)

韓国には基本的にチップの習慣がなく、宿泊費や飲食費にサービス料が含まれる形が一般的とされています(出典: 韓国トラベルガイド系メディア・2026年8月確認)。「チップ用の現金」を別枠で用意する必要はありません。

日程別の現金目安を示す図。2泊3日=3万〜5万ウォン/3泊4日=5万〜7万ウォン/4泊5日=7万〜8万ウォンを札のアイコンで表現し、「5万ウォン札1枚より、1万ウォン札3枚+5千・1千ウォン札」という持ち方のコツを併記した図

海外事務手数料の基礎知識と、DCCという落とし穴

カードで払うとき、実はいちばん差が出るのがここ。海外カードで韓国国内の決済をすると、国際ブランドの手数料と、カード発行会社の海外サービス手数料が別途かかります(出典: KB国民カード公式・2026年8月確認)。この率は発行会社によって違うので、「どのカードが得か」は一概には言えません。手元のカードの規約を出発前に一度だけ確認しておくのが確実です。

そのうえで、誰でも今すぐ効くのがDCC(現地での自国通貨建て決済)を避けること。会計時に「日本円で払いますか? ウォンで払いますか?」と聞かれたり、端末の画面に日本円の金額が出ることがあります。ここで円建てを選ぶと、為替手数料が3〜8%上乗せされる場合があるとされています(出典: KB国民カード公式・2026年8月確認)。

3〜8%というのは、10万ウォン使ったら数千ウォンが手数料に消えるということ。空港でコスメを1つ買えるくらいの金額を、知らないうちに払っている計算になります。

レジでカードを出すときの3ステップ
  1. 端末に日本円(JPY)の金額が表示されたら、いったん止まる
  2. 「ウォンで(원화로/ウォナロ)」と伝えるか、画面のKRW側を選ぶ
  3. レシートの通貨表示がKRWになっているかを確認して受け取る

円建てのほうが金額はわかりやすいのですが、その“親切”のコストは自分持ち。

DCC回避の比較図。同じ100,000ウォンの会計で「KRW建てを選ぶ=カード会社の為替レート+所定の海外手数料」と「JPY建て(DCC)を選ぶ=為替手数料が3〜8%上乗せ」を左右に並べ、中央に「迷ったらKRW(원화)」と大きく表示した図

「カード使えません」と言われたら。実は法律の話

ここ、日本の旅行者があまり知らない部分です。韓国の여신전문금융업법(与信専門金融業法)第19条は、加盟店がクレジットカード取引を理由に販売やサービス提供を拒否したり、会員を不利に扱うことを禁じています。現金決済への誘導や、現金とカードで価格差をつける行為も違法とされています(出典: 뱅크샐러드の法令解説・2026年8月確認)。

タクシーについても、釜山市が「カード決済機の故障」を口実にした不当な現金要求の是正に乗り出しています(出典: 大韓民国政策ブリーフィング korea.kr・2026年8月確認)。行政も問題として認識している、ということ。

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ソウルイン編集部とはいえ、旅先で法律を振りかざして揉めるのは、いちばんもったいない時間の使い方だと思っています。編集部のおすすめは「争わずに引く」。小さな屋台で数千ウォンの話なら現金で払って、気持ちよく次に進むほうが旅は楽しい。知識は“備え”として持っておくくらいがちょうどいいです。
現実的な対処の順番
  • まず注文・乗車のに「카드 되나요?」で確認(トラブルの大半はこれで防げます)
  • 会計時に断られたら、金額が小さければ現金で払って切り上げる
  • タクシーで高額・悪質だと感じたら、車両番号と領収書を確保しておく
  • 「カードだと値段が上がる」と言われた場合は、違法とされる行為だと知っておく

よくある質問

Q. 地下鉄の改札に、日本で作ったタッチ決済カードをかざせば乗れますか?

A. 2026年8月時点では乗れません。ソウルは2030年、釜山は2028年の全面導入を目標に整備中の段階です(出典: 京郷新聞/マネートゥデイ)。乗車には交通カードか、券売機で買う乗車券が必要です。

Q. 明洞の屋台は、いまはカードが使えるようになっていませんか?

A. ソウル市中区が2024年に端末導入を進めましたが、同年4月時点で対象約350店中69店(約13%)の設置にとどまっていました(出典: 뉴스1)。その後の公式な更新統計は編集部では確認できていないため、現金前提で準備するのが確実です。

Q. チップ用の小額紙幣は必要ですか?

A. 韓国には基本的にチップの習慣がなく、宿泊費・飲食費にサービス料が含まれる形が一般的とされています。チップ用の現金は不要です。

Q. 現金は日本で替える? 現地で替える?

A. 場所ごとにレートの考え方が変わるので、明洞の両替の記事で整理しています。両替と交通カードをひとまとめにしたい人はWOWPASSの記事も参考にどうぞ。


まとめ|出発前にやることは、たったひとつ

情報を並べましたが、実際に準備するのは1つだけで大丈夫。「屋台と券売機のための現金を、小額紙幣で3万〜8万ウォン分だけ用意する」。これさえやっておけば、あとは基本カードで回ります。

海外事務手数料はカード会社ごとに違います。年会費のかからない1枚を持っておくと、渡韓のたびに比べずに済みます。

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この記事の要点
  • 2024年の韓国銀行調査で現金比率は15.9%。カード社会だが、現金はまだ生きている
  • コンビニ・カフェ・百貨店・ホテルはカードで完結。屋台・伝統市場・一部の券売機が現金ゾーン
  • 明洞屋台のカード端末設置は2024年4月時点で約13%。現金前提が現実的
  • 改札への海外カード直タッチはまだ不可(ソウル2030年・釜山2028年が目標)
  • 海外事務手数料は発行会社ごとに異なる。会計時はKRW建てを選んでDCCを避ける

はじめての渡韓で「何から準備すればいいかわからない」という人は、初めての韓国旅行ガイドから順に読むと、支払いまわり以外の準備もまとめて片づきます。


参考・出典

  • 韓国銀行(BOK)「支払手段利用行動調査(2024年)」 https://www.bok.or.kr/portal/bbs/B0000502/view.do?menuNo=201265&nttId=10090471
  • 韓国経済新聞(ソウル地下鉄9号線タグレス決済・2026年7月27日開通) https://www.hankyung.com/article/202607278157i
  • 京郷新聞(オープンループ導入の進捗) https://www.khan.co.kr/article/202510161044001
  • マネートゥデイ(釜山地下鉄の券売機・Visit Busan Pass) https://v.daum.net/v/20260610150908613
  • 파이낸셜신문(済州島 市内バスのオープンループ導入) https://www.efnews.co.kr/news/articleView.html?idxno=122478
  • 뉴스1(明洞の屋台へのカード決済端末導入状況) https://www.news1.kr/local/seoul/5374399
  • 京畿日報(伝統市場での現金決済要求の事例) https://www.kyeonggi.com/article/20260528580453
  • 뱅크샐러드(여신전문금융업법 第19条の解説) https://www.banksalad.com/articles/현금결제-유도와-신용카드-결제-거부는-불법일까
  • 大韓民国政策ブリーフィング korea.kr(釜山市 タクシーの不当な現金要求への対応) https://www.korea.kr/news/policyNewsView.do?newsId=148715688
  • KB国民カード公式(海外決済の手数料・DCC) https://kbthink.com/card/overseas-payment-fee.html
  • マイナビニュース(韓国のタッチ決済対応状況) https://news.mynavi.jp/article/cashless_payment-28/
  • 三井住友カード公式コラム(韓国のカード事情) https://www.smbc-card.com/nyukai/magazine/knowledge/korea.jsp
  • lacha.co.kr(ソウル273駅の新型券売機・二次情報のため要公式確認) https://lacha.co.kr/korea-guide/ko/recharge-transit-card-foreign-card-korea/
  • 韓国トラベルガイド系メディア(チップの習慣) https://koreatraveltips.blog/tipping-customs/
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