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韓国ドラマで、恋人と別れたばかりの主人公が黒い麺をズルズルすすっているシーン、見たことがある人は多いはず。あれが짜장면(チャジャンミョン)です。日本の「ジャージャー麺」と名前は似ているのに、見た目も味もどこか違う。新大久保や鶴橋のメニュー表で見かけても、何が違うのか分からずスルーしてしまったことがある人もいるかもしれませんね。
짜장면(チャジャンミョン)は、19世紀末に仁川へ渡った中国・山東省出身の華僑が持ち込んだ「炒醬麵」がルーツ。1905年開業の中華料理店「共和春」が最初に売り出したとされ、1948年に華僑の王松山氏が甛麵醬にカラメルを加えた黒く甘い「춘장(春醤)」を開発したことで、今の韓国式の味に近づきました。中国の炸醤麺・日本のジャージャー麺とは別ルーツの料理です。日本では、2026年8月25日時点で東京・新大久保のブクギョンチャジャン新大久保本店、大阪・鶴橋の我が家と香港飯店0410大阪鶴橋店で提供を確認できました。通販ではbibim’にチャジャンミョンそのものの取り扱いは見つからず、Amazon.co.jpのチャパゲティ・チャーワンと、家で作るための춘장が現実的な選択肢です。
チャジャンミョン(짜장면)って何?基本の味と見た目
짜장면は、茹でた中華麺に、춘장(チュンジャン)という黒くて甘い味噌のようなソースと、豚肉・玉ねぎ・じゃがいも・キャベツなどを炒めた具を絡めた麺料理です。見た目はソースが真っ黒なので初めて見ると驚く人もいますが、味は見た目ほど濃くなく、コクと甘みのバランスが取れているのが特徴。韓国では出前・宅配の定番メニューとして根強い人気があり、引っ越しの日に近所から出前を取る、いわゆる「引っ越しそば」ならぬ「引っ越し짜장면」の文化があることでも知られています。
ソウルナビなど日本語の韓国グルメ解説サイトでも、짜장면はヘムルチャンポン(海鮮チャンポン麺)やタンスユク(酢豚)と並んで、仁川の中華街から発祥した韓国中華の大定番料理として紹介されています。麺自体は中華麺と同じ小麦麺ですが、韓国式中華料理店のメニューとして独自の進化を遂げてきた点が、本場中国の中華料理とは違うところ。まずは「黒いソースの中華麺」というくらいのイメージで覚えておけば十分かも。
춘장(春醤)って何?黒くて甘い味の秘密
짜장면のソースの正体は춘장(チュンジャン)という、小麦粉に塩を入れて発酵させた甘みのある醤「甛麵醬(텐멘장)」がベース。한국민족문화대백과사전の解説によると、1948年に華僑の王松山(왕송산)氏が、この甛麵醬にカラメルを加えて、独特の黒さと甘さを持つ춘장を開発したとされています。カラメルを加えることで、味だけでなく色も濃い黒色になり、今の짜장면の見た目が定着しました。
ちなみに、춘장の商品化を行った会社名や正確な開発年については、資料によって記述に幅があります。今回確認した한국민족문화대백과사전では1948年、別の情報源では1950年代半ばという記述もあり、決定版の年号までは特定できませんでした。ただ「王松山氏がカラメルを加えて、甘く黒い춘장を作った」という核心部分は複数の情報源で一致しているため、この記事ではその点だけを事実として扱っています。
춘장を商品化した会社の正式名称・正確な開発年は、情報源によって表記に食い違いがあり、公的な一次資料までは確認できていません。「王松山氏が開発した」という核心部分のみ確定情報として扱っています。

中国の炸醤麺・日本のジャージャー麺とは何が違う?
「짜장면って、結局は日本のジャージャー麺と同じでしょ?」と思う人もいるかもしれませんが、実はルーツからして別の料理です。日本語の韓国料理解説サイト「韓食ペディア」によると、韓国式の짜장면は①韓国で独自開発された춘장を使うこと、②豚肉に加えて玉ねぎ・じゃがいも・キャベツ・にんじんなどの野菜を具にすること、③水溶き片栗粉で全体にとろみをつけること、の3点が中国や日本とは異なる特徴だと説明されています。
中国の炸醤麺(자장면の本家にあたる料理)は、挽いた豚肉と甛麵醬をそのまま炒めた、とろみの少ない濃い味のたれを麺にのせて食べるスタイル。한국민족문화대백과사전でも、韓国式は野菜と豚肉を使って춘장で味付けするのに対し、中国式は挽き肉と甛麵醬中心のたれという違いが明記されています。一方、日本の「ジャージャー麺」(盛岡じゃじゃ麺が代表格)は、そもそも춘장を使わない別系統の料理。同じ「ジャージャー麺」という響きでも、韓国式・中国式・日本式は別々に発展してきた、いわば親戚のような関係と考えると分かりやすいはずです。
発祥は仁川の華僑街?共和春と1905年の起源
짜장면の発祥地とされているのが、韓国・仁川(인천)の中華街です。1883年に仁川が開港し、中国人が居住するようになると中国料理店が生まれ、1905年に最初の清国料理店として開業した「共和春(공화춘)」が자장면を最初に売り出したとされています。この由来は한국민족문화대백과사전にも明記されており、仁川中華街には今も짜장면博物館が設けられているほど、地元でも発祥地としての位置づけが定着しています。
韓国語版ウィキペディアの記述では、1890年代に山東省から渡った埠頭労働者(쿠리)が、仁川港の埠頭で춘장に麺を絡めて簡単に食事を済ませたのが始まりとされ、청조계(清国租界)地を中心に자장면専門店ができていったと説明されています。1960年代には原価を下げるためにじゃがいもや玉ねぎを加える工夫がされ、家庭でも作りやすい料理として庶民に広がっていきました。ラーメン1杯分くらいの値段感で腹持ちのいい一杯を食べられる、というコストパフォーマンスの良さも、韓国全土に広まった理由の一つと言えそうです。
블랙데이(ブラックデー)って何の日?4月14日の風習
韓国には毎年4月14日、발렌타인데이(バレンタインデー・2月14日)や화이트데이(ホワイトデー・3月14日)で贈り物をもらえなかった人たちが、黒い食べ物を食べて慰め合う「블랙데이(ブラックデー)」という風習があります。韓国語版ウィキペディアによると、블랙데이という名称は화이트데이に由来するという説が有力で、カップルの記念日である3月14日화이트데이の1か月後、4月14日をその反対色である「ブラック」と呼ぶようになったとされています。
블랙데이にちなんで食べられる代表的な黒い食べ物が짜장면とアメリカーノ(ブラックコーヒー)。同ページによれば、블랙데이が最初に言及されたのは1990年代の新聞記事で、当時の記事は「恋人がいない男女の若者が黒い服を着て짜장면・アメリカーノなど黒い食べ物を食べながら互いを慰め合う日」と解釈していたそうです。10代の間で始まった流行が2000年代に20〜30代へも広がり、今では法定記念日ではないものの、韓国で自然発生的に定着した俗習として知られています。発祥を始めた人物や団体までは特定されていませんが、韓国旅行のタイミングが4月14日に重なる人は、話のネタとして知っておくと現地の人との会話が弾むかもしれません。
東京・新大久保で食べられる店:営業を確認できた1軒
日本国内で짜장면を探すなら、まず候補になるのが新大久保エリア。2026年8月25日時点で、公式サイトから直接営業を確認できたのが「ブクギョンチャジャン新大久保本店」です。住所は東京都新宿区百人町1-5-4、営業時間は11:30〜23:30(L.O.23:00)で、公式サイトに定休日の記載はありません(bukgyongchajang.foodre.jp、2026年8月25日確認)。韓国・仁川に本店を置くチャジャンミョン専門チェーンの日本店で、店名の通り本場仕込みのチャジャンミョンが看板メニューです。
メニューの正確な価格は公式サイトに記載が無く、今回の調査では確認できませんでした。訪問前には念のため、公式サイトや電話(050-5462-2121)で最新の営業状況を確認しておくと安心です。新大久保には他にもチャジャンミョンを扱っていそうな店の名前がいくつか見つかりましたが、公式サイトでの営業確認ができなかったため、この記事では取り上げていません。新大久保グルメを広く知りたい人は、新大久保の食べ歩きガイドも参考にしてみてください。
大阪・鶴橋で食べられる店:営業を確認できた2軒
関西で짜장면を探すなら、有力な候補地は鶴橋エリア。2026年8月25日時点で、営業を確認できた店が2軒ありました。
鶴橋は焼肉店の印象が強いエリアですが、こうして探すと中華系の麺料理を出す店も点在しています。今回確認できたのは2軒ですが、他にもチャジャンミョンをメニューに載せている店の名前がいくつか見つかりました。ただし、公式サイトや直接の営業確認までは今回できていないため、この記事では取り上げていません。焼肉と合わせて鶴橋を楽しみたい人は、鶴橋の焼肉ガイドも参考にどうぞ。
日本にいながら韓国の惣菜を取り寄せる
「近くに짜장면の店がない」という人向けに、韓国惣菜の通販という選択肢も紹介しておきます。韓国惣菜の通販専門店「bibim’」の商品一覧を確認した範囲では、짜장면そのものを商品名に掲げた商品は見つかりませんでした。ただし、bibim’では韓国で人気の家庭料理を他にいろいろ扱っていることが確認できています。たとえば、タコ(낙지)・牛の小腸(곱창)・エビ(새우)を使ったピリ辛炒め煮「ナッコプセ(낙곱새)」は3〜4人前でひと箱に。江原道春川発祥の名物料理で、鶏肉と野菜をコチュジャンベースのたれで炒めた「春川タッカルビ(춘천닭갈비)」も購入できる状態でした。どちらも自炊のハードルが高い、韓国の定番惣菜を家で味わえるラインナップです。
bibim’の外部サイトが開きます。
本格韓国料理ならbibim’!짜장면自体は扱いが無くても、韓国料理の幅広いラインナップを一度に取り寄せられるのは通販ならでは。近所に韓国料理店が無いエリアに住んでいる人ほど、選択肢の一つとして知っておくと便利かも。他の韓国惣菜の通販先を比較したい人は、韓国惣菜の通販まとめガイドも合わせてチェックしてみてください。
通販で買うなら?チャパゲティ・チャーワンと춘장を比べる
店で食べる以外に、日本のスーパーやAmazon.co.jpで手軽に짜장면の味を楽しむ方法もあります。もっとも定番なのが、農心(ノンシム)の即席麺「チャパゲティ」。農心公式サイトによると、オリーブオイルを使用した韓国風のジャジャン麺で、粉末ソースが香ばしく濃厚なジャージャン麺の味を再現した商品として1984年に発売され、韓国の即席麺市場でロングセラーになっているとのこと。Amazon.co.jpでは140g×5袋の袋麺セットとして商品名を確認できました。
もう少し手軽に試したい人には、農心ジャパンが日本向けに出しているカップタイプの「チャーワン」も選択肢。同じくAmazon.co.jpで134g入りの商品名を確認できました。カップ麺なのでお湯を注ぐだけで、店の味を再現しやすいのがメリットです。
「自分で味付けから作ってみたい」という人には、춘장そのものが単品で買える「チャムグル【眞味】チュンジャン」も見つかりました。300g入りで、家庭でチャジャンミョンを作る際のベースソースとして使えます。いずれの商品も、Amazon.co.jpのページタイトルとして実在は確認できましたが、Amazon側のアクセス制限で現時点の在庫・価格までは直接確認できていません。購入前に商品ページで在庫を確認してください。
チャパゲティ以外の韓国即席麺もまとめて比較したい人は、韓国ラーメン通販ガイドも参考になるはず。韓国食品を横断的に探したい人は、韓国食品の通販まとめガイドもチェックしてみてください。
家で作るなら?春醤とスーパーで揃う材料
「まずは自分で作ってみたい」という人向けに、材料の考え方を整理します。짜장면の基本の構成は、춘장(春醤)ベースのソースに、豚肉・玉ねぎ・じゃがいも・キャベツなどの野菜を炒め合わせたもの。前の見出しで紹介した춘장の単品商品を使えば、ソース作りの部分を一から配合しなくても済みます。あとは家にある中華麺、またはスーパーで買える生麺・乾麺を茹でて、具と絡めるだけ。特別な韓国食材店に行かなくても、ある程度は再現できる構成です。
韓国食材や調味料をまとめて揃えたい場合は、業務スーパーやKALDIなど身近なお店で韓国コーナーを探すのも一つの手。分量や配合は家庭や好みによって差が大きいので、この記事では具体的な配合までは断定しません。まずは少量から試して、コーヒー1杯分くらいの気軽さで自分の家の「定番짜장면」を見つけていくのがよさそうです。業務スーパーやKALDIでの韓国食材の探し方は、業務スーパー・KALDIの韓国食材ガイドにまとめているので、材料集めの参考にどうぞ。
よくある質問
まとめ
- 짜장면(チャジャンミョン)は仁川の華僑街生まれ。1905年開業の共和春が最初に売り出し、1948年に開発された춘장(春醤)で今の黒く甘い味が定着した
- 中国の炸醤麺・日本のジャージャー麺とはルーツが別。춘장の使用有無や具材構成に違いがある
- 毎年4月14日は블랙데이(ブラックデー)。恋人がいない人たちが짜장면などの黒い食べ物を食べる韓国発祥の風習
- 日本では、東京・新大久保のブクギョンチャジャン新大久保本店、大阪・鶴橋の我が家と香港飯店0410大阪鶴橋店で、2026年8月25日時点の営業を確認済み
- 通販ではbibim’に짜장면そのものの取り扱いは見つからず、Amazon.co.jpのチャパゲティ・チャーワン・춘장が現実的な選択肢
짜장면は、見た目の黒さに反して味は意外とマイルドで、知れば知るほど背景にある歴史も面白い料理。店で食べるにしても、通販や自炊で試すにしても、「今も確認できる情報かどうか」を一つの目安にしておくと、現地や通販先で空振りすることを減らせるはずです。
参考・出典
- 한국민족문화대백과사전「자장면」 https://encykorea.aks.ac.kr/Article/E0068396 (2026年8月25日確認)
- 韓国語版ウィキペディア「짜장면」 https://ko.wikipedia.org/wiki/%EC%A7%9C%EC%9E%A5%EB%A9%B4 (2026年8月25日確認)
- 韓国語版ウィキペディア「블랙데이」 https://ko.wikipedia.org/wiki/%EB%B8%94%EB%9E%99%EB%8D%B0%EC%9D%B4 (2026年8月25日確認)
- 韓食ペディア「チャジャンミョン(韓国式ジャージャー麺/짜장면)」 https://www.kansyoku-life.com/wiki/%E3%83%81%E3%83%A3%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%9F%E3%83%A7%E3%83%B3%EF%BC%88%E9%9F%93%E5%9B%BD%E5%BC%8F%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%E9%BA%BA%EF%BC%8F%EC%A7%9C%EC%9E%A5%EB%A9%B4%EF%BC%89 (2026年8月25日確認)
- 農心ジャパン公式サイト「チャパゲティ」 https://www.nongshim.co.jp/lineup/lineup05_06.html (2026年8月25日確認)
- ブクギョンチャジャン新大久保本店 公式サイト https://bukgyongchajang.foodre.jp/ (2026年8月25日確認)
- 食べログ(我が家) https://tabelog.com/osaka/A2701/A270205/27061290/ (2026年8月25日確認)
- 香港飯店0410大阪鶴橋店 公式サイト https://hongkonghanten-tsuruhashi.owst.jp/ (2026年8月25日確認)
- 韓国惣菜bibim’ https://k-bibim.com/ (2026年8月25日確認)

