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深夜便で仁川に着いた日や、明日は早起きなのに小腹が空いて眠れない夜、ソウルで「いま開いている店」を探して困った経験、ありませんか。
深夜のソウルで頼れるのは、鍾路(チョンノ)・東大門(トンデムン)・弘大(ホンデ)・江南(カンナム)・明洞(ミョンドン)の5エリアに点在する、クッパ・ヘジャングク系の老舗食堂。ただし「24時間」の看板を掲げていても曜日によって例外がある店が確認できたため、来店前の当日確認が前提になる。エリアごとに確認できた店と、その日の営業状況を自分で確かめる実務のやり方を、このあとまとめて紹介する。
結論:深夜に食べたいならどこへ行くべきか
まず前提を一つ。この記事で「確認できた」と言えるのは、編集部の整理で実在と営業をたどれた6軒だけ。ソウルには24時間営業をうたう食堂がほかにも数多くあるが、確認できていない店については住所や営業時間を断定せず、訪問前に公式情報を確認する前提で読んでほしい。そのうえで結論を先に言うと、深夜到着した便から市内へ向かうなら鍾路か東大門、飲んだ後の締めなら弘大か江南、観光の合間に小腹を満たしたいなら明洞、というすみ分けがしやすい。
理由は単純で、この5エリアはソウルの主要な宿泊集積地ともかなり重なっているから。夜遅くまで人通りが多いエリアほど、24時間営業の食堂は生き残りやすい傾向がある。逆に、住宅街寄りのエリアで24時間営業の食堂を探すのは、正直かなり分が悪い。
到着する時間帯によっても、動き方は変わってくる。深夜0時前後に着く便なら、空港からの移動時間を考えても江南や明洞のホテルに荷物を置いてから食事に出るくらいの余裕があるはず。反対に深夜2時、3時に着くような遅い便なら、無理に移動せず、空港からのアクセスがよい東大門や鍾路のエリアで先に一杯食べてから宿へ向かう、という順番のほうが体力的にもラクになる。焦って動くより、着いた場所の近くで開いている店を優先する発想のほうが、結局は失敗が少ない。
ここでもう一つ、地味だけど効いてくる話を。宿泊エリアの選び方そのものが、深夜の食事のしやすさを左右する。深夜着の便を使うなら、ホテルは食堂が集まるエリアの近くに取るほうが、着いてすぐの「どこで食べよう」の悩みがぐっと減る。逆に空港からの移動を優先しすぎて郊外のホテルを選ぶと、深夜の選択肢はコンビニだけ、ということも起こりうる。深夜のコンビニ活用術も知っておくと保険になる。
ソウルのホテルを探す深夜到着・深夜の食事に困らないエリアで比較
ソウルの「24時間」表記の実際
本題に入る前に、いちばん大事な注意点から。ソウルの食堂の看板やSNSに書かれた「24시간(24時間)」は、必ずしも今も本当とは限らない。コロナ禍の間に営業時間を短縮した店は多く、状況が落ち着いた後も元に戻さないまま看板だけが残っているケースが、いまも珍しくない。
今回の調査でも、看板やGoogleのビジネス情報では「24時間営業」と表示されているのに、実際には来店者の投稿を追っていくと曜日ごとの例外が見つかった店が2軒あった。共通しているのは、その例外が公式サイトのどこにも明記されていなかったこと。つまり、店の公式情報だけを見て「24時間だから何時でも大丈夫」と決めつけるのは危うい、ということになる。
背景を編集部の整理で補うと、韓国の外食業界全体が人手不足と人件費の上昇にさらされているのは公然の事実。24時間分のシフトを組むこと自体のハードルが上がっているぶん、看板を出し直すコストや手間をかけずに「24時間」の表記だけを据え置いている店が一定数あっても不思議ではない。表記の更新が後回しにされやすい理由が構造的にある、というくらいの理解でちょうどいい。
だからこの記事では、確認できた店については「いつの時点で、何を根拠に24時間と判断したか」をできるだけ添えている。そして例外がある店については、変にぼかさずにその内容をそのまま書く。逆に、確認できなかった店については無理に「24時間です」と書かず、公式サイトで最新を確認してもらう形にとどめた。読み手にとっては、この線引きのほうがよほど役に立つはずだから。
鍾路・乙支路エリア:老舗の24時間食堂
鍾路(チョンノ)・乙支路(ウルジロ)は、ソウルの中でも24時間営業の食堂が根強く残っているエリア。鍾路3街駅の周辺は、もともと夜勤明けの労働者や早朝出勤の商人を支えてきた食文化があり、今もその名残の店が営業を続けている。
路地に入ると年季の入った看板や、昭和の食堂を思わせる古い建物がそのまま残っているのもこのエリアの魅力。観光地化されすぎていないぶん、地元の常連と観光客が同じテーブルを囲むような、ちょっと不思議な距離感が味わえる。夜が更けるほど、常連らしき年配の男性グループが多くなっていく雰囲気も含めて、ソウルらしい深夜の一面といえる。
代表格が、鍾路3街にある永春屋(ヨンチュノク)。1943年創業、80年を超える老舗で、コムタンや尾テールの煮込み、해장국(酔い覚ましスープ)を看板に、毎日24時間・年中無休で営業している。ソウル市の公式観光情報サイトにも、営業時間は毎日24時間と紹介されている一方で、「旧正月やチュソクの当日などは変動する可能性がある」という注記も添えられていた点は覚えておきたい。連休の当日に訪れる予定がある人は、その一点だけ念のため確認しておくと安心。
もう一軒、鍾路3街駅の近くには逸品楊平(イルプムヤンピョン)ヘジャングクという店もある。干し大根の葉を使った味噌ベースのヘジャングクの専門店で、こちらも複数の情報源で24時間営業が確認できた。ちょうど今回の調査の前日にあたる時点でも「00:00〜24:00」の表示が最新のデータとして残っていたので、直近まで通常営業していたとみてよさそう。
この一帯はスンデクッパの名店も多いエリアなので、深夜に限らず食べ歩きの拠点として覚えておいて損はない。駐車場がない店がほとんどなので、車での訪問は避けて公共交通機関を使うのが無難。深夜であれば、地下鉄よりもタクシーでの移動になることが多いはずなので、深夜のタクシー料金の目安も先に頭に入れておくと、会計のときに慌てずに済む。
東大門エリア:夜通し賑わう市場の実力店
東大門(トンデムン)は、卸売市場がもともと深夜から早朝にかけて動いているエリアだけあって、24時間営業の食堂が集まりやすい土地柄。買い付けに来る商人や、ナイトマーケットで遊んだ後の人たちを受け止める食堂が、昔からこの一帯には根づいている。
ファッションビル群が立ち並ぶエリアなので、深夜でも街灯や店舗の照明が明るく、人通りも途切れにくいのが特徴。卸売と小売の両方が同じ通りに混在しているぶん、深夜でも荷物を運ぶ人と観光客がすれ違う独特の活気があり、それが食堂の営業を下支えしている面もありそうだ。
今回確認できたのは、東大門本家釜ソルロンタン。東大門駅の1番出口からごく近い場所にあり、Googleのビジネス情報では「24時間営業」がリアルタイム表示で確認でき、しかも39件のユーザー報告に基づく集計だったので、単発の古い情報ではなく継続的に更新されているとみてよい。ソルロンタン(牛骨スープ)と骨付きの解酲湯を中心に、毎日休みなく営業している。
東大門は夜市グルメの記事でも触れているとおり、屋台や卸売市場のフードコートも深夜まで動いていることが多いエリア。座って落ち着いて食べたいなら食堂、立ち食いでさっと済ませたいなら屋台、というふうに使い分けるのがおすすめ。ただし屋台の営業時間は日によって変動しやすいので、今回はあくまで実店舗の食堂だけを確認対象にしている。
弘大・合井エリア:飲んだあとの締めに
弘大(ホンデ)・合井(ハプチョン)は、クラブや居酒屋が集まる夜遊びのメッカ。だからこそ、飲んだあとの締めの一杯を受け止める24時間食堂の需要が根強く、実際にチェーン店が直営で深夜営業を続けている例が見つかった。
確認できたのは、ヌリマウルカムジャタン弘大直営店。創業から25年ほど続くカムジャタン(骨付き豚肉の煮込み鍋)チェーンの直営店で、上水駅からも合井駅からも徒歩圏内という好立地。飲食情報サイトの店舗情報と、複数の来店ブログ・SNS投稿を照らし合わせたところ、2026年に入ってからも継続して24時間・年中無休の営業が確認できた。
弘大周辺はチェーン系の食堂だけでなく、個人経営の小さな店も多いエリア。個人店ほど「24時間」の表記の信頼度にばらつきが出やすいのは前述の通りなので、今回はあえて店舗数の多いチェーンの直営店を確認先に選んでいる。同じブランドでも店舗によって営業時間が違うことがあるため、系列の別店舗を訪れる場合は改めて確認したほうがいい。
カムジャタンやヘジャングクは味付けがしっかりしているぶん、お酒を飲んだあとの体にちょうどいいという声が多い。体感でいうと、締めのご飯を一杯食べるだけでも、ちょっとしたシートマスク2〜3枚分くらいの満足感がある、という表現がしっくりくるかもしれない。夜が深まるほど客席が埋まっていく光景も、このエリアらしいところ。
弘大エリアは終電を気にしながら動く人も多いはず。地下鉄の終電時刻を先に確認しておけば、食事をゆっくり楽しむか、早めに切り上げて帰るかの判断がしやすくなる。終電を逃した場合の選択肢としては、24時間営業の食堂で時間をつぶしてから始発を待つ、という使い方をしている人も少なくないようだ。
江南エリア:24時間の例外に要注意
江南(カンナム)は、オフィス街と繁華街が同居しているエリアで、深夜まで働く会社員と、飲んだ後の人たちの両方を受け止める食堂の需要が大きい。24時間をうたう店の数自体はソウルでも多いほうだが、今回の調査でいちばん重要な発見があったのも、このエリアだった。
大手企業のオフィスが集まる江南駅周辺は、終業後の会食や二次会でにぎわう時間帯が長く、深夜0時を過ぎても飲食店の明かりが消えないエリア。会社員文化が根強い土地だからこそ、翌朝の出社に備えて「軽く食べてから帰る」という需要が、24時間食堂を支える土台になっている面もありそうだ。
確認できたのは、江南珍解腸(カンナムジンヘジャン)。江南駅4番出口の近くにあり、胃と血液ソーセージを使ったヘジャングクが看板メニュー。地図アプリ上の情報では「24時間営業」と表示されているが、来店した人の投稿を時期をずらして2件突き合わせたところ、どちらも「日曜21時30分から月曜6時30分までは清掃のため休業する」という、まったく同じ内容を報告していた。
この清掃休止については、店の公式サイトなどに明記されているものではなく、来店者の記録から確認した情報になる。日曜の深夜から月曜の早朝にかけて訪れる予定がある人は、念のため電話や地図アプリの当日表示で確認してから向かうことをおすすめする。
正直なところ、こういう「看板は24時間365日だけど、実際には週1回だけ例外がある」という店は、江南に限らずソウル全体にほかにもありそうだと感じている。裏を返せば、「24時間営業」という表記を鵜呑みにせず、訪れる曜日と時間帯を意識するだけで、無駄足を減らせるということでもある。
明洞エリア:観光客にも使いやすい店
明洞(ミョンドン)は、買い物やホテルの集積地としてはソウルでも屈指のエリアだが、深夜まで開いている食堂の情報は意外と少ない。多くの店が観光客向けの営業時間で回っているぶん、24時間営業の食堂は貴重な存在といえる。
明洞のホテルに宿泊していると、日中はコスメショップや屋台に時間を使い切ってしまって、気づけば深夜、というパターンに陥りがち。買い物で疲れた体には、辛すぎない優しい味のスープ料理がありがたい。観光客向けのメニュー表記が整っている店が多いのも、明洞ならではの安心材料になっている。
確認できたのは、普勝会館(ポスンフェグァン)明洞店。全国にチェーン展開しているスンデクッパ・骨付きカムジャタンの店で、Googleのビジネス情報では72件のユーザー報告に基づいて「24時間営業」と表示されている。ただし、こちらも来店者のブログ投稿を確認したところ、「日曜日だけは22時に閉店する」という記録があった。
あわせて、公式インスタグラムの発信も確認したところ、「旧正月やチュソクなどの連休期間は、店舗ごとに営業時間が異なるので来店前に確認してほしい」という趣旨の告知が出ていた。チェーン店だからこそ、店舗ごとの個別事情がある、という点は覚えておいて損はない。
明洞は屋台グルメの記事で紹介しているとおり、日中から夕方にかけては屋台文化が強いエリア。屋台が片づいたあとの深夜帯にお腹が空いたときの選択肢として、こうした24時間食堂の存在を知っておくと安心感が違う。ホテルに戻る前の締めの一杯としても使いやすい立地にある。
南大門市場や会賢(フェヒョン)駅のあたりまで足を延ばせば、ほかにも24時間営業をうたう食堂があるという情報自体はいくつか見かけた。ただし今回はそこまで足を延ばした確認ができなかったため、本文では明洞エリア内で実在と営業を確認できた1軒だけを紹介する形にとどめている。

いま開いている店を自分で探す方法
ここまで紹介した6軒は、あくまで調査時点で確認できた店。実際にソウルへ行く日には、その場で「いま開いているか」を自分で確かめる手段を持っておくほうが確実になる。いちばん使いやすいのが、NAVER地図(NAVERマップ)とカカオマップの2つのアプリ。
NAVER地図では、飲食店をカテゴリー検索した結果画面に「영업중(営業中)」という絞り込みのトグルがある。これをオンにすると、その時点で営業中と自己申告している店だけに一覧が絞られる仕組み。カカオマップにも同様の機能があり、店舗ページの「今日」の欄を開けば、その日の営業状況を確認できる。
ただし、この手のアプリの情報は個人経営の店ほど更新が滞りがちという弱点もある。臨時休業や、今回のような曜日ごとの例外は反映されていないことも珍しくない。本気で「確実に開いていてほしい」というときは、アプリの表示だけで判断せず、電話で直接確認するのが最終的にいちばん早い。飲食店検索アプリの使い分けやNAVER地図の基本的な使い方も、あわせて知っておくと現地での安心感が違う。
電話確認のハードルが高いと感じる人には、翻訳アプリの音声通話機能を使う手もある。韓国語で一言二言のやり取りができれば十分なので、「지금 영업하나요(今、営業していますか)」のフレーズだけでも準備しておくと心強い。店員側も観光客からの問い合わせには慣れている場合が多く、身構えるほどのことではないはず。
安全面についてひとこと添えておくと、飲酒後の運転や治安の状況を断定的に語ることはこの記事の範囲を超える。ただ、ソウル市が公式に案内している見守りサービスのような制度は存在するので、気になる人は自治体の公式情報を確認したうえで、自分に合った備えをしておくのがよさそうだ。
よくある質問
まとめ
深夜のソウルで「開いている店」を探すのは、思っている以上に情報戦。看板の「24時間」表記を鵜呑みにせず、確認できたことと確認できていないことを分けて考える姿勢が、結局いちばんの近道になる。
- 確認できた24時間食堂は、鍾路・東大門・弘大・江南・明洞の5エリアに計6軒
- 江南珍解腸は日曜21時30分〜月曜6時30分が清掃のため休業
- 普勝会館明洞店は日曜日だけ22時閉店
- 「24時間」表示はコロナ後に短縮されたまま戻っていない店もあるため鵜呑みにしない
- 当日はNAVER地図・カカオマップの営業中フィルターと電話確認を併用する
宿泊エリアを深夜の食事のしやすさから逆算して選ぶのも、地味だけど効果的な備え方の一つ。ホテル選びの段階から、深夜に困らない街を意識してみてほしい。
今回確認できなかった店についても、今後訪れる機会があれば改めて営業状況を追いかけていきたいと考えている。ソウルの深夜食堂事情は、コロナ禍を経て今も変化の途中にあるジャンル。一度「24時間」と紹介された店でも、時間の経過とともに状況が変わっていくことは十分にありうる。だからこそ、この記事の情報も含めて、最後は現地での当日確認を習慣にしておくのが、いちばん確実な備え方になる。
参考・出典
ソウル市公式観光情報サイト(korean.visitseoul.net)/ソウル市公式ニュースレター「マイソウル」(mediahub.seoul.go.kr)/各店舗のGoogleビジネスプロフィール/ダイニングコード(diningcode.com)/シクシン(siksinhot.com)/Trip.com(kr.trip.com)/普勝会館公式サイト(boseunghall.com)/各店舗の公式インスタグラム。すべて2026年9月9日に確認。

