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「韓国でUberって使えるんだっけ、別のアプリを入れないとダメだったような……」。渡韓経験がある人ほど、この記憶が古いまま止まっていることがあります。数年前まで韓国のUberは「우티(UT)」という独自ブランドで動いていて、たしかにややこしい状態でした。ですが、その情報はもう更新が必要です。ここでは2026年8月22日時点で確認できた範囲の情報にもとづいて、韓国でUberが今どうなっているかを整理します。
韓国のUberは、2024年3月1日付で「우티(UT)」から「Uber Taxi(우버 택시)」へサービス名が統一されました。別アプリのダウンロードは不要で、既存のUTアプリはそのまま名前だけ変わっています。さらに2025年からはUberの単独出資子会社として運営されており、日本で使っているUberアプリにログインしたまま、韓国内でも配車を要請できます(2026年8月22日確認)。ただし呼べるのはタクシー会社と提携した加盟車両で、台数・エリアはソウル中心部が主戦場です。
結論:韓国でUberは「Uber Taxi」として生きている
まず前提の整理です。韓国のUberサービスは、2021年にUber(出資比率51%)とTmapモビリティ(同49%)の合弁として「우티(UT)」の名前でスタートしました。この時点では「韓国だけの別ブランド」という扱いで、日本語圏の記事に「UTという専用アプリが必要」と書かれてきたのはこのためです。ただしこの構造は、2024年のブランド統合を境に大きく変わっています。
2024年1月に発表され、同年3月1日付で実施されたのが、サービス名を「우티」から「Uber Taxi(우버 택시)」へ変更するという方針転換です。既存のアプリはそのままアップデートされ、加盟タクシー車両の外装ロゴも順次張り替えられました。つまり利用者が新しく何かをインストールし直す作業は発生しません。「別アプリを探す」という発想自体が、もう2024年3月以降は成立しないということです。
「우티(UT)」って何だったの?ブランド統合の経緯
ここで「UT」という名前がどう扱われているか、もう少し丁寧に見ておきます。우티(ウティ)はもともとの法人・サービスのブランド名で、Uberとタクシー配車アプリを運営していたTmapモビリティが共同出資してつくった会社です。2024年3月のブランド統合で消えたのは「サービス名としてのUT」であって、「法人としてのUT」は現在も存続しています。ここを混同すると誤解が生まれます。
資本関係もこの数年で動きました。2024年12月19日、Tmapモビリティの取締役会は保有するUT株75,678株(約600億ウォン相当)の全株をUberに売却することを決議し、両社の持分整理は2025年初めに完了する予定とされていました。つまり2025年以降、UT社はUber単独出資の子会社という体制に切り替わっています。「UTはもう終わっている」という理解も正確ではありません。2025年度の決算では営業損失554億ウォン・純損失542億ウォンを計上しているものの、これは清算ではなく赤字を抱えながら事業を継続している状態を示す数字です(この決算数値は要約経由での確認にとどまり、原文未直接確認のため参考情報として扱います)。
整理すると、「ブランド名はUber Taxiに一本化」「法人名はUTのまま存続」「資本はUberの完全子会社化」という3つが同時に起きた、というのが正確な理解です。日本語の情報がまだ「UT」表記で止まっているのは、この統合前の状態を引きずっているからだと考えられます。
日本のUberアプリはそのまま使える?アカウントの実際
次に気になるのは「今使っているUberアプリを、韓国でもそのまま使えるのか」という点です。Uberは国をまたいでも同じアプリ・同じログイン情報で配車を要請できる、グローバル単一アカウント制を採用しています。国設定をわざわざ切り替える操作が必須というわけではなく、日本で普段使っているアプリを韓国の空港やホテルでそのまま開いて、位置情報を許可すればそこから配車の選択肢が表示される、という流れが基本です。
実際、韓国側の報道でも「ブランド統一により、海外で使っていたUberアプリをそのまま韓国内でも変換不要で使える」という趣旨の記述があります。別アプリへの切り替えや転送は発生せず、「Uber」というひとつのアプリの中に、韓国では配車オプションとして「Uber Taxi」が表示される、という仕組みです。他の国でいうUberXの枠が、韓国ではタクシー提携車両に置き換わっているとイメージすると分かりやすいはずです。
登録の手間で言えば、アプリを開いて弾かれるかどうかが分かるまでの時間は、コンビニのレジで会計をするくらいの数十秒です。事前に日本で使い方を確認しておく必要はほぼなく、現地に着いてからアプリを開けば十分に間に合います。
Uber Taxiで呼べる車はどんな車?個人ドライバーではない
もうひとつ誤解しやすいのが、車両の性質です。Uber Taxiは、他国のUberXのような個人ドライバーによる白タク的な配車ではありません。韓国のタクシー会社と提携した加盟タクシーを配車する仕組みで、ドライバーは営業許可を持つタクシー運転手です。この点はカカオTの一般タクシー枠と近い性質を持っています。
Uber公式の発表によると、2024年上半期の利用者数は前年同期比で80%増加しています。統合後にサービスの認知が広がり、利用が増えている段階だと読み取れます。ただし台数そのものについての公式な統計は確認できていません。「カカオTより台数が少なく、時間帯によっては配車まで待つ場合がある」という声は旅行者ブログなどの体験談レベルで見られますが、これは二次情報であり、公式な裏付けがある数字ではない、という前提で受け止めるのが正確です。
対応エリアはどこまで?ソウル中心部の実力
対応エリアについては、ソウル都心部が中心という理解で大きくは外れません。カカオTが全国規模で配車シェア約8割を握っているとされる(2022年時点の二次データ)のに対し、Uber Taxiはそこまでの面的なカバーではなく、市内中心部と主要スポットに強い、という位置づけです。地方の小さな町や郊外の観光地では、そもそも呼べる車がすぐには見つからない可能性も考えておいたほうがいいでしょう。
一方で、空港からの利用実績はもともと厚みがあります。2019年の公式発表時点のデータでは、人気の乗降地として仁川空港が1位に挙がっています(やや古いデータですが、空港との相性がよいサービスであることを示す参考情報にはなります)。ソウル市内の移動に加えて、空港からホテルまでの一直線の移動でも選択肢に入る、というのが実情に近いはずです。
仁川・金浦空港でUberは使えるか、乗り場の探し方
空港でUber Taxiを呼ぶ場合、一般のタクシー乗り場とは別の場所から乗る必要があることが多い点は覚えておいてください。仁川空港では、一般タクシー乗り場とは別に「予約(コール)タクシー」専用の乗り場が案内されており、アプリで呼んだ車はこちらに回されるのが基本の動線です。예약택시(イェヤクテクシ=予約タクシー)という表示を空港内で探すと分かりやすいはずです。なお、この乗り場の具体的な番号については、公式サイトへの直接アクセスができず検索結果経由の確認にとどまっているため、現地の案内板で最終確認することをおすすめします。
到着直後は、アプリの登録や決済まわりでつまずくといちばん消耗する時間帯です。行き先がすでに決まっているなら、配車アプリを空港で立ち上げて待つより先に、送迎車を確保しておくほうが静かに済むこともあります。
金浦空港も同様に、一般タクシーの乗り場と配車アプリ用の乗降位置が分かれている空港のひとつです。金浦発着の一般タクシー運賃の目安は金浦空港からのタクシー運賃ガイドで、仁川発着の運賃感覚は仁川空港からのタクシー運賃ガイドでそれぞれ確認できます。配車アプリを使わず、送迎サービスをまるごと手配したい人向けの選択肢は空港からの個人送迎サービスの選び方にまとめているので、比較材料として見ておくと判断しやすくなります。
料金の仕組み:メーター連動・深夜割増・アプリ確定額の違い
料金の考え方は、一般タクシーの運賃制度がベースになっている点はカカオTと共通です。ソウル基準で深夜帯には割増運賃が適用される仕組みがあり、これは심야 할증(シミャ ハルチュン=深夜割増)と呼ばれています。ただし具体的な割増率や適用時間帯の細かい数字については、複数の二次まとめ記事の内容は一致しているものの、単独の公式一次情報での裏取りができていません。この記事では相場観として触れるにとどめ、断定的な金額は書かないことにします。詳しい深夜料金の目安は韓国タクシーの深夜料金ガイドで別途整理しています。
キャンセルにまつわるルールも押さえておきたいポイントです。Uberの利用規約では、ドライバーが依頼を承諾してから2分経過後にキャンセルすると手数料が発生する、予約配車では乗車予定時刻の1時間以内のキャンセル・不乗車で手数料が発生する可能性がある、という記載があります。ただし韓国における具体的な手数料の金額は利用規約の別紙参照とされていて、この記事の調査範囲では金額を特定できませんでした。호출료(ホチュルリョ=呼出料)という単語自体は配車アプリ全般で使われる用語なので、アプリ内の確認画面で金額表示が出たら、その場でしっかり確認してから乗車するのが安全です。
決済でつまずくポイント:海外カード登録が通らないとき
ここは、今の自分の状況に照らして慎重に読んでほしい部分です。2020年6月30日、Uber韓国はドライバーへの現金直接払いから、アプリに登録したカードでの自動決済へ切り替える発表をしています。当時の案内文には「国内発行カード登録が必要」と明記されていました。この案内をそのまま信じるなら、日本発行のカードはアプリ内決済に登録できない、ということになります。
一方で、2025年時点の利用者報告の中には、米国発行カードで決済できたという声も見られます。ただしこれはフォーラム投稿レベルの情報で、Uber側の公式な方針転換を示す一次情報ではありません。つまり「日本発行カードが必ず使える」とも「必ず使えない」とも、この記事の調査範囲では言い切れないというのが正確なところです。
カカオTとの違い:台数・エリア・外国人向け機能を比較
ここまで読むと、「じゃあ結局カカオTの方がいいのでは」と思う人もいるはずです。ただしこの記事はUberの現況を整理するのが主題なので、カカオTそのものの登録手順や使い方には踏み込みません。詳しい操作方法はカカオタクシーの使い方ガイドにまとまっているので、そちらを参照してください。ここでは比較にとどめます。
運営会社で見ると、Uber Taxiは2025年よりUber単独出資子会社であるUT、カカオTはカカオモビリティが運営しています。車両の性質はどちらもタクシー会社との提携車両が中心ですが、カカオTには一般タクシーに加えて高級車両枠(벤티・블랙)もあります。台数・カバーエリアは、二次情報ベースではカカオTの方が明確に厚く、Uber Taxiはソウル都心部と空港が主戦場という棲み分けです。
外国人向けの導線という観点では、Uberはアプリ自体が国際共通のため専用の別サービスを持ちません。一方カカオモビリティは「k.ride(케이라이드)」という外国人専用のグローバル配車アプリを別に用意していて、日本を含む海外30以上の国・地域からGoogle・Apple・メールのみで登録でき、海外発行カード・Alipay・GrabPayに対応しています。韓国とグアムでタクシー予約もできる設計です。なお、カカオT本体を韓国の電話番号なしで登録できるという情報もありますが、これは二次情報にとどまり、承認に数日かかる場合があるとの記載もあるため、旅行直前の登録には不向きだと考えておいたほうが安全です。
ちなみにカカオモビリティは2023年10月5日から、中国人観光客向けに「自国のアプリからそのままカカオT벤티・블랙を呼べる」ローミング配車も始めています。将来的に東南アジア・日本・欧州へ拡大予定と当時発表されていましたが、2026年時点で日本のアプリにまで実際に拡大しているかはこの記事の調査範囲では確認できませんでした。「日本のアプリからカカオTが呼べる」とは断定せず、確実に使えるルートとしてはUber、k.ride、カカオT本体(電話番号登録)の3つを軸に考えるのが無難です。目的地までの経路そのものを確認したいときは、配車アプリとは別にNaver Mapの使い方ガイドを併用すると迷いにくくなります。
結局どちらを入れておくべきか:旅行者向けの現実的な結論
ここまでの内容を踏まえると、日本人旅行者にとって現実的な選択肢は「Uberアプリ(韓国内ではUber Taxiとして機能)」と「k.ride」の2本を出発前にスマホへ入れておくことです。Uberはふだん日本で使っているアカウントがそのまま使え、k.rideは海外発行カードでの決済に対応しているぶん、Uberで決済が通らなかったときの受け皿になります。カカオT本体は配車の選択肢が最も多い一方、電話番号登録の承認に数日かかる可能性があるため、渡航直前に慌てて登録するのはおすすめしません。
アプリを選ぶ時間は、シートマスクを1枚貼っている間くらいで済ませられます。どちらのアプリが優れているというより、決済手段と滞在エリアに合わせて開くアプリを変える、という考え方の方が現実的です。トラブルを避ける前提としては、そもそも流しのタクシーで料金交渉を持ちかけられるような場面を避けたい人向けに韓国タクシーのトラブル事例と回避策もあわせて確認しておくと安心材料が増えます。旅行前のアプリ設定を一通り洗い出したい人は韓国旅行で入れておきたいアプリまとめも見ておくと準備が一段落します。

よくある質問
まとめ
- 韓国のUberは2024年3月1日付で「Uber Taxi(우버 택시)」に名称統一され、別アプリのUTを探す必要はない(2026年8月22日確認)
- 2025年からはUber単独出資子会社としてUTが運営を継続。法人としては存続しているが、サービス名としてはもう使われていない
- 日本で使っているUberアカウントのまま、国設定を変えずに韓国内で配車を要請できる
- 呼べる車はタクシー会社提携の加盟タクシーで、個人ドライバーのUberXとは異なる
- 対応エリアはソウル都心部と空港が中心。決済は海外カードの可否が本記事の範囲では確定できず、通らない場合はk.rideなどに切り替える想定をしておく
- カカオTとの優劣は断定せず、決済手段・登録の手軽さ・滞在エリアで開くアプリを選ぶのが現実的
韓国のUber事情は、ここ数年でブランドも資本関係も静かに動いてきました。情報が古いまま止まっている記事もまだ多いので、渡航直前にはアプリストアの表示やUber公式のヘルプページで、決済まわりの最新の案内だけもう一度確認しておくと安心です。空港からの移動でアプリ操作に時間を割きたくない人は、送迎の事前予約もあわせて検討してみてください。
参考・出典
- 亜洲経済「Tmapモビリティ、UT株式全量売却を決議」 https://www.ajunews.com/view/20241220092804492 (2026年8月22日確認)
- Nate News「우티、3月1日から「Uber Taxi」にブランド名変更」 https://news.nate.com/view/20240301n04296 (2026年8月22日確認)
- デイリードット「UT、Uber単独子会社体制へ」 https://m.ddaily.co.kr/page/view/2024122015170558680 (2026年8月22日確認)
- Uber Newsroom「Uber and Tmap Mobility」 https://www.uber.com/ko-KR/newsroom/uber_tmap/ (2026年8月22日確認)
- Uber Newsroom「国際タクシー人気乗降地アップデート」 https://www.uber.com/ko-KR/newsroom/international-taxi-update (2026年8月22日確認・2019年発表データにつき参考情報)
- Uber Newsroom「アプリ内決済の導入について」 https://www.uber.com/kr/ko/newsroom/app-payment-kor (2026年8月22日確認)
- Uber利用規約(韓国) https://www.uber.com/legal/en/document/?country=korea&lang=ko&name=general-terms-of-use (2026年8月22日確認)
- カカオモビリティ「k.ride」公式ページ https://www.kakaomobility.com/k-ride (2026年8月22日確認)
- TechM「カカオT、外国人観光客向けローミング配車を開始」 https://www.techm.kr/news/articleView.html?idxno=115139 (2026年8月22日確認・日本への拡大状況は未確認)

