友達4人で焼肉を食べ終えて、さあ会計。誰がレジに行く?カードは何枚出せる?——韓国旅行でいちばん地味に戸惑うのが、この「割り勘の段取り」かもしれません。
韓国では、会計は着席したテーブルではなく出入口近くのレジで行うことが多いとされ、しかも「1人がまとめて払い、あとで精算する」流れが基本になりやすいと言われます。カードを人数分に分けて会計できるかは店ごとの判断で、確実にできるとは言い切れません。外国人がカカオペイやトスの送金機能を使えるかどうかは、条件が細かく、旅行者にとっては使いにくい場合が多いとされます。この記事では、その前提と、旅行者どうしで現実的に割り勘する方法を整理します。
韓国の会計、なぜ「1人がまとめて払う」のが基本なの?
結論から言うと、韓国では더치페이(ダッチペイ、割り勘の意味)そのものは一般的な考え方でありながら、実際の支払いの場面では「代表者が1人でまとめて会計し、あとから他のメンバーが自分の分を渡す」進め方が定着しているとされます。現金だけでその場で人数分ぴったり集めるのは意外と手間がかかるため、まず1人が立て替えるほうが早い、という実務的な理由が大きいようです。
なぜこの形が広がったのかというと、韓国のレジまわりの動線と関係があると考えられます。あとの見出しで触れますが、韓国の多くの飲食店は会計がテーブルではなく出入口付近のレジ1か所に集中しています。人数分バラバラに会計しようとすると、レジの前で長い列ができてしまい、店にとっても他の客にとっても負担になりやすいのです。だからこそ「1人がまとめて払う」ほうが、結果的にスムーズだと考えられています。
ただし例外もあります。カード払いが前提の店では、総額を人数で割って各自が自分のカードで会計する方法も紹介されています。この場合はレジで一度に処理してもらえるかどうかが分かれ目になり、店の混み具合やレジの機種によって対応が変わるようです。決まった正解があるわけではなく、状況に合わせて選ばれている、くらいに捉えておくのが安全でしょう。
旅行者としてできる備えはシンプルです。会計の前に「誰が払うか」をひとこと決めておくこと。レジの前でモタモタすると、後ろに並ぶ人の視線が地味につらいので、これだけは事前に済ませておきたいところです。
「テーブルでは会計しない」——日本との違い
日本の飲食店では、テーブル会計や店員を呼んで伝票を渡すスタイルも珍しくありませんよね。一方で韓国の一般的な食堂や焼肉店では、食事を終えたら出入口近くのレジに自分たちで移動し、テーブル番号を伝えるか伝票を見せて会計する形が多いとされています。座ったまま「お会計お願いします」と待っていても、なかなか気づいてもらえないことがあるようです。
この違いを知らないまま日本の感覚で待っていると、「呼んでも来ない」と誤解してしまうかもしれません。実際には店員が冷たいわけではなく、単に会計の仕組みがレジ集中型になっているだけ、というのがこの慣習の背景だと考えられます。食べログや口コミサイトでも似た戸惑いの声はよく見かけます。
もちろん例外はあります。ホテル内のレストランや、コース料理を出すような高級店では、テーブルで伝票を持ってきてもらい、その場でカードを渡す形が使われているとされます。カジュアルな食堂とかしこまった店とで、会計の作法が変わると考えておくとわかりやすいでしょう。注文の仕方じたいも店によって流れが違うので、韓国語での注文フレーズをまとめた記事も参考にしてください。
迷ったときの合図はシンプルです。周りの客が食後にどこへ向かっているかを見れば、レジの場所は自然とわかります。わからなければ「계산은 어디서 해요?(ケサヌン オディソ ヘヨ?=会計はどこでするんですか?)」と聞いてしまうのが一番早い解決策です。
テーブルで長く待っていても店員が会計に来ない場合があります。焦らず、レジの場所を確認してから自分たちで向かいましょう。急いでいるときほど、先にレジの位置を目で探しておくと安心です。
カードを分けて払える?分割決済(나눠서 결제)は店による
「じゃあ人数分のカードを一気に出せばいいのでは」と思う人もいるはずです。答えは「できる店もあれば、できない店もある」というのが実情のようです。複数のカードに会計を分けて処理できるPOS端末や決済機は実際に存在しており、各自会計に対応する店は増えているとされます。
一方で、忙しい時間帯や店の運用ルールによっては、分割決済を断られることもあると紹介されています。同じ人物が複数枚のカードを使う形の分割ですら、店によっては受け付けていない場合があるようです。「できる」と決めつけて会計の直前まで確認しないでいると、レジの前で慌てることになりかねません。
だからこそ、確実性を求めるなら注文前や着席時に「나눠서 결제 되나요?(ナヌォソ キョルジェ デナヨ?=分けて決済できますか?)」とひとこと聞いておくのが無難です。混雑していない時間帯のほうが、店側も対応しやすい傾向があると考えられます。カードの利用条件そのものについては、韓国でのクレジットカードの使い方をまとめた記事も参考にしてください。
分割決済がどうしても難しそうなら、次の見出しで触れる「1人がまとめて払って後で精算する」方法に切り替えるのが現実的です。会計の直前にプランBを持っておくと、グループ旅行のストレスがぐっと減ります。

- 着席時や注文時に「分けて払えるか」を先に聞いておく
- 混雑している時間帯は断られやすいと想定しておく
- 断られた場合の代表払いプランを事前に決めておく
- 同じ人物の複数枚カードでの分割も不可な場合があると知っておく
現金しか使えない店・小規模店でどうする
カード社会というイメージの強い韓国ですが、伝統市場の屋台や一部の個人商店では、現金のみの扱いだったり、カードは使えても分割決済には対応していなかったりする場合があるとされます。街歩き中に立ち寄る小さな店ほど、この可能性を頭に入れておくと安心です。
この場合の割り勘は、素直に「現金で人数分を集めて代表者が払う」形が確実です。小銭の用意に手間取りがちなので、あらかじめ端数の出にくい金額を意識しておくと会計がスムーズになります。屋台での支払いの流れは、屋台の支払い方法をまとめた記事でも詳しく取り上げています。
現金かカードかがその場でわからない不安を減らすには、キャッシュレス対応の店を事前に見分けておく方法もあります。店頭のステッカーやアプリ表示を目印にする考え方は、韓国のキャッシュレス事情をまとめた記事のほうが詳しいので、あわせて読んでおくと出発前の不安が減らせます。
現金・カードどちらの場合でも、精算の遅れがグループ内のちょっとしたストレスになりがちです。次の見出しで紹介するカカオトークの機能を使えば、その場で計算しなくても後から自動で割り振れるので、あわせて知っておくと安心です。
| 店のタイプ | 会計方法の傾向 |
|---|---|
| チェーン系の食堂・カフェ | カード対応が一般的とされる |
| 伝統市場の屋台・個人商店 | 現金のみ、または分割決済不可の場合がある |
| 高級レストラン・ホテル内店舗 | テーブル会計・カード分割に対応しやすい |
カカオトークの「精算する」機能で割り勘を計算する仕組み
韓国の友達との割り勘でよく使われているのが、카카오톡(カカオトーク)のグループチャットにある「精算する」機能です。金額を人数で割る計算を自動でやってくれるので、電卓を取り出す手間がなくなります。仕組みを知っておくと、韓国人の友達とのやり取りでも話が早くなります。
使い方の流れは決まっています。まずメンバーが集まっているグループチャットを開き、入力欄の+ボタンから送金メニューに入って「1/N精算」を選びます。総額と人数を入力すると、1人あたりの金額が自動で計算される仕組みです。割り切れない端数分は、最大でN-1ウォンまでサービス側が負担するとされています。
計算が終わると、精算リクエストのメッセージがチャットに送られます。受け取った側は、そのメッセージの「送る」ボタンを押すだけで送金操作に進めるとされ、金額を打ち直す手間がありません。グループでの旅行費用の割り勘にも応用できそうな作りになっています。
ただし注意したいのは、この「送る」操作の先にあるのが送金機能そのものだという点です。計算までは誰でもできても、実際にお金を動かすには、次の見出しで説明する条件をクリアしている必要があります。カカオトークの基本的な使い方は別記事にまとめているので、そちらもあわせてどうぞ。
- 割り勘したいメンバーのグループチャットを開く
- 入力欄の+ボタンから送金メニューに入る
- 「1/N精算」を選び、総額と人数を入力する
- 自動計算された精算リクエストをチャットに送る
外国人はカカオペイ・トスの送金を使えるのか
ここは正直に書きます。カカオペイの送金や、토스(トス)のようなアプリの送金機能を、日本から来た短期旅行者がそのまま使えるかどうかは、公式に「旅行者は使えません」と明記したページを見つけることができませんでした。ただし、利用のために必要とされる条件を整理すると、ハードルは低くなさそうです。
カカオペイの送金・簡単決済を使うには、韓国の通信会社に本人名義で登録された携帯電話番号での本人確認が必要とされています。外国人の場合は、外国人登録証にもとづいて本人名義で契約した回線であれば認証が通りやすいと説明される一方、観光用のプリペイドSIMやeSIMは通信会社側に名義が登録されていないため、認証に失敗しやすいとされます。外国人登録証そのものが、91日を超えて滞在する人向けの証明書である点も見落とせません。
トスバンクについても、口座開設や国内送金の案内は「外国人登録証を持つ在住外国人」向けとして紹介されているものが中心でした。数日から数週間の旅行者を対象にした案内は見当たらず、条件を満たすのは難しい可能性が高いと考えられます。
つまり、在留資格のある長期滞在者であれば選択肢に入る一方、短期旅行者にとっては現実的に使いにくいアプリだと考えておいたほうが安全です。正確な可否は変わる可能性もあるため、どうしても使いたい場合は各アプリの公式サポートに直接確認してください。韓国のキャッシュレス事情全体については、ネイバーペイの使い方をまとめた記事も参考になります。
カカオペイ・トスの送金機能は、外国人登録証や韓国の通信会社の回線が前提になっているとされます。短期旅行では条件を満たせないことが多いと考えて、別の精算方法を用意しておくのが安心です。
旅行者どうしのおすすめの割り勘方法
ここまでの内容をふまえると、日本からの旅行者どうしで韓国の送金アプリを使うハードルはやや高いということになります。では実際どうすればいいのか。編集部としておすすめしたいのは、シンプルに「1人がまとめてカードで払い、他のメンバーは日本の送金アプリで精算する」という方法です。
会計は代表者のカード1枚で済むので、レジでの手間もかかりません。そのあとの精算は、PayPayやLINE Payなど、普段使い慣れているアプリで日本円のまま送り合えば、為替や口座の心配をせずに済みます。韓国側の送金インフラに頼らない分、シンプルで確実な方法と言えるでしょう。
ホテルの部屋に戻ってから、その日使った金額をまとめて精算する「1日1回精算」のスタイルにすると、細かい会計のたびに手間取ることもなくなります。1人旅で韓国に来ている場合は、そもそも割り勘の悩みがないぶん、その分の予算感を知っておきたい人は1人旅の旅費目安をまとめた記事もチェックしてみてください。
現金を多めに持ち歩きたくない人は、代表者が使うカードを事前に決めておき、限度額やポイント還元をチェックしておくのもおすすめです。誰か1人に負担が偏らないよう、日ごとに代表者を交代する、というルールを作っているグループもあるようです。
ご馳走する・される文化と、気持ちよく断る言い方
韓国では、年上の人や役職が上の人が食事代を払う慣習があるとされています。日本にも似た感覚はありますが、韓国のほうがこの慣習がはっきり意識されている、と紹介されることが多いようです。旅行中に現地の知人と食事をする場面では、この空気を知っておくと戸惑いが減ります。
「ご馳走になる」こと自体は失礼にあたらないとされていますが、毎回甘えるのも気が引ける、という人もいるはずです。そんなときは「今度は私が払います」とひとこと伝えておくと、次の機会に自然と役割を交代しやすくなります。無理にその場で押し問答をするより、次への意思表示のほうが角が立ちにくいと考えられます。
逆に自分がご馳走する側になったときは、あまり恩着せがましく言わず、さらりと会計を済ませてしまうのがスマートだとされます。「奢る」という行為自体に、関係を大事にしたいという気持ちが込められている、という捉え方をしておくと、受け取る側も気負わずに済みそうです。
この慣習はあくまで一般的な傾向であり、友人どうしのカジュアルな食事では素直に割り勘することも多いとされます。相手やシーンによって空気を読みながら、無理のない形を選ぶのが一番だと考えられます。
チップは不要/レシートのもらい方
結論から言うと、韓国の飲食店やタクシーでチップを求められることは基本的にないとされています。北米のようにチップを前提にした料金設計にはなっておらず、一部の高級ホテルなどを除けば、慣行として定着していないと紹介されています。会計時に「チップはいくら渡せばいいの」と身構える必要はなさそうです。
むしろ気をつけたいのは、慣れない土地で「渡さなくていいものを渡してしまう」ことのほうかもしれません。サービス料が会計に含まれているケースもあるため、レシートの内訳を見て、すでに料金に含まれていないかを確認する習慣をつけておくと安心です。チップ文化については、国ごとの違いをまとめた別記事も参考になります。
レシートが欲しいときは「영수증 주세요(ヨンスジュン ジュセヨ=レシートください)」のひとことで伝わります。カード会計では自動的に発行される店が多いとされますが、現金払いのときは念のため声をかけておくと、後から使ったお金を振り返りやすくなります。
割り勘で立て替えた分の精算をするときも、レシートがあると金額の食い違いが起きにくくなります。細かい話に聞こえるかもしれませんが、旅行の後半になるほど「あれ、いくら払ったっけ」となりがちなので、こまめに保管しておくのがおすすめです。
よくある質問
まとめ
- 韓国の会計はテーブルでなくレジで行うことが多いとされる
- 「1人がまとめて払い、あとで精算する」流れが基本になりやすい
- カードの分割決済ができるかは店による。事前確認が確実
- カカオトークの「精算する」機能は計算だけなら誰でも使える
- 送金機能そのものは外国人登録証などの条件があり、旅行者には使いにくい場合が多い
- チップは基本的に不要。レシートは「영수증 주세요」で受け取れる
次に韓国の飲食店に入ったら、まずレジの場所を目で探し、代表者を1人決めてから注文を始めてみてください。
参考・出典
나무위키「더치페이」https://namu.wiki/w/%EB%8D%94%EC%B9%98%ED%8E%98%EC%9D%B4(確認 2026年9月8日)
specialmanual.com「카카오톡 더치페이 요청 방법」https://specialmanual.com/%EC%B9%B4%EC%B9%B4%EC%98%A4%ED%86%A1-%EB%8D%94%EC%B9%98%ED%8E%98%EC%9D%B4-%EC%9A%94%EC%B2%AD-%EB%B0%A9%EB%B2%95-n%EB%B9%B5-%EA%B3%84%EC%82%B0-%EB%B0%8F-%EC%A0%95%EC%82%B0%ED%95%98%EA%B8%B0/(確認 2026年9月8日)
カカオペイ公式ヘルプ一覧 https://support.kakaopay.com/web/faq-list/CUSTOMER_CENTER_FAQ_PAYMENT(確認 2026年9月8日)
トスバンク公式「해외송금 이용 방법」https://www.tossbank.com/articles/international-transfer-guide(確認 2026年9月8日)
인천광역시 웹진 MOO「나라별로 다른 팁 문화」https://www.incheon.go.kr/moo/MOO030101/3052680(確認 2026年9月8日)
本記事の内容は個人の慣習・体験談にもとづく二次情報を含みます。分割決済・送金アプリの可否は店舗やアプリの公式案内で最新情報を確認してください。

