「今年のハロウィンは梨泰院(イテウォン)や弘大(ホンデ)に行っても大丈夫なの?」——韓国のハロウィンについて調べていると、楽しそうな写真と同時に、2022年の事故のニュースも目に入ってきて、なんとなく足が止まる人は多いはず。結論から言うと、梨泰院・弘大とも「行ってはいけない場所」になったわけではなく、龍山区(ヨンサング)・麻浦区(マポグ)・ソウル市が人流管理の仕組みを組んだ上で、例年ハロウィン期間を迎えています。この記事では、公的機関が発表している人流管理の中身と、混雑が管理される場所ではどう動けばいいか、そして「落ち着いて楽しみたい」派の選択肢までを、公式発表をもとに整理します。
梨泰院・弘大は封鎖されているわけではなく、龍山区・麻浦区がそれぞれ人員を投入し、混雑度に応じた4段階の管理体制で運営しています(2025年の実績)。ただし2026年分の具体的な対策はこの記事の執筆時点(2026年9月14日)でまだ公表されていません。過去の実績を知った上で、「混雑管理の対象エリアでは係員の指示に従う」「無理に密集地へ向かわない」を基本にすれば、避けるべき無理な行動は減らせます。人混みそのものが苦手な人には、エバーランド・ロッテワールドのハロウィン催事という選択肢もあります。
結論から――今年の梨泰院・弘大はどう変わったか
まず押さえておきたいのは、梨泰院も弘大も「ハロウィンに近づいてはいけない場所」として封鎖されているわけではない、ということです。2022年の事故以降、龍山区・麻浦区・ソウル市はそれぞれ人流管理の体制を組んでハロウィン期間を迎えており、直近で確認できた2025年の実績では、龍山区が約1,300名、麻浦区が616名という規模の安全管理人員を投入していました。制度としては「行かせない」ではなく「集まっても事故が起きないように管理する」方向に振られています。
ただし、この記事の執筆時点(2026年9月14日)では、2026年のハロウィンに向けた具体的な対策はまだ公式に発表されていません。龍山区・麻浦区とも、例年10月下旬になってから期間や人員配置の詳細を発表する傾向があるため、2025年の実績を土台に「どういう仕組みで管理されているか」を知っておき、2026年分は出発直前にあらためて公式サイトで確認する、という順番が現実的です。
「梨泰院・弘大は今どうなっているんだろう」と不安な人向けの答えを先に言うと、両エリアとも通常営業は続いています。変わったのは、混雑がある段階を超えると出入口が分離されたり、地下鉄が駅を通過(無停車)したりする「管理の仕組み」が明文化された点です。これから各区の対策を具体的に見ていきます。
2022年10月29日に何があったか――事実だけを振り返る
2022年10月29日、ハロウィンで多くの人出があった梨泰院の路地で、群衆雪崩(雑踏事故)が発生し、多くの死者・負傷者が出ました。狭い坂道に人が集中したことが背景にあるとされ、この事故を受けて、韓国では梨泰院に限らず、ハロウィンをはじめとする人が密集するイベント全般で、行政による人流管理の考え方が大きく見直されることになりました。
この記事では、事故そのものの詳しい経緯や被害の詳細には立ち入りません。犠牲になった方々への配慮から、興味本位で事故を掘り下げることはせず、「その後どういう対策が取られているか」という、これから梨泰院・弘大を訪れる人にとって実用的な情報に絞って整理します。事故や被害の詳細を知りたい場合は、行政安全部やソウル市など公的機関の発表、当時の主要報道を確認してください。
梨泰院(イテウォン)――龍山区の人流管理、4段階のしくみ
龍山区は、梨泰院一帯のハロウィン対策として「4段階人流混雑度管理システム」を運用しています。2025年の実績では、実施期間は10月24日〜11月2日、来訪者数は期間中で約13万人と見込まれ、安全管理要員1,300名が投入されました。段階は「通行円滑(平常)」「通行注意(右側通行の誘導)」「混雑(梨泰院駅の出入口を分離運営)」「非常に混雑(駅無停車通過などの措置)」の4段階に分かれています。
「混雑」段階になると、梨泰院駅の出入口が入口用(①②番出口)と出口用(③④番出口)に分けて運営されます。人の流れを一方通行に近い形にすることで、狭い場所で人がぶつかり合う状況を減らす狙いです。さらに混雑が進み「非常に混雑」段階に達すると、災害文字メッセージでの周知、分散誘導、そして梨泰院駅の無停車通過(電車が駅を止まらずに通過する措置)が検討されます。これは駅構内やホームに人が滞留しすぎるのを防ぐための、かなり強い措置です。
技術面では、知能型CCTV141台・緊急ベル27個・リアルタイムのスマートマップ・駅の乗降客データを組み合わせ、合同状況室で段階を判断する体制が取られていました(2025年実績)。「今どのくらい混んでいるか」を現場の感覚だけでなく数字で把握し、早め早めに手を打つという発想です。ここで紹介した内容はあくまで2025年の実績であり、2026年に同じ体制・同じ期間で実施されるとは限らない点は留意してください。
人流管理の最終的な判断や避難誘導は、現場の警察・行政・安全管理要員の指示が優先されます。混雑を感じたら自己判断で密集地に留まらず、係員の案内に従ってください。
弘大(ホンデ)――麻浦区の「レッドロード」対策と616名態勢
弘大エリアを管轄する麻浦区は、「レッドロード」と呼ばれる区域を中心に、ハロウィン期間の特別安全管理を実施しています。2025年の実績では、実施期間は10月24日〜11月1日の9日間、事前点検は10月10日〜23日にかけて施設・電気・消防設備を確認する形で進められました。対策の名前どおり、麻浦警察署・麻浦消防署を含む8機関が協力する「多重人員集中対応専任班」が組まれています。
投入された人員は、区庁舎職員226名・安全要員120名・民間団体270名の合計616名(9日間)。対象エリアはクラブ通り・弘大入口駅9番出口・レッドロード(R3〜R5区間)で、毎日20時から翌1時まで集中的にパトロールが行われました。技術面では、AIによる人員密集分析システムを9カ所に設置し、CCTV統合管制センターで24時間監視、5基の災害文字放送板で緊急情報を配信する体制です。
交通面では、混雑区間で歩行路を確保するための措置に加え、人の密集が著しい場合には車両進入を制限する対応も予定されていました。梨泰院の「駅の無停車」のような鉄道側の強い措置と比べると、弘大は地上の歩行空間そのものをコントロールする発想に近いのが特徴です。こちらも2025年実績であり、2026年の期間・人員が同じとは限りません。
ソウル市全体で見る混雑管理対象――梨泰院・弘大だけじゃない
ソウル市は、ハロウィン期間に人流管理を強化する対象として、梨泰院観光特区・弘大観光特区に加えて、聖水洞(ソンスドン)カフェ通り・建大(コンデ)モクチャ通り・江南(カンナム)駅・狎鴎亭(アプグジョン)ロデオ通り・明洞(ミョンドン)通り・益善洞(イクソンドン)・往十里(ワンシムニ)駅・新村(シンチョン)延世路・鉢山(バルサン)駅・新林(シンリム)駅・カロスキル・論峴(ノニョン)駅の計14カ所を挙げています(2025年実績)。このうち特に重点的に管理されるのは、梨泰院・弘大・聖水洞・建大・江南駅・狎鴎亭・明洞・益善洞の8カ所です。
つまり「ハロウィンで人が集まりやすく、行政が特に注意している場所」は梨泰院・弘大に限りません。聖水洞や江南駅周辺のカフェ・ショップが多いエリアも同じ扱いを受けています。逆に言えば、この14カ所に入っていないエリアであれば、行政側が特別な混雑管理を想定していない=普段どおりの人出で楽しめる可能性が高いとも読めます。
ソウル市の発表では、混雑度が「非常に混雑」段階に達した場合、地下鉄の無停車通過も検討されるとされています。これは梨泰院駅に限った話ではなく、対象エリア内の駅であれば同様の考え方が適用される可能性がある、という理解でいたほうが安全です。エリアを問わず、駅構内で「次の電車は通過します」というアナウンスがあれば、それは異常事態ではなく、あらかじめ用意された安全対策が作動しているサインだと考えてください。
混雑管理の対象エリアでは、読者はどう動けばいいか
ここまでの制度を踏まえて、実際に梨泰院・弘大などの対象エリアに足を運ぶ場合の動き方を整理します。まず基本は「係員・案内表示の指示に従う」こと。龍山区・麻浦区とも、現場に安全管理要員を大量に配置しているのは、来訪者を止めるためではなく、混雑が危険なレベルに達する前に流れを整理するためです。案内に従って歩く方向を変えたり、迂回したりすることは、面倒に感じても事故を避けるための行動そのものです。
次に意識したいのが「通行注意」段階での右側通行です。龍山区の4段階のうち2番目にあたるこの段階では、狭い路地での右側通行の誘導が行われます。日本の道路交通の感覚(歩行者は特に右左の指定がないことが多い)とは違うので、現地で「오른쪽으로(オルンチョグロ=右側へ)」といった案内や、床面の矢印表示を見かけたら、素直に従うのが無難です。
最後に、駅の無停車通過や分散誘導のアナウンスが流れた場合は、その場に留まろうとせず、案内された方向に従って移動してください。SNSで「今の梨泰院は激混み」といった投稿を見かけても、個人の投稿だけで現地の状況を判断せず、可能であれば龍山区・麻浦区・ソウル市の公式発表や、駅構内のアナウンスを優先する習慣をつけておくと安心です。避難や誘導に関わる最終的な判断は、必ず現場の警察・行政の指示に従ってください。ハロウィン以外の場面も含めた韓国旅行全般の安全の考え方は韓国旅行の安全ガイド記事でも整理しているので、あわせて確認しておくと安心材料になります。
「どこなら落ち着いて楽しめるか」を考える
人混みそのものが苦手、あるいは子ども連れで無理はしたくない、という人には、ソウル市が挙げる混雑管理対象14カ所を避ける、という考え方が現実的です。梨泰院・弘大の雰囲気だけ見てみたいなら、ハロウィン当日の夜ではなく、日中や前後の平日に立ち寄るだけでも、街の装飾やカフェの雰囲気は十分楽しめます。梨泰院エリアガイドの記事や弘大エリアガイドの記事では、ハロウィン以外の時期を含めた街の歩き方をまとめているので、日程を分けて訪れる場合の参考にしてみてください。
ソウル市内には、ハロウィン以外にも秋のイベントが多く重なる時期です。混雑エリアを避けつつ季節のイベントを楽しみたい人は、韓国の秋のイベントまとめ記事もあわせてチェックすると、梨泰院・弘大に偏らない選択肢が見つかりやすくなります。夜の移動が発生する日程を組む人は、ソウルの深夜バスガイドで終電後の足も確認しておくと、無理に混雑した終電に飛び乗らずに済みます。
人が多い場所そのものを避けたい派のあなたには、次に紹介するテーマパークのハロウィン催事という選択肢もあります。屋内外で管理された空間の中でハロウィンの雰囲気を味わえるという点で、路上のハロウィンとはまったく違う楽しみ方ができます。
エバーランド・ロッテワールドのハロウィン催事という選択肢
路上のハロウィンを避けたい人には、テーマパークのハロウィン催事という選択肢があります。ロッテワールドは、2025年シーズンに「ポケモンワールドアドベンチャー:ゴーストの騒動」を9月6日〜11月16日(72日間)開催したと報じられています。屋内のアドベンチャーは「キュートホラー(かわいい怖さ)」、屋外のマジックアイランドは「リアルホラー」というように、エリアごとに雰囲気を分けているのが特徴です。
ただし、これは2025年シーズンの内容で、2026年シーズンの会期・イベント名は、この記事の執筆時点(2026年9月14日)では公式サイトで確認できませんでした。エバーランドについても、旅行メディアでは例年9月上旬に開幕し、80日前後の長期開催になるという傾向が紹介されていますが、2026年の正確な日付は公式サイトで確認できていません。どちらのパークを選ぶか迷う人は、エバーランドとロッテワールドの比較記事でアクセスや特徴の違いを先に確認しておくと、ハロウィン以外の楽しみ方も含めて選びやすくなります。
エバーランド・ロッテワールドとも2026年の正式な会期は、必ず訪問前に公式サイト(everland.com/lotteworld.com)で確認してください。この記事の日付情報は前年(2025年)の実績にもとづくもので、2026年に同じ内容で開催されるとは限りません。

「路上のハロウィンか、テーマパークのハロウィンか」で迷ったら、密集そのものが好きか苦手かで選ぶのがシンプルです。梨泰院・弘大の管理された賑わいを体験したい人は路上へ、装飾やアトラクションを含めてじっくり楽しみたい人・子ども連れの人はテーマパークへ、という住み分けで考えると選びやすくなります。
よくある質問
まとめ――制度を知った上で、無理のない動き方を選ぶ
梨泰院・弘大のハロウィンは、2022年の事故を受けて、龍山区・麻浦区・ソウル市がそれぞれ人流管理の体制を組んだ上で続いています。2025年実績では、龍山区が約1,300名・麻浦区が616名という規模の安全管理人員を投入し、混雑度に応じて右側通行の誘導や出入口の分離運営、駅の無停車通過まで段階的に対応する仕組みが作られていました。2026年分の具体的な発表はこの記事の執筆時点でまだ出ていないため、当日が近づいたら各区・ソウル市の公式発表を確認してください。
- 梨泰院(龍山区)は4段階の人流管理、2025年実績で約1,300名を投入
- 弘大(麻浦区)は「レッドロード」対策、2025年実績で616名を投入
- ソウル市の混雑管理対象は梨泰院・弘大を含む14カ所(2025年実績)
- 混雑管理エリアでは係員の案内に従い、自己判断で密集地に留まらない
- 密集を避けたいならテーマパークのハロウィン催事も選択肢(2026年会期は公式で要確認)
制度があるからといって危険がゼロになるわけではなく、あくまで事故のリスクを減らすための仕組みです。混雑を感じたら無理をせず、案内に従うか、その場を離れる判断をしてください。安全に関わる最終的な判断は、必ず現地の警察・行政・施設の指示を優先してもらえたらと思います。
参考・出典
- ソウル市公式メディアハブ「핼러윈 대비 특별안전대책…인파밀집 14곳 집중 관리한다」https://mediahub.seoul.go.kr/archives/2015972 (2025年10月24日発表・2026年1月7日修正、2026年9月14日確認)
- REPLING「용산구, 핼러윈데이 대비 4단계 인파관리 가동」https://repling.com/news/77755 (2025年10月24日付、2026年9月14日確認)
- boannews「마포구, 핼러윈 대비 안전관리 전면 가동」https://www.boannews.com/news/articleView.html?idxno=139916 (2025年10月23日付、2026年9月14日確認)
- news1「”포켓몬과 좀비를 동시에”…롯데월드 어드벤처, 72일간 가을 축제」https://www.news1.kr/industry/hotel-tourism/5890473 (2025年8月26日付、2026年9月14日確認)

