韓国の病院のかかり方と治療費相場|費用はいくら?保険の使い方まで

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楽しみにしていた3泊4日の2日目、ホテルのベッドから起き上がれない。スマホを握りしめて「韓国 病院 外国人 いくら」と打ち込んだところで、出てくるのは2019年のレートで書かれた金額ばかり——旅先で体調を崩した人が最初にぶつかるのは、病気そのものより情報の古さと、判断を自分ひとりで背負わされる不安のほうだったりします。

先に、いちばん大事なことだけ。迷ったら、自分で緊急度を判定しない。119に電話して状況を伝え、指示を仰ぐ。韓国の119は、緊急事態であれば搬送距離や人数に関係なく全国どこでも無料です(法制処「찾기쉬운 생활법령정보」2026年8月11日確認)。お金の心配で通報をためらう構造には、そもそもなっていません。

結論から

順番は「①119か日本語対応窓口に電話 → ②受診 → ③保険会社に連絡して精算」。この順番を守れるかどうかが、費用の差より大きく効きます。そして治療費の相場は、公的機関が公表している部分と、誰も公式には出していない部分がはっきり分かれています。この記事は、後者を「未確認」と書く記事です。

この記事でわかることは4つ。

  • 体調を崩した瞬間に、どこへ電話すればいいか(連絡先の一覧つき)
  • 「自分で病院へ行く/119を呼ぶ/様子を見る」を、症状ではなく状況で線引きする方法
  • 公的ソースで金額が確認できた項目と、できなかった項目の仕分け
  • キャッシュレス精算と立て替え精算の違い、帰国前に必ず受け取る書類のチェックリスト

目次

まず電話する先はここ

旅先での「受診の第一歩」とは、病院を探すことではなく、自分の状況を3つの窓口のどれに投げるかを決めることである。これが韓国で体調を崩したときの実務です。搬送・受診・支払いで、担当する窓口がきれいに分かれているから。

  1. 搬送が必要かもしれないとき → 119。国番号なしでかけられます。緊急事態での救急車利用は無料。
  2. 自力で動けて、言葉のサポートが欲しいとき → 日本語対応の国際医療センター。事前予約で日本語コーディネーターの案内・通訳支援を受けられる病院があります。
  3. 立て替えを避けたいとき → 加入している海外旅行保険のデスク。受診の「前」に電話するのが原則。ここだけは順番を後ろにすると効きません。
窓口 連絡先 受付時間 使う場面
救急(消防・救急車) 119 24時間 判断に迷う、自力で移動できない、周囲が異変に気づいた
警察 112 24時間 事件・事故が絡むとき(※一次法令での明文確認までは取れておらず、一般周知情報として記載)
カトリック大学校ソウル聖母病院 国際医療センター 日本人専用電話 02-2258-5747 平日8:00〜17:00 日本語での受診相談・予約
延世大学校 新村セブランス病院 国際医療センター 日本人専用電話 02-2228-5801 平日8:00〜17:30 日本語での受診相談・予約
加入中の保険会社デスク 証券・アプリに記載 会社により24時間年中無休 キャッシュレス対応病院の紹介、精算の相談

出典:法制処「찾기쉬운 생활법령정보」、在大韓民国日本国大使館「日本語が通じる医療機関への連絡方法」(いずれも2026年8月11日確認)。医療機関の電話番号・受付時間は変更される場合があるため、渡航前に大使館ページで最新をご確認ください。

ここで注意したいのが、응급실(ウングプシル=救急外来)と一般外来の性格の違い。日本と同じで、応急室は「今すぐの対応が必要な人」のための場所です。平日の日中に自力で動けるなら、一般外来のほうが待ち時間も費用も落ち着きます。

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ソウルイン編集部正直に言うと、いちばん怖いのは「大したことないかも」と思って夜をやり過ごすこと。編集部の整理では、旅行者が後悔しているポイントはたいてい費用ではなく、電話を1本かけなかったこと側にあります。
韓国で体調を崩したとき、搬送・受診・支払いで連絡先が変わることを示した対応図

体調不良以外のトラブル(盗難、交通、宿)も含めて渡航中の困りごとを整理しておきたい人は、韓国旅行のトラブル対応まとめに窓口を並べてあるので、出発前にブックマークしておくと動きが速くなるはず。


「自分で行く・119・様子を見る」の線引きはどこにある?

この線引きで見ているのは症状の重さではなく、「自分に判断できる状態かどうか」です。ソウルイン編集部は医療の専門機関ではないので、症状名から緊急度を判定するリストは出しません。代わりに、状況の側から機械的に決められるチェックリストを置きます。

判定チェックリスト(当サイト作成・状況で切る版)

上から順に見て、最初に当てはまった行動をそのまま取るだけ。悩む余地を減らすための順番です。

  • 本人が電話をかけられない/受け答えが普段と違う → 周囲の人が119
  • 自力で立てない、歩けない、移動手段がない → 119
  • 判断に迷っている、怖い、決められない → 119に電話して状況を伝え、指示を仰ぐ(判定は自分でしない)
  • 自力で動けて、日本語のサポートが欲しい → 国際医療センターに電話して受診相談
  • 自力で動けて、保険のキャッシュレスを使いたい → 受診前に保険会社デスクへ電話
  • 夜間・週末で「朝まで待てそう」と感じる → その”感じ”を根拠にしない。電話で相談したうえで待つかどうかを決める

いちばん下の行が、この表でいちばん言いたいところ。「様子を見る」は選択肢として存在しますが、それを自分の主観だけで選ばないのがルールです。119は緊急度の相談も受け付ける窓口なので、通報=必ず搬送されるという意味でもありません。

虚偽の通報をして、搬送先の医療機関で診療を受けなかった場合には500万ウォンの過料の対象になり得ます(法制処、2026年8月11日確認)。逆にいえば、本当に困って相談する通報を萎縮させる制度ではないということ。

言葉が出てこないときのために、ひとつだけ覚えておくと違うのが아파요(アパヨ=痛いです)。どこが、を指させれば十分に伝わります。

ひとり旅で誰にも異変を気づいてもらえない状況は、それ自体がリスク要因。滞在中の連絡手段や宿の選び方まで含めて備えたい人は、韓国ひとり旅の安全対策ガイドを先に読んでおくと、この判定リストが使いやすくなります。


治療費の相場は、どこまでわかっているのか

治療費の相場は、本来「公的機関が公表している価格情報」と「個々の医療機関が決める非保険診療の価格」の合成でできています。だから一枚岩の相場表は存在しません。ここでは、公的ソースで金額まで確認できたものだけを出します。

公式に確認できた金額

で、いくらなのか。先に数字から。

項目 金額 時点 出典
119救急車の利用料(緊急事態) 無料(搬送距離・人数に関係なく全国どこでも) 2026年8月11日確認 法制処
緊急性のない地域間搬送・医療機関間搬送 有料(民間/医療機関の救急車を利用) 2026年8月11日確認 法制処
応急医療管理料|圏域応急医療センター 54,830ウォン 2016年1月1日施行時点 보건복지부傘下ポータル再掲
応急医療管理料|地域応急医療センター 47,520ウォン 2016年1月1日施行時点 同上
応急医療管理料|その他の救急室 18,280ウォン 2016年1月1日施行時点 同上

つまり、どういうことか。応急医療管理料は、救急外来に来院した全員にかかる管理費です。そして重要なのは金額そのものよりその扱いが分かれる条件のほう。応急医療に関する法律第54条にもとづく告示では、来院時の症状が「応急症状」に該当すれば健康保険の給付対象、該当しなければ비급여(ピグミョ=非給付)として全額自己負担になります。該当するかどうかを判定するのは医療機関の側で、患者の自己申告ではありません。

韓国の救急外来で応急症状に当たるかどうかで費用の扱いが変わることを示した分岐図
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ソウルイン編集部同じ夜、同じ不安で駆け込んでも、行き先の区分が違うだけで管理料には約3倍の開き。デパートでコスメをまとめ買いする1回分くらいの差が、受付に立つ前の段階でもう決まっているわけです。だからこそ「動けるなら一般外来」が効いてきます。
上の応急医療管理料は2016年1月1日施行時点の告示額です。保健福祉部の応急医療手数料基準告示はその後も改定が続いており、2026年8月時点の最新額は本記事の調査では特定できませんでした。実際の請求額はこの金額と異なる可能性が高く、現在価格として使わないでください。ここでは「医療機関の区分によって負担が変わる構造」の説明として読んでください。

公式に確認できなかった金額(未確認リスト)

ここが、この記事でいちばん書きにくくて、いちばん役に立つ部分。ネット上でよく見かける数字のうち、公的ソースに遡れなかったものを正直に並べます。

よく見る数字 本記事での扱い 理由
風邪の診察料は保険ありなら◯万ウォン、なしなら◯万ウォン 未確認・不採用 個人ブログ発の事例のみ。公的な料金表と突合できず
保険なしだと保険適用時の3〜5倍 未確認・不採用 倍率を公表している公的機関を確認できず
救急外来の実質負担は軽症で平均◯万ウォン 未確認・不採用 メディア記事内の記述で、一次の公的統計・告示に遡れず
CT1回◯万ウォン、入院1日◯万ウォン 未確認・不採用 同上。医療機関ごとに異なる非給付項目のため一律の相場が存在しない
応急医療管理料の2026年時点の最新額 未確認 確認できたのは2016年1月施行時点の告示額のみ

「相場を書かない記事なんて役に立つの?」と思われるかもしれません。でも実際のところ、古いレートで換算された金額を信じて予算を組むほうが、旅の途中では危ないと考えています。金額を知りたいときに使える公式の道具が、ちゃんと別にあるので。

自分で価格を調べる公式ツールがある

韓国の健康保険審査評価院(HIRA)は、病院級以上の医療機関について非給付診療費を公開しています。上級病室差額料・超音波診断料・PET診断料・カプセル内視鏡検査料・教育相談料・諸証明手数料の6項目に、MRI診断料・歯科インプラント料・ダヴィンチロボット手術料・羊水染色体検査料の4項目が加わり、計10大項目32細部項目。MRI等の対象は上級総合病院43ヶ所です(2026年8月11日確認)。韓国語サイトですが、病院名や所在地から検索する形なので、ブラウザの翻訳機能でも十分たどれます。

なお参考までに規模感を。2024年に韓国で診療を受けた外国人の実患者数は117万467人で前年比93.2%増、2009年の外国人患者誘致事業の開始以来はじめて100万人を突破しました。同じく2024年、海外発行カードを使った外国人観光客91万9千人余りの「医療業種」利用額は総額1兆4,052億ウォン、1人当たり平均152万9千ウォンという報道値があります(原統計の定義は未確認)。この平均には美容医療や検診の需要が含まれるとみられ、体調を崩して受診するケースの相場ではありません。ただ、旅行の予算表を1枚まるごと書き直す規模の支払いが現実に起きているという感覚だけは持っておいて損がないはず。

健康保険が使えるのは誰か(滞在6ヶ月の境目)

短期の旅行者は、原則として韓国の健康保険の枠外です。国民健康保険公団(NHIS)の適用基準では、国内滞在6ヶ月以上の外国人・在外国民が地域加入者として当然加入の対象。2018年12月18日から滞在期間の要件が6ヶ月に整理され、2019年7月16日から外国人地域加入者の加入義務化が施行されています(最新改正:보건복지부고시 제2025-69호、2026年8月11日確認)。

状態 健康保険の扱い
留学(D-2)、초중고생(D-4-3)、비전문취업(E-9)、영주(F-5)、결혼이민(F-6)など一部資格 入国日から即時、地域加入者として当然加入
上記以外の在留資格 入国後6ヶ月経過時点で地域加入者として当然加入
数日〜数週間の観光・出張 加入対象外。実費診療になりやすい層

つまり旅行者にとっての「保険」は、韓国の公的保険ではなく日本で入っていく海外旅行保険のこと。長期滞在に切り替わる予定がある人は、保険料の滞納が滞在期間の延長申請時に制裁対象になり得る点もあわせて覚えておいてください。入国手続きそのものの流れは韓国入国の手続きと流れで整理しています。

クレジットカードの付帯保険で足りるのか気になった人は、補償額と適用条件の見方をクレカ付帯の海外旅行保険で足りるかの判断基準にまとめました。利用付帯か自動付帯かで、そもそも発動するかが変わります。


保険を使う手順|キャッシュレスと後日精算の違い

海外旅行保険の使い方を突き詰めると、「窓口でお金を出さずに済ませる」か「一度払って帰国後に取り戻す」かの二択に行き着きます。そして前者を選べるかどうかは、電話を受診の前にかけたか後にかけたかで決まります。

  1. 受診の前に、保険会社のデスクに電話する。損保ジャパンは受診前にメディカルヘルプラインへ連絡すれば提携病院でキャッシュレス治療サービスを利用できると案内しています。東京海上日動は24時間年中無休の海外総合サポートデスクを設けています(各社公式、2026年8月11日確認)。
  2. キャッシュレス対応の病院を紹介してもらう。提携病院一覧に載っていない病院でも対応できる場合があるため、自己判断で諦めない。
  3. 対応病院が見つからない場合は、いったん自分で立て替える。東京海上日動は、渡航先に提携病院がない場合は本人が立て替え、帰国後に保険金請求と案内しています。
  4. 帰国後に請求する。ここで効いてくるのが、次に挙げる書類。
比較軸 キャッシュレス精算 立て替え→後日精算
窓口での支払い 原則なし 全額を自分で支払う
必要な行動 受診「前」に電話 受診後に書類を集める
手元資金 ほぼ不要 カード枠に余裕が必要
失敗しやすい点 電話を後回しにして使えなくなる 書類の取り忘れで請求が通らない

帰国前に必ず受け取る書類チェックリスト(当サイト作成)

立て替え精算になったときに効く、持ち帰りリスト。病院を出る前に、この場で確認してください。空港に着いてからでは取り直せません。

  • 診断書(진단서)の原本
  • 領収書(영수증)の原本 ※コピーではなく原本
  • 診療費の明細書(진료비 세부내역서)——項目ごとの内訳がある書類
  • 処方箋の控えと、薬局で受け取った領収書
  • 支払いに使ったクレジットカードの利用明細
  • 保険の証券番号と、電話で伝えられた事故受付番号のメモ
  • 対応してくれた担当者の名前と、病院の連絡先
  • パスポートの顔写真ページの画像(提出を求められることがある)
必要書類は保険会社ごとに違います。デスクに電話した時点で「帰国後の請求に何が要りますか」と聞き、その場でスマホにメモを。診断書は発行手数料がかかる場合がありますが、その1枚がないだけで請求そのものが通らないことがあります。数分の手間と、旅行代金クラスの立て替えは釣り合いません。
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ソウルイン編集部「精算」と「清算」、旅行保険の文脈で正しいのは前者。細かい話に見えて、検索するときに引っかかる情報が変わってきます。

そもそもどの保険に入るかを決めかねている人は、補償の種類と選び方を韓国旅行の海外旅行保険の選び方に整理してあります。治療費補償の上限額と、キャッシュレス対応の有無。見るべきはまずこの2つ。


やってはいけないこと

ここで言う「やってはいけないこと」は、あとから取り返しがつかない行動を指します。費用の話ではなく、可逆性の話です。

1. 領収書・明細書を捨てる。「たいした額じゃないから」で捨てた紙が、帰国後に唯一の証拠になります。財布に入れず、パスポートケースなど失くさない場所へ。

2. 保険会社に連絡しないまま受診する。キャッシュレスの可能性が消えます。受診後の連絡でも精算は可能なことが多いものの、選択肢が1つ減るのは確か。

3. 費用が心配で通報をためらう。緊急事態での119は無料。ここは制度として保障されている部分です。

4. 症状名で検索して自己判断する。翻訳されたページの情報で行動を決めない。判断は次のセクションのとおりです。

5. 書類を「後で送ってもらう」で済ませる。帰国後に海外の医療機関と書類のやり取りをするのは、言語も時差も含めて想像の3倍たいへん。

紛失・盗難まわりの書類の取り扱いは考え方が共通しているので、韓国でパスポートを紛失したときの手順もあわせて目を通しておくと、「原本を残す」感覚が身につきます。


これは自分で判断しない方がいいケース

この記事は、韓国での「かかり方」と「お金の動き方」を整理したものです。医療上の判断——受診が必要かどうか、緊急かどうか、どの診療科にかかるべきか、どんな処置や薬が適切か——は、この記事では一切扱いません。それらはすべて、現地の医療機関および119などの公的窓口に委ねてください。ソウルイン編集部は医療の専門機関ではなく、症状から緊急度を判定する立場にありません。

  • 受診すべきかどうかを迷っている → 判断材料をネットで集めるより、119か医療機関に電話するほうが速くて正確
  • 持病や常用薬がある → 出発前に主治医へ相談し、薬の一般名(成分名)を控えておく
  • 市販薬で対処しようとしている → 現地の薬剤師に、飲んでいる薬と一緒に相談する
  • 同行者の様子がおかしい → 本人が「大丈夫」と言っていても、周囲の判断で119に相談してよい

「応急症状に該当するか」の判定も、あくまで医療機関が行うもの。この記事の費用の項は、その判定結果によって支払いの扱いが変わるという制度の構造を説明したものであって、読者が自分の症状を分類するための材料ではありません。


出発前にできる備え

ここでいう備えは、荷物を増やすことではなく「電話番号とスクリーンショットを、スマホの中に置いていくこと」です。所要時間は合わせて15分ほど。

  • 保険の証券番号とデスクの電話番号を、スクリーンショットでスマホに保存(圏外でも見られる形に)
  • 在大韓民国日本国大使館「日本語が通じる医療機関への連絡方法」のページをブックマーク
  • 119は国番号なしでかけられることを、同行者と共有しておく
  • 常用薬は成分名をメモ。処方薬は説明書ごと持参
  • 海外旅行保険のキャッシュレス対応の有無を、契約前に確認(後から変えられない)
  • 宿の住所を韓国語表記でメモ(救急要請時に住所を伝えられる状態に)

保険は「入っているか」より「使い方を知っているか」で結果が変わります。契約時のパンフレットを一度も開かないまま渡航してしまうこと、ありますよね。開くのは今日でも遅くありません。

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ソウルイン編集部編集部の整理では、備えのなかで費用対効果がいちばん高いのは「デスクの番号をスクショしておく」。0円で、いざというとき唯一の入口になります。

はじめての渡韓で、そもそも何を準備すればいいのか全体像から知りたい人は、はじめての韓国旅行の準備ガイドに持ち物からWi-Fiまでまとめてあります。保険の位置づけも、その中で見たほうがつかみやすいはず。


よくある質問

救急車を呼ぶとお金がかかりますか?
緊急事態での119救急車の利用は、搬送距離・人数に関係なく全国どこでも無料と案内されています(法制処、2026年8月11日確認)。一方で、緊急性のない地域間搬送や医療機関間の搬送には民間・医療機関の救急車を利用することになり、こちらは有料です。なお、虚偽の通報をして搬送先で診療を受けなかった場合は500万ウォンの過料の対象になり得ます。
旅行者でも韓国の健康保険は使えますか?
短期の旅行者は原則として対象外です。国民健康保険公団の適用基準では、国内滞在6ヶ月以上の外国人・在外国民が地域加入者として当然加入の対象で、留学(D-2)や영주(F-5)など一部資格は入国日から即時加入となります。数日〜数週間の観光は加入対象外のため、日本で加入する海外旅行保険が実質的な備えになります。
結局、風邪や捻挫だといくらぐらいかかりますか?
申し訳ないのですが、この記事では書きません。症状別の診察料を公表している公的機関を確認できず、ネット上で流通している金額の多くは個人ブログ由来で、公式の料金表と突合できないためです。代わりに、健康保険審査評価院(HIRA)が病院級以上の医療機関の非給付診療費を10大項目32細部項目にわたって公開しているので、行く可能性のある病院名で調べておくのが確実です。
日本語が通じる病院はありますか?
在大韓民国日本国大使館がソウル市・京畿道の日本語対応可能な医療機関情報を集約しており、カトリック大学校ソウル聖母病院 国際医療センター(日本人専用電話 02-2258-5747/平日8:00〜17:00)、延世大学校 新村セブランス病院 国際医療センター(同 02-2228-5801/平日8:00〜17:30)などが案内されています。事前予約で日本語コーディネーターの案内・通訳支援を受けられます(2026年8月11日確認)。
保険会社への連絡は、受診の前と後どちらですか?
原則は「前」です。損保ジャパンは受診前にメディカルヘルプラインへ連絡することでキャッシュレス治療サービスを利用できると案内しており、東京海上日動も提携病院がない場合の対応窓口として24時間年中無休のサポートデスクを設けています。受診後の連絡でも立て替え分の請求はできますが、窓口で払わずに済ませる選択肢は消えます。
救急外来に行くと、必ず高くつきますか?
来院した全患者に応急医療管理料がかかり、来院時の症状が「応急症状」に該当すれば健康保険の給付対象、該当しなければ非給付=全額自己負担という構造です。該当するかどうかを判定するのは医療機関の側になります。また、医療機関の区分(圏域応急医療センター/地域応急医療センター/その他の救急室)によって管理料の区分が異なります。自力で動けて急を要さない状態であれば一般外来のほうが負担は落ち着きますが、その「急を要するかどうか」を自分だけで決めないでください。

まとめ

韓国の医療は、旅行者から見ると「制度は整っているのに、自分がどの枠にいるのかがわかりにくい」ところが最大のハードルです。整理し直すと、覚えることは3つだけ。119は緊急事態なら無料。健康保険の対象になるのは滞在6ヶ月以上。旅行者を守るのは、日本で入った保険と、病院を出る前に受け取る書類。

そして相場については、公的に確認できる部分とできない部分がはっきり分かれている、というのが2026年8月11日時点での正直な結論です。金額の暗記より、電話をかける順番を覚えたほうが強い。契約中の保険の中身をまだ見ていない人は、韓国旅行の海外旅行保険の選び方で治療費補償の上限とキャッシュレス対応の2点だけでも確認しておいてください。

今日やることは1つだけ。加入中(または加入予定)の保険デスクの電話番号を、スマホのスクリーンショットに保存する。圏外でも開ける形にしておけば、旅先で最初の1本がかけられます。

参考・出典

  • 法制処「찾기쉬운 생활법령정보」 https://www.easylaw.go.kr/CSP/CnpClsMain.laf?popMenu=ov&csmSeq=906&ccfNo=2&cciNo=2&cnpClsNo=1 (2026年8月11日確認)— 緊急事態での119救急車利用が全国どこでも無料であること、緊急性のない搬送は有料であること、虚偽通報時の500万ウォンの過料
  • 복지로(보건복지부傘下ポータル) https://www.bokjiro.go.kr/ssis-tbu/cms/pc/news/news/6347892.html (2026年8月11日確認)— 応急医療管理料の医療機関区分別の金額(2016年1月1日施行時点)
  • 분당차병원 응급진료안내 https://bundang.chamc.co.kr/guide/emergency/price.cha (2026年8月11日確認)— 応急医療に関する法律第54条にもとづく応急医療手数料基準告示の徴収ルール、応急症状該当・非該当による給付の扱い
  • 国民健康保険公団(NHIS)「장기체류 재외국민 및 외국인에 대한 건강보험 적용기준」 https://www.nhis.or.kr/lm/lmxsrv/law/lawDetail.do?SEQ=41&LAWGROUP=1 (2026年8月11日確認)— 滞在6ヶ月以上の外国人の当然加入、即時加入対象となる在留資格、보건복지부고시 제2025-69호
  • 健康保険審査評価院(HIRA)「비급여진료비 정보」 https://www.hira.or.kr/npay/index.do?pgmid=HIRAA030009000000 (2026年8月11日確認)— 非給付診療費の公開項目が10大項目32細部項目であること、MRI等の対象が上級総合病院43ヶ所であること
  • 韓国保健産業振興院(KHIDI)国際医療情報ポータル https://www.medicalkorea.or.kr/ghip/frgnrPatnt (2026年8月11日確認)— 2024年の外国人実患者数117万467人、前年比93.2%増
  • 게이뉴스 https://www.getnews.co.kr/news/articleView.html?idxno=862854 (2026年8月11日確認)— 2024年の海外発行カードによる「医療業種」利用額 総額1兆4,052億ウォン、1人当たり平均152万9千ウォン(原統計の定義は未確認)
  • 在大韓民国日本国大使館「日本語が通じる医療機関への連絡方法」 https://www.kr.emb-japan.go.jp/itpr_ja/hospital.html (2026年8月11日確認)— 日本語対応医療機関の名称・日本人専用電話・受付時間
  • 東京海上日動火災保険 公式FAQ https://faq.tokiomarine-nichido.co.jp/faq/show/2195?category_id=266&site_domain=default および提携病院一覧 https://www.tokiomarine-nichido.co.jp/service/travel/kaigai/guide/consultation/hospital/ (2026年8月11日確認)— キャッシュレス・メディカル・サービスの仕組み、24時間年中無休のサポートデスク、提携病院がない場合の立て替えと帰国後請求
  • 損保ジャパン 公式FAQ https://faq.sompo-japan.jp/off/faq_detail.html?id=50263 およびキャッシュレス対応病院一覧 https://www.sompo-japan-off.jp/off_hospital.html (2026年8月11日確認)— 受診前のメディカルヘルプライン連絡によるキャッシュレス治療サービスの利用、掲載外病院でも対応できる場合があること
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