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SNSで真っ赤なスープに具だくさんの春雨や練り物が浮かぶ写真を見て、「これ、日本のどこで食べられるんだろう」と検索したことがある人、多いはず。
マラタン(麻辣湯)は、日本でも量り売りスタイルのチェーン店で食べられます。代表的なのが「七宝麻辣湯」で、公式サイトには全国約80店舗が掲載されています(2026年8月18日確認)。仕組みはシンプルで、好きな具材をグラム単位で選び、辛さを0〜5番で指定するだけ。値段はベースのスープ+春雨が620円、そこに具材が1グラム=3.1円で加算されていく仕組みです(七宝麻辣湯公式サイト、2026年8月18日確認)。ただし覚えておきたいのは、マラタンはもともと中国発祥の料理だということ。韓国料理ではなく、中国生まれの料理が韓国で独自のブームになり、その流行のかたちが日本にも伝わってきている——というのが正確な経緯です。
マラタンって何?四川省生まれの「痺れるスープ」
マラタン(麻辣湯)は、中国・四川省が発祥とされる料理です。韓国全国紙・世界日報の記事によると、その起源は四川省楽山で、川辺で働く船頭たちが手近な食材を鍋で煮て食べていたのが始まりという伝承が伝わっています。屋台料理として広まり、やがて中国各地、そして中国系コミュニティを通じて韓国にも持ち込まれました。
名前の意味を分解すると分かりやすいです。「麻(マー)」は花椒などによる舌が痺れるような刺激、「辣(ラー)」は唐辛子による辛さ、「湯(タン)」はスープ・鍋料理を指す言葉。つまりマラタンは「痺れて辛いスープ料理」という、そのままの名前なんです。花椒の痺れと唐辛子の辛さが同時に来る感覚は、キムチの辛さとはまた違うタイプの刺激なので、韓国の激辛料理に慣れている人でも「これは初めて」と感じることがあるかもしれません。
この時点で覚えておきたいのは、マラタンは중국(中国)生まれの料理だということ。次の章で説明する韓国での流行は、あくまで「発祥地とは別の場所でブームになった」という話であって、韓国料理として生まれたわけではありません。
マラタンとマーラータン、呼び方が違うのはなぜ?
検索していると、「マラタン」と「マーラータン」の両方の表記を見かけて混乱した人もいるはず。どちらも同じ料理を指していて、間違いではありません。
もとになっているのは中国語の「麻辣湯」。この発音をそのまま日本語のカタカナに寄せると「マーラータン」に近くなります。一方、韓国語では同じ料理を마라탕(マラタン)と表記し、韓国語の発音そのままだと「マラタン」に近い音になります。日本でSNSを通じて広まったのは、韓国発の食文化としてのマラタンだったこともあり、韓国語の発音に近い「マラタン」という呼び方のほうが定着していった、と考えられます。
お店によって看板の表記が違っていても、慌てる必要はありません。「マラタン」でも「マーラータン」でも、探しているのは同じ料理です。この記事でもこれ以降は、よく使われる「マラタン」の表記で統一します。
中国発祥なのに、なぜ「韓国で流行った」と言われるのか
ここが誤解されやすいポイント。マラタンは韓国料理ではありませんが、韓国で独自に大きなブームになった料理ではあります。世界日報の記事(2019年7月23日付)によると、韓国では2010年代に、中国人や中国人留学生向けの専門店が増えたことがマラタン浸透のきっかけでした。
そこから本格的にブームへ火がついたのが2019年前後。同記事では、若者の間で「맵다(辛い)」の代わりに「마라하다」という新しい言い回しまで生まれるほど浸透した、と伝えています。既存の辛い料理を表す言葉では足りなくなって、新しい単語ができるくらいのブームだった、ということ。この「発祥は中国、爆発的な流行は韓国」という順番が、記事タイトルの答えの土台になっています。
大事なのは、韓国で流行したのは「マラタンという料理そのもの」だけでなく、「好きな具材を選んで、辛さを指定する」という注文のスタイルだということ。次の章で詳しく見ていきます。
韓国式マラタンの注文スタイル——陳列棚から具を選ぶ
韓国で定着したマラタンの注文方法は、日本の定食屋のように「メニューから1品選ぶ」のとは根本的に違います。世界日報の記事によると、韓国式マラタンの店は3層に並んだ陳列棚から好きな具材を選び、辛さの段階を指定するスタイルが基本。野菜、練り物、麺類、豆腐など、種類ごとに棚が分かれていて、そこから自分でトレイに取っていく仕組みです。
この「自分で具を選ぶ」「辛さを自分で決める」という2つの自由度が、マラタンが人気になった理由のひとつだと考えられます。決まったメニューを頼むのではなく、その日の気分で組み合わせを変えられる。野菜多めのヘルシーな1杯にも、練り物たっぷりのボリューム重視にもできる、という柔軟さです。
そして、この韓国式の「選んで、辛さを指定する」というスタイルは、後で紹介する日本のチェーン店にもそのまま受け継がれています。日本で初めてマラタンの店に入ると戸惑いやすいポイントでもあるので、次の章で具体的な手順を見ておきましょう。
東京・全国で食べられる「七宝麻辣湯」という選択肢
日本でマラタンを食べたいと思ったとき、まず候補に挙がるのが「七宝麻辣湯」です。公式サイトの店舗一覧によると、全国に約80店舗を展開(2026年8月18日確認)。都道府県別では東京都が約37店舗ともっとも多く、次いで神奈川8店舗、埼玉7店舗、千葉5店舗、北海道3店舗など、関東を中心に全国へ広がっています。
注文の流れは次の3ステップです。
- ショーケースに並ぶ40種類以上の具材から、20グラム以上を選ぶ
- 選んだ具材をスタッフに渡し、辛さを0〜5番の中から指定する
- 会計をすませて席で待つ(全店完全キャッシュレス対応)
この手順、韓国式の「陳列棚から選んで辛さを指定する」スタイルとほぼ同じ構造なのが分かるはず。マラタンがどこの国で生まれたどんな料理か知らなくても、この3ステップさえ覚えておけば、初めての店でも戸惑わずに注文できます。
東京での韓国系の食材・グルメの探し方については東京で韓国食品を買えるお店でも整理しているので、あわせてどうぞ。福岡など地方での韓国グルメの探し方は福岡の韓国料理店ガイドにまとめています。
値段はどう決まる?グラム単価の仕組みを公式価格で見る
マラタンの会計は「1杯いくら」ではなく、選んだ具材の重さで決まるのが最大の特徴です。ここを知らずに行くと、レジで想定より高い金額になって驚くことも。七宝麻辣湯の公式サイトに掲載されている価格の内訳は、次の通りです(2026年8月18日確認)。
- ベース(スープ+春雨):620円
- 具材:20グラム以上から、1グラム=3.1円で加算
- 追加トッピング:+150円
- 辛さ4番以上を選ぶ場合:1段階につき+88円

実際に計算してみると、たとえば具材を60グラム選んだ場合は、620円+(60×3.1円)=約806円という計算になります。具材を控えめの20グラムにすれば約682円、思い切って100グラムまで盛れば約930円。ちょうどコーヒー1杯分から、ちょっとしたランチセット1杯分くらいの幅で調整できる、というイメージです。
「楊国福麻辣湯」という選択肢——中国発の大手チェーン
七宝麻辣湯と並んで名前が挙がるのが「楊国福麻辣湯」です。中国発の大手チェーンで、運営会社の紹介ページに掲載されている店舗を数えると、関東16店舗・関西5店舗・九州1店舗の計22店舗以上が確認できます(2026年8月18日確認)。関東を中心に展開している点は七宝麻辣湯と同じですが、店舗数の規模感は少し異なります。
価格については、公式サイトに明確な一覧があるわけではありませんが、メディアの実食レポートによると目安は100グラムあたり400円ほど(non-no web、2026年8月18日確認)。また、会計が1,000円を超えると麺80グラムがサービスされる仕組みもあるようです。ただし価格は変動する可能性があるため、あくまで参考の目安として、実際に行く前に店舗の最新情報を確認してください。
七宝麻辣湯と楊国福麻辣湯、どちらも「量り売り」という基本の仕組みは同じ。近くにどちらの店舗があるかで選んでも、味の系統の違いで選んでも良いはずです。韓国発の調味料や食材を通販で探したい人は韓国調味料の通販ガイドも参考になります。
韓国発チェーンが日本上陸——ラホンバンマーラータン
ここまでは中国発のチェーンでしたが、2025年以降、いよいよ「韓国で流行したマラタン」を看板にしたチェーンが日本に上陸しています。それが「ラホンバンマーラータン」です。公式サイトによると、韓国国内では200店舗以上を展開するブランドで、2025年5月に大阪・千日前に日本1号店をオープンしました(2026年8月18日確認)。
その後、京都・東京・奈良・愛知へと展開を拡大中で、東京では高田馬場店がすでに開店しています。大阪で「本場・韓国式のマラタン」を体験してみたい人には、いちばん分かりやすい入口になりそうです。大阪でのグルメ探しについては大阪の韓国料理エリアガイドもあわせてどうぞ。
なお、ラホンバンマーラータンの具体的な価格については、公式サイトに円単位での明記が見当たらなかったため、この記事では書きません。行く予定がある人は、訪問前に公式サイトや店舗のSNSで最新情報を確認するのが確実です。
辛さは選べる。苦手な人はどう頼めばいい?
「マラタン=激辛」というイメージを持っている人もいるかもしれませんが、辛さは自分で選べます。七宝麻辣湯の場合、辛さは0〜5番の中から指定する方式(公式サイト、2026年8月18日確認)。数字が上がるほど辛さが強くなり、4番以上を選ぶと1段階につき88円が加算される仕組みでした。
辛いものが苦手な人や、花椒の痺れる感覚に慣れていない人は、まず低い番号から試すのが安全です。辛さを抑えても、花椒の香りや具材そのものの旨味は感じられるので、「辛くないマラタン」も十分に楽しめます。逆に韓国で流行した「마라하다(マラハダ)」というスラングが生まれるほどの辛さを体験したい人は、番号を上げて挑戦してみるのも良いかも。
花椒の痺れや強い辛さは、体調によっては刺激が強く感じられることがあります。持病がある人や、その日の体調に不安がある人は、無理に辛さのレベルを上げず、まずは低めの番号から試してください。アレルギーが心配な具材がある場合は、注文前に必ず店舗スタッフに確認を。
辛い料理と飲み物の組み合わせを楽しみたい人は韓国のチメク(チキン+ビール)ガイドも読んでみてください。辛さの感じ方や、辛い料理のあとに何を飲むかのヒントになるはずです。
家で作るなら——マラタンの素を試してみる
「近くに店がない」「まずは家で試してみたい」という日は、マラタンの素やスープの素を使う方法もあります。ここでは、公式情報でスペックを確認できた商品を3つ紹介します。
ヴィーガン認証・グルテンフリーの即席カップタイプが「医食同源ドットコム」の麻辣湯(マーラータン)。さつま芋麺を使ったカップ春雨スープで、88グラム入りが12食セットになっています。糖質やグルテンを気にしている人でも選びやすく、まずは味を試してみたい人の入口にちょうど良いタイプです。
本格的な香りをしっかり出したいなら、「うるわし茶房」の麻辣湯・火鍋スープの素。花椒を配合した薬膳系のスープの素で、70グラム入りが10人前という大容量タイプです。ひとり分より、家族や友人と鍋パーティー感覚で囲みたい日に向いています。
マラタン専用ではありませんが、痺れと辛さの香りを手軽に足したいなら「桃屋」の麻辣香油(マーラーシャンユ)も便利です。105グラムのボトルタイプで、麻婆豆腐やよだれ鶏、汁なし担々麺など、マラタン以外の料理にも使い回せる「食べる調味料」。すでに家にある鍋料理やスープに、あとがけで痺れる辛さを足したい人に向いています。
通販で韓国系の食品・調味料をまとめて探したい人は韓国食品の通販ショップまとめ、日本全国の実店舗を探したい人は日本で韓国食品を買えるお店(全国版)もあわせてチェックしてみてください。
よくある質問
まとめ
- マラタン(麻辣湯)は中国・四川省発祥の料理。韓国料理ではなく、韓国で独自に大流行した料理
- 韓国でのブーム本格化は2019年前後。「마라하다」という新語ができるほど若者に浸透した
- 日本では「七宝麻辣湯」(全国約80店舗)が代表的。具材をグラムで選び、辛さを0〜5番で指定するスタイル
- 値段はベース620円+具材1g=3.1円の足し算で決まる。追加トッピングや辛さでも加算あり
- 「楊国福麻辣湯」(関東中心に22店舗以上)、韓国発の「ラホンバンマーラータン」(2025年5月大阪1号店)という選択肢もある
- 近くに店がない日は、マラタンの素・火鍋スープの素で自宅から試す方法もある
- 店舗の営業状況・最新の価格は変わることがあるため、訪問前に公式情報で確認を
マラタンは「中国生まれ、韓国で流行、日本でも広がり中」という、ちょっと珍しい経路をたどっている料理です。グラムで具を選ぶ仕組みさえ覚えてしまえば、初めての店でも迷わず注文できるはず。辛さの段階も自分で決められるので、辛いものが得意な人にも苦手な人にも、それぞれの楽しみ方があります。
参考・出典
- 世界日報「(韓国語記事)마라탕」2019年7月23日付 https://www.segye.com/newsView/20190723508886 (2026年8月18日確認)
- 七宝麻辣湯 公式サイト「価格・システム」ページ https://maratan.com/maratan (2026年8月18日確認)
- 七宝麻辣湯 公式サイト「店舗一覧」ページ https://maratan.com/shops (2026年8月18日確認)
- 楊国福麻辣湯 運営会社紹介ページ https://www.daitengen-jp.com/楊国福麻辣湯/ (2026年8月18日確認)
- non-no web「楊国福麻辣湯」実食レポート https://nonno.hpplus.jp/editors/gourmet/192471/ (2026年8月18日確認)
- ラホンバンマーラータン 公式サイト(運営:株式会社LAHONG JP) https://lahongjp.com/ (2026年8月18日確認)
- 桃屋 公式サイト「麻辣香油」商品ページ https://www.momoya.co.jp/shop/products/detail/115 (2026年8月18日確認)

