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韓国旅行の準備をしていると、「スマホ1台で会計が全部終わったら楽なのに」と考える瞬間、ありますよね。日本ではSuicaやApple Payでほとんどの支払いが完結する生活に慣れていると、韓国でも似たような感覚で通用しそうな気がしてしまいます。ところが実際に現地のレジで試してみると、「あれ、反応しない」という場面に当たった人の声も少なくありません。韓国のお金まわりの準備を広く整理したい人は、両替からカード払いまでを1本にまとめた両替とキャッシュレスの選び方を比較した記事を先に読んでおくと、この記事で扱う「スマホの決済アプリ」がそのうちどの部分の話なのかがつかみやすくなります。
Apple Payは韓国国内で新しくカードを登録する場合、対応しているのは현대카드(現代カード)発行分のみです(2026年9月28日、Apple公式ページで確認)。日本で発行したカードをすでにApple Walletに入れている場合、それが韓国の店頭でそのままタップ決済に使えるかどうかは、公式に断定した情報が見当たりませんでした。店舗のNFC対応端末の有無に左右されると考えたほうが実態に近いはずです。Google Payは、Google公式の対応国リストに韓国が入っておらず、国内での買い物には使えません。ネイバーペイ・カカオペイ・Samsung Payも、フル機能では旅行者向けではないというのが現状です。
結論から:韓国でApple Pay・Google Payはどこまで使えるか
まず全体像を先に並べておきます。決済アプリごとに「使える・使えない・条件つき」がはっきり分かれているのが、韓国のスマホ決済の特徴です。ひとつのアプリで全部片づくと思い込んでいると、現地で戸惑う原因になります。

| 決済アプリ | 韓国での対応状況 |
|---|---|
| Apple Pay(現代カード発行分) | 使える(現代カードアプリから登録) |
| Apple Pay(海外発行カードの店頭タップ) | 公式の断定なし。店舗のNFC端末次第 |
| Google Pay | 公式の対応国リストに韓国が無く、国内の買い物には使えない |
| Samsung Pay | 韓国国内発行カードのみ登録可。海外発行カードは対象外 |
| ネイバーペイ・カカオペイ | フル機能は不可。ネイバーマップの一部機能のみパスポート認証で利用可 |
| T-money(Apple Wallet) | 追加は可能。海外カードでのチャージは専用アプリ経由 |
表だけ見ると「結局どれも中途半端」という印象を持つかもしれません。ただ理由を知っておけば、現地で「動かない」と焦る場面はかなり減らせます。次の章から、ひとつずつ整理していきます。
Apple Payは韓国でどう導入された?現代カード限定という前提
Apple Payが韓国に導入されたのは2023年3月のことで、提携先は현대카드(現代カード)1社でした。それから2年半以上経った2026年9月28日にApple公式の「Apple Payを利用できるカード発行会社」ページを確認しても、掲載されているのは現代カードのみです。ページの説明では、現代カードのアプリから「国内専用として発行されたカード」または「海外兼用カードのうちVISA・Mastercardブランド」を登録できるとされていますが、それ以外の発行会社は一覧に出てきません。
新韓カード(신한카드)やKB国民カード(KB국민카드)も導入に向けた準備が進んでいる、という報道は以前からありました。ただし2026年7月3日付の서울경제(ソウル経済新聞)の記事では、新韓カードは「Apple Pay導入の時期と採算性を再検討している」段階、KB国民カードも「技術的な準備はほぼ終えているものの、実際の開始時期は決まっていない」段階と報じられています。同記事は、年内に現代カード以外の会社が追加でApple Payを始める見込みは薄いとまとめています。つまり韓国在住の人がApple Payを新しく使い始めようとしても、事実上「現代カードを持っているかどうか」で決まるのが2026年9月時点の実情です。
日本のApple Payは韓国の店舗でそのまま使える?——公式で確認できたこと・できなかったこと
ここが今回いちばん気になる人が多いはずの点です。先に整理すると、現代カード限定という制約は「韓国国内でカードを新しくApple Payへ登録するとき」の話。日本ですでにApple Walletへ登録して使っているカードが、韓国の店頭でそのままタップ決済できるかを直接断定した公式情報は、今回の調査では見つけられませんでした。Apple公式のカード発行会社一覧ページも、現代カードアプリの案内ページも、この「海外ですでに登録済みのカードの韓国国内での挙動」には触れていません。
手がかりになりそうな数字として、韓国の経済メディア「이코노미스트(イコノミスト)」が報じるNFC対応端末の普及率があります。韓国は2015年以降ICチップを端末に挿す決済方式が主流で、NFC(非接触)対応端末の普及率は加盟店全体の「10%前後」にとどまるとされています(確認日2026年9月28日)。10軒あって1軒あるかないか、という体感に近い水準です。一方でスターバックス・マクドナルド・オリーブヤング・イケアや、コンビニ・大型マート・百貨店では、すでに비접촉 결제(ビジョプチョク ギョルジェ、非接触決済)に対応している店舗があるとも報じられています。
実際に韓国でApple Payを試した人の体験談はネット上に複数ありますが、「成功した」「失敗した」の両方が見つかり、公式な保証ではありません。使えるかどうかは行く店のレジ端末しだいという整理になるため、この記事では断定を避けています。試すこと自体は問題ありませんが、通らなかったときのために現金やタッチ決済対応のクレジットカードを必ず用意しておいてください。
韓国はカード払いそのものは非常に強い国なので、Apple Payが通らなくても、手持ちのクレジットカードやデビットカードで困る場面は多くありません。カードが使える場所・使えない場所の全体像は韓国でのクレジットカード事情を整理した記事にまとめてあるので、Apple Payに頼りきらない準備をしておきたい人は目を通しておくと安心です。
出発まで2週間以上あるなら、決済の土台を先に用意しておく
Apple Payが「使えるかどうか店舗しだい」という不確実さを抱えている以上、それだけに頼る旅程はおすすめできません。出発までまだ2週間以上あるなら、日本にいるうちに決済の土台を1枚用意しておく、という考え方もあります。トラベルウォレットの評判と手数料をまとめた記事で扱っている通り、これは日本の口座から入金して作れる韓国発のVisaプリペイドカードで、韓国ウォンへの両替手数料0%・海外決済手数料無料という条件が公式に案内されています(2026年9月18日確認)。
ただし良いことばかりではありません。公式に確認できている弱点として、ATMでの現金引き出しには対応していない、残高の払い戻しはできず退会すると失効する、保有できる残高は合計20万円までという上限がある、カードの到着まで普通郵便で5営業日ほどかかる、という4点があります。この4つを踏まえると、現地で急ぎ作るWOWPASSと違い、「出発の2週間以上前から準備を始められる人」向けの選択肢だと考えるのが妥当です。
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現地に着いてから作る派には、韓国の空港や市内で作れるWOWPASSという選択肢もあります。それぞれの向き不向きはWOWPASSの作り方を整理した記事で比較しているので、出発までの日数と相談しながら選んでください。
Google Payは韓国で使えるのか——公式の対応国リストで確認する
Apple Pay以上に誤解されやすいのがGoogle Payです。結論から言うと、Google公式の「Supported countries for Google Wallet」ページ(2026年9月28日確認)には、アジア太平洋地域としてオーストラリア・香港・インド・インドネシア・日本・マレーシア・ニュージーランド・フィリピン・シンガポール・台湾・タイが並んでいますが、韓国はこの一覧に含まれていません。つまりAndroidのGoogleウォレットに入れたクレジットカードを韓国の店頭でタップ決済に使う、という使い方は公式に対応国外ということになります。
日本でおサイフケータイ(FeliCa)を使っている人にとっても、この機能は韓国では出番がありません。韓国のキャッシュレス決済の主流はFeliCa方式ではなく、ICチップを端末に挿すタイプの決済か、Visa・Mastercardのタッチ決済(EMV Contactless)だからです。Androidスマホを持っている人が韓国で頼れるのは、Google Payというアプリそのものではなく、手持ちのカードが物理的にタッチ決済対応かどうか、という話になります。
地下鉄・バスのタッチ決済とApple Pay・T-moneyの関係
「Apple Payで地下鉄に乗れる」というニュースを見た人もいるかもしれませんが、これは店頭での買い物とは別の仕組みです。T-money(티머니)は韓国の交通系ICカードで、2025年7月22日からApple Walletへの追加に対応しています。ここに残高を入れておけば、改札やバスの読み取り機にiPhoneやApple Watchをかざして乗車できます。
ただし、この残高への「海外発行カードでのチャージ」は、当初計画されていたApple Wallet内での直接チャージではありません。전자신문(電子新聞)2026年3月2日付の報道では、ソウル市とT-moneyが発表していた直接チャージの計画はApple側との協議が難航し白紙になったとされています。代わりに採用されたのが、専用のモバイルT-moneyアプリで海外発行カードによりチャージする方式です。Korea JoongAng Daily(英字紙)2026年3月19日付の記事によると、対応するのはMastercard・American Express・UnionPayで、Visaは非対応。チャージ後にApple WalletへバーチャルのT-moneyを追加する、という2段階の流れです。
改札そのものに海外発行カードやApple Payを直接タッチして通る、という使い方はまだできません。ソウル交通のオープンループ決済の導入状況や、T-moneyの詳しい使い方はソウル地下鉄のタッチ決済事情をまとめた記事に整理してあるので、地下鉄の移動を中心に考えている人はあわせて確認しておくと迷いにくくなります。
ネイバーペイ・カカオペイ・Samsung Payは外国人観光客が使えるか
韓国の決済アプリといえば、네이버페이(ネイバーペイ)や카카오페이(カカオペイ)を思い浮かべる人もいるはずです。ただしどちらもフル機能では旅行者向けにはできていません。登録の前提に韓国の携帯電話番号による본인인증(ポニンインジュン、本人確認)があり、短期滞在の旅行者はこの時点でつまずきます。2026年6月4日からは、ネイバーマップ内の予約・注文・決済に限ってパスポート認証で使えるようになりましたが、これはネイバーペイ本体の全面解禁ではなく、あくまで地図アプリの一部機能という位置づけです。
Samsung Payについても、韓国仕様のGalaxyに韓国国内発行のカードを登録する前提の設計になっていて、海外で発行したカードを直接登録して使うことは対象外とされています。日本でGalaxyのSamsung Payを日常的に使っている人でも、韓国に来たらそのまま使えるわけではない、という点は覚えておいたほうがよさそうです。ネイバーペイ・カカオペイが使えない場合の代わりの決済手段についてはネイバーペイ・カカオペイの実情をまとめた記事で、より細かく扱っています。
- ネイバーペイ・カカオペイ:フル機能は不可。ネイバーマップの一部機能のみパスポート認証で可
- Samsung Pay:韓国国内発行カードのみ登録可。海外発行カードは対象外
- 結局、旅行者が頼れるのはタッチ決済対応のクレジットカード・現金・WOWPASSやT-moneyの組み合わせ
決済アプリの認証や地図アプリにはモバイル通信が欠かせない
ここまで見てきたように、Apple Payが使えるかどうかを店頭でその場で確かめる、ネイバーマップでパスポート認証を進める、代わりの店を地図アプリで探す——どの場面でも、スマホがネットにつながっていることが前提になります。決済アプリの本人確認は多くの場合SMSやアプリ内の通知で届くコードを使いますし、地図アプリで近くのタッチ決済対応店舗を調べる場合も通信が必要です。空港に着いた瞬間から通信が止まっている状態だと、Apple Payが使えなかったときの「じゃあ次にどうするか」の判断そのものが遅れてしまいます。
日本から韓国へ行く場合、現地SIMに差し替えなくてもeSIMを事前に日本で設定しておけば、到着した瞬間から通信が使える状態にできます。World eSIMのようなサービスを使えば、渡韓前にプランを選んで手続きを済ませておくことができるので、決済アプリの認証や地図アプリの利用でつまずきにくくなります。
通信そのものの選択肢は他にもいくつかあります。日本で買えるプリペイドSIM・eSIM・現地レンタルWi-Fiなど、決済アプリ以外の準備も含めて韓国でのキャッシュレス生活全体を整えたい人は、現金が必要な場面まで含めて整理した韓国のキャッシュレス事情の記事もあわせて読んでおくと、当日の持ち物リストが立てやすくなります。
よくある質問
まとめ
韓国でのApple Pay・Google Payの実情は、日本で使っている感覚をそのまま持ち込むと戸惑いやすい分野です。Apple Payは現代カード発行分のみが公式に対応していて、日本で登録済みのカードが韓国の店頭でそのまま使えるかは断定できません。Google Payは公式の対応国リストに韓国が入っておらず、国内の買い物には使えないというのが2026年9月28日時点の整理です。
- Apple Pay:韓国国内での新規登録は現代カードのみ(2026年9月28日確認)。海外発行カードの店頭タップは公式の断定なし、NFC対応端末の普及率は加盟店全体で10%前後
- Google Pay:Google公式の対応国リストに韓国は無く、買い物には使えない
- ネイバーペイ・カカオペイ・Samsung Pay:フル機能は旅行者向けではない。ネイバーマップの一部機能のみパスポート認証で利用可
- 頼れるのはタッチ決済対応カード・現金・T-money/WOWPASSの組み合わせ。通信環境も事前に整えておく
参考・出典
出典を見る(9件)
- Apple公式「Apple Payを利用できる韓国のカード発行会社」 https://www.apple.com/kr/apple-pay/banks/kr/ko-kr.html (2026年9月28日確認)
- 서울경제(ソウル経済新聞)「애플페이 확산 또 제동…신한·국민 연내 도입 ‘안갯속’」 https://www.sedaily.com/article/20063264 (2026年7月3日付、2026年9月28日確認)
- 전자신문(電子新聞)「[단독]서울시, 애플페이 해외카드 연동 무산…외국인, 애플페이 교통 이용 못한다」 https://www.etnews.com/20260227000094 (2026年3月2日付、2026年9月28日確認)
- Korea JoongAng Daily「Apple Pay Tmoney allows foreigners, tourists to ride using iPhones」 https://www.koreajoongangdaily.com/business/apple-pay-tmoney-allows-foreigners-tourists-to-ride-using-iphones/12617490 (2026年3月19日付、2026年9月28日確認)
- Google公式「Supported countries for Google Wallet & tap to pay」 https://support.google.com/wallet/answer/12060037?hl=en (2026年9月28日確認)
- 이코노미스트「국내 카드 시장, 컨택리스 대중화 언제쯤」 https://economist.co.kr/article/view/ecn202405270030 (2026年9月28日確認)
- 카드고리라「[애플페이] Apple Pay 카드 등록 방법」 https://m.card-gorilla.com/contents/detail/2477 (2026年9月28日確認)
- 自社記事「ソウル地下鉄でタッチ決済は使える?対応路線とカード」 https://jandkfoods.com/seoul-subway-contactless-card/ (2026年9月28日確認)
- 自社記事「ネイバーペイ・カカオペイは旅行者が使える?代わりの決済法」 https://jandkfoods.com/naver-pay-korea/ (2026年9月28日確認)

