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ソウルの交差点で、看板の違うカフェが3軒まとめて目に入って、結局どれにも入らないまま通り過ぎた——そんな時間、もったいないですよね。
先に言い切ります。韓国のカフェチェーンは、ざっくり「低価格で数が多い派」と「腰を据えて滞在する派」に分かれます。今日いちばん優先したいことをひとつ決めてから選べば、看板の前で立ち止まる時間はほぼ消える。逆に言えば、全社を横並びで覚える必要はまったくない。
それともうひとつ、正直に断っておきたいことが。この記事にアメリカーノの値段は出てきません。ソウルイン編集部が主要各社の公式サイトを直接確認したところ、メニューの価格を公開している会社が1社も見つからなかったからです(2026年8月15日確認時点)。栄養成分は載っていても金額は空欄、あるいは店舗検索へ飛ばされる。古い数字をどこかから写してくるより、公表されている店舗数と創業年から各社の性格を読み解いたほうが、現地で効きます。
・韓国のカフェチェーンは「数が多い低価格派」と「老舗の滞在派」の2グループで捉えると迷わない
・公式が直近の店舗数を数字で示しているのは메가MGC커피と이디야커피(2026年8月15日確認時点)
・価格はどの公式サイトにも載っていない。店頭かアプリで確認する前提で動くのが正解
・選ぶ基準は「安く/作業/写真/お土産」の4つだけ。ひとつ決めれば候補は2つに絞れる
カフェ単体ではなく1日の動線として組み立てたい人は、食事の店選びをまとめた明洞グルメの完全ガイドと合わせて読むと、休憩をどこに挟むかまで決めやすくなります。
- 主要5社の全体像/創業年・店舗数・公式が掲げる立ち位置を表で一覧
- 店舗数の桁の意味/数字の差が旅行者の行動にどう効くのかの翻訳
- 目的別の使い分け/安く・作業・写真・お土産の4場面 × どのチェーンか
- 注文前の備え/公式に書かれていないことと、店頭で確かめる3点
主要5社の性格は、創業年と店舗数の2軸で読み解ける
チェーンの性格とは、いつ生まれて、いま街にどれだけあるかの組み合わせのこと。この2つがわかれば、そのブランドが「通りがかりに寄る店」なのか「狙って行く店」なのかが見えてきます。
下の表は、各社の公式サイトに掲載されている情報だけを並べたものです。編集部の推測や他サイトからの孫引きは入れていません。そのぶん空欄が出ますが、埋めるために出所の怪しい数字を持ってくることはしませんでした。
| チェーン | 創業・韓国進出 | 公式が示す直近の店舗数 | 公式が掲げる立ち位置 |
|---|---|---|---|
| 할리스(ハリス) | 1998年 | 公式サイトに現在の店舗数の明記なし | 「1998년 국내 최초 에스프레소 커피 전문점」=国内初のエスプレッソ専門店として開業したことを掲げる老舗 |
| 스타벅스 코리아(スターバックス コリア) | 1997年にライセンス契約、1999年に1号店(梨大店) | 2016年に国内1,000号店(清潭スター店)。現在の総数は公式に明記なし | 스타벅스커피 인터내셔널と(주)신세계のライセンス契約で展開。公式は1号店からの歩みを年表で示す |
| 이디야커피(イディヤコーヒー) | 2001年3月、1号店(中央大店) | 2024年12月に4,000号店(천안대로DT店) | 「海外にロイヤリティを払わない純粋国内ブランド」であることを明示的に強調 |
| 메가MGC커피(メガコーヒー) | 公式サイトに創業年の明記を確認できず | 4,446店(累計/公式サイトの表記は2026年8月13日時点) | 「BIG/DELICIOUS/RATIONAL(合理的価格)/DIFFERENTIATION」を掲げる大容量・低価格の日常コーヒー |
| 빽다방(PAIK’S COFFEE) | 2006年、論峴洞の小さなカフェを引き継いだのが始まり | 公式サイトに現在の店舗数の明記なし | 「합리적인 가격, 놀라운 퀄리티」=合理的な価格と驚きの品質を掲げる低価格路線 |
数字はいずれも2026年8月15日にソウルイン編集部が各社公式サイトで確認したものです。ただし基準日がそろっていないので、この表で店舗数の順位を決めることはできません。메가MGC커피の4,446店は2026年8月時点、이디야커피の4,000号店は2024年12月の達成記録。時点が2年近くずれている以上、「どちらが多いか」ではなく「どちらも4,000台の規模に届いている」という読み方が正確です。
もうひとつ、この表に入れなかったチェーンがあります。투썸플레이스(A TWOSOME PLACE)です。公式サイトへのアクセスが確認日時点で通らず、創業年も店舗数も一次情報で裏が取れませんでした。街では見かけるブランドですが、当サイトで数字を出すのは公式サイトで確認できてからにします。気になる人は現地で公式ページを開いてみてください。
店舗数の桁の違いは、旅行者にとって「探す時間」の差になる
店舗数とは、街を歩いていて偶然そのロゴに出会う確率のこと。旅行者にとっては、店の良し悪しよりもこちらのほうが先に効いてきます。
4,000店台という規模は、目的地を決めずに歩いていても次の角で候補が現れる密度です。つまり메가MGC커피と이디야커피は「探しに行く店」ではなく「通りがかりに入る店」。旅程表に書き込む必要がないカテゴリ、と言い換えてもいい。移動の合間に喉が渇いたとき、地図アプリを開かずに顔を上げるだけで解決する可能性が高いのはこの2社です。
ちなみに컴포즈커피(コンポーズコーヒー)も公式サイトで加盟店約3,300店と公表しています(集計基準日の明記はなし/2026年8月15日確認時点)。ここは自社を「저가(低価格)」とは呼ばず、自社焙煎工場とイタリア・Brugnetti社の正規輸入権を掲げる高品質路線として説明しているのが面白いところ。日本語の情報では低価格グループにまとめられがちですが、本人たちの自己認識は違うわけです。
一方、할리스と빽다방は公式サイトに現在の店舗数を出していません。数が少ないという意味ではなく、公表の方針が違うだけ。ただし旅行者の実感としては「見かけたら入る」ではなく「地図で調べて向かう」対象になりやすい——これは編集部の整理です。
ここを体感に翻訳すると、地図アプリで店を探して歩く手間は、オリーブヤングで棚を1列ぶん見て回るのとだいたい同じ時間の使い方。カフェを1軒探すために、コスメを見る時間をひとつ削っている計算になります。渡韓中の時間は有限なので、「休憩は数が多いチェーンで済ませ、その分を買い物や個人店に回す」という配分は現実的です。
카페という単語は看板でもアプリでもそのまま使われるので、覚えておくと検索がラクになります。空港からホテルに向かう途中で1杯挟みたい人は、仁川空港から江南への行き方を先に読んでおくと、どのタイミングで休憩を入れられるかが逆算できます。
使い分けは「今日いちばん優先したいこと」1つで決まる
使い分けとは、全部を比べることではなく、その日の優先事項を1つに絞って店を選ぶこと。以下は公式が掲げる立ち位置をもとに、編集部が場面別に整理した対応表です。
| その日の優先事項 | 向くチェーン | そう言える理由 | 先に確かめること |
|---|---|---|---|
| 安く済ませたい・杯数を重ねたい | 메가MGC커피/빽다방 | 両社とも公式が「合理的な価格」を明示的に掲げる路線 | 価格は公式非公開。店頭のメニュー表かアプリで確認 |
| 座って作業したい・長めに滞在したい | 스타벅스 코리아/할리스 | 1998〜1999年からコーヒー専門店として続く老舗系の2社 | 席数と電源の有無は店舗ごとに差が大きい。入る前に外から様子を見る |
| 写真を撮りたい・雰囲気を楽しみたい | チェーンより個人店 | チェーンは内装が標準化されるぶん、どこで撮っても似た絵になりやすい | 人気の個人店は席が少なめ。時間帯をずらす前提で組む |
| コーヒーをお土産にしたい | スーパー・コンビニの棚 | チェーン店頭の物販は取り扱いの店舗差が大きい | スティックタイプは重量がかさむ。荷物の余裕を先に確認 |
4行しかありませんが、渡韓中に発生する「どこ入る?」の大半はこの4パターンのどれかに収まります。逆に、優先事項を2つ以上並べた瞬間に決められなくなる。安くて、静かで、写真映えして、電源もある店——それを探す時間で1軒目に入ったほうが早い、というのが編集部の結論です。
3行目の「写真を撮りたい」に当てはまる人は、チェーンをいったん忘れて聖水(ソンス)のカフェガイドへ。倉庫をリノベした個人店が集まるエリアなので、目的が写真ならこちらのほうが満足度は高いはずです。
注文まわりで頼れる公式情報は、実はほとんど無い
「外国人が使えるか」とは、現金・海外発行カード・アプリの会員登録という3点が通るかどうかのこと。ここは正直に書きます。編集部が今回確認した各社の公式サイトには、この3点についての明示的な案内が見つかりませんでした(2026年8月15日確認時点)。
だから当サイトでは「このチェーンは海外カードが使える」といった書き方をしません。裏が取れていない話を断定すれば、外れたときに困るのは読んだ人のほうなので。代わりに、確認が取れなくても困らない備え方を置いておきます。
- 少額の現金を財布に残す/カードが通らなかった場合の逃げ道を1つ作っておく
- 注文はメニューの指差しで完結させる/아메리카노(アメリカーノ)はハングル表記のまま覚えておくと探しやすい
- アプリの会員登録は当てにしない/使えたら儲けもの、くらいの位置づけで行く
- 支払い方法は注文前にレジで確認する/作ってもらってから困る事態を避けられる
口頭で頼みたい人は「아메리카노 한 잔 주세요(アメリカーノ、1杯ください)」だけ覚えておけば足ります。サイズや温度は聞き返されるので、そこは指で示せば通じるはず。
現金をどれくらい持つかで悩む人は、コンビニでの支払い事情をまとめた韓国のコンビニ活用ガイドが参考になります。カフェとコンビニは同じ財布事情で動くので、セットで考えると準備がラクです。
チェーンより個人店を選んだほうがいい場面もある
ここまでチェーンの話をしてきましたが、チェーンが向かない日もあります。判断はシンプルで、「休憩が目的ならチェーン、カフェそのものが目的なら個人店」。この一行で足ります。
移動の合間に座りたい、荷物を下ろしたい、トイレを借りたい——こういうときにチェーンは強い。どこにあるか予測できて、席の作りもだいたい想像がつくからです。一方で「このカフェに行くためにこのエリアに来た」という日は、標準化された内装が物足りなくなる。そういう日は最初から個人店で組んだほうが、記憶に残る1日になります。
エリアごとに個人店をつなぐ回り方は、ソウルのカフェ巡りモデルコースにまとめてあります。1日にカフェを2〜3軒入れるなら、歩く順番を先に決めておくのが効率的。
季節の要素も無視できません。屋外席のある個人店が気持ちいいのは、暑さがゆるむ時期。9月の韓国旅行ガイドで気候と服装を確認しておくと、テラス席を前提に組むかどうかを渡航前に決められます。
よくある質問
Q. 各チェーンのアメリカーノは、いくらくらいですか?
Q. 店舗数がいちばん多いのはどのチェーンですか?
Q. 투썸플레이스(トゥーサムプレイス)が表に入っていないのはなぜですか?
Q. 作業向きのチェーンはどこですか?
Q. 韓国のカフェチェーンは日本語や英語のメニューがありますか?
まとめ:今日やることは「優先事項をひとつ決める」だけ
韓国のカフェチェーンは、公式が掲げる立ち位置で見ると低価格・多店舗のグループ(메가MGC커피・빽다방)とコーヒー専門店として続いてきた老舗グループ(할리스・스타벅스 코리아)、そして国内ブランドであることを打ち出す이디야커피に整理できます。価格は各社とも非公開なので、そこで比べるのは最初からあきらめてしまってOK。
渡韓前に韓国のコーヒーを味見しておきたい人、あるいは帰国後にお土産として渡したい人は、韓国コーヒーのおすすめを先に見ておくと、現地での買い物リストがひとつ減ります。荷造りの段階で目星をつけておくのが、いちばん時間の節約になるはず。
1. 自分の旅の優先事項を1つだけ書き出す(安く/作業/写真/お土産)
2. 上の対応表で候補を2つに絞り、地図アプリでブックマークしておく
3. 少額の現金を財布に入れ、支払い方法は店頭で確認する前提にしておく
看板の前で3分悩むより、決めておいた1軒に入ってしまうほうが、旅の密度は上がります。カフェは目的ではなく、次の予定までの橋渡し——そう割り切れた人から、ソウルの1日は長くなる。
参考・出典
- 메가MGC커피 公式サイト(店舗数・ブランド方針)https://www.mega-mgccoffee.com/(2026年8月15日確認/サイト内表記は2026年8月13日時点)
- 컴포즈커피 公式サイト(加盟店数・ブランド方針)https://composecoffee.com/index1(2026年8月15日確認)
- 이디야커피 公式サイト 연혁(創業年・店舗数マイルストーン)https://ediya.com/C/contents/history.html(2026年8月15日確認)
- 할리스 公式サイト 브랜드 소개(創業年・ブランド方針)https://www.hollys.co.kr/hollysIs/hollys/aboutHollys.do(2026年8月15日確認)
- 스타벅스 코리아 公式サイト 연혁(韓国進出・店舗数マイルストーン)https://www.starbucks.co.kr/footer/company/starbucks_history.do(2026年8月15日確認)
- 빽다방 公式サイト(創業の経緯・ブランド方針)https://paikdabang.com/about/greeting/(2026年8月15日確認)

