1人で明洞に来て、気になっていたサムギョプサルの店に入ろうとしたら「1인분は受けていない」と言われた――そんな話を聞いたことがある人は多いはずです。韓国の飲食店には「2人前から」という慣行が今も残っている業態があり、知らずに入り口で戸惑うと、それだけで1人旅の気持ちがしぼんでしまいます。でも、これは店を選ぶ前に見分け方さえ知っていれば避けられる話です。今回は「明洞で1人客が入れる店を、自分でどう見分けるか」という一点に絞って、韓国の飲食文化の仕組みからメニュー表記の読み方、地図アプリでの事前確認までを整理しました。
韓国の飲食店で1人客が断られやすいのは、サムギョプサルなどの焼肉やチゲ・チョンゴル(鍋物)のように「火を使って複数人で分け合う」業態です。逆に국밥(クッパ)・칼국수(カルグクス)・분식(プンシク)・キンパ・ラーメンやうどんのようなカウンター席のある店は、もともと1人前が基本単位なので入りやすいとされています。事前にメニュー表の「1인분」表記と、NAVER地図やカカオマップのレビュー・写真タブを確認しておけば、入り口で断られる確率はかなり減らせます。
結論から――明洞で1人でも入れる店を、自分で見分ける方法
結論を先に整理すると、明洞で1人ごはんに悩んだときにやることは3つだけです。1つ目は、行きたい店の業態が「1人前が基本単位の業態」か「複数人でシェアする業態」かを先に見分けること。2つ目は、メニュー表や地図アプリで「1인분」の表記があるかを確認すること。3つ目は、それでも判断がつかないときに使える一言のフレーズを覚えておくことです。この3つを押さえておけば、店の前で立ち尽くして次を探す、という時間のロスを避けられます。
ソウル全体でどんなジャンルの店を食べ歩くか、明洞以外のエリアも含めて考えたい人には、ソウルで何を食べるかを整理したグルメガイドも参考になるはずです。この記事では明洞という1エリアに絞り、さらに「1人で入れるかどうか」という切り口だけを掘り下げていきます。
なぜ韓国には「2人前から」の店があるのか
まず押さえておきたいのは、韓国の飲食店が1人客を断ったり、2人前からしか注文を受け付けなかったりしても、現行の法律上は罰則の対象にはならないという趣旨の報道が複数あることです。つまりこれは違法行為ではなく、あくまで店側の営業判断として続いている慣行だということになります。理由として報道が挙げるのは、客が集中する時間帯に4人席を1人客で埋めてしまうと、テーブルあたりの売上と回転率が下がり、食材費・人件費・家賃の上昇分を回収しにくくなるという事情です。
この慣行がとくに強く残っているのが、サムギョプサルなどの焼肉店です。1人前の目安量は法律上の基準ではなく店ごとに違うという解説もあり、150〜200g程度を1人前とする店が多いとされています。焼肉やチゲ・チョンゴルのように、鉄板や鍋を囲んで複数人で火を使う業態ほど、2人前からという注文単位が根強く残っている印象です。こうした業態全般の制度的な背景は、2人前から注文という制度をまとめた記事のほうに詳しくまとめているので、明洞に限らず韓国のどのエリアでも当てはまる話として読んでおくと役に立つはずです。
1人で入りやすい業態・入りにくい業態
業態ごとの傾向を整理すると、1人で入りやすいのは국밥(クッパ=スープご飯)・칼국수や국수(麺類)・분식(キンパ・トッポッキなどの軽食)・ラーメンやうどんのようなカウンター席のある店です。これらはもともと1人前が注文の基本単位で、複数人で分け合うことを前提にしていません。カウンター席(바 테이블)がある店なら、他の客の視線を気にせず座れるという利点もあります。反対に入りにくいのは、前の見出しで触れたサムギョプサルなどの焼肉、チゲ・チョンゴルのような鍋物をシェアする業態です。

1人旅で明洞に泊まる予定なら、こうした業態の見分けを覚えておくと、夜に「入れる店が見つからない」という事態を避けやすくなります。宿の周辺にどんな店が多いエリアかも含めて、明洞のホテル選びをまとめた記事で条件を先に決めておくと、到着後の1人ごはん探しがぐっと楽になるはずです。
なお、焼肉が食べたい1人旅の人向けに、各席に個人用の小型ロースターを置いて1人前から注文できる店を紹介する記事も見られました。すべての焼肉店がそうというわけではありませんが、探せば選択肢はゼロではないということは、覚えておいて損はないかもしれません。
メニューの「1인분」表記の見つけ方
韓国のメニュー表には、鍋物や焼肉のように複数人でシェアする料理に「1인분 ○○원」「2인분부터 주문 가능」のように、注文できる最低単位が明記されていることが多くあります。この表記は店内のメニュー表だけでなく、地図アプリの「메뉴(メニュー)」タブでも同じように確認できます。逆に言えば、국밥や칼국수のように「1인분」という文字自体がメニューに出てこない料理は、そもそも1人前が標準の単位になっている業態だと考えてよさそうです。
1인분(イリンブン・1人前)という単語さえ覚えておけば、メニュー表のどこを見ればいいかがすぐ分かるようになります。逆に2인분부터(イインブンブト・2人前から)という表記を見つけたら、その料理は1人では注文できない可能性が高いというサインです。到着前にスマートフォンでメニュー画像を検索しておき、この2つの単語だけ拾い読みできるようにしておくと、現地での判断がかなり早くなります。
NAVER地図・カカオマップで入店前に確かめる手順
メニュー表を現地で確認する前に、NAVER地図やカカオマップである程度の下調べをしておくと安心です。手順は3つです。1つ目は、店名またはジャンルで検索して「메뉴」タブを開き、「1인분」表記や注文単位を確認すること。2つ目は、レビュータブを開いて「혼밥」や「혼밥하기 좋아요(1人ごはんに向いている)」という言葉やタグの有無を確認すること。3つ目は、写真タブで座席が個室や大きなテーブルだけなのか、それとも1人でも座りやすいカウンター席があるのかを見ておくことです。
NAVER地図のレビューには、来店者が選択式でタグを付けられる仕組みがあり、「1人ごはんに向いている」という趣旨のタグが実際の来店者の実感を反映した目安になります。カカオマップにも同じようにメニュー・レビュー・写真の各タブがあるので、両方のアプリを見比べておくと情報の抜けを減らせます。どちらか一方だけで判断せず、可能なら両方を開いて確認する習慣をつけておくと、現地での失敗が少なくなるはずです。
- メニュータブで「1인분」表記・注文可能な最低単位を確認する
- レビュータブで「혼밥」「혼밥하기 좋아요」の言及・タグの有無を確認する
- 写真タブで個室・大テーブルのみか、カウンター席(바 테이블)があるかを確認する
- 可能ならNAVER地図とカカオマップの両方で見比べる
明洞が一人ごはんに向いている理由――観光地とフードコートという逃げ道
明洞は外国人観光客の比率が高い繁華街で、1人で食事をしている旅行者への警戒感が他のエリアより薄いとされる業態が集まっている印象があります。エリア全体の雰囲気や、両替所・買い物通りの並びまで含めた歩き方は、明洞エリアの歩き方をまとめた記事のほうに詳しくまとめているので、土地勘をつけたい人はあわせて読んでおくと動きやすくなります。屋台での食べ歩きも1人でしやすい選択肢のひとつで、明洞の屋台グルメをまとめた記事には、レジで会計を先に済ませる屋台の仕組みなど、1人でも入りやすい理由につながる情報が整理されています。
もうひとつの逃げ道が、百貨店の地下フードコートです。明洞にあるロッテ百貨店本店には地下1階に飲食フロアがあり、複数の飲食店が入っているという案内が利用者のレビューで確認できます。回転寿司店やうどん・丼もの中心の店が並び、「1人でも落ち着ける空間」という趣旨のコメントも見られました(ロッテ百貨店の公式サイトでの一次確認はできていないため、あくまでレビュー情報として書いています)。フードコートは会計から着席までが個人単位で完結するので、判断に迷ったときの安全策として覚えておくと便利です。
すぐ隣の南大門市場も、屋台や食堂が集まるエリアとして知られています。南大門市場のグルメをまとめた記事には、市場ならではの1人での回り方も整理されているので、明洞から足を延ばす日程を組んでいる人は候補に入れてみてください。
入店してから断られないための一言(韓国語フレーズ)
メニュー表や地図アプリで確認しても、実際に店に入るまで1人前が可能かどうか分からないこともあります。そんなときに使えるのが「저 혼자 왔는데, 1인분만 주문해도 될까요?(チョ ホンジャ ワンヌンデ、イリンブンマン チュムネド トェルカヨ=私1人で来たのですが、1人前だけ注文してもいいですか?)」という一言です。韓国語のエッセイや報道でも繰り返し紹介されている、実際によく使われる確認フレーズだとされています。
もう少し短く聞きたい場合は「혼밥 가능해요?(ホンバプ カヌンヘヨ=1人でも大丈夫ですか?)」という表現も、同じ場面で使われる言い方として紹介されています。店頭のメニュー表に「1인분」の表記があるかを先に見てから声をかけると、断られる確率をさらに減らせるという解説もあります。注文全般の言い回しをもう少し広く覚えておきたい人は、韓国の食堂での注文フレーズをまとめた記事もあわせて確認しておくと、1人でも会計まで迷わず進めるはずです。
店員の対応は店ごとに違います。この一言を使っても断られる場合はあり得るので、断られたら無理に交渉せず、別の店に切り替えるのが現実的です。
夜の一人ごはんで気をつけること
夜になると、明洞のメイン通り沿いの店は団体客や2人以上のグループで席が埋まりやすくなります。1人での夕食を考えているなら、混雑のピークを避けて早めの時間に入るか、逆に遅めの時間帯を狙うほうが、席の確保も店員とのやり取りもスムーズになりやすい印象です。국밥や칼국수のように24時間営業や深夜営業の店が多いジャンルを軸に候補を絞っておくと、夜遅くなっても選択肢が残りやすくなります。
1人でお酒も楽しみたい人は、食事とはまた違う店選びのコツが必要になります。韓国では飲み屋の業態によって1人客への対応が分かれる傾向があり、ソウルで1人飲みをする方法をまとめた記事のほうに、居酒屋やバーでの立ち回り方を詳しくまとめています。食事だけで終わらせず、軽く一杯だけ、という日程を考えている人はあわせて読んでおくと安心です。
よくある質問
まとめ――明洞で1人ごはんに困ったときの手順
韓国の飲食店で1人客が入りにくいのは、店側の意地悪ではなく、火を使って複数人で分け合う業態に多い営業上の慣行だということが分かれば、必要以上に落ち込まずに次の一手を選べるようになります。明洞は観光地としての性質上、他のエリアより1人客への警戒感が薄い店が集まっている印象があり、フードコートという逃げ道もあるぶん、1人旅でも食事に困りにくいエリアだと言えそうです。
- 1人で入りにくいのは、サムギョプサルなどの焼肉・チゲやチョンゴルのような鍋物をシェアする業態
- 1人で入りやすいのは、국밥・칼국수・분식・キンパ・カウンター席のあるラーメンやうどんの店
- メニュー表や地図アプリの「메뉴」タブで「1인분」「2인분부터」の表記を確認する
- NAVER地図・カカオマップのレビュー・写真タブで「혼밥」の言及や座席の形を確認する
- 迷ったときの一言は「저 혼자 왔는데, 1인분만 주문해도 될까요?」、それでも難しければフードコートへ
この記事で紹介した見分け方は、業態やメニュー表記の傾向を軸にした一般的な手順です。実際の対応は店によって差があるので、気になる店ができたら地図アプリのレビューで最新の様子を確認してから向かうのが確実です。1人旅の夜をどこで過ごすかまで含めて考えたい人は、明洞のホテル選びから先に決めておくと、当日の店探しにも余裕が生まれるはずです。
参考・出典
- 国家データ処「2024 통계로 보는 1인가구」 https://www.kostat.go.kr/board.es?mid=a10301010000&bid=10820&act=view&list_no=434103 (2026年9月21日確認)
- デイリーポップ「”혼밥 환영”이라더니 2인분 주문해야?…1인가구 늘었지만 외식은 아직도 ‘2인 기준’」 http://www.dailypop.kr/news/articleView.html?idxno=99370 (2026年9月21日確認)
- 경향신문「[녹색세상] 삼겹살 1인분은 왜 180그램?」 https://www.khan.co.kr/article/202209300300015 (2026年9月21日確認)
- ミシュランガイド韓国 명동교자 掲載ページ https://guide.michelin.com/kr/ko/seoul-capital-area/kr-seoul/restaurant/myeongdong-kyoja (2026年9月21日確認)
- 머니투데이「”혼자 먹는데 10만원쯤이야”…확 달라진 ‘혼밥족’ 풍경」 https://www.mt.co.kr/future/2026/09/14/2026091409270023646 (2026年9月21日確認)
- brunch「14화 “저 혼자 왔는데, 1인분도 되나요?”」 https://brunch.co.kr/@hjmn0625/22 (2026年9月21日確認)
- トリップアドバイザー ロッテ百貨店本店レビュー(フードコート言及、公式未確認) https://www.tripadvisor.co.kr/ShowUserReviews-g294197-d1962594-r304890703-Lotte_Department_Store_Main-Seoul.html (2026年9月21日確認)

