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「浦項(ポハン)」と聞いて、鬱陵島(ウルルンド、울릉도)行きのフェリーが出る港、というイメージだけを持っている人は少なくないはずです。実際、当サイトの鬱陵島の記事でも、浦項は「船に乗るために立ち寄る場所」として登場します。ただ公式の観光案内を整理してみると、浦項自体にも迎日台海水浴場の夜景、環湖公園(환호공원)のスペースウォーク、韓国本土でもっとも早く日の出を迎えるとされる虎尾串(ホミゴッ、호미곶)、ズワイガニと刺身が並ぶ竹島市場(죽도시장)と、街として1〜2日過ごせるだけの見どころが揃っています。この記事では、鬱陵島への通過点としてではなく、浦項そのものを目的地にする前提で見どころとアクセスを整理しました。
浦項の見どころは大きく3つ。夜景と散歩が楽しい迎日台海水浴場・環湖公園のスペースウォーク、日の出の名所として知られる虎尾串のヘマジ広場(해맞이광장)、そしてカニと刺身の匂いに包まれる竹島市場です。ソウル方面からは水西(スソ)発のKTXで片道およそ2時間21分(開通時点の案内・2026年9月17日確認)、釜山からは高速バスの便もある距離感です。鬱陵島へ渡る前後に寄る人が多いエリアですが、浦項だけで週末旅行として成立する街でもあります。
結論から――浦項は「通過点」で終わらせるにはもったいない
浦項は慶尚北道の東海岸に位置する、鉄鋼業と港で知られる都市です。ソウルからは新幹線級のKTXで片道2時間台、釜山からは高速バスで日帰り圏内という位置関係で、済州島のように飛行機が必須なわけではありません。それでいて、韓国の他の海沿いの街と違う顔を持っているのがポイントです。海水浴場のすぐ隣に現代的な鉄骨のスペースウォークが立ち、少し足を延ばせば「相生の手(サンセンウィソン、상생의 손)」という象徴的なオブジェが日の出を演出します。
向いているのは、韓国旅行を何度か経験していて、定番のソウル・釜山・済州から少し外れた場所を探している人。逆に、初めての韓国旅行で移動時間を最小限にしたい派のあなたには、ソウルからの片道2時間超という距離はやや腰が重いかもしれません。定番から少し外れた行き先という意味では、韓国3回目以降の旅行コースの記事で紹介した考え方とも近い位置づけです。
浦項とは――迎日湾に面した港湾都市の性格
浦項市は慶尚北道の東海岸、迎日湾(ヨンイルマン、영일만)に面した都市で、大規模な製鉄所を抱える工業都市として知られてきました。一方で市街地のすぐそばに海水浴場や公園があり、観光と産業が同居しているのが浦項の街並みの特徴です。地理的には慶州(キョンジュ)の北東に位置していて、慶州観光と組み合わせて周遊するルートを組む人もいます。
行政区分としては北区・南区に分かれていて、迎日台海水浴場や環湖公園は北区、竹島市場も北区寄りの中心市街地に位置します。虎尾串は市街地からさらに南東へ離れた岬にあり、街の中心部だけで完結する観光地ではありません。浦項に「着いた」だけで見どころ全部に近いと思い込まず、市内での移動時間も見込んでおく必要があります。
迎日台海水浴場と環湖公園のスペースウォーク――夜景と散歩の定番
迎日台海水浴場(영일대해수욕장)は、浦項市街地から比較的アクセスしやすいビーチとして紹介されることが多い場所です。海の上に張り出した展望のための桟橋があり、夕方から夜にかけて灯りがともる景色が定番の撮影スポットになっています。隣接する環湖公園(환호공원)には、鉄骨でできた遊歩道「スペースウォーク」があり、海と市街地を見渡しながら歩けるのが特徴です。
浦項市庁の公式ページで確認できたのは、スペースウォークの定期休館日が毎月第1月曜日(祝日の場合は翌日)であること、問い合わせ先が浦項市庁の担当部署(054-270-5176/5180)であることの2点です(2026年9月17日確認)。浦項市庁公式の「운영안내(運営案内)」ページには、入場料は無料、運営時間は夏季(4〜10月)が平日10:00〜20:00・週末祝日10:00〜21:00、冬季(11〜3月)が平日10:00〜17:00・週末祝日10:00〜18:00と明記されています(2026年9月17日確認)。
スペースウォークの入場料は無料、運営時間は夏季(4〜10月)平日10:00〜20:00・休日10:00〜21:00、冬季(11〜3月)平日10:00〜17:00・休日10:00〜18:00です(2026年9月17日確認)。悪天候(強風・猛暑・台風など)の際は運休するという案内もあるため、訪問前に浦項市の公式サイトまたは現地の案内板で最新の状況を確認してください。
虎尾串(ホミゴッ)のヘマジ広場――「相生の手」と韓国本土最速の日の出
虎尾串(호미곶)は、朝鮮半島の地図を虎の姿に見立てたときに「虎の尻尾」にあたる岬とされる場所です。海に立つ右手と陸に立つ左手、一対の「相生の手(サンセンウィソン、상생의 손)」というオブジェが名物で、海の手の上に太陽が乗るように見える瞬間を狙って多くの人がカメラを構えます。韓国本土でもっとも早く日の出を迎える地点のひとつとされ、毎年1月1日には新年の日の出を祝う行事が開かれています。
浦項市公式観光ページでは、虎尾串(ホミゴッ)のヘマジ広場(해맞이광장)の住所が「경상북도 포항시 남구 호미곶면 해맞이로150번길 20」と記載され、ページ上には当日の日の出時刻も随時表示されています(2026年9月17日確認)。駐車場の詳細までは同ページに記載がありませんでした。検索の過程では「国立灯台博物館が併設されている」「年間来訪者数はおよそ120万人」といった情報も見つかりましたが、いずれも裏取りができていない数字として扱っています。
竹島市場(チュクトシジャン)――ズワイガニと刺身に包まれる台所
竹島市場(죽도시장)は、浦項市街地にある慶尚北道最大級とされる伝統市場です。ズワイガニがずらりと並ぶ通りと、活魚の刺身を出す店が集まる通りがあり、市場を歩くだけで浦項が漁業の街でもあることが伝わってきます。地元の人が日常の買い物に使う一角と、観光客向けに食事を出す一角が混在しているのも市場らしいところです。
検索で見つかった案内では、市場全体のおおよその営業時間を8時から22時とするものと、カニ通り・刺身通りの一部店舗は24時間営業とするものがありました。ただし店舗ごとに営業時間・定休日が異なり、一次情報のページで統一的な確認はできていません。カニ1杯の価格も時期や相場で大きく変わるため、この記事では価格を書かず、現地で店ごとに確認することをおすすめします。
竹島市場の店舗別の営業時間・定休日は、今回の調査では一次情報として確認できませんでした。訪問時間帯によっては閉まっている店もあるため、目当ての店がある場合は事前に電話やSNSで営業状況を確認してください。
浦項と鬱陵島は何が違うか――「船の乗り継ぎ地」で終わらせない
浦項という地名を検索すると、鬱陵島行きのフェリーが出る港として紹介されるページが多く出てきます。実際、鬱陵島へ渡るフェリーの多くは浦項の港を発着地にしていて、日本語の情報でも「浦項=鬱陵島への入口」という扱いになりがちです。鬱陵島の船便の詳しい時刻・運賃については、当サイトの鬱陵島の記事で個別に整理しているので、船に乗る予定がある人はそちらを参考にしてください。
この記事で扱っているのは、あくまで浦項の街そのものです。迎日台海水浴場、環湖公園のスペースウォーク、虎尾串、竹島市場は、鬱陵島へ渡らない人にとっても十分に成立する観光内容だと考えています。鬱陵島への乗り継ぎ時間の合間に立ち寄るのか、浦項そのものを目的地として1〜2日過ごすのか、旅程を組む段階で一度分けて考えてみるのがおすすめです。
ソウル(水西)から浦項へ――KTXの所要時間と運行の今
ソウルから浦項へは、水西(スソ)駅発のKTXを使うルートが整備されています。今回一次情報として確認できたのは、2023年9月1日の開通時点における案内で、水西〜浦項間の所要時間は2時間21分、運賃は一般室47,200ウォン・特室68,400ウォン、運行本数は1日往復2本という内容でした(2026年9月17日確認)。47,200ウォンは、映画のチケットを2〜3枚買うくらいの金額感です。
ここで一つ注意があります。KTXとSRTは2026年9月1日に統合され、予約アプリも「コレイル+」にまとまりました。この統合で本数や時刻の案内が変わっている可能性があります。この記事で確認できたのはあくまで開通時点のダイヤであり、現在も同じ本数・時刻で運行しているかまでは、この記事の時点では確認できていません。ソウル〜釜山間の定番ルートについては別記事のソウル〜釜山のKTXガイドで詳しく扱っているので、あわせて確認してみてください。予約は必ず統合後の予約アプリまたは駅窓口で、最新のダイヤを見てから進めることをおすすめします。
ソウル(水西)〜浦項のKTXの本数・時刻は、2023年9月の開通時点の案内をもとにしています。2026年9月のアプリ統合以降の最新ダイヤは、この記事では確認できていません。予約前に必ず予約アプリまたは駅で最新の時刻表を確認してください。
釜山から浦項へ――高速バスの本数と所要時間
釜山から浦項へは、高速鉄道よりも高速バスを使うほうが本数の面で選びやすいという声をよく聞きます。検索で見つかった案内では、釜山西部ターミナル(沙上エリア)発で浦項市外バスターミナル行きの便があり、1日30本以上・およそ20分間隔という高い頻度で運行しているとされていました。所要時間はおよそ1時間40分〜2時間、優等(우등)クラスの運賃は15,000ウォン程度という情報でしたが、いずれも原典のページを開いて確認することができず、この記事では確定した数字としては扱っていません。
市外バス・高速バスの予約方法やアプリの使い方については、当サイトの韓国高速バス予約ガイドの記事で詳しく整理しているので、初めて予約する人はそちらを先に読んでおくとスムーズです。15,000ウォンという運賃の目安は、韓国のカフェでコーヒーとパンを一緒に頼むくらいの金額感と考えると、旅費の見積もりがしやすいかもしれません。
釜山拠点の日帰りか、浦項で1泊するか
釜山から浦項までバスでおよそ1時間40分〜2時間という目安を踏まえると、釜山に宿を取ったまま浦項へ日帰りするという選び方も十分に現実的です。迎日台海水浴場と環湖公園、竹島市場だけに絞るなら、午前に出発して夕方の夜景まで見てから釜山に戻る、という組み方もできそうです。逆に虎尾串での日の出まで狙いたい派のあなたには、浦項側に前泊しておいたほうが早朝の移動負担が小さくて済みます。

下の図は、釜山発着で朝から動けるかどうかを軸に、日帰りと一泊のどちらが現実的かを整理したものです。日の出を狙わないなら釜山拠点の日帰りでも十分ですが、虎尾串での日の出を体験に含めたい場合は、浦項側での宿泊を検討したほうが無理がありません。
釜山のホテルをTrip.comで探す浦項へのバスが多い西部ターミナル周辺も検討候補に
釜山は浦項へのバス便が多く、他の観光地への移動拠点としても使いやすい街です。エリアごとの宿の選び方は当サイトの釜山ホテルエリアガイドの記事で詳しく整理しているので、拠点をどこにするか迷っている人は参考にしてみてください。浦項での宿泊を選ぶ場合は、竹島市場や迎日台海水浴場に近い市街地エリアだと、翌朝の移動がしやすくなります。
浦項に着いてからの回り方――市内移動の注意点
ここは正直に書いておきたいところです。浦項市外バスターミナルや浦項駅から、迎日台海水浴場・環湖公園・竹島市場・虎尾串までは、それぞれ距離も方向も異なります。特に虎尾串は市街地からさらに離れた岬にあるため、市内バスやタクシーでの移動時間を別途見込んでおく必要があります。今回のリサーチでは、ターミナルから各観光地への市内バスの本数・所要時間を、上限の範囲内で一次情報として確認することができませんでした。
浦項駅・バスターミナルから各観光地までの市内バスの時刻・本数は、この記事では確認できていません。現地の観光案内所や配車アプリ、タクシーで当日確認することをおすすめします。
慶州(キョンジュ)が近いエリアでもあるため、浦項と慶州を組み合わせた周遊ルートを検討する人もいます。慶州の日帰り観光については別記事の慶州日帰りガイドで詳しく紹介しているので、あわせて旅程を組んでみるのもひとつの手です。海沿いを歩く時間が長くなりがちなので、風対策の上着と、歩きやすい靴を用意しておくと快適に回れるはずです。
よくある質問
まとめ――浦項は海と街を両方楽しめるエリア
浦項は、迎日台海水浴場と環湖公園のスペースウォーク、日の出の名所である虎尾串、ズワイガニと刺身の竹島市場という、性格の異なる見どころを持つ街です。鬱陵島行きのフェリーの乗り継ぎ地として語られがちですが、街そのものを目的地にしても十分に成立する内容だと考えています。ソウル(水西)からはKTXで片道およそ2時間21分(開通時点の案内)、釜山からは高速バスの便もあり、拠点の選び方次第で日帰りにも一泊二日にもできる距離感です。
- 見どころは迎日台海水浴場・環湖公園のスペースウォーク・虎尾串・竹島市場の4つ
- ソウル(水西)からKTXで片道約2時間21分(2023年9月開通時点・2026年9月17日確認)
- 釜山からは高速バスの便があるが、本数・所要時間は一次情報で未確認
- 虎尾串での日の出を狙うなら浦項側での前泊が現実的
- 竹島市場・虎尾串の営業時間や現地移動は現地で要確認
会場情報や運行ダイヤのように年・時期で変わりやすい部分は、この記事の内容を2026年9月17日時点の目安として捉え、出発前に浦項市や各施設の公式情報で最新の内容を確認してください。定番から少し外れた韓国旅行の行き先を探している人は、韓国3回目以降の旅行コースの記事もあわせて参考にしてみてください。
参考・出典
- 浦項市庁 환호공원 조형물(스페이스 워크) https://www.pohang.go.kr/dept/contents.do?mid=0603000000 (2026年9月17日確認)
- 浦項市庁 공원녹지과「스페이스워크 운영안내」https://pohang.go.kr/dept/contents.do?mid=0603050000 (2026年9月17日確認)
- 浦項市公式観光「호미곶 해맞이광장」https://pohang.go.kr/phtour/wmap/tourInformation/index.do?cate_id=93&menu_idx=104&search_type=tour_info_name&viewPage=2 (2026年9月17日確認)
- 慶北日報「포항-수서 SRT, 본격 운행 시작…2시간 21분 소요」https://www.kyongbuk.co.kr/news/articleView.html?idxno=2141159 (2026年9月17日確認・本文内容は2023年9月開通時点の案内)

