本記事にはプロモーションを含みます。
焼肉もサムギョプサルももう食べ尽くした、次は何を頼めばいいか分からない。そんな渡韓のたびに献立が同じになる悩み、正直あるあるだと思います。実は韓国では、鴨肉は焼肉店の陰に隠れがちな「もうひとつの定番」。오리고기(オリコギ=鴨肉)は薫製・焼き・鍋の3系統に分かれていて、どれを選ぶかで満足度がまったく変わります。
辛いものが苦手、もしくは少人数・ひとりで行くなら훈제오리(フンジェオリ=薫製)か鍋系。ワイワイ数人で炭火を囲みたいなら오리주물럭(オリジュムルロク=甘辛焼き)が向いています。系統ごとに1人前で頼めるかどうかが違うので、そこだけ先に押さえておくと店選びで迷いません。
結論:どの系統を選ぶか
鴨料理は大きく3系統に分かれます。塩味とスモークの香りが主役の薫製、コチュジャンだれで炭火焼きにする焼き、そして韓方だしでじっくり煮込む鍋です。同じ「鴨肉」でも、口に入れた瞬間の印象はかなり違います。
薫製は脂っぽさが少なく、鴨肉が初めての人でも取っつきやすい味わい。どんぶり仕立てのメニューがある店なら1人前でも注文できるので、ひとり旅の夕食にも向いています。焼きは甘辛いたれをまとった炭火焼きで、ビールとの相性が良い反面、基本は2〜3人前からの注文が多く、ひとりで気軽に、とはいきにくい系統です。鍋は薬膳の香りが立つ白湯スープで、辛さがほぼゼロ。体を温めたい日や、香辛料が得意でない同行者がいるときの選択肢になります。
「結局どれが正解?」と聞かれたら、正直、初めてなら薫製から試すのが失敗しにくいと思います。焼きは香ばしくて満足感が高い分、辛さと量がまとまって来るので、次の一歩として頼むのがちょうどいいはずです。鍋は少し特別な日、体調を気遣いたい日に選ぶイメージで組み立てると、韓国滞在中に3系統をひと通り試せます。カルビなど定番の焼肉についてもソウルのカルビ名店ガイドで系統別に整理しているので、鴨と食べ比べる計画にも使えます。

韓国で鴨がよく食べられている背景
韓国で鴨肉が定着している背景には、食文化としての位置づけがあります。韓国では鴨肉は伝統的に「몸보신(モムボシン=体の調子を整える食事)」の食材として扱われてきた、という紹介が複数の韓国の食文化系メディアで見られます。ここは大事な注意点なのですが、これは韓国での一般的な受け止められ方の紹介であって、鴨肉を食べれば何かの不調が治るという医学的な効能を保証するものではありません。あくまで「そう位置づけられている食材」という文化的な事実として読んでください。
実際、韓国では夏の暑い時期に体力をつける「保養食(ポヤンシク)」の一種として鴨肉や鶏の白湯が選ばれる傾向があり、鶏を使った同系統の料理としては鶏の白湯(백숙)専門店ガイドや、丸鶏をまるごと煮込む鶏一羽鍋(닭한마리)の名店ガイドもあわせて読むと、韓国の「保養食」全体の地図が見えてきます。鴨肉はその中でも、鶏よりやや脂がのって満足感が高いポジションにあると考えるとイメージしやすいはずです。
季節でいうと、韓国では伏日(三伏の日)と呼ばれる夏の土用のような日に、鴨や鶏を使った滋養食を食べる習慣が根強くあります。とはいえ、鴨料理専門店の多くは通年営業しているため、夏に限らず訪ねて問題ありません。むしろ冬場は鍋系が恋しくなる季節でもあり、系統を選ぶ楽しみは一年を通してあります。
薫製(훈제오리)の店
薫製は塩味とスモークの香りが主役で、脂っぽさが控えめ。今回、営業を確認できたのは鍾路区・光化門エリアの병천유황오리(ビョンチョンユファンオリ)です。住所はソウル特別市鍾路区三峰路68の新栄ビルで、営業時間は毎日10時から22時まで(15時〜17時はブレイクタイム)。2026年9月9日時点で確認できる範囲では、口コミサイトの直近投稿が2025年12月10日付けだったことから、営業は継続していると見られます。
看板メニューは鴨の薫製をしゃぶしゃぶ仕立てで食べる一皿で、中サイズが45,000ウォン、大サイズが59,000ウォン(いずれも2026年9月9日確認のメニュー掲載価格)。薄くスライスした薫製鴨を野菜と一緒にくぐらせて食べるスタイルなので、脂が気になる人でも重くなりすぎません。ひとりで訪れる場合は、鴨の薫製をのせたどんぶり仕立てのメニューが10,000ウォンで用意されているので、こちらが現実的な選択肢になります。感覚的には、カフェのコーヒー2杯分ほどの価格で鴨料理を試せる計算です。
薫製は辛さがほぼないため、香辛料が得意でない同行者がいるときにも選びやすい系統です。辛いものが苦手な人向けの選び方は辛くない韓国料理の選び方でも系統立てて紹介しているので、鴨の薫製と合わせて候補に入れておくと安心です。またひとりごはんの動線についてはひとりごはんができるソウルの店にも近い考え方の店が並んでいるので、参考になるはずです。
ここで紹介した店舗情報は、口コミ集計サイトの記載と直近の投稿日をもとに確認した内容です。営業時間や定休日は変更されることがあるため、訪問前に電話か地図アプリで最新の状況を確認してから向かってください。
焼き(오리주물럭・로스)の店
焼きはコチュジャンベースの甘辛だれをまとった鴨肉を、炭火でじっくり焼き上げる系統です。今回営業を確認できたのは江南駅エリアの미나리밭오리사냥(ミナリバッオリサニャン)江南駅店。住所はソウル特別市江南区テヘラン路1キル28-8の1階で、江南駅11番出口から徒歩3〜5分。営業時間は毎日11時30分から22時まで(ラストオーダー21時、15時〜16時30分はブレイクタイム)です。口コミサイトの直近投稿が2025年6月2日付けだったことから、営業は続いていると見られます。
看板は生鴨の甘辛炒め「오리주물럭」で、中サイズ600gが45,000ウォン、大サイズ800gが56,000ウォン(2026年9月9日確認のメニュー掲載価格)。ロースとの盛り合わせは65,000ウォンで、3〜4人前が目安とされています。ここは大事なポイントですが、焼き系統は基本的に2〜3人前からの注文を前提にしたメニュー構成が多く、ひとりで気軽に、という頼み方には向いていません。友人や家族と数人で訪れる前提で計画するのが現実的です。
ひとりで焼肉を楽しみたい日の店選びについてはひとり焼肉ができる店の探し方にまとめているので、鴨の焼きは複数人の日、ひとりの日は別ジャンル、と使い分けると献立の幅が広がります。追加でロースを一皿頼むと42,000ウォンほど。感覚としては、シートマスクを数枚まとめ買いするくらいの出費で、炭火焼きの満足感が得られると考えるとイメージしやすいはずです。
鍋(오리백숙・오리탕)の店
鍋は韓方だしでじっくり煮込む系統で、辛さがほぼゼロ。体を温めたい日や、胃にやさしいものを食べたい日に向いています。今回、営業を確認できたのは2軒です。
ひとつは広津区・君子駅エリアの영미오리탕(ヨンミオリタン)君子店。住所は広津区東一路60キル53で、君子駅8番出口から約301メートル。営業時間は11時から21時30分まで(ラストオーダー20時50分、15時〜16時はブレイクタイム)、定休日は毎週月曜です。鴨鍋は1羽単位で53,000ウォンほど(2026年9月9日確認の情報)とされていて、複数人でつつく前提のメニューです。この店は全羅南道・光州にある老舗「영미오리탕」本店の親戚が運営する支店にあたり、味の系統は同じでも法人・住所は本店とは別なので、韓国のグルメ記事やSNSで本店の情報を見た場合は混同しないよう注意してください。
もうひとつは銅雀区・二水(総神大入口)駅エリアの참오리전문점(チャムオリ専門店)。住所は銅雀区舎堂路307-10で、二水駅11番出口から徒歩1分。看板メニューは10種類の韓方薬材を1時間以上煮込んだ韓方鴨白湯です。テレビの情報番組でも紹介歴があるほどの人気店ですが、正直に書くと、営業時間の情報源が「11時〜21時30分・日曜休」とするものと「10時30分〜22時30分・第1第3日曜休」とするものの2通りあり、今回はどちらが正しいか確定できませんでした。訪問前に必ず電話で当日の営業を確認してから向かってください。
鍾路・光化門で食べるなら
鍾路・光化門エリアは観光の合間に立ち寄りやすい立地です。今回紹介した薫製の병천유황오리は光化門から歩ける範囲にあり、景福宮や仁寺洞をまわった帰りに寄る動線が組みやすいのが利点です。営業時間も10時からと比較的早く開くため、遅めのランチにも使えます。
このエリアで宿泊先を探すなら、鍾路・光化門周辺と、後述する江南エリアのどちらに拠点を置くかで、鴨料理店へのアクセスのしやすさも変わってきます。エリアごとの宿泊先をまとめて比較したい場合は、以下から確認できます。
エリア別のソウルのホテルを探す鍾路・江南など、今日食べたいエリアで宿を絞り込める
鍾路エリアは徒歩観光との相性が良い反面、夜遅くまで営業している鴨料理店は多くありません。ブレイクタイムをはさむ店もあるので、観光ルートと営業時間を照らし合わせてから向かうのが安心です。
江南・その他のエリア
江南エリアでは、焼きの項で紹介した미나리밭오리사냥江南駅店が使いやすい選択肢です。江南駅からのアクセスが良く、夜22時まで営業しているので、買い物や観光を終えた夜の食事にも組み込みやすい立地です。銅雀区・二水エリアの참오리전문점、広津区・君子エリアの영미오리탕君子店も、それぞれのエリアで滞在するなら候補になります。
このほか、江東区トゥンチョン洞の「석촌오리」、中浪区忘憂洞の「동강오리」、城東区聖水洞の「심마니약초백숙」なども、複数の口コミ集計サイトで名前が挙がっていました。ただし今回は営業時間や現在の営業状況を独立して裏取りすることができなかったため、店名と系統の紹介にとどめます。訪ねる場合は、地図アプリや電話で当日の営業を必ず確認してください。飲食店を探す際に使えるアプリの選び方は韓国の飲食店検索アプリの使い方にまとめています。
注文の実務(人数・値段の目安・辛さ)
実際に頼むときの目安をまとめておきます。まず人数ですが、薫製はどんぶりメニューがあれば1人前から、それ以外の薫製メニューと焼きは基本2〜3人前から、鍋は1羽・1鍋単位で2人前からが現実的なラインです。ひとり旅なら薫製のどんぶりを軸に計画すると外しにくいはずです。
値段は、今回確認できた範囲では中サイズで42,000〜45,000ウォンあたりが一つの目安になります。感覚としては、シートマスクを1パック買うくらいの出費で、2人分の鴨料理がひと皿食べられるイメージです。辛さは、焼きが一番はっきりした辛さがあり、薫製と鍋はほぼ辛さを感じない作りになっています。同行者に辛いものが苦手な人がいる日は、薫製か鍋を軸にするのが安全です。
| 店名 | エリア | 系統 | 目安価格 | 営業時間 |
|---|---|---|---|---|
| 병천유황오리 | 鍾路・光化門 | 薫製 | 10,000〜59,000ウォン | 10:00〜22:00 |
| 미나리밭오리사냥 江南駅店 | 江南 | 焼き | 42,000〜65,000ウォン | 11:30〜22:00 |
| 영미오리탕 君子店 | 広津区・君子 | 鍋 | 約53,000ウォン | 11:00〜21:30(月休) |
| 참오리전문점 | 銅雀区・二水 | 鍋 | 要確認 | 情報源により差あり |
予約については、江南駅店のように予約システムに対応している店もあれば、電話予約が基本の店もあります。週末の夜や連休は満席になりやすいので、韓国の飲食店予約のコツを先に押さえておくと当日慌てません。詳しくは韓国の飲食店予約のコツで紹介しています。
よくある質問
まとめ
韓国の鴨料理は、焼肉やサムギョプサル以外の選択肢を探している人にちょうどいいジャンルです。系統ごとの違いをもう一度整理すると次のとおりです。
- 薫製(훈제오리): 脂控えめ・辛くない・どんぶりなら1人前もあり。鍾路・光化門の병천유황오리で確認
- 焼き(오리주물럭): 甘辛い炭火焼き・基本2〜3人前から。江南駅の미나리밭오리사냥で確認
- 鍋(오리백숙・오리탕): 韓方だしで辛くない・1羽単位が基本。君子の영미오리탕、二水の참오리전문점で確認
- 営業時間・定休日は変わることがあるため、訪問前に必ず電話か地図アプリで確認する
正直、鴨料理は日本人観光客にとってまだ開拓の余地があるジャンルです。今回紹介した4軒はいずれも系統がはっきりしているので、まずは自分の気分や同行者の好みに合わせて、薫製・焼き・鍋のどれから試すかを決めるところから始めてみてください。宿泊エリアと店の立地を先に照らし合わせておくと、当日の移動もぐっと楽になるはずです。
参考・出典
- 병천유황오리(ダイニングコード掲載情報): https://www.diningcode.com/profile.php?rid=xSIbvxMV3utS
- 미나리밭오리사냥 江南駅店(ダイニングコード掲載情報): https://www.diningcode.com/profile.php?rid=AqVrU8QCAFi7
- 영미오리탕 君子店(食神・ナムウィキ掲載情報): https://www.siksinhot.com/P/633197
- 참오리전문점(食神・ダイニングコード掲載情報): https://www.siksinhot.com/P/382776

