ソウル地下鉄はいくら?基本運賃・距離加算・乗り換え条件

ソウルの地下鉄改札でスマホの交通カードアプリをタッチする女性旅行者のイラスト

初めてのソウル旅行で、改札の前でいくら引かれるのか分からないまま交通カードをタッチした経験、ありませんか。日本のSuicaのように「初乗り運賃はだいたいこのくらい」という感覚がまだ無いと、残高がどんどん減っていく理由も分からず不安になるものです。ソウルの地下鉄は距離が延びるほど運賃が上がる「距離比例制」で、しかも交通カード払いと1回券(1回用交通카드)では金額そのものが違います。

結論から

ソウル首都圏地下鉄の基本運賃は、交通カード払いで大人1,550원(10kmまで)です。1回用交通カードで買うと100원高い1,650원になります。10kmを超えると5kmごとに100원ずつ加算され、50kmを超えると8kmごとに100원という緩やかな加算に切り替わります。乗り換え無料は「下車後30分以内(21時〜翌7時は60分以内)・最大4回まで」が条件で、地下鉄とバスの乗り継ぎも対象です。この運賃は2023年10月と2025年6月の2段階の引き上げを経て今の金額になっており、2026年8月24日確認の時点で次回改定の公式発表はまだ出ていません。以下、しくみと落とし穴を順番に整理していきます。

目次

結論:交通カードと1回券、いくら違うのか

まず一番知りたい数字から。교통카드(交通カード)払いの基本運賃は、大人1,550원・青少年900원・子ども550원(いずれも10kmまでの区間、2026年8月24日確認)。これは先払い・後払いの交通カードで乗車した場合の金額で、ソウル市の公式案内では「交通カード利用時は基本運賃から20%割引が適用される」という建て付けになっています。

一方、駅の券売機で現金を入れて買う1回用交通カードは、大人1,650원・青少年1,650円(割引なし)・子ども550원と、大人と青少年の金額が交通カード払いより高くなります。青少年だけ割引なしで大人と同額になる点は見落としがちなので、あとの見出しで詳しく触れます。

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ソウルイン編集部編集部の整理では、100원の差はコンビニのお菓子1つ分にも満たない金額です。でも1日に何度も乗るなら話は別。交通カード派のほうが確実にお得になるので、旅行前にT-moneyやWOWPASSを1枚用意しておく価値は十分あります。

この1,550원という金額は、2023年10月7日に1,250원から1,400원へ、2025年6月28日に1,400원から1,550원へと、2段階に分けて引き上げられた結果です。もともとは300원を一括で上げる計画でしたが、家計負担への配慮から2回に分割された経緯があります。2026年8月24日確認の時点で、ソウル市・ソウル交通公社から次回改定の正式な発表は見つかっていません。運賃はこれからも変わりうる前提で、旅行直前には公式サイトでの再確認をおすすめします。


距離加算のしくみ:何kmごとにいくら増えるか

ソウルの地下鉄運賃は、乗った距離が長くなるほど段階的に上がる仕組みです。整理すると次の3段階になります。まず10kmまでは基本運賃のみ。次に10kmを超えた分は5kmごとに100원ずつ加算(青少年80원・子ども50원)。そして50kmを超えた分は8kmごとに100원という、より緩やかな加算に切り替わります。長距離になるほど1kmあたりの負担が軽くなる仕組みだと考えると分かりやすいはずです。

ソウル地下鉄の距離帯ごとに運賃がどう加算されていくかを整理した図

ここが誤解されやすいポイントですが、この加算式は거리비례제(距離比例制)と呼ばれ、ソウル市内を出て京畿道や仁川広域市に入っても、行政区分で運賃体系が切り替わるわけではありません。首都圏電鉄エリア全体で同じ式が使われており、「市内運賃」「市外運賃」という別立ての料金表は存在しないのです。距離だけで淡々と決まる、というのがこの制度のいちばんの特徴です。

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ソウルイン編集部正直、「ソウル市を出たら運賃体系が変わるのでは」と身構えてしまいがちですが、そこは心配しなくて大丈夫です。ただし後述する新盆唐線やGTX-Aのように、路線そのものが別会計になっているケースは別です。距離加算とは別の話として覚えておいてください。

なお、ここでの加算はあくまで「首都圏統合運賃エリア内」を移動した場合の話です。次の見出しからは、この統合運賃の中でどう乗り換えれば追加運賃を払わずに済むのか、逆にどの路線が統合運賃の外側にあるのかを見ていきます。


乗り換え無料(환승할인)の条件

환승할인(ファンスンハリン=乗り換え割引)は、同じ交通カードで地下鉄やバスを乗り継いだときに、2回目以降の運賃を距離加算だけで済ませる制度です。完全無料というより「初乗り運賃を二重に払わなくて済む」仕組みと捉えるほうが正確かもしれません。条件は次の3つです。

  • 前の交通手段を降りてタッチしてから30分以内に、次の交通手段に乗ってタッチする
  • 21時〜翌7時は猶予が60分に延びる(深夜帯の移動に配慮した措置)
  • 最大4回の乗り換え(通算5回の乗車)まで適用される

対象は首都圏電鉄全体に加えて、ソウル市内バス・마을버스(村バス)、京畿道・仁川広域市の市内バス・村バス、そしてGTX-Aも含まれます。つまり地下鉄とバスの乗り継ぎも対象ということです。地下鉄からバスに乗り換えて目的地に向かう、というソウルではよくある移動パターンでも、この制度のおかげで運賃が二重にかかることはありません。

乗り換え無料が使えるのは交通カード払いのときだけです。1回用交通カード(現金で買う切符)には乗り換え無料の制度そのものが適用されません。乗り換えを何度もする予定がある人ほど、交通カードを用意しておく意味が大きくなります。


時間帯で運賃は変わるのか

「深夜料金」や「早朝割引」のような、時間帯によって運賃そのものが変わる制度はあるのでしょうか。調べたところ、ソウルの地下鉄に深夜の割増運賃という制度は見当たりませんでした。一方で、時間帯によって差が出る制度は2つあります。

1つ目は조조할인(チョジョハリン=早朝割引)です。始発から午前6時30分までに交通カードで乗車すると、運賃が20%割引になります。2015年にソウル市が全国で初めて導入した制度で、朝の通勤ラッシュを分散させる狙いがあります。適用されるのは交通カード払いのときだけで、1回券には適用されません。

2つ目は、先ほど触れた乗り換え猶予の延長です。通常30分以内の乗り換えが、21時〜翌7時は60分以内まで許容されます。深夜に食事や買い物のあと帰路につくとき、次の乗り物までに少し時間がかかっても、乗り換え割引が切れにくくなっているというのはうれしいポイントです。

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ソウルイン編集部早朝割引は地味ですが、早起きして観光地の開場と同時に動きたい派の人にはちょうどいい制度です。カフェのアイスコーヒー1杯分にも満たない割引額ではありますが、知らずに乗るより知って乗るほうが得した気分になれるはずです。

1回用交通카드(1회용 교통카드)の保証金のしくみ

交通カードを持っていない、または持ってくるのを忘れた場合は、駅の券売機で1回用交通카드を買うことになります。ここで戸惑いやすいのが보증금(ポジュングム=保証金)という仕組みです。運賃とは別に保証金500원を一緒に投入して発券する必要があります。

つまり10kmまでの区間なら、運賃1,650원+保証金500원=合計2,150원を投入することになります。この保証金は使い捨てではなく、カードを回収して再利用するための預かり金という位置づけです。

  1. 券売機で行き先の運賃と保証金500원を合わせて投入し、1回用交通카드を受け取る
  2. そのカードで乗車・下車する(通常の交通カードと同じようにタッチする)
  3. 下車後、駅構内に設置された「保証金払戻機」にカードを投入する
  4. 保証金500원が現金で返却される

払い戻しを忘れて持ち帰ってしまう人も多いようですが、後日でも払戻機に持ち込めば返してもらえます。ただし本人の不注意でカードを紛失・破損した場合は、保証金は戻ってきません。1回券は再利用可能なプラスチックカードなので、雑に扱わないよう気をつけておくと安心です。


子ども・青少年の運賃区分

子ども連れやティーンエイジャーとの旅行では、年齢区分と運賃の対応を先に知っておくと現地で慌てません。ソウルの制度では年齢を次のように区分しています。

区分 年齢の目安 交通カード運賃 1回券運賃
幼児 満5歳以下 保護者1名につき3名まで無料 同左
子ども 満6〜12歳 550원 550원(同額)
青少年 満13〜18歳(在学中は24歳まで対象になる場合あり) 900원 1,650원(割引なし)
大人 満19歳以上 1,550원 1,650원

ここで注意したいのが、青少年は1回券だと割引が適用されず、大人と同じ1,650원になるという点です。子ども連れの家族旅行で、ティーンの子だけ交通カードを持たせず1回券で済ませようとすると、思ったより高くつくことがあります。年齢区分は利用当日の満年齢で判定されるため、誕生日をまたぐタイミングの旅行では自分の年齢がどちらに該当するか一度確認しておくと安心です。

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ソウルイン編集部編集部の整理では、家族旅行なら子どもの人数分も含めて交通カードを用意しておくほうが、結局は乗り換え無料の恩恵も受けられて割安になりやすいはずです。1回券は「あくまで緊急用」くらいの位置づけで考えておくのが正解かもしれません。

AREX(仁川空港鉄道)は運賃体系が別

仁川国際空港とソウル市内を結ぶ공항철도(コンハンチョルド=空港鉄道、通称AREX)には、ここまで説明してきた首都圏統合運賃とは異なる注意点があります。AREXには「一般列車」と「直通列車」の2種類があり、運賃のかかり方がまったく違います。

各駅停車の一般列車は交通カードで乗車でき、統合運賃の仕組みがそのまま適用されます。公式運賃案内によると、ソウル駅〜仁川空港第2ターミナル間の合計運賃は交通カードで5,350원(区間例)。途中のソウル駅〜公덕間なら1,550원、ソウル駅〜金浦空港間なら1,750원というように、距離に応じて運賃が積み上がっていく点は他の路線と同じです。

一方の直通列車は、ソウル駅から仁川空港まで無停車で結ぶ列車で、統合運賃の対象外の完全に別建てとなる運賃体系です。一般列車より運賃は高くなりますが、その分所要時間が短縮されます。具体的な直通列車の金額は、AREX公式サイトで区間・時期ごとに確認するのが確実です。交通カードを持っていれば、直通列車を降りたあともソウル駅の専用ゲートを通ることで、他の交通手段への乗り換え制度の対象になる導線が用意されています。

空港からの移動時間を優先するか、運賃を抑えるかで選ぶ列車が変わります。荷物が多い・時間がタイトという人は直通列車、運賃を重視する人は一般列車、という選び方が現実的です。


新盆唐線・GTX-A・龍仁エバーライン:別料金がかかる路線

ソウル近郊には、統合運賃に加えて別途運賃が上乗せされる路線がいくつかあります。旅行者がつまずきやすいポイントなので、代表的な3路線をまとめておきます。

路線 別途運賃の有無 備考
新盆唐線(신분당선) あり 基本運賃に区間ごとの別途運賃700〜2,200원が上乗せ
GTX-A あり 平日は別途基本運賃1,650원+別途距離加算150원/5km、週末は300원引き。水西〜東灘の平日運賃は4,450원
龍仁エバーライン(용인경전철) 2025年6月28日に廃止 現在は他路線と同じ統合運賃(大人1,550원)に一本化

신분당선(シンブンダンソン=新盆唐線)は江南方面と京畿南部を結ぶ路線で、公式案内によると基本運賃に加えて区間ごとに700〜2,200원の別途運賃がかかります。GTX-Aはさらに別建てで、平日は別途基本運賃1,650원と別途距離加算150원/5kmが上乗せされる仕組みです。乗り換え自体はできますが、GTX-A区間の別途運賃は乗り換えても変わらず上乗せされたままになります。

一方で、以前は別途200원がかかっていた龍仁エバーラインは、2025年6月28日の改定で別途運賃そのものが廃止されました。今は他の路線とまったく同じ統合運賃で乗れます。この改編を知らないまま古い情報を信じていると、必要以上に身構えてしまうかもしれません。廃止された制度を「まだある」と思い込むより、「もう無くなった」と知っておくほうが、財布にも気持ちにも優しいはずです。


定期券・パスのほうが得になるのはどんな人か

ここまで運賃そのもののしくみを見てきましたが、「1日にたくさん乗るなら定期券やパスのほうが得なのでは」と思った人も多いはずです。結論から言うと、その判断は使う頻度と移動距離によって変わるため、この記事だけでは断定しません。

ソウルには気候同行카드(기후동행카드)や外国人観光客向けのDiscover Seoul Passなど、一定期間乗り放題になる制度がいくつか用意されています。何回乗れば元が取れるかという損益分岐の計算は、それぞれの制度の価格や対象範囲によって変わるため、専用の記事で詳しく比較しています。

結局、交通カードとパス、どちらを買うべき?
短期の旅行で1日に数回しか乗らないなら交通カードの都度払いで十分なケースが多く、逆に1日に何度も地下鉄・バスを乗り継ぐ日があるならパスの検討価値が出てきます。具体的な損益分岐の考え方は気候同行カードの記事にまとめているので、そちらを確認してみてください。

T-moneyとCashbee、どちらのカードを選べばいいか迷っている人はT-moneyとCashbeeの違いを比較した記事も参考になるはずです。旅の終わりにカードの残高が余ったときは、残高の払い戻し方法をまとめた記事で手順を確認しておくと安心です。


よくある質問

1回券と交通カード、結局どちらが安いですか?
同じ距離を乗るなら交通カードのほうが確実に安くなります。大人は100원、青少年は750원の差が出るうえ、交通カードでないと乗り換え無料も早朝割引も適用されません。旅行中に何度か乗る予定があるなら、交通カードを1枚用意しておくほうが結果的に安上がりです。
地下鉄からバスに乗り換えても、また初乗り運賃を払うのですか?
交通カードで下車後30分以内(深夜は60分以内)に乗車タッチすれば、乗り換え無料の対象になります。初乗り運賃を二重に払う必要はなく、距離加算分だけが追加される仕組みです。ただし1回券にはこの制度は適用されません。
仁川空港からソウル駅まで、地下鉄でいくらかかりますか?
各駅停車の一般列車を交通カードで利用した場合、公式運賃案内ではソウル駅〜仁川空港第2ターミナル間で合計5,350원(2026年8月24日確認)です。無停車の直通列車を使う場合は別建ての運賃体系になり、金額はAREX公式サイトで区間・時期ごとに確認するのが確実です。
龍仁エバーラインにはまだ別料金がかかりますか?
かかりません。以前は別途200원が上乗せされていましたが、2025年6月28日の改定で廃止され、現在は他の路線と同じ統合運賃で乗車できます。古い情報サイトでは今も別料金ありと書かれていることがあるので注意してください。

まとめ

  • 基本運賃は交通カード払いで大人1,550원(10kmまで)、1回券だと1,650원
  • 10km超は5kmごとに100원、50km超は8kmごとに100원加算。市内・市外で体系は変わらない
  • 乗り換え無料は「下車後30分以内(深夜60分)・最大4回まで」、地下鉄⇔バスも対象
  • 早朝割引(始発〜6時30分・交通カード限定)はあるが、深夜の割増運賃は無い
  • 1回券には保証金500원が別途必要。下車後、払戻機に投入すれば戻ってくる
  • 青少年は交通カードなら900원だが、1回券だと割引なしの1,650원になる点に注意
  • AREX直通列車・新盆唐線・GTX-Aは統合運賃の外側にある別料金路線。龍仁エバーラインの別途運賃は2025年6月28日に廃止済み

数字だけ見ると複雑に感じますが、基本は「10kmまでは定額、それ以降は距離に応じて少しずつ増える」というシンプルな考え方です。交通カードを1枚持っておくだけで、乗り換え無料も早朝割引も自動的に適用されるので、まずはそこから準備を始めてみてください。地下鉄アプリでの経路・運賃の調べ方に不安がある人はソウルの地下鉄アプリ活用記事、バスとの組み合わせ方はソウルのバス案内記事もあわせて読んでおくと、当日の移動がぐっと楽になるはずです。旅行全体の予算感をつかみたい人は韓国旅行の予算まとめ記事も参考にしてください。

参考・出典

  • ソウル特別市公式「교통 요금 안내」 https://news.seoul.go.kr/traffic/traffic_price (2026年8月24日確認)
  • ソウル特別市公式「통합환승 할인제도」 https://news.seoul.go.kr/traffic/transfer_discount (2026年8月24日確認)
  • ソウル特別市公式「일회용 교통카드」案内 https://news.seoul.go.kr/traffic/archives/1763 (2026年8月24日確認)
  • 서울시 물가정보「지하철 요금」 https://sftc.seoul.go.kr/seoul/mulga/main/contents.do?menuNo=200021 (2026年8月24日確認)
  • AREX公式「一般列車 運賃案内」 https://www.airportrailroad.com/train/normal/fare (2026年8月24日確認)
  • 新盆唐線公式「運賃案内」 https://www.shinbundang.co.kr/dxline/dxline4_1.jsp (2026年8月24日確認)
  • GTX-A公式「運賃制度」 https://www.gtx-a.com/fareIF.do (2026年8月24日確認)
  • 龍仁エバーライン公式「旅客運送約款」 https://www.ever-line.co.kr/page/?M2_IDX=28981 (2026年8月24日確認)
  • ソウル市メディアハブ「서른살 고등학생、지하철 청소년 할인 받을 수 있을까?」 https://mediahub.seoul.go.kr/archives/1215402 (2026年8月24日確認)
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