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「ソウルのカフェ通りって聖水洞(ソンスドン)でいいの? 延南洞(ヨンナムドン)とは何が違うの?」——SNSで見かける“映えカフェ”の投稿は多いのに、いざ自分で計画すると、どのエリアに行けば自分の好みに合うのか意外とわかりにくいですよね。同じ「カフェ通り」でも、工場跡地の無骨な空間もあれば、韓屋を改装した趣のある路地もあり、目的が違えば選ぶべき街も変わってきます。
ソウルの「カフェ通り」と呼ばれる場所は1つではなく、性格の違う8〜9エリアが並立しています。工場跡地からポップアップの聖地に変わった聖水洞、弘大の延長として観光客が集まる延南洞とその隣の静かな延禧洞(ヨニドン)、韓屋を改装した路地の益善洞(イクソンドン)、伝統とギャラリーの北村・三清洞(プクチョン・サムチョンドン)、再開発で街の姿が変わりつつある望遠洞・望里団街(マンリダンギル)、工具街に個性派カフェが混ざる乙支路(ウルチロ)、ファッションと美食の漢南洞(ハンナムドン)、ショッピングと一体化した新沙洞・カロスキル。この記事では、公式サイトや公的な報道で確認できた最寄り駅・出口・街の性格だけを整理し、確認できなかったことははっきりそう書きます。
まず結論——「店名」でなく「エリアの性格」で選ぶという発想
ソウルのカフェ通りを選ぶときにありがちな失敗は、SNSで見た1軒のカフェだけを目的地にしてしまうことです。個店は移転も改装も多く、記事執筆時点の情報が訪問時にはもう変わっていることも珍しくありません。そこでこの記事では、エリアそのものの性格で選ぶ方法を提案します。街の成り立ちが変わらない限り、雰囲気の傾向は比較的長く続くからです。
比較の軸は5つです。최인접역(最寄り駅)と出口、街の性格(何目的の人が来るか)、混みやすい時間帯、滞在の目安、そして隣接エリアとの組み合わせ方。この5つを押さえておけば、当日「思っていたのと違った」という食い違いをかなり減らせるはずです。
聖水洞(ソンスドン)——工場跡地からポップアップの聖地へ
聖水洞はもともと靴工房や自動車整備工場、印刷工場が集まる工業地帯でした。それが感性的なカフェ街に生まれ変わり、「ソウルのブルックリン」「イーストロンドン」と呼ばれるようになったのが、いまの聖水洞のベースです。倉庫や工場をそのまま改装した無骨な空間に、コーヒーとアートが同居しているのがこのエリアの持ち味です。
ただし2026年のいまは、単なるカフェ街の枠を超えつつあります。公表情報によると、2026年4月だけで100件を超えるポップアップストアが開かれ、ディオール・シャネル・エルメス・ルイヴィトンといったラグジュアリーブランドも進出。「ポップアップストアの聖地」と呼ばれる街に変化しています。カフェ目当てで訪れても、気づけばブランドの期間限定イベントに足を止めている、ということが起きやすいエリアです。
代表的なランドマークの一つが、米倉庫・製鉄所を改装したギャラリーカフェ대림창고(大林倉庫)で、地下鉄2号線성수역(聖水駅)3番出口から徒歩数分の距離にあると案内されています。倉庫を改装した高い天井と赤レンガが特徴で、こうした「工業系リノベーション建築」がこのエリア全体の共通言語になっています。詳しい歩き方は聖水洞カフェ街の記事で別にまとめているので、あわせて確認してみてください。
混みやすいのは週末の午後で、ポップアップの開催中はさらに人が増える傾向があります。滞在の目安は半日程度。地下鉄でひと駅の서울숲(ソウルの森)と組み合わせて、公園歩きとセットで回る人も多いエリアです。
延南洞(ヨンナムドン)と延禧洞(ヨニドン)——弘大の延長と、その隣の静かな路地
延南洞は空港鉄道홍대입구역(弘大入口駅)3番出口が最寄りで、동교로(東橋路)を中心に上下へ広がる路地にカフェ・飲食店・工房が密集しています。象徴的な存在が、旧京義線の廃線跡を公園にした연트럴파크(延トラルパーク)で、遊歩道と芝生の緑地がエリア全体の雰囲気を作っています。作家の工房が40軒以上あるとされ、「第2の弘大」と呼ばれるほど若者と観光客でにぎわう街です。
弘大からそのまま歩いて流れ込める立地なので、初めてソウルでカフェ巡りをする人には一番選びやすいエリアだといえます。詳しい歩き方は弘大エリアのカフェガイドにまとめているので、延南洞と合わせて読んでおくと動きやすいはずです。
一方、延南洞のすぐ隣にある延禧洞は、まったく違う顔を見せます。もともと閑静な住宅街で、家庭料理店が中心のエリアでしたが、近年は飲食店がカフェへ改装される形で少しずつカフェが増えているとされています。赤レンガの住宅が並ぶ路地に個人経営のカフェが点在し、延南洞に比べると人通りは少なめ。「隠れ家を見つける楽しさ」がこのエリアの持ち味です。
延禧洞について、最寄り駅・出口・徒歩分数を示す公的な一次情報は今回の調査では確認できませんでした。バス利用が一般的とされているため、延南洞や弘大からタクシーやバスで向かうのが現実的です。訪問前に公式の地図アプリで経路を確認してください。
延南洞と延禧洞は道1本を挟んで隣接しているため、延南洞でにぎやかな一杯を飲んだあと、延禧洞の路地で静かな一杯を飲む、という組み合わせ方が向いています。混みやすいのは延南洞が週末午後、延禧洞は比較的いつでも落ち着いている印象です。滞在の目安は両エリア合わせて半日程度です。
益善洞(イクソンドン)——韓屋を改装したカフェ路地
益善洞は都心のど真ん中に残る韓屋(ハノク)密集地です。公表情報によると、2004年に整備区域として指定され再開発が進められていましたが、2014年に組合設立委員会が解散して頓挫。2018年1月にソウル市が再開発計画そのものを撤回し、既存の韓屋村を「韓屋密集地域」に指定して育成する方針へ転換したという経緯があります。
再開発が止まったことで、100年前後の歴史を持つ小さな韓屋がそのまま残り、それを改装したカフェやヴィンテージショップが次々と生まれました。細い路地に軒を連ねる低い瓦屋根の街並みは、他のカフェ通りには無い独特の情緒があります。ただし商業化が進んだ結果、賃料が上がり原住民の流出(ジェントリフィケーション)が指摘されているとの報道もあります。いま見ている風景も、いずれまた変わっていく可能性があるという前提で歩くのがよさそうです。
最寄りは地下鉄종로3가역(鍾路3街駅)で、仁寺洞(インサドン)とも近い立地です。骨董品や伝統工芸を見たい日は仁寺洞と、モダンな路地カフェを楽しみたい日は益善洞単体で、というふうに気分で組み合わせを変えられます。詳しい歩き方は益善洞韓屋カフェの記事で別にまとめています。
滞在の目安は1〜2時間ほど。韓屋の中に入るカフェは天井が低く座席数も少ないため、混雑時は入店に待ち時間が出ることも想定しておくと安心です。
北村・三清洞(プクチョン・サムチョンドン)——伝統とギャラリーが並ぶ観光の王道
北村・三清洞は、韓屋の街並みと景福宮(キョンボックン)、国立現代美術館をつなぐ通りにギャラリー・工房・カフェが並ぶエリアです。伝統的な韓屋と現代的な建物が同居し、「ソウルで最も歩きやすい道」の一つとして紹介されることもあります。골목길(路地)を1本入るごとに違う表情が現れるのが、このエリアの醍醐味です。
最寄りは地下鉄3号線안국역(安国駅)1番出口で、そこから徒歩約10分で三清洞路の入口に着きます。安国駅から三清洞路入口までは、シートマスクを1枚顔に乗せている間くらいの時間感覚だと考えると、距離のイメージがつかみやすいはずです。週末は恋人連れ・家族連れ・外国人観光客で混み合うとされ、写真スポットの前では順番待ちになる場面もあります。
景福宮・仁寺洞と地続きの立地なので、宮殿観光の合間に立ち寄る使い方が最も定番です。カフェ通り単体で1日を使うというより、観光の合間の休憩地点として組み込むのが向いています。詳しい歩き方や店の傾向は北村・三清洞カフェの記事にまとめています。
望遠洞・望里団街(マンリダンギル)——再開発で街の姿が変わりつつあるエリア
望里団街は「望遠+京理団街」を組み合わせた合成愛称で、2018年前後から個性的な飲食店・カフェが急速に増え、ソウルの人気スポットの一つになりました。地下鉄6号線망원역(望遠駅)2番出口を出て포은로(浦隠路)方向へ直進すると、約5分で通りの入口に着きます。坂のない平地なので、ベビーカーでの移動もしやすいと案内されています。徒歩5分は、コンビニでアイスコーヒーを1本買うくらいの時間感覚です。
🚨 2025年8月27日、ソウル市の候補地選定委員会が「望遠1区域」(望遠駅近くの低層住宅密集地、敷地面積78,695㎡)の新速統合企画(再開発)推進を決定したと報じられています。低層住宅約1,500戸が並ぶ場所に、マンション約1,800戸を建設する計画とされ、反対する住民・商人からは「望里団街に接する地域を除けば商圏そのものが消える」との懸念が出ています。実際にどこまで街が変わるかは今回の記事の時点では確定していません。訪問前に最新の状況を確認してください。
週末はこの通りを目当てに訪れる人と車で混み合い、駐車スペースの確保が難しいとされています。地下鉄・バスなど公共交通での移動が現実的です。滞在の目安は1〜2時間ほどで、隣接する망원시장(望遠市場)で食べ歩きをしてから望里団街へ流れる、という組み合わせがよく紹介されています。
乙支路(ウルチロ)——工具街に混ざるカフェ、ヒプジロのいま
乙支路は「힙지로(ヒプジロ)」の愛称で呼ばれるエリアです。古い金物店・工具商街・印刷所街の中に、最新感覚のカフェやバーが混在するというギャップが最大の特徴で、最寄りは地下鉄2・3号線을지로3가역(乙支路3街駅)。3番・4番・11番など複数の出口があり、目的地によって使う出口が変わります。
象徴的な再生事例が、청계상가(清渓商街)と대림상가(大林商街)を結ぶ空中歩道で、「乙支路ルーフトップ」としてカフェ・バー・飲食店が入る空間に生まれ変わりました。屋上から見下ろす景色と、下の階の工具街の喧騒とのギャップは、このエリアでしか味わえない体験です。屋上カフェの回り方はソウルの屋上カフェまとめでも紹介しているので、あわせて参考にしてください。
ただし、公表されている記事の中には「ヒプジロブームが過ぎたあと、根を下ろした店だけが残っている」という趣旨の指摘もあります。数年前のような爆発的な話題性はやや落ち着き、地に足のついた店が中心になってきている段階のようです。エリア全体の歩き方は乙支路エリアガイドにまとめています。
混みやすいのは金曜・土曜の夜。滞在の目安は2〜3時間ほどで、夕方から夜にかけて訪れる人が多いエリアです。
漢南洞(ハンナムドン)——梨泰院隣接のファッション×グルメ
漢南洞は龍山区・梨泰院(イテウォン)に近く、地下鉄6号線한강진역(漢江鎮駅)で降りて徒歩約10分ほど歩くと、カフェが増えてくるエリアです。ファッションと美食の新しい中心地として語られることが多く、스페셜티커피(スペシャルティコーヒー)の新しい波が来ているという記述も見つかりました。
他のカフェ通りと比べると、単価がやや高めの落ち着いた店が多い印象があり、梨泰院の国際色豊かな雰囲気とも自然につながっています。ギャラリーや美術館が近くにあることも多く、アート鑑賞のついでに立ち寄るという使い方もしやすいエリアです。
混みやすいのは週末の夕方以降。滞在の目安は1〜2時間ほどで、梨泰院と組み合わせて半日〜1日で回るのが定番の使い方です。
新沙・カロスキル——ショッピングと一体化したカフェ街
新沙洞カロスキルは地下鉄3号線신사역(新沙駅)8番出口に近く、南北に約700m、2車線道路で歩道幅は約5mほどの通りです。カロスキルの西側には平行して세로수길(セロスキル)があり、こちらにはジェントルモンスター・タンバリンズ・COSといったグローバルなファッション・ビューティーブランドが並びます。2020年代にはオールバーズ・アダーエラー・バイレードといった新興ブランドも加わったとされています。
他のエリアと違い、カフェそのものよりショッピングが主目的になりやすいのがこのエリアの特徴です。おしゃれな店構えのカフェは多いものの、通りを歩く人の多くは服や雑貨を目当てにしている印象があります。ショッピング中心の回り方はカロスキル・ショッピングガイドで詳しく紹介しています。
混みやすいのは週末の昼から夕方。滞在の目安は半日程度で、狎鴎亭(アックジョン)ロデオ通りとセットで回る人も多いエリアです。
カフェめぐりの1日をどう組むか
ここまで紹介したエリアはそれぞれ徒歩圏が広く、1日で複数エリアを欲張って回ろうとすると移動だけで疲れてしまいます。おすすめは、「メインのエリアを1つ決めて、隣接エリアを軽く足す」という組み方です。延南洞と延禧洞、望遠洞と望里団街のように、そもそも隣接しているエリア同士は自然に1セットとして回れます。
カフェは予約が要らないぶん、先に時間の決まっている展望台や体験を押さえてから、その前後にカフェを挟むと1日が組みやすくなります。ソウル市内の観光スポットや体験をまとめて比較したいときはKlookのソウル観光ページで予約枠が空いているかどうかを先にチェックしておくと、当日カフェ通りを歩く時間の見積もりも立てやすくなります。

下の表は、この記事で紹介した中でも性格の違いがはっきりしている6エリアを、向いている人のタイプで整理したものです。当日の気分や同行者に合わせて、メインのエリアを選ぶ参考にしてください。
よくある質問
まとめ
- ソウルの「カフェ通り」は1つではなく、性格の違う8〜9エリアが並立している
- 聖水洞は工場跡地からポップアップの聖地へ変化中。延南洞は弘大の延長で入門編、隣の延禧洞は静かな路地
- 益善洞は韓屋を改装した路地。2018年に再開発が撤回され、いまの街並みが保たれている
- 望里団街は2025年8月27日に再開発(新速統合企画)の推進が決定。訪問前に最新状況の確認が必須
- 乙支路は工具街とヒプジロが同居する街。北村・三清洞は伝統とギャラリー、漢南洞はファッションと美食、新沙・カロスキルはショッピング中心
- 1日で回るなら、隣接エリアを1セットにして、時間の決まった体験を先に押さえてからカフェ通りを歩くと組みやすい
ソウルのカフェ通りは、どの街も「なぜそこにカフェが集まったのか」という背景が違います。工場跡地なのか、韓屋の保存地区なのか、再開発の途上なのか——その成り立ちを知っておくと、同じ1杯のコーヒーでも見える景色が変わってくるはずです。この記事で「確認できなかった」と書いた項目も、時期によっては公式の案内が新しく出ている可能性があります。訪問前には各エリアの最新情報もあわせて確認してみてください。
参考・出典
- 이번여행 성수동 카페거리 紹介記事 https://www.ibtravel.co.kr/issue/23572/ (聖水洞の成り立ちを確認、2026年8月28日確認)
- 대림창고 プロフィールページ(다이닝코드) https://www.diningcode.com/profile.php?rid=TpMlBoL70Tge (聖水駅3番出口からの位置関係を確認、2026年8月28日確認)
- 서울시 미디어허브「새로 뜨는 연트럴파크를 아시나요?」 https://mediahub.seoul.go.kr/archives/1001450 (延南洞の位置・最寄り駅・街の性格を確認、2026年8月28日確認)
- 더스쿠프「종로 익선동 한옥마을서 한옥이 사라지는 역설적 이유」 https://www.thescoop.co.kr/news/articleView.html?idxno=305816 (益善洞の再開発撤回の経緯を確認、2026年8月28日確認)
- 한국일보「서울 망리단길 상권 사라지나…망원동 신속기획 재개발 27일 결정」 https://www.hankookilbo.com/News/Read/A2025082415400001954 (望遠1区域の再開発決定を確認、2026年8月28日確認)
- komoot 望里団街 紹介記事 https://www.komoot.com/ko-kr/highlight/6802158 (望遠駅2番出口からの徒歩ルートを確認、2026年8月28日確認)
- 을지로3가역 관련記事(나무위키含む検索結果) https://namu.wiki/w/을지로3가역 (乙支路3街駅の出口情報を確認、2026年8月28日確認)
- 에스콰이어 코리아「힙지로 열풍이 지나간 이후 을지로에 터를 잡은 6곳의 가게」 https://www.esquirekorea.co.kr/article/1862443 (乙支路のブーム後の状況を確認、2026年8月28日確認)
- 가로수길 関連情報(나무위키含む検索結果) https://namu.wiki/w/가로수길 (新沙駅8番出口・カロスキルの距離感を確認、2026年8月28日確認)
- 아는동네 큐레이션「커피 향이 머무는 연희동 골목을 걷다」 https://www.iknowhere.co.kr/curation/post/147 (延禧洞の街の性格を確認、2026年8月28日確認)
- Klook ソウル観光ページ https://www.klook.com/ja/city/13-seoul-things-to-do/ (観光体験の予約枠を確認、2026年8月28日確認)

