ソウルでマッコリはどこで飲む?益善洞・乙支路の専門バー

益善洞の韓屋バーの店先でマッコリの器とチヂミが置かれた夜の情景

「マッコリって甘くてゆるい飲み物」というイメージだけで止まっていませんか。実は専門バーに行くと、器も味も香りもまったく違うマッコリに出会えて、コンビニの一本と居酒屋の生ビールの中間にあるような、独特の世界が広がっています。とはいえ益善洞や乙支路には似たような外観の店が並んでいて、どこが今も営業しているのか、何を基準に選べばいいのか迷う人も多いはず。この記事では、実在する醸造所の代表銘柄と、公式サイトや公式SNSで営業継続を確認できたソウル市内の専門バーを、確認できなかった店とはっきり分けて整理しました。

結論から

マッコリには、酵母が生きたままの생막걸리(センマッコリ・生マッコリ)と、加熱処理をした살균막걸리(サルギュンマッコリ・殺菌マッコリ)があり、生マッコリは要冷蔵で賞味期限が短いため日本への持ち帰りには向きません。ソウル市内では益善洞の익선반주、乙支路の기원22、弘大の산울림1992、西村の서촌곳간など、公式Instagramで直近の投稿を確認でき営業継続が分かった専門バーがあります。国が運営する無料試飲施設「전통주갤러리(伝統酒ギャラリー)」も、鍾路区で今も営業を継続していることを確認できました。20歳未満の飲酒や飲酒運転は法律で禁止されているので、その点だけは事前に押さえておきましょう。


目次

生マッコリと殺菌マッコリ、まず知っておきたい違い

マッコリを選ぶときに一番迷いやすいのが、생(センまたはセン、生)マッコリと살균(サルギュン、殺菌)マッコリの違いです。生マッコリは酵母や乳酸菌が生きたまま瓶詰めされているタイプで、微炭酸のような爽やかな口当たりと、日を追うごとに味が変化していく面白さが特徴とされています。一方の殺菌マッコリは、出荷前に加熱処理をして微生物の働きを止めているため、風味の変化は少ないものの、常温で半年から1年程度保存できるという利点があります。

この違いは賞味期限にはっきり表れます。韓国食品医薬品安全処が2024年1月に公開した参考値では、生マッコリの消費期限は保管条件によって最大でも数十日から160日程度とされ、実際の商品表示では10日前後から2〜3ヶ月程度に設定されている製品も多いとされています。対して殺菌マッコリは半年から1年ほど日持ちします。つまり、韓国で飲んで「おいしかったから買って帰りたい」と思っても、生マッコリだと日本に着く頃には風味が変わっていたり、そもそも要冷蔵のため長距離の持ち帰りに向かなかったりするということです。

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ソウルイン編集部編集部の整理では、現地でしか味わえない生マッコリの体験と、日本に持ち帰りやすい殺菌マッコリの土産は、最初から目的を分けて考えたほうが失敗が少ないと思います。専門バーではまず生の一杯を試して、お土産は殺菌タイプの瓶を選ぶ、という使い分けが現実的かもしれません。
日本へ持ち帰りたいかどうかで、選ぶべきマッコリのタイプが変わることを示した図

実在する代表醸造所と銘柄——지평・서울장수・느린마을・복순도가

専門バーのメニューを見て「これはどんな蔵の酒?」と迷わないために、代表的な醸造所を押さえておくと安心です。지평주조(チピョンジュジョ)は京畿道楊平郡地平面にある醸造所で、公式サイトが現在も稼働していることを確認できました。代表銘柄は「지평막걸리(チピョン生マッコリ)」で、同社は1925年創業をうたっています。서울장수(ソウルジャンス)はソウル탁주제조協会傘下の法人で、公式サイトが稼働中。代表銘柄「장수 생막걸리(チャンス生マッコリ)」は容量750ml・アルコール度数6%で、ソウル51の醸造場が合同で設立した歴史をうたっています。

배상면주가(ペサンミョンジュガ)の公式サイトも稼働中で、代表銘柄は「느린마을(ヌリンマウル)マッコリ」。同社が展開する直営パブブランド「느린마을양조장(ヌリンマウル醸造場)」は公式の店舗検索ページを持ち、2026年8月26日確認時点でソウル市内の江南区・東大門区・江西区など複数店舗が掲載されていました。복순도가(ポクスンドガ)は蔚山広域市の醸造所で、公式サイトには「Pure. Non-pasteurized. Hand-brewed(純粋・非殺菌・手仕込み)」と明記されており、代表製品の「손막걸리(手作りマッコリ)」は生マッコリ系にあたります。定期購読サービスや醸造体験クラスも提供しているようです。


益善洞・乙支路で確認できた専門バー

韓屋が並ぶ익선동(イクソンドン・益善洞)には伝統酒を扱うバーが点在していますが、入れ替わりも早いエリアです。今回、公式Instagramの直近投稿(2026年8月上旬)から営業継続を確認できたのが익선반주(イクソンバンジュ)です。所在地は서울 종로구 돈화문로11다길 31で、アルコール度数5.5%表記の탁주(濁酒)などを扱っていることが投稿から確認できました。

同じ益善洞で名前が挙がる「하구(ハグ)」は、公式Instagramで「8月9日土曜日まで営業します。長い間の愛情に感謝します」という趣旨の投稿が確認でき、2026年8月9日をもって営業を終えたとみられます。営業中として紹介している二次サイトが今も残っている可能性があるため、目当ての店が益善洞にある場合は、訪問直前に公式SNSで再確認することを強くおすすめします。

익선반주(NAVER地図で見る): 익선반주をNAVER地図で開く

乙支路では기원22(ギウォン22)を確認できました。所在地は서울 중구 을지로3길 22の2階で、公式Instagram(フォロワー1,340人以上)のプロフィールには「을지로 오센틱바。Mon-Sun 18:30-01:40。Korean traditional liquor」と明記されています。伝統酒をベースにしたカクテルとマッコリの両方を扱う、乙支路らしい落ち着いた一軒です。乙支路エリア全体の歩き方もあわせて確認しておくと、はしご酒の計画が立てやすくなります。

기원22(NAVER地図で見る): 기원22をNAVER地図で開く


弘大・西村で確認できた専門バー

弘大エリアの산울림1992(サヌルリム1992)は、数百種の伝統酒を扱う店として複数の紹介記事で取り上げられている一軒です。Googleビジネスプロフィール上の所在地は서울 마포구 서강로9길 60(1階)。公式Instagramの2026年8月中旬の投稿では「毎日11:20〜翌4:00」という営業時間の案内が確認できましたが、別の時期の投稿では「火〜日17:00〜01:00、月曜定休」という異なる案内も見られたため、営業時間は時期によって変わっている可能性があります。訪問前に最新の投稿で再確認するのが安心です。

산울림1992(NAVER地図で見る): 산울림1992をNAVER地図で開く

もう一つの選択肢が、弘大入口駅3番出口・경의선숲길の入口付近にある느린마을양조장 연남点(ヌリンマウル醸造場 延南店)です。所在地は서울시 마포구 동교로 242-5の1階で、배상면주가の公式店舗検索ページに掲載されていることを確認しました。全国チェーンならではの安定した営業と、느린마을マッコリを店内で楽しめる気軽さが特徴です。西村では서촌곳간(ソチョンコッカン)を確認できました。所在地は서울 종로구 필운대로 6-1で、公式Instagram(フォロワー1,370人以上)のプロフィールに「韓国の様々な伝統酒と韓食フュージョン料理を提供。営業時間16時〜1時。予約不可・現地訪問のみ」と明記されています。

서촌곳간(NAVER地図で見る): 서촌곳간をNAVER地図で開く

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ソウルイン編集部正直、益善洞や乙支路のような写真映えするエリアは移り変わりが早く、半年前の情報がもう古いということも珍しくありません。編集部の整理では、店名をSNSで検索して直近の投稿があるかを確認するひと手間が、結局いちばん確実だと感じます。

公的な無料試飲施設「전통주갤러리」

전통주갤러리(チョントンジュギャルロリ・伝統酒ギャラリー)は、韓国の農林畜産食品部と韓国農水産食品流通公社(aT)が共同で運営する伝統酒の広報・体験施設です。現在の主な所在地は서울특별시 종로구 북촌로 18で、安国駅2番出口から徒歩約2分ほど。営業時間は10:00〜19:00、月曜定休であることを、公式カカオチャンネルと韓国観光公社の公式サイトの両方で確認しました。2026年に入ってからも公式Instagramで休館案内の投稿が続いており、継続して運営されていることが分かります。政府系の広報記事によれば、2026年には두타몰内に2号店もオープンしたとのことです。

無料の試飲イベントは1日3回(13時・15時・17時)実施されると紹介されており、予約はメールで受け付けているとされています。ただし予約枠や実施内容は変動する可能性があるため、確実に参加したい場合は訪問前に公式の窓口で確認するのが安心です。専門バーで気に入った味の系統が分からなくなったときに、比較しながらもう一度飲み直せる場所として、旅程の合間に立ち寄る価値はありそうです。

전통주갤러리(NAVER地図で見る): 전통주갤러리をNAVER地図で開く


定番のつまみと、雨の日にパジョンを食べる理由

マッコリの店でよく見かける定番の안주(アンジュ・つまみ)といえば、파전(パジョン・ねぎのチヂミ)김치전(キムチジョン・キムチのチヂミ)도토리묵(トトリムク・どんぐりの寒天状の料理)두부김치(トゥブキムチ・豆腐とキムチの炒め)あたりが代表格です。特にパジョンは生地を薄く伸ばして焼くため、コーヒー1杯分ほどの手頃な価格で頼める店も多く、マッコリの合間に軽くつまむのにちょうどいいメニューとして親しまれています。

「雨の日はパジョンとマッコリが食べたくなる」という話は韓国のニュースでも繰り返し取り上げられています。よく紹介される理由は大きく2つで、ひとつはフライパンで生地を焼くジリジリという音が雨音に似ているという聴覚的な連想、もうひとつは農耕社会において雨で畑仕事ができない日に、家にある食材でチヂミを焼いてマッコリを飲む習慣があったとされる、という文化的な背景です。どちらも断定的な学説というより、長年語り継がれてきた説明として報じられているものです。旅行中に雨に降られてしまったら、無理に予定を詰め込まず、専門バーでパジョンとマッコリを試す時間に切り替えるのも一つの楽しみ方かもしれません。


注ぎ方の作法と、飲酒に関する注意

韓国の酒席でよく見られる作法として、目上の人からお酒を注いでもらうときはグラスを両手で持つ、または片手で持ちながらもう一方の手を胸元や注いでもらう腕に軽く添える、という所作が紹介されることが多いです。目上の人の前でお酒を飲むときは、体をやや横に向けて口元を隠すようにするしぐさもよく見られます。ただしこれは地域・世代・関係性によって幅があるマナーで、絶対的なルールというわけではありません。旅行中に韓国の友人や店員と飲む機会があれば、「よく見る作法」として意識しておく程度で十分でしょう。注文や会計のやりとりに不安がある人は食堂・飲み屋で使える注文フレーズ集を先に読んでおくと、店員との会話がスムーズになります。

韓国の法律では、満19歳未満(日本の年齢でいう20歳未満に近い基準)の飲酒は禁止されています。妊娠中・授乳期の飲酒は避けるべきとされており、体調や医学的な判断が必要な場合は医療機関に相談してください。飲酒運転は当然ながら法律で禁止されています。専門バーをはしごする予定なら、移動は公共交通機関やタクシーを使い、飲んだ後に運転する計画は立てないようにしましょう。


免税・持ち帰りの範囲——日本の税関のルール

気に入ったマッコリを日本に持ち帰りたい場合、まず押さえておきたいのが税関の免税範囲です。日本の税関公式サイトによると、酒類の免税範囲は1本760ml換算で3本までとされています。ウイスキーなどの蒸留酒も同じ枠に含まれ、20歳未満の場合は酒類・たばこは免税の対象になりません(保護者の使用と明らかに認められる場合を除く)。この範囲内であれば、瓶入りのマッコリを持ち帰ること自体は制度上可能です。

ただし、ここで思い出したいのが最初に整理した生マッコリと殺菌マッコリの違いです。生マッコリは要冷蔵で賞味期限が短いため、免税範囲に収まっていても、スーツケースに入れて長時間持ち運ぶ、あるいは荷物として預けるといった扱いには向きません。日本に持ち帰るお土産として選ぶなら、常温で半年から1年程度保存できる殺菌マッコリのほうが現実的です。日本国内で購入できるマッコリの通販・購入方法については、日本でマッコリを買う方法をまとめた記事で詳しく整理しているので、現地で気に入った銘柄が日本でも買えるかどうかは、そちらもあわせて確認してみてください。


よくある質問

生マッコリと殺菌マッコリ、どちらを飲めばいいですか?
現地で飲むなら、微炭酸感や日ごとの味の変化を楽しめる生マッコリがおすすめです。日本へのお土産として選ぶなら、常温で半年から1年程度保存できる殺菌マッコリのほうが持ち帰りやすいはずです。
益善洞や乙支路の専門バーは予約が必要ですか?
店によって対応が分かれます。今回確認した서촌곳간は公式Instagramで「予約不可・現地訪問のみ」と案内していました。ほかの店も予約制かどうかは訪問前に公式SNSや電話で確認するのが確実です。
전통주갤러리は誰でも入れますか?料金はかかりますか?
農林畜産食品部とaTが運営する広報施設で、見学自体は基本的に無料とされています。無料試飲イベントも1日数回実施されているとの案内がありますが、内容や予約方法は変動する可能性があるため、訪問前に公式の窓口で確認してください。
マッコリを飲んだ後、遅い時間に宿へ戻る手段はありますか?
地下鉄の終電を逃した場合は、深夜バスやタクシーが選択肢になります。夜遅くまで飲む予定があるなら、ソウルの深夜バス事情をまとめた記事を出発前に確認しておくと安心です。

まとめ

  • 生マッコリ(생막걸리)は酵母が生きたままで要冷蔵・賞味期限が短く、殺菌マッコリ(살균막걸리)は常温で半年〜1年程度保存できる
  • 지평주조・서울장수・배상면주가(느린마을)・복순도가は、いずれも公式サイトで実在と稼働を確認できた醸造所
  • 益善洞の익선반주、乙支路の기원22、弘大の산울림1992と느린마을양조장 연남点、西村の서촌곳간は、公式SNSや公式サイトで営業継続を確認できた
  • 同じ益善洞の「하구」は2026年8月9日ごろに営業終了を告知しており、今は紹介していない
  • 国営の無料試飲施設「전통주갤러리」は鍾路区北村路で営業を継続中(2026年8月26日確認)
  • 日本への酒類の持ち帰りは1本760ml換算で3本まで免税。ただし生マッコリは持ち帰りに不向きで、殺菌タイプが現実的
  • 20歳未満の飲酒・妊娠中授乳中の飲酒・飲酒運転はいずれも避けるべきこと

専門バーで飲み比べてから、お土産に殺菌マッコリを選ぶという流れにすれば、現地でしか味わえない体験と、帰国後も楽しめる余韻の両方を持ち帰れるはずです。一人でふらっと飲みに行きたい人はソウルで1人飲みを楽しむ記事、屋台で気軽に一杯やりたい気分のときは韓国式屋台(포차)の楽しみ方の記事もあわせて参考にしてください。益善洞の韓屋カフェ街を昼から歩いておきたい人は益善洞の韓屋カフェ特集も役立つはずです。

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ソウルイン編集部編集部の整理では、マッコリの専門バーは移り変わりが早いジャンルなので、この記事の情報も半年後には変わっている可能性があります。行く直前に店名でSNS検索をかける習慣をつけておくと、現地で「閉まっていた」というがっかりを避けやすいと思います。

参考・出典

  • 지평주조 公式サイト https://jpjujo.com (2026年8月26日確認)
  • 서울장수(서울탁주) 公式サイト http://www.koreawine.co.kr (2026年8月26日確認)
  • 배상면주가 公式サイト https://www.soolsool.co.kr、느린마을양조장 公式店舗検索 https://slowbrewpub.com (2026年8月26日確認)
  • 복순도가 公式サイト https://www.boksoondoga.com (2026年8月26日確認)
  • 연합뉴스「막걸리는 최대 160일…36개 식품 소비기한 참고값 공개」(2024/01/19) https://www.suldoc.com (2026年8月26日確認)
  • 동아일보「막걸리 5대 궁금증은?」(2010/06/02) https://www.donga.com (2026年8月26日確認)
  • 대한민국 정책브리핑「2호점 개장으로 체험과 판매를 결합한 전통주 복합문화공간 조성」(2026/07/09) https://www.korea.kr (2026年8月26日確認)
  • 한국관광공사 VISITKOREA(日本語版)伝統酒ギャラリー紹介ページ https://japanese.visitkorea.or.kr (2026年8月26日確認)
  • 한겨레「비오는 날 막걸리와 파전이 댕기는 이유는?」(2006/07/04) https://www.hani.co.kr (2026年8月26日確認)
  • 日本国 税関「入国者の免税範囲」 https://www.customs.go.jp/kaigairyoko/menzei.htm (2026年8月26日確認)
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