「慶州(キョンジュ)って遺跡が点々としてるから、車がないと厳しいんじゃないの」——新慶州(シンギョンジュ)駅に着いてから、そんな不安がよぎったことがある人は多いはずです。大陵苑(テヌンウォン)、瞻星台(チョムソンデ)、東宮(トングン)と月池(ウォルジ)、仏国寺(プルグクサ)、石窟庵(ソックラム)。地図で見ると確かにバラバラの場所に建っています。ただ、慶州は市内循環バスと公営自転車が整っている街でもあります。この記事では、運転しない旅行者が慶州の遺跡を回るとき、何番のバスをどこで使い、自転車をどう借りればいいのかを、公式情報を中心に整理しました。
慶州の主要な遺跡は、大きく2つの手段でカバーできます。市内循環バスの10번・11번(10番・11番)は、市内中心部と불국사(仏国寺)を時計回り・反時計回りで結んでいます。大陵苑・瞻星台・東宮と月池は旧市街に集まっているため徒歩圏内で回りやすく、距離があるぶん公営自転車타실라(タシルラ)を使うと移動が楽になります。石窟庵へは仏国寺からさらにシャトルバス12番に乗り換える形です。番号と料金、自転車の借り方を、時間帯や年齢制限などの注意点つきで見ていきます。
結論から——遺跡ごとに「バスか自転車か」を先に決める
慶州の遺跡は、実は2つのグループに分けて考えると迷いにくくなります。ひとつは旧市街に集中しているグループで、大陵苑・瞻星台・東宮と月池がここに入ります。もうひとつは市街地から離れた場所にあるグループで、仏国寺と石窟庵がこれにあたります。旧市街側は徒歩や自転車で十分に回れる距離感である一方、仏国寺・石窟庵は市内循環バスやシャトルバスに乗る前提で計画したほうが現実的です。
この記事は「市内に着いてから、遺跡をどう回るか」に絞って整理しています。ソウルや釜山から慶州までの行き方(新慶州駅までのKTXの所要時間・料金の目安や、釜山からのアクセス)は慶州は日帰りできるか整理した記事で扱っているので、まだ慶州までの行き方を決めていない人はそちらを先に読んでおくと計画が立てやすいはずです。この記事では、すでに慶州に着いた前提で、遺跡間の移動だけに焦点を当てます。
新慶州駅・ターミナルから市内へ——循環バス10番・11番
新慶州駅や慶州市外・高速バスターミナルから市内中心部・仏国寺へ向かう基本の足になるのが、市内循環バスの10番・11番です。確認できた情報では、この2路線は市内中心部と仏国寺を結ぶ循環ルートで、時計回りが10番、反時計回りが11番という関係になっています(2026年9月12日確認)。同じ区間を逆方向にぐるっと回る2つの路線、とイメージすると分かりやすいはずです。
市内側の起終点については、2024年に慶州市外ターミナルから황리단길(ファンリダンギル)公営駐車場に変更され、あわせて仏国寺方面の便に新羅(シルラ)小学校の停留所が加わったという情報がありますが、この変更点自体は今回、運行事業者・慶州市の一次資料で個別に確認しきれていません。乗り場を探すときは、案内表示の「황리단길(ファンリダンギル)」または「불국사(仏国寺)」方面という表記を目印にし、迷ったら現地の案内所やバス停の掲示で最終確認することをおすすめします。
10番・11番の平日の運行間隔(何分に1本来るか)は、情報源によって20分前後という情報と、40分前後まで延びたという情報の両方があり、今回の調査では一本化できませんでした。慶州市交通情報センター(경주시 교통정보센터、054-779-6845・6848)のリアルタイムバス情報サイトで、当日の実際の運行状況を確認してから動くほうが確実です。
大陵苑・瞻星台・東宮と月池——旧市街は徒歩圏内
大陵苑・瞻星台・東宮と月池は、いずれも慶州の旧市街エリアに集まっています。バスに乗るまでもなく、歩いて回れる距離に3つの遺跡が並んでいるという位置関係です。順番としては、大陵苑を歩いてから瞻星台へ抜け、そのまま東宮と月池方面へ進む、という流れで回っている旅行者が多いルートになります。
このエリアの魅力は、バスの時刻を気にせず、自分のペースで止まったり戻ったりできる点です。特に大陵苑周辺は古墳が連なる独特の景観になっていて、写真を撮りながらゆっくり歩きたくなる場所でもあります。天気がよければ、このゾーンはすべて徒歩でまかなうという選択肢も十分に成立します。
東宮と月池へは自転車が便利な理由
東宮と月池は、大陵苑・瞻星台からもう少し足を伸ばした場所にあります。徒歩でも回れる距離ではありますが、旧市街を一通り歩いたあとだと、体力的に自転車のほうが楽に感じる人も多いはずです。特に東宮と月池は夜のライトアップが見どころのひとつでもあり、昼に旧市街を歩いて疲れた状態で夜まで予定を詰めるなら、移動だけでも自転車に切り替えて体力を温存しておく考え方があります。
慶州は道が比較的平坦で、公営自転車のステーションも市内に点在しているため、遺跡めぐりと自転車の相性は悪くありません。次の見出しで、その公営自転車「タシルラ」の借り方と料金を具体的に見ていきます。
公営自転車タシルラの借り方と料金
慶州市の公営自転車は타실라(タシルラ)という名称で運営されています。利用の流れは、公式アプリをダウンロードして会員登録をし、利用券を購入したうえで、アプリ上で近くの貸出ステーションと利用可能な自転車を確認、自転車のロックにあるQRコードをスキャンして借りる、という手順です(2026年9月12日確認)。決済方法はカード決済と携帯電話の自動決済に対応しています。
利用できる時間帯は、貸出が7時から22時まで、返却は24時間いつでも可能という案内でした(2026年9月12日確認)。もうひとつ重要なのが年齢制限で、タシルラは満15歳以上でないと利用できません(2026年9月12日確認)。中学生以下の子どもを含む家族旅行の場合、子どもの分だけ自転車が借りられない可能性があるので、旧市街の移動を徒歩中心に組み替えるなど、事前に代替プランを考えておいたほうが安心です。
料金については、タシルラ公式サイトのトップページに基本貸出時間150分、超過料金は30分ごとに500ウォンと明記されています(2026年9月12日確認)。また、慶州市公式ウェブジンには1日券1,000ウォンという案内もありました(2026年9月12日確認)。ただし、定期券(1年30,000ウォン・6か月18,000ウォン・1か月5,000ウォン・1週間2,500ウォンという情報あり)の金額については、今回確認した公式ページの本文では確認できていません。外国人旅行者がパスポート等でそのまま会員登録できるかどうかの明記も見つかりませんでした。正確な料金と登録方法は、タシルラの公式アプリの購入画面、または顧客センター(054-775-1472)で確認してから利用してください。
仏国寺までのバス——10・11・711番の使い分け
仏国寺は旧市街からやや離れた場所にあるため、循環バスの10番・11番に乗るのが基本になります。これに加えて、2023年2月27日から新設された711番も仏国寺方面の選択肢です。確認できた情報では、711番は新慶州駅を起点に、統一殿(トンイルジョン)・仏国寺・旧仏国駅を経由する路線で、1日10回、7時07分から21時22分まで運行しています(2026年9月12日確認)。同時に新設された710番は新慶州駅と普門(ポムン)観光団地を結ぶ路線で、1日14回、7時25分から22時20分までの運行です(2026年9月12日確認)。
この710・711番の新設によって、新慶州駅から普門観光団地・仏国寺方面への運行間隔が、それまでの約1.5時間から約30分に改善した、と当時の報道で伝えられていました(2026年9月12日確認)。ただし、この情報は2023年時点のもので、2026年の今も同じ本数・時刻で運行されているかどうかまでは、今回の調査で再確認できていません。加えて、710・711番より前から案内されていた700番についても、慶州市公式ページによると710・711番の新設前は新慶州駅と普門観光団地・仏国寺を結ぶ直行路線として唯一だった路線で、2026年7月9日付の公式ページでも700番は50番・51番・70番・710番・711番などとともに運行対象の路線として案内されています(2026年9月12日確認)。仏国寺行きのバスに乗る前には、慶州市交通情報センターのリアルタイムバス情報(실시간 버스정보)で、当日走っている系統を確認することをおすすめします。
| 系統 | 結ぶ区間 | 備考 |
|---|---|---|
| 10番 | 市内中心部⇔仏国寺(時計回り) | 循環路線 |
| 11番 | 市内中心部⇔仏国寺(反時計回り) | 循環路線 |
| 710番 | 新慶州駅⇔普門観光団地 | 2023年2月新設・1日14回 |
| 711番 | 新慶州駅⇔統一殿⇔仏国寺⇔旧仏国駅 | 2023年2月新設・1日10回 |
石窟庵へは仏国寺からシャトルバス12番
石窟庵は、仏国寺のあるトハム山のふもとから、さらに山の中腹まで上った場所にあります。仏国寺から石窟庵へは、市内循環バスではなく、専用のシャトルバス12番に乗り換える形です(2026年9月12日確認)。乗り場は仏国寺の駐車場の向かい側と案内されています(2026年9月12日確認)。
確認できた運行間隔は平日60分に1本で、始発は8時40分、終発は16時40分です(2026年9月12日確認)。ただし冬季と夏季で終発の時刻が異なる可能性があるという情報もあり、この時期差の具体的な時刻までは確認できませんでした。運賃については、慶州市公式の運賃変更告示(2026年3月18日付・同年4月1日施行)により、現金は一般1,500ウォン・青少年1,200ウォン・子ども800ウォン、交通カードは一般1,450ウォン・青少年と子どもは無料と定められています(2026年9月12日確認)。12番シャトル専用の運賃表示は今回の調査では見つからなかったため、この市内バス共通運賃が適用されるかどうかは乗車時に確認してください。仏国寺から石窟庵へ向かう日は、始発・終発の時間から余裕を持って行程を組み、当日は仏国寺の案内所や停留所の掲示で最新の時刻・運賃を確認してください。
12番シャトルは1時間に1本というペースなので、乗り遅れると次の便まで1時間近く待つことになります。仏国寺の観覧時間を石窟庵の時刻表に合わせて調整しておくと、待ち時間のロスを防ぎやすくなります。
2026年4月に変わったこと——子ども・青少年の運賃無料化
慶州市は2026年4月1日から、満6歳から18歳までの市内バス運賃を全面無料化しました(2026年9月12日確認)。既存の交通カードをそのまま使い、回数の制限なく利用できるという制度です。無料化前の運賃は、子ども(6〜12歳)が800ウォン、青少年(13〜18歳)が1,200ウォンで、現金で乗車する場合はこの従来運賃がそのまま適用されます(2026年9月12日確認)。報道では、この制度で約22,000人の地域の児童・生徒が対象になるとされています(2026年9月12日確認)。
注意したいのは、この無料化が「既存の交通カード」を前提にした案内である点です。報道からは、慶州市内に住民登録のある児童・生徒向けの制度なのか、旅行で訪れる子どもの交通カードにもそのまま適用されるのかを断定できませんでした。日本から子ども連れで慶州を訪れる場合は、無料になる前提で計画を立てず、乗車時に運転手や案内所で確認するか、慶州市交通情報センターに事前に問い合わせておくと安心です。一般(大人)の運賃については、確認できた情報では交通カード1,450ウォン・現金1,500ウォンでした(2026年9月12日確認)。この金額は、2026年3月18日付・同年4月1日施行の慶州市公式運賃変更告示でも確認できます(2026年9月12日確認)。
移動手段を組み合わせたモデルコース

ここまでの情報を、1日の動き方として組み立て直してみます。まず新慶州駅や慶州市外・高速バスターミナルに着いたら、循環バス10番か11番で市内中心部へ向かいます。市内に着いたら、大陵苑・瞻星台・東宮と月池の旧市街エリアは徒歩、または公営自転車タシルラ(満15歳以上)で回ります。旧市街を一通り見終えたら、再び10番・11番、あるいは711番のバスに乗って仏国寺へ移動し、仏国寺の見学後、シャトルバス12番で石窟庵まで足を延ばす、という流れが基本形です。
体力に自信がない日や、荷物が多い日は、旧市街の移動もバスやタクシーに切り替えて構いません。逆に天気がよく歩くのが苦にならない日なら、旧市街はすべて徒歩、仏国寺・石窟庵の移動だけバスに頼る、という組み合わせでも十分に成立します。バスの時刻はどうしても変わることがあるため、当日の朝にもう一度リアルタイムバス情報を確認してから出発する習慣をつけておくと、現地で慌てずに済むはずです。
タクシー貸切という選択肢
バスの本数や時刻が読みにくい区間や、石窟庵のシャトルの待ち時間が惜しい日は、タクシーの貸切という選択肢もあります。ただし、慶州観光向けのタクシー貸切について、公的機関が公表している固定の目安料金は今回の調査では見つかりませんでした。貸切料金は業者・時間帯・台数によって異なるため、乗車前に金額を確認してから利用してください。
配車アプリを使う場合の基本的な呼び方・支払い方法はカカオタクシーの使い方をまとめた記事で整理しているので、慶州でも配車アプリを使いたい人は、事前に登録・使い方を確認しておくと当日スムーズです。市外・高速バスターミナルから市内まで交通カードで移動する場合の基本的な使い方はソウル以外での交通カードの使い方の記事も参考になります。
慶州までの行き方——KTXか高速バスか
この記事では触れていませんが、そもそも慶州までどう向かうかで迷っている人もいるはずです。新慶州駅までは、ソウル・釜山間のKTX路線上に位置しているため、ソウル-釜山間のKTXについてまとめた記事もあわせて確認しておくと、慶州までの所要時間のイメージがつかみやすくなります。KTXと高速バス・市外バスのどちらを選ぶかで迷っている場合は、KTXと高速バスを比較した記事や韓国の高速バスの乗り方ガイドも参考になります。慶州までの行き方そのものの詳しい比較・料金の目安は、冒頭で紹介した慶州は日帰りできるか整理した記事にまとめているので、そちらを先に読んでから、この記事で市内の移動手段を確認する、という順番がおすすめです。
よくある質問
まとめ——目的地ごとに乗り物を決める
慶州の遺跡めぐりは、「点在しているから大変」と身構えるより、区間ごとに手段を変えると考えたほうが動きやすくなります。旧市街(大陵苑・瞻星台・東宮と月池)は徒歩や公営自転車タシルラ、仏国寺へは循環バス10番・11番や711番、石窟庵へは仏国寺からシャトルバス12番、という組み合わせが基本形です。バスの番号や本数は変わることがあるため、当日はリアルタイムのバス情報で最新状況を確認してから動いてください。
- 旧市街(大陵苑・瞻星台・東宮と月池)は徒歩圏内。距離が気になるなら自転車タシルラ(満15歳以上)
- 仏国寺へは循環バス10番・11番、または711番などを利用
- 石窟庵へは仏国寺からシャトルバス12番に乗り換え(1時間に1本・始発8時40分〜終発16時40分)
- 2026年4月1日から6〜18歳の市内バス運賃が無料化。ただし旅行者の子どもへの適用は要確認
- タクシー貸切の料金は業者ごとに異なる。乗車前に金額を確認する
時刻・運賃・路線は変わることがあるため、この記事の数字はあくまで目安として捉え、出発前や現地では慶州市交通情報センターや各公式サイトで最新情報を確認してください。バスと自転車を組み合わせれば、運転しなくても慶州の遺跡は十分に回れるはずです。
参考・出典
- 慶州市交通情報センター its.gyeongju.go.kr https://its.gyeongju.go.kr (2026年9月12日確認)
- 慶州市公式運賃変更告示(2026年3月18日付・同年4月1日施行) https://www.gyeongju.go.kr/open_content/ko/page.do?mnu_uid=423&parm_bod_uid=316506&step=258 (2026年9月12日確認)
- 慶州市交通情報センター 노선정보 https://its.gyeongju.go.kr/busLineInfo.do (2026年9月12日確認)
- 慶州市公営自転車 타실라 公式サイト https://tasilla.gyeongju.go.kr/ (2026年9月12日確認)
- 타실라 決済方法ページ https://tasilla.gyeongju.go.kr/Guide/payinfo.do (2026年9月12日確認)
- プレシアン「慶州市、新慶州駅-普門団地、仏国寺間の路線バス新設」 https://www.pressian.com/pages/articles/2023022315061479874 (2026年9月12日確認)
- 慶州市公式報道資料 https://www.gyeongju.go.kr/news/page.do?mnu_uid=1335&parm_bod_uid=253182&step=258 (2026年9月12日確認)
- 慶州市公式ページ「경주역세권 버스노선 개편」(2026年7月9日) https://gyeongju.go.kr/news/page.do?mnu_uid=1328&pageNo=2&pageOrder=0&pagePrvNxt=1&pageRef=0&parm_bod_uid=324397&parm_mnu_uid=0&srchBgpUid=-1&srchColumn=&srchEDate=&srchEnable=1&srchKeyword=&srchSDate=&srchVoteType=-1&step=258 (2026年9月12日確認)
- 慶北日報「慶州の子ども・青少年、バス無料で乗る」 https://www.kyongbuk.co.kr/news/articleView.html?idxno=4067412 (2026年9月12日確認)
- 慶州新聞「3月から満18歳以下 市内バス無料利用推進」 https://www.gjnews.com/news/view.php?idx=84417 (2026年9月12日確認)
- 慶州新聞「慶州市、子ども・青少年市内バス全面無料化施行」 https://www.gjnews.com/news/view.php?idx=84866 (2026年9月12日確認)
- アジア経済「慶州 子ども・青少年市内バス『全面無料』来月1日施行」 https://www.asiae.co.kr/en/article/2026031914525516559 (2026年9月12日確認)
- 慶州市公式観光ページ「10番バスタゴ」 https://www.gyeongju.go.kr/tour/page.do?mnu_uid=2301 (2026年9月12日確認)
- 慶州市公式ウェブジン「タシルラ紹介」 https://www.gyeongju.go.kr/webzine/GJstory/vol153/html/sub1-6.html (2026年9月12日確認)

