「今日は地下鉄とタクシーを何回か使ったけど、結局いくらかかったんだろう」——韓国旅行から帰ってきて、交通系のレシートをかき集めて初めて気づく人は多いはずです。運賃の一覧はソウル交通公社や各社の公式サイトにありますが、「観光地を回った1日でトータルいくらになるか」まで計算してくれる情報は意外と少ないのが実情です。この記事では、明洞を拠点に観光地を3〜4か所回る日、エリアを大きくまたぐ日、タクシー中心で動く日の3パターンについて、公式の運賃表をもとに編集部が実額を計算しました。あわせて地下鉄・バスの基本運賃と距離加算、乗り換え割引が効く条件、気候同行カード(気候同行パス)の1日券が元を取れる回数のラインまで整理しています。
明洞を拠点に地下鉄・バスで3〜4か所を回る日は約6,000〜6,200ウォン(2026年9月4日確認の運賃基準)が目安です。江南から弘大、梨泰院のようにエリアを大きくまたいで移動距離が伸びる日は距離加算がのしかかり約6,500〜7,500ウォンに。タクシーを中心に動く日は昼間だけでも1万7,000〜1万8,000ウォン前後、深夜割増が重なる移動があるとさらに上がります。地下鉄1回1,550ウォン(2026年9月4日確認)を基準にすると、기후동행패스(キフドンヘンパス・気候同行パス)の1日券5,000ウォンは1日に4回以上乗るなら元が取れる計算です。空港と市内の往復にかかる運賃は路線や列車種別で幅が大きく、この記事では確定額を書いていません(後述)。
結論——移動パターン別に1日の交通費はいくらか
先に数字だけ知りたい人向けに、この記事で扱う3パターンの実額目安を1つの表にまとめました。いずれも2026年9月4日確認の公式運賃を、編集部が運賃計算式にあてはめて算出した目安です。実際の金額は乗車距離や乗り換えのタイミングで前後します。
| 移動パターン | 移動回数の目安 | 1日の交通費目安 |
|---|---|---|
| 明洞拠点で観光地3〜4か所を回る日 | 地下鉄・バス計4回(各10km圏内) | 約6,000〜6,200ウォン |
| エリアを大きくまたぐ日 | 10km超の乗車3〜4回 | 約6,500〜7,500ウォン |
| タクシー中心の日(昼間) | タクシー3回(1回3km程度) | 約1万7,000〜1万8,000ウォン |
どのパターンも「乗り換えのたびに改札やバスを出て、次の移動まで30分以上あく」前提で計算しています。観光地では滞在時間が長くなりやすく、乗り換え割引の条件(次の見出しで説明)から外れるケースが多いためです。江南(カンナム)や弘大(ホンデ)のような繁華街を1日で回ると、想像より運賃がかさむと感じる人もいるはずです。逆算すると、地下鉄・バスをよく使う日は気候同行パスの1日券を先に検討する価値があります。
地下鉄・バスの基本運賃と距離加算(2026年9月4日確認)
ソウル市の公式な公共料金情報によると、交通カード利用時の地下鉄基本運賃は一般1,550ウォン・青少年900ウォン・子供550ウォンで、10kmまではこの基本運賃だけで乗車できます。10kmを超えると5kmごとに100ウォン、50kmを超えるとさらに8kmごとに100ウォンが加算される距離比例制です。現金や1回用交通カードで乗る場合は、交通カード運賃に100ウォンを上乗せした金額になります。バスは幹線・支線バスが一般1,500ウォン、村バス(마을버스)が1,200ウォン、広域バスが3,000ウォンで、いずれも交通カード利用時の金額です(2026年9月4日確認)。
| 交通手段 | 一般 | 青少年 | 子供 |
|---|---|---|---|
| 地下鉄(10kmまで) | 1,550ウォン | 900ウォン | 550ウォン |
| 幹線・支線バス | 1,500ウォン | 900ウォン | 550ウォン |
| 村バス(마을버스) | 1,200ウォン | 600ウォン | 400ウォン |
| 広域バス | 3,000ウォン | 1,700ウォン | 1,500ウォン |
1,550ウォンは、日本円に単純換算すると約178円(1ウォン=0.1148円・2026年9月4日Google Finance参照のレートで概算・実際の換算はカード会社のレートで変動)。コンビニのコーヒー1杯にも届かない金額です。ただし観光で複数の駅をまたいで移動すると距離加算が積み重なり、想像より高くつくことがあります。次の見出しで説明する乗り換え割引の条件をおさえておくと、無駄な加算を避けやすくなります。
乗り換え割引(환승)が効く条件——30分以内・最大5回まで
ソウル市の公式案内では、首都圏の地下鉄・ソウル市内バス・村バス・京畿道と仁川のバス・GTX-Aが対象の統合乗り換え割引制度があり、환승(ファンスン・乗り換え)の合計距離が基本距離(10km)までなら基本運賃だけで済むとされています。適用の条件は直前の交通手段を降りてから30分以内に次の乗車をすることで、この乗り換えは最大5回まで認められます。夜間(21時〜翌7時)は乗り換え有効時間が60分に延長される点も公式に案内されています(2026年9月4日確認)。
つまり観光地を回る1日では、乗り換え割引の恩恵を受けにくいケースが多いということになります。地下鉄からバスへ、あるいはバスから地下鉄へと乗り継ぐタイミングで30分を切れそうなら意識する価値はありますが、観光地に長居する前提なら、各移動は基本運賃がそのままかかると考えて予算を組んだほうが現実的です。この前提が、次の見出い以降の実額計算のベースになっています。
明洞拠点で観光地3〜4か所を回る日の実額
明洞(ミョンドン)を拠点に、地下鉄で1駅〜数駅の範囲にある観光地を3〜4か所回るケースを考えます。たとえば明洞から地下鉄で移動して1か所目、バスに乗り換えて2か所目、また地下鉄で3か所目、最後にバスで明洞に戻る、という4回移動のパターンです。前の見出しで触れた通り、観光地での滞在時間が長ければ乗り換え割引の30分ルールから外れるため、各移動は基本運賃がそのままかかると仮定します。
地下鉄2回(1,550ウォン×2=3,100ウォン)、バス2回(1,500ウォン×2=3,000ウォン)と仮定すると合計6,100ウォン。全て地下鉄なら1,550ウォン×4=6,200ウォン、全てバスなら1,500ウォン×4=6,000ウォンです。どの組み合わせでもおおむね6,000〜6,200ウォン(2026年9月4日確認の運賃基準)の範囲に収まります。日本円に単純換算すると約690〜712円程度(前述のレートで概算)で、シートマスク2〜3枚分の金額感です。
- 移動が4回程度なら地下鉄・バスどちらでも運賃差はわずか
- 10km圏内の移動なら距離加算は基本的に発生しない
- 4回以上乗る予定があるなら、気候同行パスの1日券(後述)と比較する価値あり
この計算はあくまで基本運賃どうしの単純合計です。実際には途中でタクシーを1回挟んだり、地下鉄の駅から目的地まで距離があってバスを追加したりすることもあるはずです。移動回数が増えるほど、次の見出しで扱う気候同行パスの1日券のような定額制の選択肢が有利になっていきます。
エリアを大きくまたぐ日は距離加算がのしかかる
江南(カンナム)から弘大(ホンデ)、梨泰院(イテウォン)から東大門(トンデムン)のように、ソウルの中でもエリアをまたいで大きく移動する日は事情が変わります。地下鉄の距離比例制では10kmを超えた分について5kmごとに100ウォンが加算されるため、片道10〜15km程度の移動なら+100ウォン、15〜20km程度なら+200ウォンというように運賃が上がっていきます。
仮に1日のうちで10km超の移動が3回あり、それぞれ10〜15kmの範囲だったとすると、1回あたり1,550ウォン+100ウォン=1,650ウォン。3回で4,950ウォンになります。これに明洞拠点の日と同じような短距離の移動が1回加われば、合計は約6,500〜7,500ウォン(2026年9月4日確認の運賃基準)という目安になります。日本円では約746〜861円程度(前述のレートで概算)です。
| 片道の移動距離 | 距離加算の目安 | 1回あたりの運賃目安 |
|---|---|---|
| 10km以内 | 加算なし | 1,550ウォン |
| 10km超〜15km | +100ウォン | 1,650ウォン |
| 15km超〜20km | +200ウォン | 1,750ウォン |
この距離加算は地下鉄・バスを乗り継いだ合計距離にも適用されるため、乗り換え割引の30分以内の条件を満たしている場合は、乗り継ぎ全体の距離で計算される点も覚えておくと安心です。逆に言えば、移動距離が伸びる日ほど、次の見出しで説明する気候同行パスの1日券が有利になりやすいということでもあります。
タクシー中心の日の実額——初乗りと深夜割増
ソウル市の公式案内によると、中型タクシーの基本料金(昼間・4時〜22時)は1.6kmまで4,800ウォンで、それを超えると131mごとに100ウォン、停車や低速走行時は30秒ごとに100ウォンが加算されます(2026年9月4日確認)。深夜割増は22時〜翌4時に適用され、時間帯によって割増率が変わるのが特徴です。22〜23時と2〜4時は20%、23時〜2時は40%の割増となり、この時間帯は基本料金・距離加算・時間加算のすべてが割増後の金額に置き換わります。
| 時間帯 | 基本料金(1.6kmまで) | 距離加算 | 割増率 |
|---|---|---|---|
| 昼間(4時〜22時) | 4,800ウォン | 131mごと100ウォン | なし |
| 22〜23時・2〜4時 | 5,800ウォン | 131mごと120ウォン | 20% |
| 23時〜2時 | 6,700ウォン | 131mごと140ウォン | 40% |
市外(市境をまたぐ)走行にはさらに20%が加算され、深夜割増と重なると最大60%まで割増率が積み上がるとされています。昼間に3km程度の移動を3回する日なら、1回あたり4,800ウォン+距離加算約1,000〜1,100ウォンで概算5,800〜5,900ウォン、3回で約1万7,000〜1万8,000ウォン(2026年9月4日確認の運賃基準)という目安になります。深夜に1回でも移動があると、その1回だけで6,700円台〜さらに距離加算が加わり8,000ウォンを超えることも珍しくありません。深夜タクシーの割増や呼び方の詳細は深夜タクシーの割増料金まとめで別途整理しています。
気候同行パスの1日券は何回乗れば元が取れるか
ソウル市が案内する기후동행패스(キフドンヘンパス・気候同行パス)は、これまでの「기후동행카드(気候同行カード)」を引き継いだ制度で、公式案内によると2026年9月1日から本格運用が始まっています。従来の30日券の선불(プリペイド)カードは8月31日までのチャージ分に限り9月29日まで利用でき、9月30日で旧制度は終了、以降は同額の기후동행패스に切り替わるとされています。旅行者がよく使う1・2・3・5・7日の短期券は、この移行後も引き続き提供されるとの案内です(2026年9月4日確認)。
短期券の価格は1日券5,000ウォン・2日券8,000ウォン・3日券1万ウォン・5日券1万5,000ウォン・7日券2万ウォンです(2026年9月4日確認)。1日券5,000ウォンを地下鉄の基本運賃1,550ウォンで割ると約3.2回分。つまり1日に4回以上乗る予定があるなら1日券のほうが得、3回以下なら都度払いのほうが安いという計算になります。前の見出しのようにエリアをまたいで距離加算が発生する日は、3回でも元が取れるケースが出てきます。30日券・青少年割引などの詳しい条件は気候同行カード・気候同行パスの使い方まとめで扱っています。

- 1日券5,000ウォンは地下鉄基本運賃の約3.2回分
- 4回以上乗るなら1日券が得、3回以下なら都度払いが得
- 距離加算がかかる長距離移動が多い日は、3回でも元が取れることがある
T-moneyカードと交通カードの選び方
気候同行パスは登録や短期券の購入に一手間かかるため、滞在日数が短い、あるいは移動回数を読みにくい旅行者には、都度払い型のT-moneyカードのほうが扱いやすい場合もあります。T-moneyはコンビニなどで購入・チャージができ、地下鉄・バス・一部タクシーの支払いに使える交通系ICカードです。乗り換え割引の適用条件(前述の30分以内・最大5回)はT-money利用時にも共通して適用されます。カードの購入場所やチャージ方法の詳細はT-moneyカードの使い方ガイドにまとめています。
どちらのカードも、地下鉄・バスの改札やカードリーダーにタッチするだけで使える点は共通です。旅行の日数や訪れるエリアの広さによって最適な選択は変わるため、出発前に大まかな移動プランを立てておくと、どちらのカードが得かを判断しやすくなります。1日券と定期的な都度払いのどちらが向くかを判断する目安は、ソウルの1日券・定期券まとめでも比較しています。
空港往復を含めた1回の旅行の合計目安
ここまでは市内移動だけの実額でしたが、実際の旅行では仁川国際空港とソウル市内の往復運賃も加わります。空港と市内を結ぶ交通手段には空港鉄道(直通列車・一般列車)、リムジンバス、タクシーなどがあり、路線・列車の種別・発着駅によって運賃の幅が大きいのが実情です。この記事の調査では、往復の確定額をここで断定できるだけの一次情報を確認できなかったため、具体的な金額はあえて記載していません(2026年9月4日調査)。
空港と市内の往復運賃は、利用する路線・列車種別によって差が大きい部分です。出発前に空港鉄道や各リムジンバス会社の公式サイトで、当日の運賃を必ず確認してください。
1回の旅行全体の交通費を見積もるなら、この記事で計算した「1日あたりの市内移動費」に、滞在日数分を掛け合わせ、そこに空港往復の運賃(公式サイトで別途確認したもの)を足す、という組み立てが実態に近くなります。たとえば明洞拠点の日を3日間過ごすなら市内移動だけで約1万8,000〜1万8,600ウォン、これに空港往復分が加わるイメージです。旅行全体の予算組み立てについては韓国旅行の予算の立て方まとめで、交通費以外の費目もあわせて整理しています。
乗り換え割引をうまく使うコツと注意点
乗り換え割引の恩恵を受けやすいのは、観光地を回る日というより「宿から目的地までの移動そのもの」の場面です。たとえば地下鉄の駅から目的地まで少し距離がある場合に、駅を出てすぐバスに乗り換えるようなケースでは、30分以内の条件を満たしやすく割引が効きます。逆に、観光地に1時間以上滞在してから次の移動をする場合は、割引の対象外になると考えておいたほうが予算計画は狂いにくくなります。
もう一つの注意点は、改札やバスを降りた時点でタッチ(タグ)をしないと乗り換え割引そのものが記録されない点です。降車時のタッチを忘れると、次の乗車が新規の乗車として扱われ、割引が適用されません。これは韓国人の利用者でもうっかり忘れることがあるポイントとされており、旅行者ならなおさら意識しておく価値があります。乗り換え割引の細かい条件や適用例は乗り換え割引の条件まとめで図解も交えて整理しています。
よくある質問
まとめ
- 明洞拠点で3〜4か所を回る日は約6,000〜6,200ウォン(2026年9月4日確認の運賃基準)
- エリアを大きくまたぐ日は距離加算で約6,500〜7,500ウォンに上がる
- タクシー中心の日は昼間だけでも約1万7,000〜1万8,000ウォン、深夜割増が重なるとさらに上がる
- 乗り換え割引は降車後30分以内・最大5回まで。観光での長時間滞在は対象外になりやすい
- 気候同行パスの1日券5,000ウォンは、1日4回以上乗るなら元が取れる計算
- 空港往復の運賃は路線・列車種別で差が大きく、出発前に公式サイトで別途確認が必要
韓国の交通費は、地下鉄・バスの基本運賃だけを見ると1回あたり1,500円台と安く感じますが、観光で1日に何度も乗り降りする、あるいはタクシーを多用すると、想像より積み上がっていきます。移動パターンを事前にざっくりイメージしておき、気候同行パスの1日券が得になりそうか、都度払いで十分かを出発前に判断しておくと、当日の交通費に振り回されずに済むはずです。
参考・出典
- 서울특별시(ソウル特別市) 公式サイト「교통 요금 안내(交通料金案内)」 https://news.seoul.go.kr/traffic/traffic_price (2026年9月4日確認)
- 서울특별시(ソウル特別市) 公式サイト「서울 택시요금(ソウルタクシー料金)」 https://news.seoul.go.kr/traffic/archives/1659 (2026年9月4日確認)
- 서울시 물가정보(ソウル市物価情報) 公共料金「地下鉄」ページ https://sftc.seoul.go.kr/seoul/mulga/main/contents.do?menuNo=200021 (2026年9月4日確認)
- 서울시 물가정보(ソウル市物価情報) 公共料金「バス」ページ https://sftc.seoul.go.kr/seoul/mulga/main/contents.do?menuNo=200022 (2026年9月4日確認)
- 서울특별시(ソウル特別市) 公式サイト「기후동행카드 운영종료 FAQ(気候同行カード運営終了FAQ)」 https://news.seoul.go.kr/traffic/public/climatecard-faq/faq-stop (2026年9月4日確認)
- 서울특별시(ソウル特別市) 公式サイト「기후동행카드 소개(気候同行カード紹介)」 https://news.seoul.go.kr/traffic/archives/510651 (2026年9月4日確認)

