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「韓国旅行、梅雨の時期に当たっちゃったんだけど、行っても大丈夫かな…」――旅程を決めてから気づいて、旅行系の掲示板を検索した経験がある人は少なくないはずです。日本の梅雨と同じ感覚で構えていると、韓国の장마(チャンマ)は始まり方も終わり方も少し違い、しかも「今年の梅雨入り」を気象庁が宣言してくれないという事情もあります。この記事では、韓国の梅雨という季節そのものにしぼって、いつ始まりいつ終わるのか、どれくらい降るのか、そしてその時期に旅行して大丈夫なのかを、気象庁(기상청)の平年値(1991〜2020年)をもとに整理します。
韓国の梅雨(장마)は平年値(1991〜2020年)で、中部地方(ソウルを含む)が6月25日ごろ始まり7月26日ごろ明け、期間はおよそ31.5日、降水日数17.7日、期間中の平均降水量378.3mm(2026年9月21日確認)。ただし気象庁は2009年以降、梅雨入り・梅雨明けの公式な宣言を出していないため、この日付はあくまで統計上の目安です。年によって開始が2週間以上前後することもあり、「梅雨だから避ける」より「大雨特報が出たら予定を動かす」という判断のほうが実用的です。旅行そのものは、屋内施設中心の予定にすれば十分に成立します。
結論から:梅雨の時期に行ってもいいか
先に答えを言うと、韓国の梅雨シーズンに旅行の日程が重なったからといって、行くこと自体を避ける必要はありません。平年値で見ても、梅雨の期間中の降水日数は17.7日で、31.5日の期間のうち約半分は雨が降らない計算になります。1日中降り続くわけではなく、午後だけ強く降って夜には止む、というパターンも多いはずです。問題になるのは「いつ降るか分からない」という不確実性のほうで、傘や雨具なしで身軽に動きたい人ほど、事前の心構えが要ります。
梅雨は始まりも終わりも年によってぶれるため、旅行の判断は「平年値を目安にしつつ、直前の予報で最終決定する」のが現実的です。韓国旅行自体がまだ初めてで、梅雨以前に両替・通信・交通といった準備の全体像を押さえておきたい人は、初めての韓国旅行の準備をまとめた記事から読むと、当日バタつく持ち物や手続きの抜けが減るはずです。梅雨だからこそ、雨具や着替えで荷物が増えやすい点も判断材料の一つです。荷物が想定より膨らみがちな時期は、スーツケースの選び方をまとめた記事を先に確認しておくと、当日の詰め込みに余裕が生まれます。
韓国の梅雨「장마(チャンマ)」とは
韓国語で梅雨のことを장마(チャンマ)と呼びます。気象学的には、日本の梅雨と同じく、梅雨前線(장마전선)の影響を受けて雨の日が続く現象を指します。気象庁の資料説明でも「6月下旬から7月下旬にかけて継続して多く降る雨」と定義されており、単発の大雨ではなく、ある程度まとまった期間に降水が集中する状態を指す言葉です。
日本の梅雨と似た仕組みですが、時期や降り方の細部は異なります。韓国では地域によって梅雨入り・梅雨明けの平年日が違い、南から北へ、あるいは地域ごとに前線の位置が変化しながら進みます。気象庁のデータでは、全国を大きく中部地方(ソウルを含む首都圏や中部)・南部地方・済州地方の3区分で統計を取っており、済州が最も早く梅雨入りし、中部が最も遅く梅雨入りする傾向があります。旅行先がソウルなのか、釜山などの南部なのか、済州島なのかによって、体感する梅雨の時期は少しずつずれると考えておくとよいはずです。
平年の開始日・終了日・期間(地方別の表)
気象庁の平年値(1991〜2020年)によると、地域別の梅雨の開始日・終了日・期間・降水日数・平均降水量は次の通りです(2026年9月21日確認)。평년값(平年値)は直近30年の統計から出した「例年こうなる」という基準値で、特定の年の実績ではありません。
| 地域 | 開始日(平年) | 終了日(平年) | 期間 | 降水日数 | 平均降水量 |
|---|---|---|---|---|---|
| 中部地方(ソウル含む) | 6月25日ごろ | 7月26日ごろ | 約31.5日 | 17.7日 | 378.3mm |
| 南部地方 | 6月23日ごろ | 7月24日ごろ | 約31.4日 | 17.0日 | 341.1mm |
| 済州地方 | 6月19日ごろ | 7月20日ごろ | 約32.4日 | 17.5日 | 348.7mm |
表からも分かる通り、期間の長さそのものは地域差が小さく、どこも1か月前後です。一方で開始日は済州が最も早く、中部が最も遅いという順番になっています。降水量も中部が最も多く378.3mmと、南部より40mm近く多い計算です。旅行の日程を決める段階では、行き先の地域の平年値をまず基準にして、そこから前後にどれだけずれる可能性があるかを次の項目で見ていきます。
ここで示した日付・数値はいずれも過去30年の平年値であり、その年の予報ではありません。実際の梅雨入り・梅雨明けは、次の項目で説明する理由により、年ごとに大きく前後します。
なぜ気象庁は「梅雨入り宣言」を出さないのか
意外と知られていませんが、韓国の気象庁(기상청)は2009年以降、梅雨入り・梅雨明けの公式な予報(宣言)を出していません。1961年から2008年までは実際に開始日・終了日を発表していましたが、2009年を境に取りやめました。理由として気象庁自身が説明しているのは、気候変動によって降水パターンの変動性が大きくなり、あらかじめ「この日から梅雨」と特定すること自体が難しくなったためです。
この事情はSNS上でたびたび混乱を招いています。毎年のように「今年は6月から記録的な梅雨」といった投稿が拡散しますが、気象庁は2026年にも公式SNSを通じて、こうした投稿は気象庁の発表ではないと明確に否定しています。気象庁によれば、梅雨の時期はその年の夏が終わったあとに事後分析を行い、統計としてまとめて公表する扱いです。つまり、私たちが目にする「平年の梅雨入りは6月25日ごろ」という数字は、あくまで過去の統計の平均であり、今年の梅雨がいつ来るかを教えてくれるものではありません。
旅行の予定を立てるうえでは、平年値を大まかな目安にしつつ、出発が近づくにつれて公式の天気予報アプリや気象庁のサイトで最新情報を確認するのが確実です。「宣言が無い」という前提そのものを知っておくだけでも、直前の情報収集の姿勢が変わるはずです。
どれくらい降るのか(降水日数と降水量)
平年値では、梅雨期間中(約31日前後)の降水日数は地域によって17.0〜17.7日、つまり期間のおよそ半分の日に何らかの雨が観測される計算です。裏を返せば、残り半分は雨が降らない日ということになり、「梅雨=毎日雨」というイメージほど過酷ではありません。平均降水量は中部が378.3mm、南部が341.1mm、済州が348.7mmで、いずれも1か月の合計としてはまとまった量です。
ただしこの数字は平年の「平均」であり、年によるばらつきは大きいです。気象庁のデータでは、全国平均で梅雨期間中の降水量が最も多かった年は696mm(2020年)、降水日数も同じ2020年に28.5日を記録しています。逆に最も少なかった年は146.2mm(2014年)で、降水日数の最少は9.9日(2014年・2021年)でした。同じ「梅雨」という括りでも、年によって降水量が4倍以上違うことがあるわけです。
年によるブレの大きさ(早い年・遅い年・長い年・短い年)
梅雨の開始日・終了日は、年によって驚くほど前後します。気象庁のデータでは、中部地方の梅雨入りが最も早かった年は2013年6月17日、最も遅かった年は2021年7月3日で、その差は2週間以上です。南部地方では最も早い開始が2011年6月10日、済州地方では2020年6月10日という記録もあります。逆に最も遅かった年はどの地域も2021年7月3日でした。
終了日についても同様で、中部地方の梅雨明けが最も早かった年は2018年7月11日、最も遅かった年は2020年8月16日と、1か月以上の差があります。期間の長さで見ると、中部地方の最長は2020年の54日間(6月24日〜8月16日)、最短は2018年のわずか16日間(6月26日〜7月11日)でした。南部・済州でも同じように、年によって期間が3倍前後変わることがあります。
「平年は7月26日ごろ明ける」と覚えていても、その年の実際の梅雨明けが8月にずれ込むことも、7月上旬で終わることもあります。旅行の予定を立てる段階では平年値を目安にしつつ、実際の判断は出発直前の予報に委ねるほうが確実です。
6月に旅行を計画している人は梅雨入り前後のタイミングを、7月に計画している人は梅雨明け前後のタイミングを、それぞれ見極める必要があります。月ごとの気温・降水量の実際の数字を先に見ておきたい人は、6月の韓国旅行の気温と服装をまとめた記事や7月の韓国旅行の気温と服装をまとめた記事もあわせて確認すると、月単位でどちらに寄せた準備をすればよいかがつかみやすくなります。
梅雨末期・梅雨明け後の集中豪雨に注意
梅雨というと「しとしと降り続く雨」を思い浮かべがちですが、実際に警戒すべきなのは梅雨の終盤や、統計上「梅雨明け」とされたあとに発生する집중호우(集中豪雨)です。前線の動きが停滞したり、南からの湿った空気が一気に流れ込んだりすると、短時間に激しい雨が集中することがあります。気象庁の観測でも、梅雨期間中に全国平均696mm・28.5日という記録的な年(2020年)があった一方、梅雨明けの発表という枠組み自体が2009年以降存在しないため、「梅雨が終わったから大雨も終わり」とは限りません。
大雨のリスクを判断する基準として、気象庁は호우주의보(大雨注意報)と호우경보(大雨警報)という特報を出しています。大雨注意報は3時間の累積雨量が60mm以上、または12時間の累積雨量が110mm以上見込まれるときに発表され、大雨警報は3時間で90mm以上、または12時間で180mm以上見込まれるときに発表されます(2026年9月21日確認)。旅行中にニュースやアプリでこの言葉を見かけたら、外出の予定を見直すサインだと考えてください。
台風の接近と大雨が重なると、航空便の欠航・遅延にもつながります。梅雨の時期は台風シーズンの入り口とも重なるため、飛行機の予定に余裕を持たせたい人は台風と航空便トラブルをまとめた記事も事前に読んでおくと、万一のときの動き方を落ち着いて判断できるはずです。
大雨のときの交通と行動
大雨注意報・大雨警報が出ている間の基本的な行動は、気象庁の国民行動要領でも「外出を控え、こまめに気象状況や居住地周辺の危険情報・災害情報を確認する」「危険な場所には決して近づかない」とされています(2026年9月21日確認)。旅行者にとっても考え方は同じで、低地の道路や地下道、川沿いの遊歩道は、短時間の強い雨で水があふれることがあるため、大雨特報が出ている間は近づかない判断が安全です。
地下鉄は基本的に運行が続きますが、過去には局地的な豪雨で一部区間が一時運行を見合わせたり、駅の設備が浸水したりした例が報道されています。ソウル市内は坂や低い立体交差が多く、道路が冠水すると地上のバス・タクシーが大きく迂回することも珍しくありません。大雨の日に予定を詰め込みすぎると、移動だけで時間を取られてしまうため、雨脚が強い時間帯は屋内で過ごす前提でスケジュールに余白を持たせておくのが現実的です。
個別の駅・道路の冠水状況や運行状況は、天候によってその場で変わります。現地の公共交通機関の公式アプリやニュースの最新情報を必ず確認してください。
天気予報や特報の通知をこまめに確認するには、現地で安定した通信環境が要ります。到着後すぐにネットにつながる準備をしておくと、急な大雨のときも公式の情報にすぐアクセスできて安心感が違うはずです。
World eSIM雨の日にソウル市内でどう過ごすかという具体的な行き先の選び方は、雨の日のソウルの過ごし方をまとめた記事で詳しく整理しています。この記事では「梅雨という季節そのもの」に絞っているため、当日の行き先探しはそちらを参考にしてください。
梅雨の時期に旅行する利点
梅雨の時期の旅行には、実はいくつかの利点もあります。まず、韓国の学校の夏休みや現地の休暇シーズンが本格化するのは7月下旬以降が中心で、梅雨のただ中に当たる6月下旬〜7月上旬は、真夏の繁忙期に比べると宿や航空券が動きやすく、選択肢を確保しやすい時期といえます。気温の面でも、梅雨明け後の猛暑期に比べれば、湿度は高くても最高気温そのものは幾分か穏やかな日が多いはずです。
もう一つの利点は、韓国が屋内施設の充実したデスティネーションだという点です。大型のショッピングモール、地下街、カフェ、美術館、博物館など、雨を気にせず長時間過ごせる場所が多く、屋外中心の予定を1つ崩れても代案を組みやすい環境が整っています。「雨だから旅行が台無しになる」というより、「屋内中心の日」と「屋外中心の日」を天気予報を見ながら入れ替える、くらいの柔軟さで臨むのが向いているはずです。
宿を選ぶ段階では、地下鉄駅から近く、雨の日でも濡れずに移動できる立地かどうかを条件に入れておくと、梅雨の時期は特に快適さが変わってきます。
持ち物と服装
梅雨の時期の持ち物で最初に見直したいのが、荷物を濡らさないための防水バッグです。パスポートや電子機器を持ち歩くことが多い旅行では、両手が空く斜め掛けタイプが動きやすく、急な雨でも中身をまとめて守れるものを1つ用意しておくと安心感が違います。
もう一つ悩ましいのが、濡れた傘や衣類をどう持ち帰るかという問題です。YKKのダブルファスナーで密閉できる圧縮袋があれば、濡れたものとそうでないものをスーツケースの中で分けて詰められ、におい移りや水濡れの広がりを防げます。梅雨の時期は特に、折りたたみ傘とセットで1つ持っておくと荷造りがぐっと楽になるはずです。
意外と忘れがちなのが変換プラグです。韓国のコンセント形状は日本と異なるため、Cタイプに対応した変換プラグを日本のうちに用意しておくと、スマホや充電式のモバイルバッテリーの充電で困りません。雨の日は地図アプリや天気予報アプリを開く頻度も上がるため、バッテリー切れを避ける準備は梅雨の時期こそ重要です。

靴は、濡れても乾きやすく底のグリップが効くスニーカーが基本です。雨具そのものの選び方や、レインジャケット・折りたたみ傘のおすすめまで細かく知りたい人は、韓国旅行の雨具の選び方をまとめた記事に譲ります。この記事では季節そのものの判断材料に絞ってお伝えしています。
よくある質問
まとめ
韓国の梅雨(장마)は、平年値でいえば中部地方で6月25日ごろ始まり7月26日ごろ明け、期間はおよそ31.5日、降水日数17.7日、平均降水量378.3mmです。ただし気象庁が2009年以降、梅雨入り・梅雨明けの公式な宣言を出していないため、この日付はあくまで統計上の目安であり、実際の時期は年によって2週間から1か月以上前後します。「梅雨だから避ける」のではなく、平年値を目安にしつつ直前の予報と特報を確認しながら判断するのが、旅行の満足度を左右するはずです。
- 平年の梅雨(1991〜2020年): 中部6月25日ごろ〜7月26日ごろ(31.5日・17.7日雨・378.3mm)、南部6月23日ごろ〜7月24日ごろ、済州6月19日ごろ〜7月20日ごろ
- 気象庁は2009年以降、梅雨入り・梅雨明けの公式予報(宣言)を出していない
- 年によるブレは大きく、中部の開始日は最大2週間以上、期間は16日〜54日まで幅がある
- 大雨注意報は3時間60mm/12時間110mm、大雨警報は3時間90mm/12時間180mmが基準
- 梅雨明け後も集中豪雨は起こり得るため、特報が出た日は予定を詰め込みすぎない
- 屋内施設が充実しているため、天気を見ながら予定を組み替える前提で旅行自体は十分成立する
参考・出典
- 気象庁(기상청) 기상자료개방포털「장마」一般照会(1991〜2020年 장마평년값・지역별 시작일・종료일・기간 분석) https://data.kma.go.kr/climate/rainySeason/selectRainySeasonList.do (2026年9月21日確認)
- 気象庁(기상청) 公式SNS発表・関連報道(2026年4月14日発表、2026年4月15日各社報道)「기상청은 2009년부터 장마 시작일과 종료일을 예보하지 않는다」 https://www.newsis.com (2026年9月21日確認)
- 대한민국 정책브리핑(korea.kr)「6월 내내 비? 가짜 장마뉴스의 진실을 알려드립니다」(2026年6月30日) https://www.korea.kr (2026年9月21日確認)
- 気象庁(기상청) 날씨누리「기상특보 발표기준」(호우주의보・호우경보) https://www.weather.go.kr (2026年9月21日確認)
- 気象庁(기상청) 날씨누리「자연재난행동요령-호우」 https://www.weather.go.kr (2026年9月21日確認)

