韓国のアレルギー伝え方|食堂に表示義務なし・使える韓国語

韓国の食堂でメニューを指しながら店員にアレルギーを伝える旅行者の様子

本記事にはプロモーションを含みます。

韓国旅行の準備をしていて、食物アレルギーがある人やその家族なら一度は不安になったことがあるのではないでしょうか。「メニューにアレルギー表示があるはず」と思い込んで食堂に入り、結局は何も書かれていなくて、身振り手振りで店員さんに聞くしかなかった…という話を編集部もよく耳にします。日本の飲食店の感覚のまま韓国に来ると、この前提がそもそもずれています。

結論から

韓国の一般の食堂・個人店にはアレルギー表示の法的義務がありません。義務があるのは①コンビニやスーパーで売っている容器包装済みの加工食品、②全国50店舗以上を展開する外食チェーンの、パン・菓子類、アイスクリーム類、ハンバーガー、ピザの4品目だけです。街の冷麺屋やキンパ屋、カフェの多くはこの対象外なので、店員に自分から韓国語で伝えない限り、アレルギー情報が出てくる保証はありません。この記事では、伝わる韓国語フレーズとアレルゲン一覧、緊急時の連絡先まで、確認できた範囲でまとめました。

目次

結論:韓国の食堂にアレルギー表示義務はない

先に一番大事なことを繰り返します。韓国で食品のアレルギー表示が法律で義務づけられているのは、容器包装された加工食品と、全国50店舗以上のチェーンが扱う一部の品目だけです。それ以外の、街にある一般食堂(일반음식점(イルバンウムシクチョム=一般飲食店))には、法的な表示義務がありません。国民権益委員会は2019年に、食堂のメニュー表などへ自主的にアレルギー表示をするよう”勧告”を出していますが、これはあくまで努力目標で、実施は各店の判断に任されています。実施している店もありますが、していない店のほうが多いのが実情のようです。

つまり「メニューに書いてあるはず」という日本の感覚のまま韓国の食堂に入ると、情報が出てこないまま食事が始まってしまう可能性があります。編集部の整理では、表示を待つのではなく、こちらから聞く前提で動くのが韓国での食物アレルギー対策の基本になります。食堂の予約やお店選びの基本を先に押さえておくと、当日の会話にも余裕が持てるはずです。

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ソウルイン編集部正直、「アレルギー表示があって当たり前」という前提を韓国に持ち込むと、痛い目を見ます。表示が無いのは店が不親切なのではなく、そもそも法律上の義務が無いだけ、という整理をしておくと、現地での動き方が変わってきます。

次の見出しでは、なぜ加工食品と外食でルールがこれほど違うのか、制度の骨格を整理します。表示義務がある/ないの線引きを知っておくと、コンビニで買うときと、食堂に入るときで、気の持ち方を切り替えられるようになります。


韓国の表示制度は「加工食品」と「外食」で別ルール

韓国の食品アレルギー表示制度は、大きく分けて2つの法令で成り立っています。ひとつは容器包装された加工食品全般に適用される「식품 등의 표시・광고에 관한 법률 시행규칙」(食品等の表示・広告に関する法律施行規則)で、原材料名の近くに、背景色を変えた別枠でアレルギー誘発物質を表示することが義務づけられています。含有量の多い少ないに関わらず、使っていれば必ず表示しなければならないルールです。

もうひとつが、外食チェーンだけを対象にした「어린이 기호식품 등의 알레르기 유발 식품 표시기준 및 방법」(子ども向け嗜好食品等のアレルギー誘発食品表示基準および方法、식품의약품안전처고시)です。この規則が対象にしているのは、直営店とフランチャイズ加盟店を合わせて全国50店舗以上を展開する事業者が扱う、パン・菓子類、アイスクリーム類、ハンバーガー、ピザの4品目だけ。2021年7月に、それまでの「100店舗以上」という基準から「50店舗以上」に対象が広がりました。この基準が2026年8月時点でさらに変わったという情報は確認できていません。

検索すると「一般飲食店にもアレルギー表示が義務化される」という趣旨の情報が見つかることがありますが、原典の法令改正履歴を確認したところ、該当する法改正は別の制度(特殊医療用途食品制度の新設)についてのもので、飲食店の表示義務拡大とは無関係でした。2026年8月23日時点で、一般飲食店への法的な義務拡大は確認できていません。

整理すると、義務表示の対象は「加工食品」と「大手チェーンの一部品目」の2種類だけで、それ以外の一般食堂・個人店・小規模チェーン・屋台は制度の外にあります。サムギョプサル店のような個人経営の焼肉店も、基本的にはこの「表示義務が無い」側に含まれると考えておくのが安全です。次の見出しでは、義務がある側、つまりコンビニやスーパーの加工食品の表示を、実際にどう見分ければいいかを見ていきます。

その店にアレルギー表示の法的義務があるかどうかを、加工食品・大手チェーンの4品目・一般食堂の3パターンに分けて整理した図

コンビニ・スーパーの表示を見分けるコツ

加工食品のパッケージには、原材料名表示欄の近くに、背景色を変えた別枠でアレルギー表示が設けられています。探すキーワードは알레르기 유발물질(アルレルギ ユバルムルジル=アレルギー誘発物質)。この単語のあとに「달걀, 우유, 새우, 이산화황, 조개류(굴) 함유」のように、含まれる物質名が並んでいる形式が一般的です。「함유」は「含有」という意味なので、この単語の直前に並んでいる名詞が、含まれているアレルゲンだと考えて大丈夫です。

注意したいのは、単一の原材料だけで作られた食品や、商品名そのものがアレルギー表示対象の原材料名と同じ場合(たとえば「牛乳」という商品名の牛乳)は、表示が省略できるというルールがあることです。表示欄が見当たらないからといって、必ずしも「アレルゲンが入っていない」とは限りません。また、同じ製造ラインで別の製品にそば粉などを使っている場合には、「이 제품은 알레르기 발생 가능성이 있는 메밀을 사용한 제품과 같은 제조 시설에서 제조하고 있습니다」(この製品はアレルギーの可能性があるそばを使用した製品と同じ製造施設で製造しています)というような注意文言が、表示欄とは別に添えられていることもあります。

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ソウルイン編集部編集部の整理では、コンビニのおにぎりや惣菩パンの裏面表示は、日本のコンビニ商品と見た目の並びが近いので、慣れると意外とすぐに見つけられます。ただし文字がすべてハングルなので、翻訳アプリのカメラ機能を併用すると確認が早いです。

スーパーで買い物をする機会が多い人は、韓国のスーパーでの買い物の基本もあわせて見ておくと、表示欄を探す以外の場面でも迷いにくくなります。コンビニで軽食を済ませることが多い旅程なら、コンビニの活用ガイドも参考になるはずです。ただし、加工食品の表示はあくまで加工食品限定の話。次の見出しでは、表示に頼れない食堂の場面で、実際にどう伝えればいいのかという、この記事のいちばんの本題に入ります。


アレルギーを伝える韓国語フレーズ(保存版)

ここからは、食堂やカフェで実際に使える韓国語フレーズをまとめます。表示に頼れない以上、自分の言葉で伝える以外に確実な方法はありません。まず基本になるのが、自分のアレルギーを名乗る一言です。

日本語 ハングル カタカナ読み
私は〇〇アレルギーです 저는 〇〇 알레르기가 있어요 チョヌン 〇〇 アルレルギガ イッソヨ
これに〇〇入っていますか? 이 음식에 〇〇 들어있나요? イ ウムシゲ 〇〇 トゥロインナヨ
〇〇を抜いてください 〇〇 빼 주세요 〇〇 ペジュセヨ
これに使われている材料を教えてください 여기에 어떤 재료가 들어가는지 알려주세요 ヨギエ オットン チェリョガ トゥロガヌンジ アルリョジュセヨ
子どもが〇〇アレルギーです 아이가 〇〇 알레르기가 있어요 アイガ 〇〇 アルレルギガ イッソヨ
これは命に関わります(重症です) 심각한 알레르기라서 생명이 위험할 수 있어요 シムガカン アルレルギラソ センミョンイ ウィホマルス イッソヨ
少しでも入ったら危険です 조금이라도 들어가면 위험해요 チョグミラド トゥロガミョン ウィホメヨ
別の調理器具で作ってもらえますか 다른 조리도구로 만들어 주실 수 있나요? タルン チョリドグロ マンドゥロ ジュシルス インナヨ

(法制処・食薬処の資料をもとに編集部で整理、2026年8月23日確認)

〇〇の部分に、次の見出しで紹介するアレルゲンの韓国語を入れれば、そのまま使える組み合わせです。軽症の場合と、命に関わる重症の場合とで、伝え方の強さを変えられるようにしておくのがコツ。「조금이라도(少しでも)」「위험해요(危険です)」という言葉を添えるだけで、店側の受け取り方がかなり変わってくるはずです。カフェでの注文にも似た言い回しが使えるので、カフェ注文の韓国語フレーズも一緒に見ておくと、飲み物を頼むときにも応用できます。

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ソウルイン編集部正直、いちばん使う場面が多いのは「이 음식에 〇〇 들어있나요?(これに〇〇入っていますか?)」だと編集部では見ています。名乗るより先に、まず聞く。この順番のほうが会話が続きやすい印象です。

主要アレルゲンの韓国語一覧(日本との違い)

韓国の法令(식품 등의 표시・광고에 관한 법률 시행규칙 별표2)で表示対象になっているアレルギー誘発物質は、法令原文の名称単位で数えると19項目です。食薬処や報道では慣用的に「22種」と呼ばれることもありますが、これは조개류(貝類)が굴(牡蠣)・전복(あわび)・홍합(ムール貝)の3種を含む数え方などによる差と見られます。この記事では、原文で確認できた19項目に、参考として胡麻(참깨)を加えた一覧を掲載します。

日本語 ハングル カタカナ読み
卵(鶏卵) 달걀 / 계란 タルギャル/ケラン
牛乳 우유 ウユ
小麦 ミル
そば 메밀 メミル
落花生 땅콩 タンコン
大豆 대두 テドゥ
えび 새우 セウ
かに
さば 고등어 コドゥンオ
豚肉 돼지고기 テジゴギ
복숭아 ポクスンア
トマト 토마토 トマト
亜硫酸類 아황산류 アファンサンニュ
くるみ 호두 ホドゥ
鶏肉 닭고기 タッコギ
牛肉 쇠고기 / 소고기 ソェゴギ/ソゴギ
いか 오징어 オジンオ
貝類(牡蠣・あわび・ムール貝含む) 조개류(굴・전복・홍합 포함) チョゲリュ(クル・チョンボク・ホンハプ ポハム)
松の実 チャッ
(参考・義務表示対象外)胡麻 참깨 / 깨 チャムケ/ケ

(法制処 국가법령정보센터 原文、2026年8月23日確認)

日本の特定原材料8品目(えび、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生)と見比べると、韓国のリストにはサバ・豚肉・桃・トマト・亜硫酸類・鶏肉・牛肉・いか・貝類・松の実が加わっていて、対象の幅がかなり広いことがわかります。逆に、日本でも韓国でも表示義務の対象になっていないのが胡麻(참깨)です。韓国料理はごま油やいりごまを仕上げに多用しますが、義務表示の対象外なので、加工食品のパッケージにも記載が無いことがあります。胡麻アレルギーがある人は、表示を探すのではなく、必ず自分から確認する必要があります。

ハングルの綴りを間違えると通じません。特に「메밀(そば)」を「매밀」などと書き間違えやすいので、フレーズを控える際は本記事の表記をそのまま写すか、スクリーンショットで見せる方法をおすすめします。

次の見出しでは、この一覧だけでは気づきにくい、韓国料理に隠れがちなアレルゲンを具体的に見ていきます。


見落としやすい「隠れアレルゲン」

アレルゲンの一覧を覚えていても、料理名からは中身が想像しづらいケースが韓国料理には少なくありません。編集部で整理した、見落としやすい組み合わせをまとめます。

料理 隠れていることが多いもの
냉면(冷麺、特に平壌冷麺) そば(메밀)。麺に使用されるが、そば粉100%ではなく小麦粉を混ぜる店も多い
막국수 そば(메밀)。냉면と同様の理由
김밥・비빔밥 卵(달걀)。薄焼き卵や炒り卵が具材として使われることが多い
김치(キムチ) えび・魚介。새우젓(塩辛えび)や멸치액젓(いわし魚醤)などの젓갈(塩辛・魚醤)が製造時に使われることが多い
薬菓・강정・떡などの韓菓・おやつ 落花生・くるみ・松の実(땅콩・호두・잣)
ナムル・炒め物・タレ全般 胡麻(참깨・들깨)。ごま油やいりごまが仕上げに多用される

(一般的な韓国料理の作り方・製造慣行にもとづく整理、2026年8月23日確認)

ここで大事なのは、これらはあくまで「入っていることが多い」という一般的な傾向であって、「必ず入っている」ではないということです。냉면の生地の配合比は店ごとに違いますし、キムチも家庭や店によってレシピが異なります。「キムチだから植物性のはず」という思い込みは危険で、実際には魚介系の調味料が使われていることが多いというのが実情です。一般化できない以上、最終的には店で直接確認するしかありません。

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ソウルイン編集部正直、キムチの魚介系調味料は、韓国料理に慣れている編集部でも最初は見落としがちでした。「野菜の漬物だから安全」という感覚が一番危ないパターンかもしれません。

焼肉のタレやサムギョプサルの薬念にも、えびや魚醤ベースの調味料が使われていることがあります。サムギョプサルの食べ方ガイドを読む際は、タレの構成にも注意を向けてみてください。次の見出しでは、子ども連れの旅行で気をつけたい、大手チェーンの表示対象について整理します。


子ども連れが知っておきたい表示のルール

子どもと一緒に韓国を旅行する場合、「어린이 기호식품(子ども向け嗜好食品)」という制度を知っておくと、店選びの判断材料が増えます。この制度の対象は、直営店とフランチャイズ加盟店を合わせて全国50店舗以上を展開する事業者が扱う、パン・菓子類、アイスクリーム類、ハンバーガー、ピザの4品目だけです。対象の店舗では、熱量・糖類・脂肪・トランス脂肪・ナトリウムという栄養成分5種類と、加工食品と同じアレルギー誘発物質の表示が義務づけられています。

表示方法は、店舗内ならメニューや価格表示の近くに原材料名を表示するか、ポスターや冊子で一括表示する形。オンライン注文ならサイトやアプリの製品名の近くに、電話注文ならリーフレットやステッカーなどで提供する決まりになっています。つまり、大手のハンバーガーチェーンやアイスクリームチェーンでは、比較的表示を見つけやすいということです。逆に、個人経営のパン屋やアイスクリーム店、50店舗未満の小規模チェーンは、この制度の対象外になります。

この制度の対象品目はパン・菓子類、アイスクリーム類、ハンバーガー、ピザの4つだけです。同じチェーンでも、定食や麺類など対象外のメニューには表示義務がありません。「このチェーンは表示制度の対象だから安心」と品目を問わず思い込まないよう注意してください。

子ども連れの場合は、想定外の間食(屋台のおやつなど)でアレルゲンに触れるリスクも考えておく必要があります。宿泊先の近くで、翻訳アプリを使いながら店員に確認する練習を旅の初日にしておくと、その後の外食がスムーズになります。翻訳アプリの選び方に迷ったら、韓国旅行で使える定番アプリのガイドも参考にしてみてください。次の見出しでは、翻訳アプリだけに頼らず、自分の言葉を用意しておくことの大切さについて触れます。


とっさの一言を自分の言葉にしておく

ここまで韓国語フレーズを紹介してきましたが、実際の現場では「フレーズを見せる」だけでは足りない場面があります。翻訳アプリの画面を店員に見せて、こちらの希望を伝えることはできても、店員からの返事を聞き取れるかどうかは、また別の問題だからです。「大丈夫、抜けます」なのか、「それは難しい、別のメニューを勧めたい」なのか、短い返事の中身を自分の耳で拾えないと、結局は表示にすら頼れない曖昧な状態のまま食事が始まってしまいます。

アレルギーは翻訳アプリの画面を見せて済ませたい場面ほど、相手の返事を聞き取れるかどうかが効いてくる。短い確認のやりとりだけでも自分の言葉にしておくと、任せきりにせずに済む。というのが編集部の実感です。フレーズを覚えるだけでなく、返ってくる可能性が高い短い返事のパターン(「네, 가능해요(はい、できます)」「그건 어려워요(それは難しいです)」など)も、あわせて耳で慣れておくと安心感が違います。

できる韓国語オンライン

短い受け答えを自分の耳と口に慣れさせておく手段のひとつとして、新大久保語学院の「できる韓国語」シリーズのテキストを使うオンライン講座もあります。旅行直前の詰め込みというより、聞き取りの土台を作っておく用途に向いているようです。フレーズ集は保存版として持ちつつ、余裕があれば短い会話に耳を慣らしておくと、食堂でのやりとりに限らず、旅全体の安心感が変わってくるはずです。


緊急時の連絡先と使い方(119・1330)

ここからは、万が一の緊急時に頼れる公的な連絡先を整理します。韓国で救急を呼ぶ番号は119(イルイルグ)で、消防・救急の緊急通報番号です。無料で利用できます。外国人向けの体制として、通報時に1330(韓国観光公社)の通訳と119を3者通話(3자통역)でつなぐ仕組みがあり、英語・日本語・中国語での通訳対応が報道で確認できています。

1330(イルサムサムコン)は韓国観光公社が運営する観光通訳案内電話で、韓国語・英語・日本語・中国語の4言語は年中無休・24時間対応です。ロシア語・ベトナム語・タイ語・マレー/インドネシア語の4言語は2026年時点で試験運用中で、毎日08:00〜19:00の対応となっています(順次24時間化予定と発表)。1330は119(消防)や112(警察)と3者通話で接続できるため、医療緊急時の通訳サポートとしても使える窓口です。

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ソウルイン編集部編集部の整理では、緊急時にいきなり119へ電話するのが不安なら、まず1330にかけて事情を話し、そこから119につないでもらう流れでも対応してもらえるようです。スマホに1330の番号をあらかじめ登録しておくと、いざというとき迷わずに済みます。

数字だけの番号ですが、シートマスク1枚を買うより短い時間で登録できる手間です。旅行前にスマホの連絡先に「119」「1330」を保存しておくだけでも、心理的な備えになります。次の見出しでは、常備薬や持病がある人が、渡航前に確認しておきたいことをまとめます。


持病がある人が渡航前に確認しておくこと

重いアレルギーがある人にとって気になるのが、エピペン(에피펜、アドレナリン自己注射薬)の韓国への持ち込みです。この点について、エピペン単体を名指しした公的ガイドラインは確認できませんでした。ただし、関連する公的情報として、エピネフリン(アドレナリン)は韓国で麻薬類(마약류)には該当せず、食薬処が定める「自家治療用医薬品の持込に事前承認(취급승인)が必要な薬」の対象は、ゾルピデムやジアゼパムなどの向精神薬・麻薬類に限られていることが確認できています。一般的な処方薬は、治療目的を証明する処方箋・診断書(英文が望ましい)を携帯すれば、旅行に必要な範囲の数量を持ち込めるという取り扱いも確認できました。

エピペンが麻薬類の事前承認対象に含まれないことは確認できましたが、これはエピペンを名指しした一次情報ではなく、関連制度からの推論にとどまります。数量や注射針の扱い、航空会社ごとの機内持ち込みルールは変わる可能性があるため、断定はできません。渡航前に、必ず処方医の英文診断書・処方箋を用意したうえで、利用する航空会社、そして心配な場合は駐日・駐韓の大使館や領事館に事前確認をしてください。

常備薬の持参や薬局での相談については、韓国の薬局・常備薬の基本ガイドもあわせて確認しておくと安心です。万が一の受診先としては、ソウル大学病院、延世大学セブランス病院、ソウル峨山病院などの大型病院に「国際診療センター(국제진료센터)」があり、英語・日本語・中国語・ロシア語などの通訳コーディネーターが常駐しています(セブランス病院は英語・日本語通訳センターを常設)。センターの診療時間外でも、各病院の救急医療センター(응급의료센터)で対応可能です。海外旅行保険と病院受診の流れも、事前に目を通しておくと、実際に受診が必要になったときに落ち着いて動けます。

公的機関が配布する「韓国語アレルギーカード」のテンプレートは、確認できた範囲では見つかりませんでした。見つかったのは、Etsyや海外の民間団体が作成した非公式カードのみです。公的な配布物が無い以上、本記事のフレーズや韓国語一覧をスクリーンショットして保存しておき、必要な場面でそのまま見せるという方法が、今のところ一番現実的な備えと言えそうです。


よくある質問

韓国の食堂には、必ずアレルギー表示がありますか?
いいえ。一般の食堂・個人店には法的な表示義務がありません。表示義務があるのは、容器包装された加工食品と、全国50店舗以上のチェーンが扱うパン・菓子類、アイスクリーム類、ハンバーガー、ピザの4品目だけです。それ以外の食堂では、店員に自分から伝える必要があります。
胡麻(ごま)アレルギーがある場合、何に気をつければいいですか?
胡麻(참깨)は、韓国の義務表示対象19品目(慣用的に22種と呼ばれることも)には含まれていません。韓国料理はごま油やいりごまを多用しますが、加工食品のパッケージにも記載が無いことがあるため、表示を探すのではなく、必ず自分から確認することをおすすめします。
日本のアレルギー表示品目と、韓国は同じですか?
違います。日本の特定原材料8品目に対して、韓国の対象19品目にはサバ・豚肉・桃・トマト・亜硫酸類・鶏肉・牛肉・いか・貝類・松の実などが加わっています。逆に胡麻は両国とも義務表示の対象外です。日本の感覚のまま安全と判断しないよう注意してください。
緊急時はどこに連絡すればいいですか?
救急は119(無料)です。日本語対応が心配な場合は、1330(韓国観光公社の観光通訳案内電話)にかけると、119や112と3者通話でつないでもらえます。1330は韓国語・英語・日本語・中国語なら24時間対応です。

まとめ

  • 韓国の一般食堂にアレルギー表示の法的義務は無い。義務があるのは加工食品と、50店舗以上チェーンの4品目だけ
  • 表示義務対象は法令原文の名称単位で19項目(食薬処や報道では慣用的に22種と呼ばれることもある)
  • 胡麻(참깨)は日本・韓国とも義務表示の対象外。ごま油を多用する韓国料理では自分から確認が必要
  • 冷麺のそば、キムチの魚介系調味料など、料理名からは想像しにくい「隠れアレルゲン」がある
  • 翻訳アプリの画面を見せるだけでなく、短い返事を聞き取れる準備をしておくと安心感が変わる
  • 緊急時は119(救急)、日本語が心配なら1330(観光通訳案内電話)。エピペンの持ち込みは渡航前に必ず個別確認を

韓国では「表示があるはず」ではなく「自分から伝える」が前提になります。フレーズと一覧を保存版として持ちながら、食堂に入る前の心構えとして、この記事の内容を思い出してもらえたら嬉しいです。備えておくべきことが多い分、準備さえできていれば、韓国での外食を過度に恐れる必要はないはずです。

参考・出典

  • 식품 등의 표시・광고에 관한 법률 시행규칙 [별표2] 原文PDF(法制処 国家法令情報センター) https://law.go.kr/LSW/flDownload.do?flSeq=42533884 (2026年8月23日確認)
  • 식품 등의 표시・광고에 관한 법률 시행규칙 本文(시행 2026.1.1.) https://www.law.go.kr/LSW/lsInfoP.do?lsiSeq=267855 (2026年8月23日確認)
  • law.go.kr 행정규칙「어린이 기호식품 등의 알레르기 유발 식품 표시기준 및 방법」(식품의약품안전처고시 제2017-15호) https://law.go.kr/admRulLsInfoP.do?admRulSeq=2100000078560 (2026年8月23日確認)
  • 대한민국 정책브리핑(korea.kr)「어린이 기호식품 알레르기 표시 의무 대상 확대」 https://www.korea.kr/news/policyNewsView.do?newsId=148890102 (2026年8月23日確認)
  • 국민권익위원회 보도자료「식품 알레르기 유발물질 표시 강화된다」 https://www.acrc.go.kr/board.es?mid=a10402010000&bid=4A&act=view&list_no=8584 (2026年8月23日確認)
  • 식품안전나라「알레르기 유발 식품 표시에 대해 알아보아요」 https://www.foodsafetykorea.go.kr/portal/board/boardDetail.do?menu_no=3120&menu_grp=MENU_NEW01&bbs_no=bbs001&ntctxt_no=1091412 (2026年8月23日確認)
  • 식품의약품안전처「자가치료용 마약류 휴대반입 절차 안내」 https://www.mfds.go.kr/brd/m_74/view.do?seq=43906 (2026年8月23日確認)
  • 주오사카 대한민국 총영사관「자가치료용 마약류 의약품 반입허가」 https://www.mofa.go.kr/jp-osaka-ko/brd/m_20878/view.do?seq=1344812 (2026年8月23日確認)
  • 한국관광공사(KNTO) 보도자료「1330 관광통역안내전화 8개 국어로 확대 운영」 https://knto.or.kr/pressRelease/429189?curPage=79 (2026年8月23日確認)
  • 119 다국어 안내 관련 보도(Daum、2025年7月27日付) https://v.daum.net/v/20250727160739717 (2026年8月23日確認)
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