子連れで韓国に行くとき、交通費の見積もりでいちばん迷うのが「子どもはいくらかかるのか」ではないでしょうか。大人と同じT-moneyカードを渡せば、それで子ども料金になると思っていたら、実は改札で普通に大人料金が引かれていた——という話は、韓国在住者のあいだでも意外と知られていません。子どもの交通費は、カードさえ持っていれば自動で安くなるわけではないのです。
韓国の交通運賃には「無料(満6歳未満)」「어린이(オリニ・子ども)(満6〜12歳)」「청소년(チョンソニョン・青少年)(満13〜18歳)」「一般(満19歳以上)」の4区分があります。子ども・青少年の割引運賃を使うには、T-moneyカードにその子の生年月日を登録し、「子ども用/青少年用」として使う必要があります。大人用として買った(登録していない)カードで乗ると、実際の年齢に関係なく大人料金が引かれます。外国人の子どもが確実に登録できるかどうかは、公式情報の範囲では断定できませんでした。この記事では、年齢区分・登録の手順・現地で困ったときの相談先まで、わかっている範囲を正直に整理します。
結論:子どもの交通費はいくらで、カードは本当に必要なのか
先に金額から言ってしまうと、交通カード利用時の基本運賃は、大人1,550ウォン・青少年900ウォン・子ども550ウォンです(2026年8月24日確認、地下鉄・バス共通)。子ども運賃は大人のおよそ3分の1、コンビニのお菓子1つ分くらいの感覚です。家族4人(大人2・子ども2)で片道移動しただけでも、子どもがきちんと子ども運賃で乗れるかどうかで、旅程全体の交通費は数千ウォン単位で変わってきます。
ここで見落としやすいのが、「子ども料金は自動で適用されるものではない」という点です。日本のSuicaやICOCAのように年齢を端末側で判定してくれる仕組みではなく、韓国のT-moneyは「このカードは子ども用です」という登録情報をカード自体に持たせる方式を採っています。つまり、カードの持ち主が実際に何歳かではなく、カードに登録された生年月日で運賃が決まるということです。
この登録さえ済ませれば、あとは大人と同じようにピッとタッチするだけで子ども運賃が引かれます。逆に言えば、登録を忘れたまま何度乗っても、レシートの金額は大人料金のまま変わりません。次の見出しから、年齢区分の細かい線引きと、登録という一手間の中身を順番に見ていきます。

無料・子ども・青少年・大人—韓国の交通の年齢区分は何歳から何歳まで
韓国の公共交通の年齢区分は、次の4段階です。ソウル市の公式案内によると、地下鉄・バスとも共通の基準になっています(2026年8月24日確認)。
- 無料:満6歳未満(保護者同伴の場合。保護者1名につき3人まで無料)
- 子ども(어린이):満6歳〜満12歳
- 青少年(청소년):満13歳〜満18歳
- 一般(大人):満19歳以上
ここでの「満6歳未満」は、日本の感覚でいう小学校入学前とほぼ重なります。ただし、区分の切り替わりは学年ではなく「その日の満年齢」で決まるという解説記事があり、誕生日を迎えた当日から運賃区分が変わる仕組みだと考えておくのが安全です。旅行の日程が子どもの誕生日をまたぐ場合は、この点だけ頭の片隅に置いておくとよいでしょう。
もう一つ注意したいのが、青少年の上限です。満18歳までが基本ですが、19歳以上24歳以下でも学校に在籍していれば青少年扱いになる制度があるとされています。とはいえ、これは韓国国内の在学証明を前提にした話なので、旅行者の家族が意識する場面はほぼ無いはずです。子連れ旅行で実務上気にすべきは、あくまで6歳・13歳・19歳という3つの区切りだと考えておけば十分です。
子ども料金で乗るには「登録」が要る—ここが記事の核心
結論部分でも触れましたが、ここがいちばん誤解されやすいポイントなので、あらためて丁寧に説明します。T-moneyカードは、購入した時点では「一般用」として発行されるのが基本です。子ども・青少年の割引運賃を受けるには、カードに利用者の生年月日を登録して、「子ども用/青少年用」に切り替える手続きが必要になります。
公式の案内によると、登録に必要な情報はカード番号と生年月日だけで、住民登録番号のような込み入った個人情報は求められません。登録できる場所は、コンビニ(GS25・CU・セブンイレブンなど)、地下鉄駅構内の高客案内所(サービスセンター)、T-moneyの公式サイトやアプリの3系統です。券売機や街頭の販売店でカードを買った場合は、最初に使った日から10日以内にどこかで登録を済ませないと、そのまま大人料金に固定されるとされています。
大事なのは、「子どもが持っているカードだから子ども料金になる」わけではないという点です。保護者のカードで子どもの分まで支払ったり、登録していない一般カードを子どもに持たせたりした場合、改札やバスの端末が引くのは大人料金です。子ども1人につき1枚、登録済みのカードを用意する、という前提で予算を組んでおくのが確実です。
| 状態 | 運賃 | 備考 |
|---|---|---|
| 子ども用として登録済みのカード | 550ウォン | 満6〜12歳向け(2026年8月24日確認) |
| 青少年用として登録済みのカード | 900ウォン | 満13〜18歳向け(2026年8月24日確認) |
| 登録していない一般カード | 1,550ウォン | 子どもが持っていても大人料金になる(2026年8月24日確認) |
T-moneyとCashbeeという2つの交通カードブランドが並存していますが、子ども・青少年の登録という考え方自体はどちらも共通です。カードの選び方やチャージ方法の細かい違いが気になる人は、T-moneyとCashbeeの違いをまとめた記事もあわせて確認しておくと、現地で迷わずに済みます。
外国人(旅行者)の子どもは子ども料金を使えるのか
ここが、この記事でいちばん正直に書きたい部分です。結論から言うと、外国人の子どもが確実に子ども料金の登録を受けられると断定できる公式情報は見つかりませんでした。登録に必要なのは生年月日だけで、国籍を条件にした記載も見当たらなかった一方、「外国人でも問題なく登録できます」と明記したページも確認できていません。
ただし、手がかりはいくつかあります。まず、コンビニや駅の窓口でその場登録する方式は、係員が生年月日を入力する形なので、韓国の携帯電話番号による本人認証は必要ないと考えられます。実際に、日本語の旅行者ブログには、コンビニで子ども用T-moneyカードを購入した際、店員から子どものパスポート提示を求められ、それを見せて子ども用として登録してもらえたという体験談があります。ただしこれは個人の体験談であり、店舗ごとの対応差がある可能性は残ります。
一方で、T-moneyの公式サイト・アプリでのオンライン登録には、カード名義の携帯電話番号によるSMS本人認証が必要とされています。韓国国内の携帯番号(010番号)を持たない短期旅行者は、この経路を使うのが難しい可能性が高いです。旅行者は、コンビニまたは駅構内の高客案内所で直接登録する方法を選ぶほうが現実的です。
正直なところ、「絶対にできます」とも「絶対にできません」とも言い切れないのが実情です。だからこそ、現地で困ったときに聞ける窓口を知っておくことが、断定的な答えよりも役に立つはずです。子どもの旅券(パスポート)は、念のため持ち歩いておくと、生年月日を確認してもらう場面で提示できて安心です。
カードの買い方と登録の手順
ここからは実際の手順です。まず、子ども用のT-moneyカードを用意する方法は大きく2つあります。ひとつは、コンビニで新しくカードを買うと同時に「子ども用/青少年用にしてください」と伝えて、その場で登録してもらう方法。もうひとつは、すでに持っている(または空港などで買った)一般カードを、後から子ども用に切り替える方法です。
- コンビニ(GS25・CU・セブンイレブンなど)でT-moneyカードを購入する
- 購入時に「子ども用/青少年用として登録したい」と伝え、子どもの生年月日を店員に伝える
- その場で登録できない場合(券売機や街頭の販売店で買った場合)は、最初に使った日から10日以内に、駅の高客案内所・コンビニ・公式サイトのいずれかで生年月日を登録する
- 登録から数日(公式の説明では営業日で3日ほど)で、割引運賃が反映される
ソウル・仁川の地下鉄駅には、改札付近に高客案内所(サービスセンター)が設けられている駅が多く、言葉に不安がある場合はここで直接お願いするのが確実です。カードそのものの値段は数千ウォン程度が目安ですが、実際の価格は店舗や時期によって変わるため、現地で確認するのがいちばん確実です。
すでに一般カードを持っている場合でも、あとから子ども用への切り替え登録ができるとされています。旅行の途中で気づいた場合も、諦めずに近くのコンビニや駅窓口で相談してみる価値はあります。旅の終わりにカードの残高が余ったときの精算方法は、交通カードの払い戻しをまとめた記事に整理しているので、あわせて確認しておくと安心です。
無料で乗れる年齢の子を連れているときの改札の通り方
満6歳未満で保護者同伴の子は、運賃を払わずに改札やバスの乗降口を通過できます。ソウル市の公式案内では「保護者1名につき3人まで無料」とされているので、子ども3人までを1人の大人が連れている分には、特別な手続きなしで通過できる計算です。4人目以降は子ども運賃が必要になるため、大人数のグループ旅行では人数配分に気をつけたいところです。
実際の通り方としては、保護者が自分のカードをタップして扉を通り、無料年齢の子はその隣・後ろについて同じ扉を一緒に通過する、という運用が一般的とされています。韓国の改札はバーで区切るタイプではなく、開閉式のフラップゲートが主流なので、大人1人分のタッチで子どもも一緒に通れる場面が多いはずです。ただし、駅によって設備や運用の細部が異なる可能性はあるため、不安な場合は近くの駅員に一声かけておくと安心です。
バスの場合は、乗車時に運転手へ「子どもは無料の年齢です」と一言添えておくと、トラブルが起きにくいという案内があります。特に混雑時間帯は、運転手からも子どもの人数を確認されることがあるので、あらかじめ何歳の子が何人いるかを伝える準備をしておくと、乗り降りがスムーズになります。
バス・地下鉄・タクシーで扱いは違うのか
年齢区分と運賃自体は、バスと地下鉄で共通です。子ども550ウォン・青少年900ウォン・大人1,550ウォンという基本運賃も、交通カード利用時であればどちらの手段でも変わりません(2026年8月24日確認)。バスの乗り方全体の流れに不安がある人は、ソウルのバスガイド記事もあわせて読んでおくと、乗り降りのタイミングまでイメージしやすくなります。
一方でタクシーは事情が異なります。ソウル市の公式な料金案内には、年齢による割引や子ども料金の記載が見当たりませんでした。つまり、タクシーはメーター制の運賃がそのまま適用され、子どもだからといって安くなる仕組みは無いと考えておくのが安全です。荷物が多い日や、子どもが疲れて歩けなくなった夜だけタクシーを使う、といった使い分けをしておくと、交通費全体の予算が読みやすくなります。
もうひとつ、期間限定で乗り放題になる기후동행카드(気候同行カード)にも、青少年向けの割引権種があるとされています。ただしこのカードは仕組みが独立していて、購入場所やチャージの考え方もT-moneyの子ども登録とは別物です。詳しい対象や金額は気候同行カードについてまとめた記事にまとめているので、旅程の日数が長く元が取れそうな家族は、そちらもあわせて検討してみてください。
ベビーカーでの移動は別記事で整理しています
交通費とあわせて気になるのが、ベビーカーでの移動のしやすさではないでしょうか。地下鉄の駅によってはエレベーターの位置が改札から離れていたり、バスの乗降口の段差が気になったりと、ベビーカー移動には交通カードの話とは別の悩みがつきものです。この記事では交通費と登録の話に絞っているため、ベビーカーでの具体的な移動のコツは扱いません。
空港からホテルまでの移動でベビーカーをどう扱うかという点は、子連れの空港アクセスをまとめた記事で整理しています。到着直後のいちばん荷物が多いタイミングをどう乗り切るかは、交通費の心配以上に旅の満足度を左右する部分なので、出発前に目を通しておくことをおすすめします。
また、家族4人での旅程全体の交通費・宿泊費の感覚をつかんでおきたい人は、家族4人での韓国旅行費用をまとめた記事も参考になります。子どもの運賃が思ったより安く抑えられることが分かれば、その分を食事や体験にまわす、といった予算配分の判断もしやすくなるはずです。
よくある質問
まとめ
- 韓国の交通運賃は「無料(満6歳未満)」「子ども(満6〜12歳・550ウォン)」「青少年(満13〜18歳・900ウォン)」「大人(満19歳以上・1,550ウォン)」の4区分(2026年8月24日確認)
- 子ども・青少年の割引運賃には、T-moneyカードへの生年月日登録が必須。登録していないカードは大人料金になる
- 登録はコンビニ・駅の高客案内所・公式サイト/アプリのいずれかで可能。券売機等で買った場合は10日以内の登録が必要
- 外国人の子どもが確実に登録できるとする公式情報は確認できなかった。コンビニ・駅窓口での直接登録が現実的な選択肢
- 無料年齢の子は保護者同伴なら運賃不要(1人につき3人まで)。単独乗車は対象外とされる
- バス・地下鉄の運賃・年齢区分は共通。タクシーには年齢による割引は確認できなかった
子どもの交通費は、金額そのものはそれほど大きくありません。むしろ差が出るのは、「登録した子ども用カードを持っているかどうか」という一手間の有無です。到着してすぐのコンビニで、子どもの生年月日を伝えて登録をお願いする——このひと手間だけ覚えておけば、あとは大人と同じようにタッチするだけで、旅程を通じて安心して過ごせるはずです。
参考・出典
- ソウル特別市公式「교통 요금 안내」 https://news.seoul.go.kr/traffic/traffic_price (2026年8月24日確認)
- ソウル特別市物価情報「지하철 요금」 https://sftc.seoul.go.kr/seoul/mulga/main/contents.do?menuNo=200021 (2026年8月24日確認)
- ソウル特別市物価情報「택시 요금」 https://sftc.seoul.go.kr/seoul/mulga/main/contents.do?menuNo=200023 (2026年8月24日確認)
- T-money公式「어린이/청소년 할인 등록」 https://www.t-money.co.kr/ncs/pct/cardrgt/ReadDscdRgtDvs.dev (検索エンジン経由で内容確認、2026年8月24日確認)
- T-money公式「할인 등록 방법 안내」 https://pay.tmoney.co.kr/ncs/pct/cardrgt/ReadDscdRgtUgd.dev (検索エンジン経由で内容確認、2026年8月24日確認)
- データイリーウェルネス「”아직 미취학인데요?”… 교통요금 기준, 학년이 아니라 “나이”입니다」 https://v.daum.net/v/KHIvU7Sg3H (2025年7月1日付、2026年8月24日確認)
- 韓国観光公社 観光通訳案内電話1330 案内 (2026年8月24日確認)

