アイコスやグロー、プルームなど加熱式タバコを毎日吸っている人、あるいはリキッド式のVAPEが手放せない人にとって、韓国旅行はちょっとした関門があります。免税店の酒とタバコの一覧はよく見かけるけれど、「デバイス本体はスーツケースに入れていいの?」「機内で吸えないのは分かるけど、充電もダメなの?」というところまで書いてある記事は意外と少ないですよね。この記事では、免税本数の一覧そのものではなく、デバイス本体・スティック・リキッドを「行きと帰りでどう運ぶか」に絞って整理します。
加熱式デバイスや電子タバコの本体は、リチウム電池を内蔵しているため預け荷物には入れられません。機内への手荷物としては持ち込めますが、機内での使用・充電はできません。韓国に持ち込むスティックの免税は加熱式タイプで200本まで、リキッドは20mLまで(1種類のみ)。日本に帰るときの加熱式たばこの免税は、2021年10月から「個装等10個」に半減しています。免税本数そのものの一覧は韓国に持ち込める酒・タバコの免税範囲の記事で詳しく扱っているので、本数だけを知りたい人はそちらもあわせてどうぞ。
加熱式デバイス・電子タバコ本体はスーツケースに入れられない
まず押さえておきたいのが、加熱式タバコや電子タバコの本体、そして予備バッテリーの扱いです。これらの機器はリチウムイオン電池を内蔵しており、衝撃や気圧の変化で発火するリスクがあるとされています。韓国の国土交通部が定めた標準的な考え方では、加熱式タバコの本体や予備バッテリーは、電池の電力量にかかわらず預け荷物(受託手荷物)への収納が禁止されています。空港のチェックインカウンターでスーツケースを預ける前に、加熱式デバイス・電子タバコ・ライターなどはすべてカバンから取り出しておく必要があります。
この規定は、2025年1月28日に発生した航空機のバッテリー火災事故をきっかけに、国土交通部が標準を整理したことがきっかけです。アシアナ航空の2026年4月20日付の公式案内でも、予備バッテリーおよび電子タバコは電池の容量にかかわらず受託手荷物としての運送ができないと明記されています(2026年9月13日確認)。日本側でもANAの案内で、電子タバコ(加熱式タバコを含む)はリチウムイオン電池を内蔵しているため預け入れ不可、機内への持ち込みは可能という同じ考え方が示されています。行きの日本出発時も、帰りの韓国出発時も、扱いは基本的に同じと考えておくと安心です。

機内では吸えない・充電もできない——航空保安法上のリスク
「加熱式タバコなら煙も出ないし、機内で吸ってもバレないのでは」と思う人がいるかもしれませんが、これは誤解です。航空機内での喫煙は、加熱式タバコや電子タバコ、無煙タバコ・噛みタバコまで含めて、韓国・日本を含む多くの国で航空保安法(または同等の法令)により全面的に禁止されています。報道によれば、韓国の航空保安法では機内喫煙が発覚した場合、最大1,000万ウォン以下の罰金に処される可能性があるとされています(2026年9月13日確認、条文番号までは今回確認できていません)。
実際、化粧室のセンサーが煙に反応して発覚した事例も報道されています。加熱式タバコは燃焼式のタバコに比べて煙やにおいが少ないとはいえ、蒸気自体はセンサーに反応することがあり、「バレにくい」という思い込みは通用しません。あわせて、機内での充電行為も各航空会社の案内で明確に禁止されています。長時間のフライトでバッテリー残量が気になる人は、搭乗前にしっかり充電しておくか、機内で使わない前提で荷物を組んでおくのが現実的です。
航空機内での喫煙・電子機器の取り扱いに関する最終的な可否・罰則は、搭乗する航空会社の最新の公式案内、および搭乗国の法令で必ず確認してください。この記事の内容は本稿執筆時点で確認できた範囲の整理であり、法令の解釈や適用を保証するものではありません。
韓国に持ち込むスティックは何本まで免税?
韓国関税庁の公式資料によると、韓国入国時のたばこ類の免税は、1人あたりの基本免税枠(米ドル800ドル)とは別枠で設定されています。ただし、たばこは궐련(クォルリョン=紙巻きたばこ)・葉巻・電子タバコ・その他のたばこのうち、いずれか1種類のみが免税対象になる点に注意が必要です。加熱式タバコのスティック(궐련형 전자담배)は200本まで、紙巻きたばこも同じく200本まで、葉巻は50本まで、その他のたばこ(パイプ用刻みたばこなど)は250gまでが免税範囲です(2026年9月13日確認)。
つまり、加熱式スティックを200本持ち込んだうえに、紙巻きたばこも別枠で200本持ち込めるわけではありません。「加熱式もリキッドも両方少しずつ持っていきたい」という人は要注意で、たばこの種類をまたいで免税枠を合算することはできず、あくまで1種類を選んで、その範囲内に収める必要があります。免税枠を超えて持ち込むと、関税・付加価値税・個別消費税に加えて、地方税(担ばこ消費税・地方教育税に相当するもの)まで課される可能性があります。滞在日数分をまとめ買いして持ち込むより、現地の免税店やコンビニで必要な分だけ買い足すほうが、荷物も税金の心配も減らせます。
リキッド式VAPEのニコチン入りリキッドは20mLまで
加熱式ではなく、リキッドを気化させるタイプの電子タバコ(いわゆるVAPE)を使っている人は、リキッドの持ち込み量にも注意が必要です。韓国関税庁の資料では、電子タバコのニコチン用液は20mL以下であれば免税とされていますが、これには「ニコチン含有量が1%未満であること」という条件が付いています(化学物質管理法上の基準、2026年9月13日確認)。ニコチン濃度が高いリキッドを使っている人は、この条件に当てはまるかどうかを事前に確認しておいたほうが安心です。
また、これは加熱式タバコの「기타유형(その他のタイプ)」110gまでという枠とは別項目として扱われている点も見落としやすいところです。関税庁の一覧では、궐련형(加熱式スティック)200本・니코틴용액(ニコチン液)20mL・기타유형(その他のタイプ)110gがそれぞれ独立した数値で示されていますが、電子タバコというカテゴリ全体としては、やはり1種類の扱いとしてどれか一つの枠しか使えません。加熱式デバイスとリキッド式VAPEの両方を持っている人は、どちらか一方の免税枠を選ぶ、という前提で荷造りを考えておくとよさそうです。
日本に帰るときの加熱式たばこの免税は「個装等10個」に半減していた
韓国側の免税範囲ばかりに気を取られがちですが、忘れてはいけないのが日本に帰国するときの免税範囲です。財務省税関が発行しているリーフレットによると、2021年10月1日から日本帰国時のたばこ類の免税数量が変更されており、加熱式たばこの免税数量は「個装等10個」となっています(2026年9月13日確認)。「個装等」とは、小売用として個装された箱またはパッケージのことを指します。
この「個装等10個」という数字、実は2021年9月30日までは「個装等20個」でした。つまり、加熱式たばこの免税数量は制度変更でちょうど半分になっています。紙巻きたばこの免税数量も同じタイミングで400本から200本に半減しているので、加熱式たばこだけが特別扱いされたわけではなく、たばこ類全体の免税枠が縮小された流れの一部です。ネット上には「20個まで免税」という古い情報を引きずったままの記事も見られるため、直近で調べ直していない情報は要注意です。あわせて、紙巻きたばこは200本、葉巻たばこは50本、その他のたばこ(パイプたばこなど)は250gが現行の免税数量です。免税枠は「それぞれの種類のたばこのみを購入した場合の数量」であり、複数の種類を組み合わせて買った場合はこの数量がそのまま当てはまるわけではない、という注記も税関のリーフレットに明記されています。
免税枠を超えたスティック・リキッドを持ち込むとどうなる?
韓国入国時、免税枠を超えるたばこ・リキッドを持っている場合は、휴대품신고서(携帯品申告書)で自己申告する必要があります。関税庁の案内では、自己申告をした場合、20万ウォンを超えない範囲で、該当物品にかかる関税の30%相当額が軽減されるとされています(2026年9月13日確認)。逆に、申告せずに持ち込んで課税対象になった場合は、納付すべき税額の40%相当額が加算税として徴収され、過去2年以内に2回以上未申告があった場合は60%相当額まで引き上げられます。
日本に帰国する際も同様に、免税範囲を超えるたばこ類は税関で申告が必要です。単純に申告し忘れただけであれば密輸罪として処罰されるわけではなく、通常は加算税の対象にとどまりますが、故意に隠したり、質問に対して虚偽の申告をしたりした場合は、密輸入罪として処罰される可能性があると案内されています。持ち込みたい量が多い人ほど、「バレなければいい」ではなく、正直に申告したほうが結果的に負担が軽く済むケースが多いという点は覚えておいて損はありません。
韓国国内でどこで吸える? 禁煙区域の過料
韓国国内でも、加熱式タバコや電子タバコを吸える場所は年々狭まっています。報道によれば、改正された담배사업법(タバコ事業法)により、合成ニコチンを原料とした液状型電子タバコもタバコ規制の対象に含まれるようになりました。これにより、紙巻きたばこ・加熱式タバコ・液状型電子タバコのいずれも、금연구역(クムヨングヨク=禁煙区域)では使用できず、違反した場合は10万ウォン以下の過料が科されるとされています(2026年9月13日確認、施行日は報道内で「当日から」とのみ言及されており、正確な日付までは確認できていません)。
日本にいるときの感覚で「加熱式タバコなら分煙エリアじゃなくても大丈夫」と思っていると、思わぬところで過料の対象になりかねません。カフェや飲食店の屋内はもちろん、公共施設の敷地内やバス停周辺など、禁煙区域に指定されているエリアは日本以上に細かく設定されている印象があります。路上喫煙全般の過料や禁煙区域の考え方についての詳しい整理は韓国の路上喫煙と過料に関する記事で扱っているので、現地での立ち回り方まで知りたい人はそちらもあわせて確認してみてください。
空港での喫煙所——確認できた範囲とできなかった範囲
「せめて空港内では落ち着いて吸いたい」という人向けに、喫煙所についても触れておきます。ただし正直に書くと、今回の調査ではインチョン国際空港公式サイトの施設案内ページから、喫煙室の正確な位置・数・営業時間を直接確認することができませんでした。個人ブログでは「屋内外あわせて複数箇所ある」といった情報が見られますが、これは公式情報ではないため、この記事では店舗のように「確認済み」として扱いません。
喫煙所を利用したい場合は、空港到着後にターミナル内の案内表示を確認するか、インチョン国際空港の公式サイトやカスタマーセンターに直接問い合わせることをおすすめします。空港によって、また保安検査の内側か外側かによっても喫煙所の有無・場所は変わってきます。乗り継ぎで長時間過ごす予定がある人は、事前に自分が利用するターミナルの喫煙所の有無だけでも公式で確認しておくと、現地で慌てずに済むはずです。空港へのアクセス自体に不安がある人はインチョン空港の喫煙エリアを整理した記事もあわせてチェックしてみてください。
空港・施設内の喫煙所の位置や営業時間は変更されることがあります。訪問前に必ず各空港・施設の公式サイトまたは現地の案内表示で最新情報を確認してください。
よくある質問
まとめ——出発前にチェックしたい5つのポイント
加熱式タバコや電子タバコを使っている人が韓国旅行の前に押さえておきたいのは、「免税本数がいくつか」という一点だけではありません。デバイス本体をどう運ぶか、機内でどう振る舞うか、現地でどこなら吸えるのかまで含めて考えておくと、当日慌てずに済みます。特に日本帰国時の加熱式たばこの免税数量が「個装等10個」に半減している点は、古い情報のまま止まっている記事も多いため、あらためて確認しておく価値があります。
- デバイス本体・予備バッテリーは預け荷物NG。機内への手荷物持ち込みのみ(2026年9月13日確認)
- 機内での使用・充電は全便で禁止。加熱式でも煙感知センサーに反応する可能性あり
- 韓国入国時のスティック免税は200本、リキッドは20mL(ニコチン濃度1%未満)まで。いずれか1種類のみ
- 日本帰国時の加熱式たばこ免税は個装等10個(2021年10月〜、以前の20個から半減)
- 禁煙区域での喫煙は韓国でも過料の対象。液状型電子タバコも規制対象に含まれる
免税本数の一覧そのものをもっと詳しく知りたい人は韓国に持ち込める酒・タバコの免税範囲の記事、モバイルバッテリーなどリチウム電池全般の機内ルールについてはモバイルバッテリーの機内持ち込みルールの記事、日本に帰国するときの税関手続き全般については日本帰国時の税関手続きの記事で詳しく整理しています。液体物の機内持ち込みルールが気になる人は機内持ち込み液体のルールの記事、韓国に食品を持ち込みたい人は検疫・食品持ち込みの記事もあわせてチェックしてみてください。
参考・出典
- 韓国関税庁「알아두면 유익한 여행자 휴대품 통관 길라잡이」(담배의 면세 기준 등) https://admin-quick.com/img-quick/boardimage/2023-여행자휴대품통관.pdf (2026年9月13日確認)
- 韓国関税庁公式サイト「여행자 휴대품 통관」 https://customs.go.kr/kcs/cm/cntnts/cntntsView.do?mi=2837&cntntsId=829 (2026年9月13日確認)
- 財務省税関「たばこの免税数量が変更されます」リーフレット https://www.customs.go.jp/kaigairyoko/cigarette_leaflet_j.pdf (2026年9月13日確認)
- 税関「海外旅行者の免税範囲」 https://www.customs.go.jp/kaigairyoko/menzei.htm (2026年9月13日確認)
- 大韓民国政策ブリーフィング「3월부터 보조배터리 기내 선반 보관 금지…비닐백 담아 소지해야」 https://www.korea.kr/news/policyNewsView.do?newsId=148939574 (2026年9月13日確認)
- 京郷新聞「3월부터 승인된 보조배터리만 기내 반입···충전 행위도 금지」 https://www.khan.co.kr/article/202502131400001 (2026年9月13日確認)
- アシアナ航空公式「보조배터리·전자담배 기내 반입 기준 및 보관 방법 안내」 https://m.flyasiana.com/C/KR/KO/customer/notice/detail?id=CM202604100002528761 (2026年4月20日付・2026年9月13日確認)
- ANA公式「機内持ち込み、お預かりに条件があるもの」 https://www.ana.co.jp/ja/jp/guide/boarding-procedures/baggage/international/caution-restriction03/ (2026年9月13日確認)
- イーデイリー「전자담배도 과태료 10만원…오늘부터 금연구역서 단속」 https://www.edaily.co.kr/News/Read?newsId=02125446645485000 (2026年9月13日確認)

