海はきれいだけど、泳ぐ自信はない。そんな人ほど、実は襄陽のサーフィンに向いているのかもしれません。
襄陽(ヤンヤン)は竹島海岸を中心に、国内サーフショップの約3分の1が集まる韓国東海岸随一のサーフタウンです。ソウルからは高速バスで約2時間強、体験レッスンは泳げない人でも参加できるという案内が一般的で、道具はレンタルが基本になっています。波が良いとされるのは秋から冬にかけてで、海水浴場の開設期間とは関係なく通年で楽しめます。
なぜ襄陽が「韓国サーフィンの聖地」と呼ばれるのか
襄陽郡の公式観光サイトは、郡内のサーフィン拠点として雪岳・河趙台・箕沙門・竹島・南涯・元浦の6エリアを紹介しています。中でも竹島(チュクト)海岸は水深が浅く、海への恐怖心が強い初心者に向くとされ、2009年ごろからサーフスクールが集まってきた経緯があります。「まずどこへ行けばいいか分からない」という人は、竹島海岸を軸に考えるのが分かりやすいはずです。
竹島海岸のすぐ南には仁邱(イング)海岸が隣接し、この一帯は「襄陽サーフィンロード」と呼ばれています。北東・南東・正東の3方向からの波のうねりをすべて受けられる地形のため、サーフポイントが多様で、四季を通じて波が発生しやすいと公式サイトは説明。国内のサーフショップの約3分の1がこのエリアに集中しているというから驚きです。
拠点ごとの個性もはっきりしています。河趙台(ハジョデ)海岸は幅約100m・長さ約1,000mの広い砂浜でサンドバー(砂州)が形成されやすく、箕沙門(キサムン)は江原道のサーフィン文化発祥地とされる歴史あるエリアです。南涯(ナメ)や元浦(ウォンポ)はロングボード向き、あるいは漁村の風情を楽しめるなど、レベルや好みで選び分けられるのが襄陽らしさかもしれません。
「結局、初心者はどこがいいの」を一言でいえば竹島・仁邱エリア。このあと紹介する体験レッスンも、多くがこのあたりのサーフスクールを起点にしています。
| 拠点 | 特徴 | 向く人 |
|---|---|---|
| 竹島・仁邱 | 水深が浅く波が近くで崩れる/サーフショップ集積 | 初心者 |
| 河趙台 | 広い砂浜とサンドバー/春は北風が強い | 中級者以上 |
| 箕沙門 | サーフィン文化発祥地/住宅地に近い | 落ち着いた雰囲気派 |
| 南涯 | 漁村体験村/夏は遊泳区域と分離 | 家族連れ |
| 元浦 | ロングボード向き/潮の流れに注意 | 経験者 |
| 雪岳 | 水深のある港に上級者が集まる | 上級者 |

ソウルから襄陽へ―高速バスと空港の選び方
襄陽へのアクセスの基本は高速バスです。東ソウル総合ターミナルから襄陽行きの便が出ており、時刻表を集約するサイトによれば始発は7時ごろ、終発は20時台、所要時間の目安は約2時間10分とされています。ただし本数や時刻は季節や曜日で変わるため、乗車前に公式アプリやターミナルの窓口で最新情報を確認するのが安心です。
もっと速く着きたい人には、KTXで江陵(カンヌン)まで移動し、そこから襄陽方面へ乗り継ぐルートもあります。江陵までの行き方はソウルから江陵へのKTXガイドで詳しく紹介していますが、荷物が多いサーフィン旅では、乗り継ぎの手間がない直通の高速バスのほうが気楽だと感じる人も多いはずです。
空路という選択肢もあります。襄陽国際空港はかつて定期便がほとんど飛ばない時期が長く続いていましたが、2025年9月30日にパラタ航空が襄陽〜済州路線の運航を始め、同年11月からは1日2便体制に。2026年3月29日〜10月24日は運航時間帯が固定されているとの案内があります。ただし同社は同年2月に強風で引き返した実績もあり、変わりやすい路線だと考えておきたいところ。
国際線については、2026年4月にパラタ航空が襄陽〜上海路線の運航権を取得し、年内の就航を予定していると報じられていますが、本記事の執筆時点で実際に就航したかどうかまでは確認できていません。空路を検討するなら、必ず空港公式サイトの運航スケジュールで直前まで確認を。高速バスの一般的な乗り方は韓国の高速バス完全ガイドもあわせてどうぞ。
襄陽国際空港の路線は運休・再開を繰り返してきた経緯があります。「今飛んでいるから大丈夫」と決めつけず、搭乗前に必ず公式サイトの運航スケジュールを確認してください。
体験レッスンの申し込み方・流れと所要時間
体験レッスンは、竹島・仁邱エリアに集まるサーフスクールの公式サイトやSNS、電話で予約するのが一般的な流れです。韓国観光公社の体験記事によると、レッスンは庭や浜辺での理論講習(それぞれ約30分ずつ)、陸上でのボード操作の基礎練習、海での実習という順で進むケースが紹介されています。
海での実習は合計3時間のプログラムのうち2時間ほどを占め、講師が波に押し出すタイミングに合わせて起き上がる動作をひたすら繰り返す、という説明がありました。「1回で立てるか不安」という人も多いはずですが、繰り返し練習が前提の構成だと考えれば、少し気が楽になるかもしれません。
料金については事業者ごとに幅があり、統一された公的な相場は確認できませんでした。予約サイトやスクールの公式ページには具体的な金額が載っていますが、時期やキャンペーンで変わりやすいため、本文では金額を断定せず、申し込み時に各スクールの公式で最新料金を確認することをおすすめします。
定番観光を一通り終えた人にとっても、体験だけの日帰りサーフィンは新しい旅の形になりそうです。3回目以降の訪韓で「違うことをしてみたい」というニーズには3回目以降の韓国旅行モデルコースも参考にしてみてください。
ウェットスーツとボードのレンタル事情
初心者向けレッスンパッケージには、ソフトボード・ウェットスーツ・リーシュコード(足とボードをつなぐひも)が含まれるのが一般的とされています。手ぶらで浜辺に着いても、着替えとシャワーの場所さえ確認しておけば大きな不安はなさそうです。
季節によって必要なウェットスーツの厚みは変わります。秋から春にかけては5/4mm厚のフード付きスーツにブーツ・グローブを合わせるのが基本とされ、真冬にはさらに保温性を高めたドライスーツを使うサーファーもいるといいます。レンタル品がどこまで冬用に対応しているかはスクールごとに違うため、寒い時期に申し込むときは事前に確認しておくと安心です。
ボードもレベルに応じて選ばれます。初心者は浮力があり安定しやすいソフトボードから始め、慣れてきたらロングボードやショートボードへ移行するのが一般的な流れ。竹島エリアが初心者向きとされる理由の一つも、この「浅くて波が近くで崩れる」地形が、ソフトボードでの練習と相性がよいためだと考えられます。
- ウェットスーツ・ボード・リーシュコードはレンタル込みのパッケージが一般的
- 厚手のウェットスーツやドライスーツは冬季限定で用意されることがある
- 水着・タオル・着替えは自分で用意するのが基本
- 持ち込み道具がある場合は予約時に伝えておくと安心
ベストシーズンはいつ?秋〜冬の波と水温の目安
「サーフィンは夏のスポーツ」というイメージを持つ人は多いはずですが、襄陽を含む韓国東海岸の実情はむしろ逆です。夏の東海は波が穏やかで、初めての体験には向くものの、波の力を感じるにはやや物足りないとされています。
波が育つのは秋からで、北東からのうねりの影響を受けて波の高さと頻度が増すと説明されています。12月から2月の冬場は1年でもっとも大きく状態の良い波が入るとされ、国内のプロサーフィン大会が9月・10月に集中して開催されるのも、この時期の波質の良さを裏づけています。
気になる水温は、表層で8月ごろ約24度、11月ごろには約14度まで下がるとされ、真冬でも8度を下回ることは少ないという情報があります。ただし体感には個人差が大きいため、あくまで目安として捉えてください。
「水が冷たいのは我慢比べでは」と思うかもしれませんが、5/4mm厚のフードスーツとブーツ・グローブを組み合わせれば、冬でも顔以外はほぼ守られるといわれています。加えて冬は観光の閑散期にあたり、航空券や宿泊費を抑えやすい時期でもあります。服装の目安は韓国の季節別服装ガイド、お得に旅する工夫は韓国閑散期の旅行ガイドを参考にしてみてください。
| 時期 | 波の傾向 | 向く人 |
|---|---|---|
| 夏(6〜8月) | 波は穏やかで水温も高め | 初めての体験レッスン |
| 秋(9〜11月) | 北東うねりで波が育つ・プロ大会シーズン | 波の力を試したい人 |
| 冬(12〜2月) | 1年で最も大きく状態の良い波 | 防寒装備がある経験者 |
泳げなくても参加できる?初心者が気になること
「泳げないのにサーフィンなんて無理では」と感じる人は少なくないはずです。実際、韓国観光公社が公開している体験記事では、泳ぎが得意ではない著者がレッスンを完走した様子が紹介されており、講師が「人は水に落ちれば一度は浮かび上がるようにできている」と説明していたと書かれています。
ただしこれは1件の体験記事の記述であり、公的な安全基準として保証されたものではありません。泳ぎに不安がある場合は、申し込み時点でその旨をスクールに伝え、必要ならマンツーマンに近い形での指導を相談するのが確実です。多くのスクールは初心者の様子を見ながら指導するとされていますが、体制はスクールごとに異なります。
ライフジャケットやリーシュコードなど浮力を助ける道具の有無も、スクールによって説明が変わってきます。「泳力に自信がない」ことをためらわず伝えるのが、結局いちばんの安全対策かもしれません。恥ずかしがる必要はまったくないはずです。
サーフィン以外の楽しみ方―ヤンリダンキルとビーチクラブ
襄陽サーフィンロードにはヤンリダンキルと呼ばれる通りがあり、カフェやレストラン、ゲストハウスが軒を連ねています。サーフィンで疲れた体を、海を見ながらのコーヒー1杯分の時間で癒やす。それがこのエリアらしい過ごし方のようです。
夜になるとゲストハウスやビーチクラブが主役になります。紹介記事によれば、バンドの生演奏やバーベキュー、ビーチパーティーを楽しめるゲストハウスがあり、ビーチクラブでは夜が更けるにつれて音楽がトロピカルからEDMへと変わり、盛り上がっていくといいます。
サーフィンはできなくても雰囲気だけ楽しみたいという人にとっても、このエリアは居心地がよさそうです。ただし施設ごとの営業状況や入場条件は変わりやすいため、本記事では特定の店名を挙げず、公式SNSなどで最新情報を確認することをおすすめします。
安全にサーフィンを楽しむために知っておきたいこと
海のレジャーである以上、離岸流(イアンリュ)など海流のリスクは切り離せません。離岸流は沿岸から沖へ向かう強い流れで、韓国沿岸でも毎年注意喚起が行われており、海洋警察が体験型の啓発活動を続けています。
竹島海岸では、2026年5月17日にスノーケリング中の40代男性が意識不明の状態で発見され、その後死亡が確認されたと報じられています(2026年9月8日確認)。監視員のいない非開設ビーチでは対応が遅れやすいという指摘もあり、遊泳やサーフィンが可能な区域かどうかは、必ず現地の看板や自治体・海洋警察の案内に従うようにしてください。
襄陽郡の公式サイトはサーフスクールを選ぶ際のチェックポイントとして、許可を受けた事業者か、有効なCPR資格や応急処置・人命救助の資格を持つ指導員がいるか、保険に加入しているかの3点を挙げています。値段だけで選ばず、この3点を確認できると安心材料が増えます。
万一のケガや事故に備えて、渡航前に旅行保険へ加入しておくことも実用的な備えです。マリンスポーツも補償対象になっているか、加入前にプランの内容を確認しておくと安心。保険選びの基本は韓国旅行保険の入り方ガイド、海外での安全確保全般については韓国旅行の安全ガイドにまとめているので、出発前に目を通しておくのがおすすめです。
- 離岸流や遊泳区域の可否は海洋警察・自治体の公式案内に従う
- スクールは許可の有無・指導員資格・保険加入を確認して選ぶ
- 「どんな状況でもボードを手放さない」のがサーファーの基本エチケット
- マリンスポーツ対応の旅行保険に加入しておくと安心
持ち物リストと服装の目安
レッスンにはウェットスーツとボードのレンタルが含まれるのが一般的なので、持ち物自体はそれほど多くありません。水着(ウェットスーツの下に着用)、濡れてもいいラッシュガードやTシャツ、大きめのタオルがあれば基本は足ります。
浜辺は日差しを遮るものが少ないため、日焼け止めは季節を問わず用意しておきたいところ。冬場は逆に、レッスン前後に羽織る防寒着とドライヤー、温かい飲み物があると、体が冷えきる前に立て直せます。
シャワー施設が併設されたスクールが多いとされますが、シャンプーやボディソープは持参が必要な場合もあります。コンタクトレンズを使っている人はメガネか使い捨てタイプを検討すると、波にもまれたときのストレスが減らせるはずです。
- 水着・ラッシュガード・大きめのタオル
- 日焼け止め(季節を問わず)
- 冬は防寒着・ドライヤー・温かい飲み物
- シャンプー等のアメニティ(要確認)
- コンタクトの人はメガネか使い捨てタイプ
よくある質問
まとめ
- 襄陽は竹島海岸を中心に、国内サーフショップの約3分の1が集まるサーフタウン
- ソウルからは高速バスで約2時間強、空路は運航状況の確認が必須
- 体験レッスンは理論・陸上練習・海での実習の順で進み、道具はレンタルが基本
- 波が良いとされるのは秋から冬。海水浴場の開設期間とは関係なく通年で楽しめる
- 離岸流や遊泳区域の判断は海洋警察・自治体の公式案内に従う
申し込み先や料金は変わりやすいので、行き先を決めたら各サーフスクールの公式サイトで最新情報を確認してから予約してください。
参考・出典
- 襄陽郡公式観光サイト(サーフィン紹介): https://tour.yangyang.go.kr/pub/funsurfing.do
- 襄陽郡公式観光サイト(サーフィンロード): https://tour.yangyang.go.kr/pub/yy10view.do?mode=v&seq=177
- 韓国観光公社「대한민국 구석구석」体験記事: https://korean.visitkorea.or.kr/detail/rem_detail.do?cotid=dbd7b056-b271-4c91-b759-7bab983b27b6
- 韓国空港公社 襄陽国際空港公式サイト: https://www.airport.co.kr/yangyang/cms/frCon/index.do?MENU_ID=100
- 江原日報(2026年襄陽地域海水浴場の開場情報): https://kwnews.co.kr/article/20260708500481
(2026年9月8日確認)

